きっかけは些細なこと。その店に売っていたシングルカードの最後の一枚を互いに取りあったという、実に他愛もないものだった。
ごく自然な流れにデュエルをした。結果は和輝の勝利。だが和輝はそのデュエルに確かな充足感を得ていた。
和輝は同年代と比べて、明らかにデュエルの腕が秀でていた。よい師に恵まれた結果だろう。
その和輝をして、龍次は強敵だった。まさかこんなところでこんな強敵と出会えるとは思っていなかった。
互いに名乗りあい、連絡先を交換した。高校に進学し、成績優秀者がプロに推薦される
和輝は自分の境遇、七年前の東京大火災の生き残りであることを語り、白髪の理由を語った。龍次もまた、己の家庭の事情を語り、入院中の恋人のことを語った。
お互い、他人には自分から喋ることのないことだった。それだけ気心が知れたということだ。
いつの間にか、二人は友人になっていた。
◆◆◆◆◆◆
和輝は呆然とし、龍次と、その背後の
突然現れた龍次と男、直前のロキの警告。間違いなかった。
龍次は、神々の戦争の参加者だ。参加者に、なってしまったのだ。
「和輝の友人、だったね。ふーん、神々の戦争に参加したんだね。昨日までは神の気配はしなかった」
「龍次の友人が、参加者だったとは思いませんでした。それも、邪神の契約者だとは」
油断のないロキの眼差し、伊邪那岐の言葉。互いに視線をそらさない。
「まさか、お前も神々の戦争の能力者だったとはな……。お前の神が、
和輝とロキを睨みつけ、龍次はそう問いかけた。和輝は「茜?」と一瞬訝しげな顔を見せたが、
「ああ、お前が前に言っていた、入院中の彼女か。彼女が呪われてって、どういうことだよ?」
和輝にはわけがわからなかった。何しろ、いきなり龍次が神々の戦争の参加者として現れただけでも混乱しているのだ。この上さらにそんなことを聞かれても、混乱が加速するだけだ。
「何も、知らないのか」
龍次の顔に、失望と安堵の色が一瞬よぎり、すぐに消えた。
「ロキ、お前、俺と出会う前に何かしたのか?」
「してないよ。それに、ボク女の子に呪いかけるようなことしないし。というか、する意味がないし理由もないよ」
「なるほど。確かに、君はそう言うでしょうね。ロキ。北欧神話の邪神、欺瞞と悪戯を司るトリックスター」
伊邪那岐の口調も表情も穏やかだ。あるいは、彼は本当にロキが犯人ではないと確信しているのかもしれない。理由は分からないが。
「龍次。
「そう言ってもらえると、安心できるね。ま、ボク自身、ボクが信用されない理由は分かるよ。北欧神話のトリックスター、そこにある悪戯という名の悪意ある行動は、一部過激なものを除いては、かつてボクがなした真実の所業だ」
若さゆえの過ちだったと、照れたように微笑むロキ。その表情に邪気は見られない。伊邪那岐が言っているように、ロキは犯人ではないのかもしれない。
だが龍次には一つの懸念があった。
伊邪那岐が言っていた。神は見出した人間が戦いに否定的だった場合、その契約者を洗脳し、自分の手駒にすることがあると。
そしてそんな行為に手を染める神には、邪神、魔神のたぐいが多いとも。
だとすれば、目の前の
「――――――」
龍次は無言で和輝を観察する。彼の言動は龍次の知っているものとなんら変わらない。一見するとなんら洗脳などされていないように見える。
だが、完全洗脳ではなく、思考の一部、たとえば、ロキを全面的に信じるように、間接的に洗脳されているとしたら? そうなったら、龍次には判断できない。
「和輝、お前なんでこの戦いに参加してる? お前に、こんな危険に首を突っ込んででも叶えたい願いがあるのか?」
だから龍次は和輝に問いかけてみることにした。和輝の反応を見て、彼の状態を判断しようと、そう思った。
「俺が神々の戦争に参加する理由か。簡単にいえばさ、我慢できないんだ」
「我慢できない?」
「この戦いにはな、龍次。人間なんざ屁とも思わない連中が山ほどいる。そいつらは無関係の人がどうなろうが、何人死のうが知ったこっちゃない。
なぁ龍次。七年前の東京大火災、あれだって神がらみの事件だったんだぜ? その頃から俺と神々の戦争は因縁が出来上がった。
そして俺は、こんな地獄を作りだす神を、許せない。そいつらをさ、一柱も残らずぶっ倒さなきゃって、そう思うんだ」
和輝は己の本心を打ち明けた。嘘偽りのない、
龍次は無言。そして伊邪那岐は好感を持ったように、優しく微笑んだ。
「志がまっすぐな青年ですね」
「ボクの自慢の契約者さ」
「確かに、洗脳されてるわけじゃなさそうだな」
軽く呟く龍次。その声は和輝にまで届かない。だがまだ釈然としないことがあった。
「龍次」
だが和輝が本当に洗脳されていないかどうか、そのことを問いただす前に、和輝の方から声をかけてきた。
「お前の懸念は分かるよ。俺が、ロキに洗脳されていないかどうか、心配してくれてるんだろ? お前マジいい奴だからな。だったら話は簡単だ。デュエルをしよう」
