神々の戦争   作:tuki21

130 / 130
第130話:慈愛の大地母神

「冗談。この程度の逆境で参ってちゃ、ヒーローじゃない。アテナの味方なんてできない。何より、プロにとって、こんなのピンチでも何でもない。あたしのターン!」

 

 不敵そのものの表情と口調で、咲夜(さくや)(はかり)に対して言い放つ。

 そして、全身を振りかぶるようなドロー。プロデュエリストでもある彼女は、こういうパフォーマンスも欠かさない。たとえ敵の前であろうとも、そんな自分と契約した小さな女神がいるのだ。多少の見栄は張ってもいいだろう。

 

 

咲夜LP8000手札3枚

ペンデュラムゾーン赤:なし青:なし

フィールド魔法ゾーン

モンスターゾーン 

魔法・罠ゾーン 1枚

 

 

秤LP8000手札2枚

ペンデュラムゾーン赤:なし青:なし

フィールド魔法ゾーン

モンスターゾーン 捕食植物キメラフレシア(攻撃表示)、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴン(攻撃表示)、

魔法・罠ゾーン 捕食惑星

 

 

「ドロー! EN-ウェーブを発動。伏せていた戦線復帰を発動して、墓地から(ネオスペーシアン)・ブラック・パンサーを特殊召喚!

 そして、ネオスペース・コネクターを召喚!」

 

 咲夜の伏せカードが翻り、彼女のフィールドに二つの影が現れる。

 マントを身に纏った黒豹に、子供くらいの背丈の宇宙人型モンスター。

 咲夜の声がさらに続く。

 

「ネオスペース・コネクターの効果で、デッキからN・グラン・モールを特殊召喚するわ。さらにネオスペース・コネクターのもう一つの効果! このカードをリリースして、墓地のネオスを特殊召喚!」

 

 新たに現れるドリル型のアーマーを身に纏ったモグラに、ネオスペース・コネクターと入れ替わる形で現れた、E・HERO(エレメンタルヒーロー) ネオス。ネオスと、二体のネオスペーシアンがそろった。

 

「あたしは、ネオスとブラック・パンサー、それとグラン・モールでトリプルコンタクト融合!」

 

 咲夜のフィールドにいる三体のモンスターが光に包まれ、変化する。そしてそれぞれが一つに重なり、混ざり合った。

 

「異星の戦士よ、大地と闇の力をその身に受けて、星雲渦巻く重力を支配し、戦場を鎮めよ! トリプルコンタクト融合! E・HERO ネビュラ・ネオス!」

 

 三つの光が一つとなり、新たな戦士が誕生する。

 ブラック・ネオスを思わせる黒に彩られた体、グラン・ネオスをさらにグレードアップさせた緑のアーマー、腕のドリル。力強く、雄々しい声を上げて、咲夜のフィールドに降り立った。

 

「ネビュラ・ネオスと、ENウェーブの効果! 三枚ドローして、キメラフレシアの効果を無効化するわ。さらにENウェーブの効果で、墓地のエアーマンを特殊召喚!」

 

 まるで鞘から刀を抜き放つような気合とともに、咲夜は一気に三枚ドロー。それらを一瞥し、口元に笑みを浮かべた。

 

「これなら――――――。エアーマンの効果で、デッキからE・HERO バーストレディを手札に加えるわ。そして融合発動! 場のエアーマンと手札のバーストレディで、E・HERO フレイム・ウィングマンーフレイムシュートを融合召喚! 来て、原初のHEROの、その新たな姿!」

 

 融合召喚のエフェクトが走り、咲夜の頭上に現れた渦の中に、二体のHEROが飛び込んだ。

 現れたのは緑の体を持つ左右非対称のモンスター。

 右胸から肩、腕にかけてが赤く、その先端は五指ではなく、竜の(アギト)。背中の左側からのみ生えている純白の翼。E・HERO初期から存在していた融合モンスターだったが、ここに満を持してのリメイクモンスターだった。

 

「ENウェーブの効果で、デッキから二枚目のネオスを特殊召喚。そしてフレイム・ウィングマンーフレイムシュートの効果で、デッキからフェイバリット・ヒーローを手札に加えて、ネビュラ・ネオスに装備!

 さらにフレイム・ウィングマンーフレイムシュートのモンスター効果を発動! このカードをリリースして、EX(エクストラ)デッキからE・HERO(エレメンタルヒーロー) フレア・ネオスを、召喚条件を無視して特殊召喚するわ!」

 

 右手を大きく振り上げる咲夜。彼女の動きに合わせて、光の粒子となって消えるフレイム・ウィングマンーフレイムシュート。それを入れ替わるように現れたのは、フレア・スカラベの炎の力を身に着けて、属性も姿も変わったネオスの派生形態。

 

「フレア・ネオスの攻撃力は、フィールドの魔法、罠一枚につき、400アップする。今は800だけだけど、それはこれから上げていけばいいわね」

「800でも十分だ。少なくとも、奴のモンスターたちは打倒できる」

 

