夜の自然公園。
昼間は周辺住民の憩いの場として人々に愛される場所であったが、さすがに夜になると
そんな、本来は無人でもおかしくない公園。だが本来ならあってもいいはずの虫の気配さえない。
現実空間とは位相の違う、神々の戦争のバトルフィールド。
和輝LP4400手札2枚(うち1枚は暗黒竜 コラプサーペント)
ペンデュラムゾーン赤:なし青:なし
場 バトルフェーダー(守備表示)、ドッペル・ウォリアー(守備表示)
伏せ 0枚
烈震LP4500手札2枚
ペンデュラムゾーン赤:なし青:なし
場 レッド・デーモンズ・ドラゴン(攻撃表示)、オリエント・ドラゴン(攻撃表示)、クリアウィング・シンクロ・ドラゴン(攻撃表示)、永続魔法:
伏せ 3枚
バトルフェーダー 闇属性 ☆1 悪魔族:効果
ATK0 DEF0
(1):相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚し、その後バトルフェイズを終了する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。
ドッペル・ウォリアー 闇属性 ☆2 戦士族:効果
ATK800 DEF800
(1):自分の墓地のモンスターが特殊召喚に成功した時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。(2):このカードがS素材として墓地へ送られた場合に発動できる。自分フィールドに「ドッペル・トークン」(戦士族・闇・星1・攻/守400)2体を攻撃表示で特殊召喚する。
レッド・デーモンズ・ドラゴン 闇属性 ☆8 ドラゴン族:シンクロ
ATK3000 DEF2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードが相手の守備表示モンスターを攻撃したダメージ計算後に発動する。相手フィールドの守備表示モンスターを全て破壊する。(2):自分エンドフェイズに発動する。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、このカード以外のこのターン攻撃宣言をしていない自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
オリエント・ドラゴン 風属性 ☆6 ドラゴン族:シンクロ
ATK2300 DEF1000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードがシンクロ召喚に成功した時、相手フィールド上のシンクロモンスター1体を選択してゲームから除外する。
クリアウィング・シンクロ・ドラゴン 風属性 ☆7 ドラゴン族:シンクロ
ATK2500 DEF2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):1ターンに1度、このカード以外のフィールドのレベル5以上のモンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。(2):1ターンに1度、フィールドのレベル5以上のモンスター1体のみを対象とするモンスターの効果が発動した時に発動できる。その発動を無効にし破壊する。(3):このカードの効果でモンスターを破壊した場合、このカードの攻撃力はターン終了時まで、このカードの効果で破壊したモンスターの元々の攻撃力分アップする。
天輪の鐘楼:永続魔法
「天輪の鐘楼」はフィールドに1枚しか表側表示で存在できない。(1):自分または相手がS召喚に成功した場合に発動できる。そのプレイヤーはカードを1枚ドローする。
「俺のターンだ、ドロー!」