「何? 論理が飛躍したぞ」
あっけに取られる龍次に対して、和輝は「そんなことはない」と苦笑を浮かべながら告げた。
「デュエルをすれば相手のことが分かる。気持ちが、想いが、自然と
和輝の言うこともわかる。デュエリストなら当然のことだ。龍次ははっと短く息を吐いた。そうだった。自分は神々の戦争に、戦いに来たのだ。うだうだと言葉を交わしに来たわけじゃない。
「そう、だな。――――伊邪那岐、初陣だ、至らないことがあるかもしれねぇから、サポートを頼む」
「分かりました。バトルフィールド、展開!」
伊邪那美が叫ぶ。次の瞬間、二組の参加者たちの姿が堅実空間から消え、位相がずれたバトルフィールドへと突入した。
「これが――――――」
元々
明かりの消えた街並みに、龍次は何とも言えない表情をした。
「始めますよ、龍次。気を緩めないよう」
半透明となった伊邪那岐に言われて、龍次は気を引き締め、デュエルディスクを起動する。和輝もそれに倣う。
一拍、沈黙が二組の間を流れた。そして――――
『
戦いの始まりを告げる声が上がった。
和輝LP8000手札5枚
龍次LP8000手札5枚
「俺の先攻! 俺は
先攻を勝ち取ったのは龍次。彼は己の初手を見た瞬間、間髪入れずにモンスターを召喚した。それはすなわち、彼のデッキで、このカードが初手に来れば動きの始まりは決定していることを示していた。
現れたのは僧兵をモチーフにしたと思しい、銀色の鎧姿に、背中に無数の刀剣類を背負った戦士。肩に担いだ薙刀を構え、勇ましい声を上げた。
「サウザンド・ブレード効果発動! 手札のH・C ダブル・ランスを捨てて、デッキからH・C エクストラ・ソードを特殊召喚し、サウザンド・ブレードを守備表示に変更する」
サウザンド・ブレードが手にした薙刀を頭上で旋回され、雄叫びにも似た声を上げる。その声に導かれるように現れたのは、緑を基調とした軽装鎧に身を包み、両手に剣を持った戦士。サウザンド・ブレードもエクストラ・ソードも、攻撃力は低い。だがこの二体の攻撃力は大して意味がない。重要なのはこれからだ。
「レベル4が二体、か。来るね、和輝」
「ああ。龍次の得意技だ」
「俺は! サウザンド・ブレードとエクストラ・ソードでオーバーレイ!」
即ちエクシーズ召喚。二体のモンスターが黄色の光となり、龍次の頭上に展開した、渦巻く銀河を思わせる空間に吸い込まれた。
「二体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!」
頭上の空間から、虹色の爆発が起こる。
「
爆発の向こうから現れる新たな影。
鎧を纏った黒馬に跨り、必中の弓矢を備えた金と黒の鎧姿の戦士。兜の隙間から覗く鋭い眼光が矢よりも先に和輝を射抜く。
「この瞬間、エクストラ・ソードを
H・C サウザンド・ブレード 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1300 DEF1100
「H・C サウザンド・ブレード」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。(1):1ターンに1度、手札から「ヒロイック」カード1枚を捨てて発動できる。デッキから「ヒロイック」モンスター1体を特殊召喚し、このカードを守備表示にする。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「ヒロイック」モンスターしか特殊召喚できない。(2):このカードが墓地に存在し、戦闘・効果で自分がダメージを受けた時に発動できる。このカードを墓地から攻撃表示で特殊召喚する。
H・C エクストラ・ソード 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1000 DEF1000
このカードを素材としたエクシーズモンスターは以下の効果を得る。●このエクシーズ召喚に成功した時、このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
H-C ガーンディーヴァ 地属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2100 DEF1800
戦士族レベル4モンスター×2
相手フィールド上にレベル4以下のモンスターが特殊召喚された時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、その特殊召喚されたモンスターを破壊する。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
H-C ガーンディーヴァORU×2、攻撃力2100→3100
「俺のターンだ、ドロー!」
己のターンになり、和輝はカードをドロー。その後スタンバイフェイズを経由し、メインフェイズ1に入る。