 戦況の傾きを感じ、アテナの声に力がこもる。咲夜は彼女の応えるように頷き、次いで秤に向き直った。

 

「バトルフェイズに入って、この瞬間にフェイバリット・ヒーローの効果を発動。デッキからフィールド魔法、ネオスペースを発動。これであたしのネオス達の攻撃力は500アップ。さらにフェイバリット・ヒーローの効果で、ネビュラ・ネオスの攻撃力は守備力分アップする」

「攻撃力6000……!」

 

 秤の表情に険しいものが走る。レアも、顔に張り付けていた微小がわずかに陰った。

 

「バトル! ネビュラ・ネオスでキメラフレシアに攻撃!」

 

 攻撃宣言が下り、ネビュラ・ネオスが背中のウィングパーツを広げて飛翔。目にもとまらぬ速さでキメラフレシアに肉薄し、右手のドリルを振りぬいた。

 ドリルに貫かれ、キメラフレシアは耳を塞ぎたくなるような絶叫を上げて千切れ飛んだ。

 

「ぐぅ……ッ!」

 

 ダメージのフィードバックで、秤の体が揺らぎ、表情が歪む。

 

「秤!」

 

 レアの気遣うような声。それを聞いて、アテナの表情が僅かに曇る。咲夜は気づかないフリをしてさらに言葉をつづけた。

 

「フェイバリット・ヒーローのもう一つの効果! このカードを墓地に送って、ネビュラ・ネオスはもう一度攻撃できる! このまま、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンに攻撃!」

 

 追撃。ネビュラ・ネオスは間髪入れずに左手をスターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンに向けてかざした。

 次の瞬間には、紫色の稲妻を迸らせた黒球が放たれ、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンに直撃。スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンは直撃した胸部を中心に圧縮され、絶叫の断末魔を上げて消滅した。

 

「この瞬間、スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンの効果発動! 君のモンスターを破壊する!」

「その程度! 予測済みだ! 咲夜」

「勿論! 手札から速攻魔法、ネオス・バリア発動! あたしのフィールドにネオスかその融合体がいる時、カードを破壊する効果を無効して、破壊する!」

 

 スターヴ・ヴェノム・フュージョン・ドラゴンの死骸から発される毒と瘴気を、ネオス達を囲む薄く光るバリアが防ぐ。カウンターが失敗し、秤の顔に浮かんでいた苦みが深くなる。

 

「フレア・ネオスでダイレクトアタック!」

 

 フレア・ネオスが全身に炎をまとわせ、一個の弾丸となって秤へと、正確には、その胸元にある無色の宝珠へと向かって突貫する。

 

「この一撃、受けるわけにはいかない。手札の捕食植物(プレデター・プランツ)セラセニアントを、自身の効果で特殊召喚する。無論、守備表示でな」

 

 立ちはだかるように、秤のフィールド、ネオス達の眼前に、新たなモンスターが現れる。見た目は植物のように緑の体、蟻の背中にセラセニアが生えた異形の姿。

 

「だったら、フレア・ネオスでセラセニアントに攻撃!」

 

 攻撃対象を変更した炎の一撃が、セラセニアントを打ち倒した。

 秤の声が飛ぶ。

 

「セラセニアントの効果発動! 戦闘を行ったフレア・ネオスを破壊し、さらにデッキから捕食植物(プレデター・プランツ)スピノ・ディオネアを手札に加える!」

 

 追撃は防がれた。咲夜は一息を吐いた。

 

「カードを二枚伏せて、ターンエンド」

 

 

ENウェーブ:永続魔法

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。(1):自分の「E・HERO」モンスターが融合モンスターの融合召喚の素材になり、墓地へ送られた場合または除外された場合に発動できる。デッキから「N」モンスターまたは「E・HERO ネオス」1体を特殊召喚する。(2):「N」モンスターまたは「E・HERO ネオス」が自分のフィールド・墓地から自分のデッキ・EXデッキに戻った場合に発動できる。自分の墓地から「E・HERO」モンスター1体を選んで特殊召喚する。

 

戦線復帰:通常罠

(1):自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

 

N・ブラック・パンサー 闇属性 ☆3 獣族:効果

ATK1000 DEF500

1ターンに1度、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。エンドフェイズ時まで、このカードは選択したモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る。

 

ネオスペース・コネクター 光属性 ☆4 戦士族:効果

ATK800 DEF1800

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。(1):このカードが召喚に成功した時に発動できる。手札・デッキから「N」モンスターまたは「E・HERO ネオス」1体を守備表示で特殊召喚する。(2):このカードをリリースし、自分の墓地の、「N」モンスターまたは「E・HERO ネオス」1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。

 

N・グラン・モール 地属性 ☆3 岩石族:効果

ATK900 DEF300

(1):このカードが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時に発動できる。その相手モンスターとこのカードを持ち主の手札に戻す。

 