ターンは烈震から和輝に移る。ドローカードを一瞥で確認後、そのカードを手札に加える。
和輝の傍ら、半透明のロキが言う。
「敵は強大。どうする? 守る? それとも、反撃する?」
「当然反撃だ。ジャンク・シンクロンを召喚。効果で墓地からガード・オブ・フレムベルを特殊召喚する」
先ほど烈震も使った、オレンジの耐火服を着こんだ頭身の低い戦士族モンスターが出現。和輝の墓地に手を突っ込み、炎とその炎でさえも焼き尽くせない硬い表皮を持ったドラゴン、即ちガード・オブ・フレムベルを引っ張り上げた。
「レベル2のドッペル・ウォリアーに、レベル3のジャンク・シンクロンをチューニング!」
シンクロ召喚。緑の光る輪となったジャンク・シンクロン。その輪をくぐり、ドッペル・ウォリアーが二つの白い
その光星を貫く、光り輝く道。新たなシンクロモンスターを呼び出す道標。
「集いし
光の
「天輪の鐘楼の効果で一枚ドロー。さらにドッペル・ウォリアーの効果で、俺のフィールドに二体のドッペルトークンが特殊召喚される。
まだいくぞ。レベル1のバトルフェーダーに、レベル1のガード・オブ・フレムベルをチューニング!」
二度目のシンクロ召喚。先ほどの焼廻しのように、天に光の道が描きだされた。
「集いし
光の向こうからF1カーに手足と頭をつけたような、玩具のようなシンクロチューナーが現れる。勿論、このシンクロチューナーもまた、次なる布石だ。
「天輪の鐘楼とフォーミュラ・シンクロンの効果で、二枚ドロー! まだだ! レベル1のドッペルトークン二体に、レベル2のフォーミュラ・シンクロンをチューニング! ――――集いし
和輝がシンクロ召喚したのは、先ほど烈震も召喚した黒い剣士。
「天輪の鐘楼の効果で一枚ドロー」
「確かに、
確かに烈震の言うことは的を射ていた。今の和輝のモンスターでは反撃には程遠い。
しかし和輝は笑う。堂々と、不敵に。それが相手に伝わるように。
「慌てるなよ。今まではお前に合わせてシンクロばかりだったが、俺のデッキはシンクロ特化ってわけじゃないんでね。こんなギミックもあるのさ。手札のコラプサーペントを捨てて、速攻魔法、超融合発動! 俺の場のバルムンクと、お前の場のクリアウィング・シンクロ・ドラゴンを融合!」
「何!?」
「そう来たか!」
このデュエル初めて、烈震とトールの表情に驚愕が浮かぶ。和輝と烈震のフィールドの、ちょうど中間地点の空間が歪み、渦を作る。その渦に、バルムンクとクリアウィング・シンクロ・ドラゴンが吸い込まれた。
「魔界に轟く剣士よ、美しき翼の竜よ。今一つとなって波動の竜騎士へと変じよ! 融合召喚、現れろ、波動竜騎士 ドラゴエクィテス!」
渦の中から、新たなモンスターが現れる。
金縁の青い鎧、広げられた両翼、大地を打ち据える赤い尻尾、肩に担ぐように構えた
「やってくれたな」
「このくらいはな。ここからが反撃だ。ドラゴエクィテスの効果を発動する。お前の墓地のスクラップ・ドラゴンを除外し、その効果を得る」
ドラゴエクィテスは墓地のシンクロドラゴンをゲームから除外することで、ターン終了までその効果を使用できる。この除外するドラゴン族は相手の墓地でもいいので、場合にもよるが相手の戦力を削ぐこともできる。
だが和輝よりも先に烈震が動いた。
「ならば、その効果発動にチェーン。伏せていたリビングデッドの呼び声を発動。この効果で墓地からスターダスト・ドラゴンを特殊召喚する」
烈震の足元に伏せられた三枚のカードのうち、一枚が翻る。直後、光の粒をまき散らしながら、墓地から星の輝きを秘めた竜が復活する。
「?」
訝しげな顔をする和輝。和輝がドラゴエクィテスの効果に選択したのはスターダスト・ドラゴンではなく、スクラップ・ドラゴンだ。リビングデッドの呼び声で復活させるなら、スターダスト・ドラゴンではなくスクラップ・ドラゴンではないのか?