「さて、ガーンディーヴァの攻撃力は現在3100。戦闘で突破するにはちょっと面倒だね。おまけに効果で特殊召喚したレベル4以下のモンスターは射殺される。君お得意の低レベルモンスターを並べての連続シンクロとかも牽制されちゃうね。どうする? 手はあるの?」
「ある。ガーンディーヴァの穴はレベル4以下のモンスターしか射殺できないことだ。相手フィールドにのみモンスターが存在するため、手札の太陽の神官を特殊召喚! さらにギャラクシーサーペントを召喚!」
和輝のフィールドに二体のモンスターが現れる。
褐色の肌にどこかの民族衣装に杖を持った大柄な男、太陽の神官と、煌めく星屑のような光を放つ、美しい翼もつ竜、ギャラクシーサーペント。
チューナーと非チューナーが揃う。合計レベルは7。
「レベル7でこの組み合わせ。アーカナイト・マジシャンか、それとも――――」
「お前の嫌いな方さ! 俺はレベル5の太陽の神官に、レベル2のギャラクシーサーペントをチューニング!」
シンクロ召喚。ギャラクシーサーペントが二つの緑色の光る光の輪となり、その輪を潜った太陽の神官が、五つの白い
「集いし
光の
「月華竜の効果発動! 特殊召喚成功時に、相手モンスター一体を手札に戻す! 消えろガーンディーヴァ!」
和輝の命令を受け、月華竜が両翼を力強くはばたかせる。
花弁が交わった赤い旋風がガーンディーヴァを捕え、フィールド外へと吹き飛ばす。
「チッ! ガーンディーヴァはエクストラデッキから特殊召喚されたモンスターだから、手札じゃなくてエクストラデッキに戻るな」
「これでお前の場はがら空きだ。ブラック・ローズでダイレクトアタック!」
モンスターがいなくなり、守るもののなくなった龍次のフィールドを、ブラック・ローズが進軍。口内に蓄えた紫色の炎を激流のように解き放つ。
「宝珠を守ってください、龍次!」
「おう!」
半透明の伊邪那岐の警告が飛ぶ。龍次は回避を諦め――広範囲のドラゴンの
迫る炎に背を向け、宝珠を抱えこむように跳躍。炎が龍次の背中を舐める。
「がぁ……ッ!」
激痛と熱さが龍次の脳に叩き込まれた。だが耐える。この痛みは現実だが、意識を繋ぎとめる。なんとしても。
「ぐぅ……」
着地は失敗。肩から地面にぶつかるも、その勢いを利用して立ち上がる。
「な、なるほどな……。これが神々の戦争。ダメージの実体化、モンスターの具現化。命の危険もあるってのはマジだな。
だがこの瞬間、墓地のサウザンド・ブレードの効果発動! 墓地のこのカードを攻撃表示で特殊召喚!」
転んでもただでは起きぬとばかりに、龍次も引かない。大ダメージを受けることも構わず、次のターンにつなげるため、モンスターを残した。
「カードを二枚セットして、ターンエンド――――」
「待てよ和輝。お前のエンドフェイズ、俺は伏せていたトゥルース・リインフォースを発動するぜ。この効果で、デッキからH・C アンブッシュ・ソルジャーを特殊召喚する」
痛みにこらえながら、龍次はデュエルディスクを操作。足元に伏せられていたカードが翻り、その効果を発動。デッキから暗視ゴーグルを装備し、暗緑色のマントで暗闇に潜む戦士が現れる。
和輝の表情が苦いものに変わる。その脳裏をよぎったのは龍次の定番戦術。
アンブッシュ・ソルジャーは自分のスタンバイフェイズに自身をリリースすることで墓地のH・Cモンスター二体を特殊召喚できる。タイミングが限られるが、今のように相手のエンドフェイズに特殊召喚することに成功すれば妨害もなく安全に効果を使用でき、大量展開が可能となるのだ。
和輝からすれば歓迎できる事態ではないが、既にターン終了を宣言してしまっているため、できることはなかった。
「……改めて、ターンエンドだ」
太陽の神官 光属性 ☆5 魔法使い族:効果
ATK1000 DEF2000
相手フィールド上にモンスターが存在し、自分フィールド上にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。フィールド上のこのカードが破壊され墓地へ送られた時、デッキから「赤蟻アスカトル」または「スーパイ」1体を手札に加える事ができる。
ギャラクシーサーペント 光属性 ☆2 ドラゴン族:チューナー
ATK1000 DEF0
月華竜 ブラック・ローズ 光属性 ☆7 ドラゴン族:シンクロ
ATK2400 DEF1800
チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上
このカードが特殊召喚に成功した時、または相手フィールド上にレベル5以上のモンスターが特殊召喚された時に発動する。相手フィールド上の特殊召喚されたモンスター1体を選択して持ち主の手札に戻す。「月華竜 ブラック・ローズ」の効果は1ターンに1度しか使用できない。
トゥルース・リインフォース:通常罠