E・HERO ネビュラ・ネオス 地属性 ☆9 戦士族:融合

ATK3000 DEF2500

「E・HERO ネオス」+「N・グラン・モール」+「N・ブラック・パンサー」

自分フィールドの上記カードをデッキに戻した場合のみ、EXデッキから特殊召喚できる(「融合」は必要としない)。(1):このカードがEXデッキからの特殊召喚に成功した場合に発動する。相手フィールドのカードの数だけ自分はデッキからドローする。その後、フィールドの表側表示のカード1枚を選び、その効果をターン終了時まで無効にする。(2):エンドフェイズに発動する。このカードをEXデッキに戻し、フィールドのカードを全て裏側表示で除外する。

 

E・HERO フレイム・ウィングマンーフレイムシュート 風属性 ☆8 戦士族:融合

ATK2100 DEF1200

属性が異なる「E・HERO」モンスター×2

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚に成功した場合に発動できる。自分のデッキ・墓地から「フェイバリット」カード1枚を選んで手札に加える。

(2):通常モンスターを素材として融合召喚したこのカードをリリースして発動できる。デッキ・EXデッキからレベル7以下の通常召喚できない「E・HERO」モンスター1体を召喚条件を無視して特殊召喚する。

 

E・HERO フレア・ネオス 炎属性 ☆7 戦士族:融合

ATK2500 DEF2000

「E・HERO ネオス」+「N・フレア・スカラベ」

自分フィールド上の上記のカードをデッキに戻した場合のみ、エクストラデッキから特殊召喚できる(「融合」魔法カードは必要としない)。このカードの攻撃力は、フィールド上の魔法・罠カードの数×400ポイントアップする。また、エンドフェイズ時、このカードはエクストラデッキに戻る。

 

ネオスペース:フィールド魔法

このカードがフィールド上に存在する限り、「E・HERO ネオス」及び「E・HERO ネオス」を融合素材とする融合モンスターの攻撃力は500ポイントアップする。また、「E・HERO ネオス」を融合素材とする融合モンスターは、エンドフェイズ時にエクストラデッキに戻る効果を発動しなくてもよい。

 

フェイバリット・ヒーロー:装備魔法

レベル5以上の「HERO」モンスターにのみ装備可能。

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):自分のフィールドゾーンにカードが存在する場合、装備モンスターは攻撃力が元々の守備力分アップし、装備モンスターを相手は効果の対象にできない。

(2):自分・相手のバトルフェイズ開始時に発動できる。自分の手札・デッキからフィールド魔法カード1枚を発動する。

(3):装備モンスターの攻撃で相手モンスターを破壊した時、このカードを墓地へ送って発動できる。その攻撃モンスターはもう1度だけ続けて攻撃できる。

 

ネオス・バリア:速攻魔法

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できず、このカードが墓地に送られたターンは発動できない。(1):自分フィールドに、元々のカード名が「E・HERO ネオス」またはそのカード名が記された融合モンスターが表側表示で存在する場合に発動できる。相手が発動した「フィールドのカードを破壊する効果」を持つカードの発動を無効にし、破壊する。(2):???

 

捕食植物セラセニアント 闇属性 ☆1 植物族:効果

ATK100 DEF600

「捕食植物セラセニアント」の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。(2):このカードが相手モンスターと戦闘を行ったダメージ計算後に発動できる。その相手モンスターを破壊する。(3):フィールドのこのカードが効果で墓地へ送られた場合、または戦闘で破壊された場合に発動できる。デッキから「捕食植物セラセニアント」以外の「プレデター」カード1枚を手札に加える。

 

 

咲夜LP8000手札0枚

秤LP8000→4500→3800→1300手札2枚

 

 

「私のターンだ」

 

 ドローしたカードを確認した瞬間、秤の表情が僅かに固まり、目が見開かれた。

 ドローしたカードは分からない。だが咲夜は、このデュエルが本当にあれるのはここからだと思った。

 ため息が、秤の喉から漏れた。

 

「ここでこのカードを引くか……。どうやら、運命は悉く、神をご所望らしい」

 

 来る。咲夜とアテナは、相手がこのターンで神を召喚することを確信し、身構えた。

 

「まずはスタンバイフェイズ。キメラフレシアの効果で、デッキから簡易融合(インスタントフュージョン)を手札に加え、発動する。1000ライフを払い、EX(エクストラ)デッキから、捕食植物(プレデター・プランツ)アンブロメリドゥスを融合召喚扱いで特殊召喚する」

 

 残り1300のライフを300まで削り、現れたのはワニのような生態を持っていたとされる古生物、アンブロケトゥスをメインに、その背に原始的な食虫植物、パエパランツス・ブロメリオイデスが生えたような異形の植物モンスター。もっとも、捕食植物はたいてい異形の怪物だが。

 

「アンブロメリドゥスの効果発動。デッキから捕食接ぎ木(プレデター・グラフト)を手札に加える」

 

 サーチを行った後、もう一度、秤はため息をついた。心なしか、疲れを感じさせるものだった。

 