(どちらにしろ、スクラップ・ドラゴンの効果は発動できないな。してもスターダスト・ドラゴンで防がれる)
まぁいいと、和輝は思考を切り替えた。できればバックの一枚でも割っておきたかったが、叶わないなら仕方がない。
「俺は墓地の黒白の魔導師の効果発動。このカードをゲームから除外することで、俺は手札か墓地のバスター・ブレイダーかブラック・マジシャンを特殊召喚できる。俺は、墓地のブラック・マジシャンを特殊召喚する」
和輝の墓地から華麗に復活を遂げる
レッド・デーモンズ・ドラゴンには波動竜騎士ドラゴエクィテスが。オリエント・ドラゴンにはマジカル・アンドロイドかブラック・マジシャン。残るモンスターでダイレクトアタックまでこなせる。
「見事にモンスターを揃えたな。だがそれでも、己の墓地にあるモンスターについては分かっているはずだ」
そう、烈震は前のターンで超電磁タートルを墓地に送っている。このカードは墓地にある時、一度だけだが相手バトルフェイズにゲームから除外することでそのバトルフェイズを強制終了させる。
「それでも、お前の盾を一枚剥がせる。ドラゴエクィテスでレッド・デーモンズ・ドラゴンに攻撃!」
攻撃宣言を受け、波動竜騎士が手にした突撃槍を構えて
何もしなければ、だが。
「墓地の超電磁タートルの効果発動。このカードをゲームから除外し、バトルフェイズを終了させる」
ドラゴエクィテスの一撃は、突如発生した高磁圧の壁に阻まれてレッド・デーモンズ・ドラゴンまで届かない。
「カードを二枚セット、エンドフェイズに、マジカル・アンドロイドの効果で600ライフを回復する。ターンエンドだ」
ジャンク・シンクロン 闇属性 ☆3 戦士族:チューナー
ATK1300 DEF500
(1):このカードが召喚に成功した時、自分の墓地のレベル2以下のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを守備表示で特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。
ガード・オブ・フレムベル 炎属性 ☆1 ドラゴン族:チューナー
ATK100 DEF2000
マジカル・アンドロイド 光属性 ☆5 サイキック族:効果
ATK2400 DEF1700
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分のエンドフェイズ時、自分フィールド上のサイキック族モンスター1体につき、自分は600ライフポイント回復する。
フォーミュラ・シンクロン 光属性 ☆2 機械族:シンクロチューナー
ATK200 DEF1500
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):このカードがフィールドに存在し、自分または相手が、このカード以外のSモンスターのS召喚に成功した場合に発動する。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、自分はデッキから1枚ドローする。
魔界闘士バルムンク 闇属性 ☆4 戦士族:シンクロ
ATK2100 DEF800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードがカードの効果によって破壊され墓地へ送られた時、自分の墓地からこのカード以外のレベル4以下のモンスター1体を選択して特殊召喚できる。
超融合:速攻魔法
このカードの発動に対して魔法・罠・モンスターの効果は発動できない。(1):手札を1枚捨てて発動できる。自分・相手フィールドから、融合モンスターカードによって決められた融合素材モンスターを墓地へ送り、その融合モンスター1体をエクストラデッキから融合召喚する。
波動竜騎士 ドラゴエクィテス 風属性 ☆10 ドラゴン族:融合
ATK3200 DEF2000
ドラゴン族シンクロモンスター+戦士族モンスター
このカードは融合召喚でのみエクストラデッキから特殊召喚する事ができる。1ターンに1度、墓地に存在するドラゴン族のシンクロモンスター1体をゲームから除外し、エンドフェイズ時までそのモンスターと同名カードとして扱い、同じ効果を得る事ができる。また、このカードがフィールド上に表側攻撃表示で存在する限り、相手のカードの効果によって発生する自分への効果ダメージは代わりに相手が受ける。