デッキからレベル2以下の戦士族モンスター1体を特殊召喚する。このカードを発動するターン、自分はバトルフェイズを行えない。
H・C アンブッシュ・ソルジャー 地属性 ☆1 戦士族:効果
ATK0 DEF0
自分のスタンバイフェイズ時、フィールド上のこのカードをリリースして発動できる。自分の手札・墓地から「H・C アンブッシュ・ソルジャー」以外の「H・C」と名のついたモンスターを2体まで選んで特殊召喚できる。「H・C アンブッシュ・ソルジャー」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。この効果で特殊召喚に成功した時、墓地のこのカードをゲームから除外する事で、自分フィールド上の全ての「H・C」と名のついたモンスターのレベルを1にする。
和輝LP8000手札2枚
龍次LP8000→5600手札2枚
「俺のターンだ、ドロー!」
逆転への布石を残した龍次は、まるで鞘から刀を抜き放つように勢いよくドロー。そして動きだした。
「スタンバイフェイズ、アンブッシュ・ソルジャーの効果発動! このカードをリリースし、墓地のH・C ダブル・ランス、エクストラ・ソードを特殊召喚!」
こうして龍次のフィールドに、サウザンド・ブレードを含めて三体のモンスターが揃った。
「三体のモンスターか。またエクシーズ召喚かな?」
「そうだが、一体だけじゃない。まだ来るぜ、今度はな」
苦い表情の和輝が予言する。その予言を成就させるように、龍次の右手が天に突き上げられた。
「ダブル・ランスとサウザンド・ブレードをオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!」
二度目のエクシーズ召喚。先ほどと同じエフェクトが走り、虹色の爆発が起こる。
「曇り無き王の聖剣、数多の闇を切り裂き王道を作りだす! いつか湖の貴婦人の手に返されるその日まで、輝きは消えはしない! 約束された勝利の剣、H-C エクスカリバー!」
爆発の向こうから現れる新たな戦士。
赤い外装、黒銀の内装鎧の姿は逞しく、また非常に頼もしい。「ハァ!」という勇ましい声と共に剣を振るい、龍次のフィールドに降り立つ。その周囲を衛星のように回る二つの光球。即ちORU。
「エクスカリバー、か。有名なカードだよね。ランク4で見ても攻撃力は2000と低いけど、その効果は爆発力が高い」
ロキの解説。龍次がそれに応えるように声を上げた。
「その通りだ! 俺はエクスカリバーの効果発動! ORU二つを取り除き、このカードの攻撃力を元々の数値の倍、4000にする!」
エクスカリバーの周囲を旋回していた光球が二つとも消失する。同時、秘めたる力を解放し、体中から赤いオーラを出すエクスカリバー。
だがこれだけでは終わらない。龍次のフィールドにはまだエクストラ・ソードが残っている。
「俺はさらに、手札から二枚目のダブル・ランスを召喚し、効果を発動! 墓地のダブル・ランスを特殊召喚!」
「待て龍次、俺はその効果にチェーンして、永遠の魂を発動! デッキから千本ナイフを手札に加える!」
龍次のフィールドにダブル・ランスが二体揃う。和輝は次に来るモンスターを予測し、待ったをかけた。
翻ったカードはもっぱらブラック・マジシャンを酷使してきた永続罠だ。だが今、和輝の手札にも墓地にもブラック・マジシャンはいない。
ただ、次に召喚されるだろうモンスターが和輝の予想通りならば、罠を発動するタイミングはここしかなかったのだ。
「気付いたか。だが関係ない! 二体のダブル・ランスとエクストラ・ソードをオーバーレイ!」
エクシーズ召喚。今度は三体のモンスターを使ったもの。龍次の頭上に展開された空間に、三体のヒロイックモンスターが黄色い光となって吸い込まれた。
「大蛇の尾より生まれし神剣、神々、英雄の手を渡り万難排する剣となる! 出でよH-C クサナギ!」
現れる三体目のH-C。橙色の和風甲冑、緑の具足、右手に握る剣はまるで炎が具現化したような、刀身が赤い光でできていた。
「エクストラ・ソードを素材にしてエクシーズ召喚に成功したため、クサナギの攻撃力も1000アップ!」
攻撃力4000と3500。これは―――――
「ちょっと正面から突破は厳しいかな?」
「ああ。しかもクサナギは罠を封じる。これはやばいぜ」
「行きますか、龍次。ここは攻め時でしょう」
「ああ! バトルだ! エクスカリバーでブラック・ローズを攻撃!」
伊邪那岐の後押しを受けて、龍次が攻撃宣言を下す。命令を受けたエクスカリバーが跳躍。全体重と腕力を乗せた一撃が月華竜を一刀両断する。
「が……!」
ダメージのフィードバックが和輝を襲う。呼吸がつまり、視界がかすむ。だがここで身もだえしている場合ではない。急がなければ、追撃が来る。
「こ、この瞬間、手札のトラゴエディアの効果発動! このカードを守備表示で特殊召喚する!」
攻勢に転じた龍次の眼前、和輝を守るように、複数の節足の足を持つ異形の悪魔が現れる。