「レアの訪問を発動。発動時、私のライフは4000回復する。そのうえで、相手のライフが私よりも上であれば、デッキ、手札、墓地から神を――――慈愛の大地母神レアを、()()()()()()()()()()()()()()()

「なんだと!?」

「そういう手で来るわけね……ッ!」

 

 咲夜とアテナの眼前で、言い知れぬ圧力が増した。

 それは神が召喚される前触れ。神聖なる“場”が形成され、“門”を通って神が来る。

 現れた姿は、デュエル前に見たものと同じ、貞淑な女性のもの。

 蔓草でできたドレスに身を包み、地面まで伸びた金色の髪、緑樹のような碧眼。透き通るような白い肌。素足のまま得体のしれない床に降り立ち、彼女を中心に草花が咲き誇る。

 レアは笑顔で両手を広げ、踊るようにその場で回り始めた。まるで全身で、この戦いの空気を感じ、楽しむように。

 

「ああ、ああ! ついに出番ですね。出番が来たのね! だったら―――――」

 

 召喚されたレアの姿が突如として屹立しだした木々に阻まれて見えなくなる。

 樹木の海は一か所に集まり、レアを包み込むように収縮していく。

 ねじれ、重なり、一つとなった木々は巨大な竜の姿となり、その額を割って、上半身をあらわにしたのはレアだった。

 

「こうして、戦いのための姿を取るのも必然よね」

 

 楽しげな口調のまま、レアが嫣然(えんぜん)と微笑んだ。

 異変はそれだけではない。気づけば咲夜の足元、そこに投影された二枚の伏せカードが、蔓草の絡まれていた。

 

「これは……」

「レアが場にいる限り、私のターン中、君はフィールドで発動するカードの効果を発動できない。その伏せカードは延命かカウンターか知らないが、このターンは無意味だ」

 

 ある意味最強の制圧力。その効果を持つ神をこの場で召喚してきたということは――――

 

「奴は、このターンで決着をつける手段があるということか」

 

 アテナが歯ぎしりしそうな表情で呻いた。秤は言葉では何も語らず、ただ黙って眼鏡の位置を調整した。

 

「行こう。ここからは毒と腐食の時間だ。

 捕食植物スピノ・ディオネアを召喚。効果を発動し、ネビュラ・ネオスの上に捕食カウンターを置く」

 

 新たに現れたのは背中がハエトリグサに変化しているスピノサウルス。獰猛な頭部の口と、食虫植物特有の異形とも思える背中の口がよく目立つ。

 

「ここで、アンブロメリドゥスの効果を発動。捕食カウンターが乗ったネビュラ・ネオスをリリースし、デッキから二体目のサウデウ・キンジーを特殊召喚する」

 

 アンブロメリドゥスが意外なほど俊敏な動きでネビュラ・ネオスに肉薄し、その巨大な(アギト)を広げ、一瞬で捕食。植物の特性か、アンブロメリドゥスの体から零れ落ちた胞子が新たな種子となり、芽を出し成長し、二体目のサウデウ・キンジーとなった。

 

「さらに捕食カウンターを持つモンスターがフィールドから墓地に送られたため、捕食惑星の効果を発動。デッキから二枚目の捕食計画を手札に加える。

 ここで、私はレアの効果を発動する。一ターンに一度、私のデッキかEXデッキから、獣族か植物族モンスター一体を特殊召喚する。私はこの効果で、EXデッキから捕食植物(プレデター・プランツ)ドラゴスタペリアを特殊召喚する」

 

 レアの木竜の一部が爆ぜ、その中から現れる新たなモンスター。

 見た目はドラゴンと多肉植物、スタペリアが合成したような姿。

 ほとんどはドラゴンだが、翼の内側が毒々しく、腐肉臭を発している。

 

「ドラゴスタペリアの効果発動。君のネオスに捕食カウンターを置く。さらにサウデウ・キンジーの効果発動。君のネオス、私のサウデウ・キンジー、そしてスピノ・ディオネアの三体で、捕食植物(プレデター・プランツ)トリフィオヴェルトゥムを融合召喚。咲け、三首の毒花! 腐敗し、腐食し、腐肉を喰らえ! 捕食植物トリフィオヴェルトゥム!」

 

 新たに融合召喚される植物モンスター。

 ただし外見は動物、というより怪物的だ。

 三つ首の頭部、ヒト型に近い、竜種の体格、背から生えた一対の翼、体中を覆う、ドラゴンのごとき外骨格、そして、全身から放たれる毒々しい瘴気。

 

「トリフィオヴェルトムの融合召喚をトリガーに、墓地の捕食計画の効果を発動する。闇属性の融合召喚に成功した時、墓地のこのカードを除外することで、相手のカードを一枚破壊する。私は、ENウェーブを破壊する」

 

 伏せカードに目もくれず、永続魔法を破壊したのは、レアがいる限り防御も妨害もされないという確信と、このターンで決めるという心持か。例え手札からモンスターを特殊召喚する手段を咲夜が持っていても、ネオスペースを割って万が一のバンプアップの目も潰すつもりだ。