リビングデッドの呼び声:永続罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
スターダスト・ドラゴン 風属性 ☆8 ドラゴン族:シンクロ
ATK2500 DEF2000
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
(1):フィールドのカードを破壊する魔法・罠・モンスターの効果が発動した時、このカードをリリースして発動できる。その発動を無効にし破壊する。(2):このカードの(1)の効果を適用したターンのエンドフェイズに発動できる。その効果を発動するためにリリースしたこのカードを墓地から特殊召喚する。
黒白の魔導師 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK1700 DEF1600
(1):墓地のこのカードをゲームから除外し、自分の手札、または墓地から「ブラック・マジシャン」、または「バスター・ブレイダー」1体を選択して発動できる。選択したモンスターを特殊召喚する。(2):手札のこのカードを墓地に捨てて発動できる。フィールドの魔力カウンターを乗せることができるカードの上に、魔力カウンターを2つ乗せる。
ブラック・マジシャン 闇属性 ☆7 魔法使い族:通常モンスター
ATK2500 DEF2100
超電磁タートル 光属性 ☆4 機械族:効果
ATK0 DEF1800
「超電磁タートル」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。(1):相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。そのバトルフェイズを終了する。
和輝LP4400→5000手札2枚
烈震LP4500手札2枚
「己のターンだ、ドロー」
確認したドローカードを手札に加え、烈震は即座に動いた。その心は高揚し、戦いに猛っていたが、表情はあくまで湖面のように静かだった。彼の内心を推し量れたのは、パートナーであるトールだけだ。
「クレボンスを召喚する」
新たに召喚されたのはレベル2チューナーのサイキック族。効果は防御に秀でているが、今烈震はこのモンスターに効果の発動を求めて華なかった。
「レベル6のオリエント・ドラゴンに、レベル2のクレボンスをチューニング」
己の道を行くとばかりに、烈震はシンクロ召喚を繰り返す。緑の光の輪となったクレボンス。その輪をくぐり、オリエント・ドラゴンが六つの光星となり、一列に並び、その並びを光の道が貫いた。
「連星集結、黒羽現出。シンクロ召喚、はばたけ、ブラックフェザー・ドラゴン」
現れる新たなドラゴン。赤と黒の翼に、黄色い嘴は、ドラゴンでありながら鳥獣の特徴も持っていた。甲高い鳴き声も、ドラゴンの威圧感よりも鳥類の軽快さを思わせる。
「天輪の鐘楼の効果で一枚ドロー。バトルだ。スターダスト・ドラゴンでドラゴエクィテスを攻撃」
「攻撃力の低いスターダストで攻撃、自爆特攻!?」
「いや、あいつの墓地にはスキル・サクセサーのカードがある。ここで使う気だ!」
ロキの驚愕を、和輝の解説がフォロー。その眼前で、スターダスト・ドラゴンが上体をそらし、口内に白い光を溜め込んだ。
和輝は一瞬、ピクリと指を動かした。デュエルディスクを操作して、伏せてあるカードの一枚を発動しようかどうか迷ったのだ。
伏せてあるのは聖なるバリア-ミラーフォース-。だがここで発動しても、スターダスト・ドラゴンの効果で無力化される。攻撃手であるスターダスト・ドラゴンが消えても、墓地のスキル・サクセサーは使われずに残っている。結局ほかのモンスターに攻撃されて結果は変わらない。
ならば使わず、温存しておくべきと考え、和輝はスターダスト・ドラゴンの攻撃を見送った。
「行きな烈震! お前の相棒に力を与えてやれ!」
「当然だ。ダメージステップに、墓地のスキル・サクセサーの効果発動。このカードをゲームから除外し、スターダスト・ドラゴンの攻撃力を800アップさせる」
スターダスト・ドラゴンの
「くそ! わかっちゃいたけど、厳しいな!」
「厳しい? それは、これからだ。リバースカード、バスター・モード発動。スターダスト・ドラゴンをリリースし、デッキからスターダスト・ドラゴン
「な――――」
絶句する和輝。同時に、なぜリビングデッドの呼び声でスクラップ・ドラゴンではなくスターダスト・ドラゴンを特殊召喚したのか、その理由もわかった。このためだ。
和輝の眼前で、スターダスト・ドラゴンが進化する。
全体的な印象は、蒼銀の鎧を纏ったスターダスト・ドラゴン、だろうか。全体的にフォルムが一回り大きくなり、翼や胴体部に硬質感が出て、爪も鋭さが増している。
見た目の凶悪さもさることながら、なりより強力なのはその圧倒的なフィールド征圧力。和輝は「やばい!」と血相を変え、気圧されるように二歩ほど後ろに下がった。
「バトルフェイズはまだ続いている。スターダスト・バスターでブラック・マジシャンを攻撃」
烈震に容赦はない。進化したスターダスト・ドラゴンが口内に再び白い極光を溜め込む。
和輝は苦い表情で、デュエルディスクのボタンを押した。
「リバーストラップ発動! 聖なるバリア-ミラーフォース-!」
和輝の足元にあるカードが一枚、翻った。直後、彼の眼前に虹色のバリアが出現、スターダスト・バスターの攻撃がこのバリアに当たれば、攻撃は反転、烈震の陣営を襲う。
だが、
「スターダスト・バスターの効果発動。自身をリリースし、ミラーフォースを無効化する」
次の瞬間、今にも攻撃に移ろうとしていたスターダスト・バスターの姿が白い光の粒子となって消える。ほぼ同時、和輝が発動したミラーフォースもまるで発動自体がなかったかのように消滅した。
「ミラーフォース、無駄撃ちになっちゃったね」
「仕方がない。ここで一時的でもスターダスト・バスターに退場してもらわないと、守り手が足りなくなってジリ貧だ。
和輝の苦い表情は変わらない。何しろ、烈震のフィールドにはまだ二体のドラゴンが控えているのだ。
「レッド・デーモンズ・ドラゴンでマジカル・アンドロイドを、ブラックフェザー・ドラゴンでブラック・マジシャンを攻撃」
「行っちまえ!」
泰然とし、声を荒げない烈震と対になるように、トールが声を限りに吠える。
レッド・デーモンズ・ドラゴンの炎の拳がマジカル・アンドロイドを粉砕し、ブラックフェザー・ドラゴンが放った赤と黒の
「く……ッ! こんなことなら、最初のスターダスト・ドラゴンの攻撃の時にミラフォを打っておけばよかったかな」
「ここは相手のキラーカードを引きずり出せたことでよしとしておこうよ」
「エンドフェイズ、スターダスト・バスターは己のフィールドに舞い戻る。己はこれでターンエンドだ」
クレボンス 闇属性 ☆2 サイキック族:チューナー
ATK1200 DEF400
このカードが攻撃対象に選択された時、800ライフポイントを払って発動できる。その攻撃を無効にする。
ブラックフェザー・ドラゴン 闇属性 ☆8 ドラゴン族:シンクロ
ATK2800 DEF1600
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
自分がカードの効果によってダメージを受ける場合、代わりにこのカードに黒羽カウンターを1つ置く。このカードの攻撃力は、このカードに乗っている黒羽カウンターの数×700ポイントダウンする。また、1ターンに1度、このカードに乗っている黒羽カウンターを全て取り除く事で、相手フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、その攻撃力を取り除いた黒羽カウンターの数×700ポイントダウンし、ダウンした数値分のダメージを相手ライフに与える。
スキル・サクセサー:通常罠
自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで400ポイントアップする。また、墓地のこのカードをゲームから除外し、自分フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択した自分のモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで800ポイントアップする。この効果はこのカードが墓地へ送られたターンには発動できず、自分のターンにのみ発動できる。
バスター・モード:通常罠
自分フィールド上のシンクロモンスター1体をリリースして発動できる。リリースしたシンクロモンスターのカード名が含まれる「/バスター」と名のついたモンスター1体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。
スターダスト・ドラゴン/バスター 風属性 ☆10 ドラゴン族:効果
ATK3000 DEF2500