 

「まだでしょう、秤。まだ手を緩めるつもりはないのでしょう?」

 

 とレア。秤は黙って頷き、手札からカードを繰り出した。

 

「捕食接ぎ木発動。墓地の捕食植物キメラフレシアを特殊召喚」

「徹底的に、こちらを潰すつもりか……!」

 

 アテナの表情が、悔し気に歪められる。咲夜は何も言わなかったが、険しい表情を崩さないし、その頬には汗が一筋、流れ落ちた。

 

「バトルだ。我がモンスターたちでダイレクトアタック。引き潰れてしまうといい」

 

 咲夜のライフはここまで一切削れていなかったが、今の秤のモンスターたちの総攻撃を受ければあっさりと0になる。しかも伏せカードはレアの効果によって発動できない。

 絶体絶命の状況。だが咲夜の瞳に諦めはなかった。

 

「終わらない! 墓地のネオス・バリアの効果! あたしのメインフェイズか、相手のバトルフェイズに、墓地のこのカードを除外することで、二つの効果のうち一つを選択して発動できる。あたしは、このターンに受けるすべてのダメージを半分にする!」

「なんと……」

 

 呆然と呟く秤。だが彼が契約した女神は意に介さない。

 

「ダメージが半分になろうとも、宝珠を砕いてしまえばいいのです。さぁ、砕けなさい! その命ごと!」

 

 レアの木竜が大きく口を開いた。

 口腔の中から光がほとばしる。なんだかわからないが、絶対に喰らってはならない攻撃。そう判断した咲夜はいち早くその場を飛びのいた。

 一瞬後に、咲夜を追って木竜の口腔内から光の一閃が放たれる。

 会費はぎりぎり間に合って、直撃は避けた。

 だが余波はそうはいかない。一瞬の沈黙の後に訪れた衝撃波が咲夜を捉え、その殻をもみくちゃにする。

 

「くぁ!」

 

 宝珠は庇えた。だが咲夜の体は空中でかき回され、乱暴に床に叩きつけられた。

 

「かは……!」

 

 肺の空気が吐き出されて、息が詰まる。空中を転がされたために三半規管が揺らぐ。幸いうつぶせの形だったが、今の自分の立ち位置がわからない。

 神の一撃、まともに喰らえばライフが残っていても宝珠が砕け散りかねない。

 

「咲夜! 上からくるぞ!」

 

 それでも聞こえてくるパートナー(アテナ)の声、咲夜のぐにゃぐにゃとした意識が僅かに覚醒した。

 見ることはしない。その場を転がって退避する。その頭上に叩きつけるはずだったアンブロメリドゥスの踏みつけ(フットスタンプ)をかろうじて回避する。

 だがそこまでだった。続くトリフィオヴェルトゥムの三つの口から放たれる毒の吐息(ブレス)を躱し切ることはできなかった。

 

「う……!」

 

 毒とはいえ実際に咲夜の体を蝕むわけではない。息が詰まる衝撃が咲夜を襲う。

 

「くぅ……だけど、まだ!」

 

 宝珠に傷はない。守れたのだ。

 直後に飛んでくるキメラフレシアの触手による一撃。鞭というにはあまりに巨大なそれを、咲夜は全身で受けた。

 宝珠は庇ったがその軽い体はあっけなく吹き飛ばされて、壁に背中から叩きつけられた。

 

「かは……ッ!」

 

 臓物でできたような床に落ちる。体が震えて、立ち上がれない。

 息が詰まり、激痛で溢れた涙のせいで視界がにじむ。全身が、痛みという名の鎖で雁字搦めにされたようだ。

 

「咲夜!」

 

 アテナの声が聞こえる。心配することはないと微笑んでみたがうまくいったか分からない。

 

「大、丈夫よ……。このくらい、たいしたことないわ。宝珠も無事だしね」

 

 立ち上がる。膝が震えることはばれているだろうか? だとしても、それを指摘しないのはありがたい。

 秤はそんな咲夜の様子を見て、メガネの位置を直して言った。

 

「耐えたか……。だが、それでもこの状況、君にとっては絶体絶命、というやつだろう」

 

 事実だ。咲夜のライフは風前の灯火で、秤のフィールドには(レア)を筆頭に、強大な捕食植物モンスターが存在している。

 だが咲夜は笑う。不敵に。怖いものなど何もないと言わんばかりに。

 そして言う。絶大な自信を込めて。

 

「そうね。だけどそんなことは()()()()()()()。プロだったらね」

「…………そのようだ。申し訳ない。侮辱だったな。ならば、改めて、潰すだけだ。カードを一枚伏せて、ターンエンド。エンドフェイズに、簡易融合の効果で特殊召喚されたアンブロメリドゥスを破壊する」

 

 

簡易癒合:通常魔法

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):1000LPを払って発動できる。レベル5以下の融合モンスター1体を融合召喚扱いでEXデッキから特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは攻撃できず、エンドフェイズに破壊される。

 