このカードは通常召喚できない。「バスター・モード」の効果及びこのカードの効果でのみ特殊召喚する事ができる。魔法・罠・効果モンスターの効果が発動した時、このカードをリリースする事でその発動を無効にし破壊する。この効果を適用したターンのエンドフェイズ時、この効果を発動するためにリリースされ墓地に存在するこのカードを、自分フィールド上に特殊召喚する事ができる。また、フィールド上に存在するこのカードが破壊された時、自分の墓地に存在する「スターダスト・ドラゴン」1体を特殊召喚する事ができる。
聖なるバリア-ミラーフォース-:通常罠
(1):相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。相手フィールドの攻撃表示モンスターを全て破壊する。
和輝LP5000→4900→4300→4000手札2枚
烈震LP4500手札3枚
「俺のターンだ、ドロー」
ドローカードを確認した和輝は、そのカードを手札に加え、フィールド、墓地、手札に目をやった。
烈震のフィールドには三体のドラゴン。先ほどより総攻撃力が上がっており、加えてスターダスト・ドラゴン/バスターの制圧力は厄介極まりない。
「やっぱ、一回地獄をくぐんなきゃダメだな。俺はカードとモンスターを一枚ずつセットして、ターンエンドだ!」
「己のターン、ドロー」
守りを固めた和輝。烈震は一瞬、ちらりと和輝を見据えた。正確にはその眼を。
諦めのない瞳。力のこもった眼差しを返してきた。
「――――――」
我知らず、口角をわずかに吊り上げる微笑を作っていた。
なかなかに手堅い。巨大なドラゴンで攻めても、なお防ぎ、凌ぎ、それでいながら反撃の機会を虎視眈々と狙っている。
得難い相手だと、そう思う。かつて戦った参加者はこの時点で戦意が萎えていた。そんな相手とは拳を交わし合う価値すらない。
この男に勝利すれば、自分はまた、一つ上の段階に達することができるのか――――。
「おーい烈震。楽しいのは分かるが、思索よりもデュエルに集中してくれ」
トールの声に、微笑は苦笑に変わった。そうだった。今考えるべきは、この相手をいかにして倒すか、だ。
(できれば、己の技術も磨きたいな)
ダイレクトアタックを受けるも仕掛けるも、修行になる。だからこそ、烈火のごとき怒涛の攻めを行うのだ。
「カードを一枚伏せ、ドラゴラド召喚。効果で墓地からラブラドライドラゴンを特殊召喚する」
苦も無くチューナーと非チューナーのドラゴンが揃う。今度はレベル10、大型の中でも一際
「レベル4のドラゴラドに、レベル6のラブラドライ・ドラゴンをチューニング」
緑の光の輪となったラブラドライドラゴン。その輪をくぐり、白い四つの光星となったドラゴラド。シンクロエフェクトが走り、光の一本道が紡ぎだされる。
「連星集結、三槍竜爆誕。シンクロ召喚、蹂躙せよ、トライデント・ドラギオン!」
現れたのは、トライデントの名の通り、三つ首を持つ巨竜。
真紅の体躯、広げられた巨大な翼、凶悪な面構え。どれをとっても脅威以外の何物でもない。
「天輪の鐘楼の効果で一枚ドロー。トライデント・ドラギオン効果発動。今伏せたカードを破壊する。これにより、トライデント・ドラギオンはこのターン、二回攻撃が可能となった」
攻撃力3000の二回攻撃、同じく攻撃力3000の単体攻撃二回に攻撃力2800の一撃。どれをとっても強力極まりなく、たとえライフが初期値の8000あっても削り取る威力だ。
「バトルだ。レッド・デーモンズ・ドラゴンで守備モンスターを攻撃」
烈震の宣言を受けて、レッド・デーモンズ・ドラゴンが燃え盛る右拳を振り下ろした。
轟音と熱波が辺りを走り、自然公園の木々のうち何本かが余波で薙ぎ倒され、いくつかが枝を揺らし、葉を散らせた。
「く……ッ! 破壊されたのはダンディライオン! 効果で綿毛トークン二体を守備表示で特殊召喚する!」
「させん。スターダスト・バスターの効果発動。自身をリリースし、ダンディライオンの効果を無効にする」
スターダスト・バスターの姿が先ほどと同じように、白い光の粒子となって消えていく。同時に、和輝のフィールドに誕生しかかっていた綿毛トークンたちの姿がどんどん薄れていった。
「そう簡単に行かせるか! カウンタートラップ、威風堂々発動! スターダスト・バスターの効果を無効にする!」
和輝に足元に伏せられた二枚のうち一枚が勢いよく翻る。
威風堂々はバトルフェイズ中のモンスター効果を無効にし、そのモンスターを破壊できる。
これにより、スターダスト・バスターを破壊、ひとまず厄介な制圧力を取り除こうという案弾だ。
だが――――
「甘い。カウンタートラップ、魔宮の賄賂。お前にカードを一枚ドローさせる代わりに、威風堂々を無効にし、破壊する」
「な!?」
烈震に足元に伏せられていたカードが翻り、次の瞬間、今にも効果を発揮しようとしていた威風堂々のカードから色が消えうせモノクロになり、硝子が砕け散るような音を立てて破壊された。
「さっきのターン、ミラフォに対して発動できたのに……」
「あの時は俺を仕留めきれなかったからな。野郎、温存してやがったわけだ! スターダスト・バスターの効果も、カウンタートラップには無力だから、それ用にな!」
これで威風堂々の効果は消失、結果としてスターダスト・バスターの効果が適用され、ダンディライオンの効果が無効化。綿毛トークンは和輝のフィールドに現れることなく消えていってしまった。
「守りが崩れたな、
「一気に行っちまおうぜ!」
攻めてが大きくなる烈震と、血気にはやるトール。
「ブラックフェザー・ドラゴンでダイレクトアタック!」
モンスターのいなくなった和輝のフィールドを蹂躙すべく、烈震のドラゴンたちが動きだす。
ブラックフェザー・ドラゴンがその嘴を大きく開き、放たんとするのは赤と黒が混ざり合った旋風の衝撃波。同時に烈震も地を蹴った。
狙いはもちろん和輝自身。和輝の動きを制限し、モンスターの攻撃を確実い当てるために距離を詰める。
だが、
「おおおおおおおおおおおおお!」
「!?」
距離を詰めてきたのは烈震だけではなかった。和輝もまた、自ら地を蹴り、烈震に向かって肉薄していた。
「だらああああああああああああ!」
姿勢を低くしたタックル。だが烈震の足腰は大地に根が張ったかのようにびくともしない。逆に和輝は服の背中を掴まれ引き剥がされ、投げられてしまった。片腕一本で、だ。バトルフィールドで身体能力が向上しているとはいえ、信じられない膂力だった。
「くっそがぁ!」
だが和輝の気迫が己を救った。がむしゃらに伸ばされた指が烈震の服の裾をひっかけた。
「!?」
予期せぬ力のベクトルに、さしもの烈震もバランスを崩した。
もんどりうって倒れる二人。
「く――――!」
烈震は舌打ちをこらえながらも思念の命令を飛ばす。このデュエルにおいて、プレイヤーの意思はモンスターの行動に反映される。今にも攻撃しようとしていたブラックフェザー・ドラゴンは首をひねり、狙いを修正。放たれた黒赤の一撃は和輝と烈震ではなく、周囲の木々と地面を薙ぎ倒し、自然公園中心付近にあった噴水を吹き飛ばした。
「だ、ダメージは負ったが、ただじゃ転ばねぇ! リバースカードオープン! ダメージ・コンデンサー! 手札を一枚捨て、デッキからナイトエンド・ソーサラーを特殊召喚!」
地面に倒れたままの、和輝が発動させた伏せカードが翻る。
同時、彼のデッキから飛び出してきたのは、一体の魔法使い。
ボロボロのマント、歪な大鎌、兎のように長い耳をはやした、男とも、女とも見れる中性的な獣人モンスター。
「ナイトエンド・ソーサラーの効果発動。お前の墓地にあるスターダスト・ドラゴン/バスターと、レベル・スティーラーを除外! さらにコストとして捨てたのは代償の宝札。その効果でカードを二枚ドロー!」
「ッ! 己のスターダスト・バスターの蘇生を封じ、さらにコストを利用してのドローとは。抜け目がないな……ッ! だが、己の場にはまだ二回攻撃可能なトライデント・ドラギオンが存在している。この一撃、耐えられるか!?」
跳躍で距離を離した烈震が攻撃命令を下す。まだ立ち上がり切っていない和輝に、躱す手段はない。
トライデント・ドラギオンが満を持して動きだす。
三つの口蓋が開かれ、紅蓮の炎が蓄えられた。
放たれる三重螺旋。炎の熱気を帯びた風が和輝の髪を揺さぶった。
「守らせてもらうぜ! 手札の虹クリボーの効果発動! このカードをトライデント・ドラギオンに装備し、攻撃を封じる!」
和輝はトライデント・ドラギオンに背中を向けたまま、手札からカードを一枚デュエルディスクにセットした。
三重炎は突如として大量に現れた虹クリボーが作りだした壁によって阻まれた。炎を浴びた虹クリボーたちは連続爆発。爆音はやがて虹色の光に変わり、柔らかいシャワーのように辺りに降り注いだ。
「防いだか。さすがだ。己はメインフェイズ2に、アドバンスドローを発動。トライデント・ドラギオンをリリースし、カードを二枚ドロー。カードを一枚セットして、ターンエンドだ」