捕食植物アンブロメリドゥス 闇属性 ☆5 植物族:融合

ATK1000 DF2500

「捕食植物」モンスター×2

このカード名の①②の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが融合召喚した場合に発動できる。自分のデッキ・EXデッキ(表側)・墓地から「捕食植物」モンスター1体か「プレデター」魔法・罠カード1枚を手札に加える。

(2):相手フィールドの捕食カウンターが置かれているモンスターまたは自分フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターをリリースし、デッキから「捕食植物」モンスター1体を特殊召喚する。

 

レアの訪問:通常魔法

(1):このカードの発動に成功した時、、自分のライフを4000回復する。その後、自分のライフが相手よりも少ない場合に発動できる。デッキから「慈愛の大地母神レア」を召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果を発動する時、相手は魔法、罠、モンスター効果を発動できない。

 

慈愛の大地母神レア 神属性 ☆10 幻神獣族:効果

ATK4000 DEF4000

このカードは特殊召喚できない。このカードは3体のモンスターをリリースしてのみ通常召喚できる。(1):このカードは神属性、幻神獣族モンスターの効果以外のカード効果ではフィールドを離れず、コントロールも変更されない。(2):このカードが相手のカードの効果を受けた時、エンドフェイズにこのカードに対するそのカード効果を無効にする。(3):1ターンに1度発動できる、自分のデッキ、EXデッキから、植物族または獣族モンスター1体を特殊召喚する。(4):このカードが表側表示で存在する場合、このカードの持ち主のターン中、相手はフィールドで発動するカードの効果を発動できない。

 

捕食植物スピノ・ディオネア 闇属性 ☆4 植物族:効果

ATK1800 DEF0

(1):このカードが召喚・特殊召喚に成功した場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターに捕食カウンターを1つ置く。捕食カウンターが置かれたレベル2以上のモンスターのレベルは1になる。(2):このカードがこのカードのレベル以下のレベルを持つモンスターと戦闘を行ったダメージ計算後に発動できる。デッキから「捕食植物スピノ・ディオネア」以外の「捕食植物」モンスター1体を特殊召喚する。

 

捕食植物ドラゴスタペリア 闇属性 ☆8 植物族:融合

ATK2700 DEF1900

(1):1ターンに1度、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターに捕食カウンターを1つ置く。捕食カウンターが置かれたレベル2以上のモンスターのレベルは1になる。この効果は相手ターンでも発動できる。(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、相手が発動した、捕食カウンターが置かれているモンスターの効果は無効化される。

 

捕食植物トリフィオヴェルトゥム 闇属性 ☆9 植物族:融合

ATK3000 DEF3000

このカード名の(2)(3)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。(1):このカードの攻撃力は、このカード以外の捕食カウンターが置かれているモンスターの元々の攻撃力の合計分アップする。(2):このカードが融合召喚されている場合、相手がEXデッキからモンスターを特殊召喚する際に発動できる。その特殊召喚を無効にし、そのモンスターを破壊する。(3):相手フィールドのモンスターに捕食カウンターが置かれている場合に発動できる。このカードを墓地から守備表示で特殊召喚する。

 

捕食計画:通常罠

このカード名の(1)(2)の効果はそれぞれ1ターンに1度しか使用できない。

(1):デッキから「捕食植物」モンスター1体を墓地へ送って発動できる。フィールドの全ての表側表示モンスターに捕食カウンターを1つずつ置く。捕食カウンターが置かれたレベル2以上のモンスターのレベルは1になる。

(2):このカードが墓地に存在する状態で、自分が闇属性モンスターを融合召喚した場合、このカードを除外し、フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを破壊する。

 

捕食接ぎ木:装備魔法

(1):自分の墓地の「捕食植物」モンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを特殊召喚し、このカードを装備する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。

 

ネオス・バリア:速攻魔法

このカード名の(2)の効果は1ターンに1度しか発動できず、このカードが墓地に送られたターンは発動できない。(1):自分フィールドに、元々のカード名が「E・HERO ネオス」またはそのカード名が記された融合モンスターが表側表示で存在する場合に発動できる。相手が発動した「フィールドのカードを破壊する効果」を持つカードの発動を無効にし、破壊する。(2):自分のメインフェイズまたは相手のバトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。以下の効果のうち1つを選択して発動する。

●このターン、元々のカード名が「E・HERO ネオス」またはそのカード名が記された融合モンスターはカードの効果で破壊されない。

●このターン、自分が受けるダメージは全て半分になる。

 

 

咲夜LP8000→1900手札0枚

秤LP1300→300→4300手札0枚

 

 

「咲夜ターンに入る前に、少し状況を整理しよう」

 

 ターン開始時、カードをドローしようと手を伸ばす咲夜を制し、アテナが声をかけてきた。

 パートナーの珍しい意見に、咲夜は一瞬驚いたように目を丸くしたが、軽く微笑んで頷いた。

 

「そうね。そうしましょうか」

 

 言いながら、咲夜が自分のフィールドと、秤のフィールドを俯瞰的に観察してみた。

 咲夜のフィールドには二枚の伏せカードと、表側のネオスペース。モンスターはおらず、手札は今からドローする一枚のみ。

 対する秤のフィールドは強力だ。

 伏せカードは先ほど手札に加えた捕食計画で間違いない。ほかに手札がないので確定だ。

 もっとも厄介なのはレアだが、見た目に反してその効果は攻撃的。今、咲夜のターンならば伏せている二枚のカードは使える。だがターンが秤に渡れば、この伏せカードは封殺され、今度こそ咲夜のライフは尽きる。今度は宝珠を守れないかもしれない。

 そしてレア以外にも厄介なモンスターは多い。

 自身の強化と敵の弱体化を同時に行うキメラフレシア。伏せられた捕食計画によってこちらのモンスターに捕食カウンターが載せられれば、トリフィオヴェルトゥムの攻撃力は急激に上がり、ドラゴスタペリアによって効果も無効化される。

 

「さらにドラゴスタペリアはフリーチェーンでモンスター一帯に捕食カウンターを載せられる。我々の逆転のカードがモンスターだった場合、その効果を使って捕食カウンターを載せられれば、効果を無効にされ、反撃の手段は一瞬で沈黙させられる」

 

 アテナの着眼点は正解で、言葉にするからこそ咲夜の絶体絶命っぷりが際立ってくる。

 

「だけど、()()()()()()()。全て、このドローに賭ける! あたしのターン、ドロー!」

 

 まるで鞘から刀を抜き放つように、咲夜はカードをドローする。そしてドローカードを確認し、口元に笑みを浮かべた。

 

「来た! ネオス・フュージョン発動! デッキのネオスとグラン・モールを素材に、グラン・ネオスを特殊召喚!」

 

 ドローカードをそのままデュエルディスクにセット。彼女のフィールドに、巨大なドリルを腕に換装した緑色の鎧に身をまとったネオスの新たな姿が現れる。

 現れたHEROを見て、秤の目が細められる。

 

「グラン・ネオスの効果! ドラゴスタペリアを手札に戻す!」

 

 グラン・ネオスのドリルが高速回転を開始する。回転がそのまま空間を抉り、穴をあける。その寸前に、秤の声が飛んだ。

 

「ならばドラゴスタペリアの効果を発動。グラン・ネオスの上に捕食カウンターを置く。そしてドラゴスタペリアの永続効果により、グラン・ネオスの効果は無効になる」

「それは分かってる! だからこれよ!」

 

 咲夜の伏せカードの一枚が翻る。瞬間、レアが目を見開き、秤の眉根も動く。

 

「スキル・プリズナー! グラン・ネオスを対象にしたドラゴスタペリアの効果を無効にする!」

 

 いかずちに打たれたかのように、ドラゴステペリアの姿が硬直する。そして、背後に開いた空間の穴に吸い込まれていった。

 

「く……!」

 

 秤の脳裏に一瞬よぎる、選択ミスという言葉。

 だがすぐにそれはないと首を振る。例えドラゴステペリアの効果ではなく、伏せた捕食計画を発動しても、スキル・プリズナーを温存され、()()()()()()()

 

「これが最後! リバースカードオープン! フェイバリット・コンタクト! 墓地のネオスとフレイム・ウィングマンーフレイムシュートをデッキに戻して、E・HERO(エレメンタルヒーロー) シャイニング・ネオス・ウィングマンを融合召喚!」

 

 融合召喚のための渦が咲夜の頭上に展開され、その中心部に向かって、彼女のモンスター二体が飛び込んだ。

 渦の中心から現れる新たな光、新たな力。

 現れたのは、素体はE・HERO ネオス。その身にE・HERO シャイニング・フレア・ウィングマンのアーマーを装着した姿。

 白く光り輝く翼の戦士。背中の翼を広げ、空に滞空しながら両目がしっかりと秤とレア。そして彼らのモンスターを見下ろしていた。

 小さな体を震わせて、アテナが叫ぶ。

 

「これが咲夜の、そして我らの切り札だ!」

「シャイニング・ネオス・ウィングマンの効果発動! 特殊召喚時にフィールドにある属性の数まで、相手のカードを破壊する!」

 

 咲夜の言葉を、アテナが引き継ぐ。

 

「フィールドのモンスターの属性の種類は光、闇、地、そして神! つまり四枚のカードを破壊できる!」

「破壊するのは、攻撃表示になっている三体の捕食植物! そして伏せカード!」

「そんな――――――!」

 

 黙したままの秤。反対に、レアは目を見開き絶句している。

 己の孫ともいえる存在に、今打倒されようとしている。皮肉にも、かつての神代で、彼女が夫を裏切った結果が今、彼女自身に返ってきた。

 シャイニング・ネオス・ウィングマンの全身が光り輝き、そこから枝分かれした四つの光が光の弾丸となって飛来。秤のフィールドにいた三体の捕食植物と伏せカードを打ち抜き消滅させた。

 