ドラゴラド 闇属性 ☆4 ドラゴン族:効果
ATK1300 DEF1900
このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の攻撃力1000以下の通常モンスター1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる。1ターンに1度、自分フィールド上のドラゴン族モンスター1体をリリースし、自分フィールド上に表側表示で存在するモンスター1体を選択して発動できる。エンドフェイズ時まで、選択したモンスターのレベルは8になり、攻撃力は800ポイントアップする。
ラブラドライドラゴン 闇属性 ☆6 ドラゴン族:チューナー
ATK0 DEF2400
トライデント・ドラギオン 炎属性 ☆10 ドラゴン族:シンクロ
ATK3000 DEF2800
ドラゴン族チューナー+チューナー以外のドラゴン族モンスター1体以上
このカードはシンクロ召喚でしか特殊召喚できない。このカードがシンクロ召喚に成功した時、このカード以外の自分フィールド上のカードを2枚まで選択して破壊できる。このターン、このカードは通常の攻撃に加えて、この効果で破壊したカードの数まで1度のバトルフェイズ中に攻撃できる。
威風堂々:カウンター罠
バトルフェイズ中のみ発動する事ができる。相手が発動した効果モンスターの効果を無効にし破壊する。
魔宮の賄賂:カウンター罠
相手の魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する。相手はデッキからカードを1枚ドローする。
ダメージ・コンデンサー:通常罠
自分が戦闘ダメージを受けた時、手札を1枚捨てて発動できる。受けたそのダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター1体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。
ナイトエンド・ソーサラー 闇属性 ☆2 魔法使い族:チューナー
ATK1300 DEF400
このカードが特殊召喚に成功した時、相手の墓地に存在するカードを2枚までゲームから除外する事ができる。
代償の宝札:通常魔法
(1):手札からこのカードが墓地に送られた時に発動する。カードを2枚ドローする。
虹クリボー 光属性 ☆1 悪魔族:効果
ATK100 DEF100
「虹クリボー」の以下の効果はそれぞれ1ターンに1度ずつ発動できる。
●相手モンスターの攻撃宣言時に発動できる。このカードを手札から装備カード扱いとしてそのモンスターに装備する。この効果でこのカードを装備しているモンスターは攻撃できない。
●相手モンスターの直接攻撃宣言時に発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールド上から離れた場合ゲームから除外される。
アドバンスドロー:通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在するレベル8以上のモンスター1体をリリースして発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。
和輝LP4000→1200手札2枚
烈震LP4500手札3枚
「やってくれたな。見事にスターダスト・バスターを除去された。これなら、威風堂々で破壊された方がマシだったか」
ため息交じりの烈震の言葉は、純粋な賞賛だった。威風堂々は囮。本命はダメージ・コンデンサーから呼び出すナイトエンド・ソーサラーの効果。除外されてはスターダスト・バスターはもう再利用できない。しようがない。
「うまくいったが、一回ダイレクトアタックっつー地獄をくぐらないといけないのが難点だったな」
「ゆえに、己の意表をつくため、あえて自分から向かっていったか」
「偶然の助けがなかったら返り討ちだったよ」
二度も三度もうまくいかないと暗に告げる和輝。それが分かっているなら上々だと、烈震も微笑を浮かべた。自らが強敵と見定めたのだから、これくらいの力量判断はしてもらいたい。
「楽しみにしているぞ、岡崎。お前の反撃を」
「ああ。期待してな」
にやりと和輝は笑う。ドラゴンの猛攻は凌ぎ切ったのだ。反撃の刃を届かせるとすれば、ここからだ。
だから和輝は一度息を吸い、そして言った。
「お楽しみは、ここからだ」