「シャイニング・ネオス・ウィングマンはあたしの墓地のモンスター一一体につき、攻撃力を300アップさせる。あたしの墓地のモンスターは合計十二体。よってシャイニング・ネオス・ウィングマンの攻撃力は3600アップする!」

 

 攻撃力6700。レアを大きく上回っている。

 

「バトル! シャイニング・ネオス・ウィングマンでレアを攻撃!」

 

 攻撃宣言が下る。空を切り裂くように飛ぶシャイニング・ネオス・ウィングマン。右手に目を覆わんばかりの光がたまる。

 

「く――――――!」

 

 レアを構成する木竜の口が開かれ、同じく白い光線を放つ。

 貫くような一閃を身を捻って躱し、距離を詰めるシャイニング・ネオス・ウィングマン。飛行の勢いを載せて、光をためた右拳を振りぬいた。

 

「が――――――!」

 

 光の一撃は木竜に半ば埋没していたレアの胸部を貫いた。

 神の巨体が崩れていく。崩壊の木片が雨のように降り注ぐ。

 

「……ここまでか」

 

 己の敗北を確信してもなお、秤の表情にも口調にも動揺はない。ただ淡々と眼鏡の位置を直しただけだった。

 

「シャイニング・ネオス・ウィングマンの効果発動! 戦闘破壊したモンスターのもともとの攻撃力分のダメージを与える!」

 

 シャイニング・ネオス・ウィングマンが一瞬で秤との距離を詰めてきた。秤は反応できない。

 右腕を突き出すシャイニング・ネオス・ウィングマン。掌から放たれた閃光が、秤の胸元にある宝珠を撃ち抜き、粉々に砕いた。

 

 

ネオス・フュージョン:通常魔法

(1):自分の手札・デッキ・フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、「E・HERO ネオス」を含むモンスター2体のみを素材とするその融合モンスター1体を召喚条件を無視してEXデッキから特殊召喚する。このカードの発動後、ターン終了時まで自分はモンスターを特殊召喚できない。(2):「E・HERO ネオス」を融合素材とする自分フィールドの融合モンスターが戦闘・効果で破壊される場合、または自身の効果でEXデッキに戻る場合、代わりに墓地のこのカードを除外できる。

 

E・HERO グラン・ネオス 地属性 ☆7 戦士族:融合

ATK2500 DEF2000

「E・HERO ネオス」+「N・グラン・モール」

自分フィールド上の上記のカードをデッキに戻した場合のみ、エクストラデッキから特殊召喚できる(「融合」魔法カードは必要としない)。1ターンに1度、相手フィールド上のモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す事ができる。また、エンドフェイズ時、このカードはエクストラデッキに戻る。

 

スキル・プリズナー:通常罠

自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。また、墓地のこのカードをゲームから除外し、自分フィールド上のカード1枚を選択して発動できる。このターン、選択したカードを対象として発動したモンスター効果を無効にする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できない。

 

フェイバリット・コンタクト:通常罠

このカード名のカードは1ターンに1枚しか発動できない。

(1):自分の手札・フィールド・墓地・除外状態から、融合モンスターによって決められた融合素材モンスターを好きな順番でデッキの下に戻し、「HERO」モンスターを融合素材とするその融合モンスター1体をEXデッキから召喚条件を無視して特殊召喚する。この効果で「E・HERO ネオス」をデッキに戻した場合、お互いにこの効果で特殊召喚したモンスターをEXデッキに戻す事はできない。

 

E・HERO シャイニング・ネオス・ウィングマン 光属性 ☆8 戦士族:融合

ATK3100 DEF2500

「E・HERO ネオス」+「ウィングマン」融合モンスター

このカードは融合召喚でしか特殊召喚できない。

このカード名の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。

(1):このカードが特殊召喚した場合に発動できる。フィールドのモンスターの属性の種類の数まで、相手フィールドのカードを破壊する。

(2):フィールドのこのカードは、攻撃力が自分の墓地のモンスターの数×300アップし、効果では破壊されない。

(3):このカードが戦闘でモンスターを破壊した場合に発動する。そのモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手に与える。

 

 

秤LP0

 

 

「そんな……、これでは、クロノスを……。夫を、守れない……! そばにいられない……。そんなの、嫌……嫌よ……」

 

 かすれるような最期の言葉と無念を残して、レアは消滅した。

 相棒の神が消えても、秤に動揺は見られない。

 ただ神々の戦争に参加する権利を失い、部外者となった今、彼の体はこのバトルフィールドにいられず、強制退去という形で消えかけている。

 そんな自分の状態を見ても、秤は淡々と眼鏡の位置を直すだけだ。

 

「ここまでか。そうか……」

 

 内心を伺うことのできない呟きを漏らして、秤の体は完全に消失した。

 

「……行こう、咲夜。戦いはまだ続く」

 

 アテナは咲夜には顔を見せずに、そう言った。咲夜はただ頷くだけだった。それしかできなかった。

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※評価値0,10は一言の入力が必須です。参考:評価数の上限
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。