巨体で、禍々しい。だが――――
「壁にしかならねぇ! クサナギでトラゴエディアを攻撃!」
トラゴエディアは手札の数によってステータスが変化する。和輝の手札は一枚のみ。その攻守は600どまり。龍次のモンスターの敵ではない。案の定、トラゴエディアはクサナギによって切り捨てられた。
「メインフェイズ2、手札からエクシーズ・ギフトを発動だ。俺の場のクサナギのORUを二つ取り除いて、二枚ドロー。カードを一枚セットして、ターンエンドだ」
H-C エクスカリバー 光属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2000 DEF2000
戦士族レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を2つ取り除いて発動できる。このカードの攻撃力は、次の相手のエンドフェイズ時まで元々の攻撃力の倍になる。
H・C ダブル・ランス 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1700 DEF900
このカードが召喚に成功した時、自分の手札・墓地から「H・C ダブル・ランス」1体を選んで表側守備表示で特殊召喚できる。このカードはシンクロ素材にできない。また、このカードをエクシーズ素材とする場合、戦士族モンスターのエクシーズ召喚にしか使用できない。
永遠の魂:永続罠
「永遠の魂」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。(1):以下から1つを選択してこの効果を発動できる。●自分の手札・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。●デッキから「黒・魔・導」または「千本ナイフ」1枚を手札に加える。(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分のモンスターゾーンの「ブラック・マジシャン」は相手の効果を受けない。(3):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動する。自分フィールドのモンスターを全て破壊する。
H-C クサナギ 地属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2500 DEF2400
戦士族レベル4モンスター×3
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。罠カードの発動を無効にし破壊する。その後、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。
トラゴエディア 闇属性 ☆10 悪魔族:効果
ATK? DEF?
(1):自分が戦闘ダメージを受けた時に発動できる。このカードを手札から特殊召喚する。(2):このカードの攻撃力・守備力は自分の手札の数×600アップする。(3):1ターンに1度、手札からモンスター1体を墓地へ送り、そのモンスターと同じレベルの相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。その表側表示モンスターのコントロールを得る。(4):1ターンに1度、自分の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。このカードのレベルはターン終了時までそのモンスターと同じになる。
エクシーズ・ギフト:通常魔法
自分フィールド上にエクシーズモンスターが2体以上存在する場合に発動できる。自分フィールド上のエクシーズ素材を2つ取り除き、デッキからカードを2枚ドローする。
H-C エクスカリバー攻撃力2000→4000、ORU×0
H-C クサナギ攻撃力2500→3500、ORU×1
和輝LP8000→6400手札2枚(うち1枚は千本ナイフ)
龍次LP5600手札2枚
「俺のターンだ、ドロー!」
龍次の怒涛のエクシーズ召喚。相変わらずだと思いながら、和輝は手札を眺める。
「ここは、これだな。召喚僧サモンプリースト召喚!」
現れたのは、紫のローブで全身を包みこんだ老人。その効果は説明するまでもない。
「サモンプリーストの召喚時の効果が発動。このカードを守備表示に変更。さらにもう一つの効果を発動。手札の千本ナイフを捨てて、デッキからライトロード・アサシンライデンを特殊召喚!」
サモンプリーストが怪しげな呪文を唱えると、彼の眼前に幾何学模様の魔法陣が出現。そこから現れたのは、褐色の肌に金色の刃を持った暗殺者。
「チューナーと非チューナー。シンクロ召喚の構えですね」
「ああ。けど、その前にライデンの効果があるな。だろ?」
伊邪那岐と龍次、そろった問いかけ。和輝は苦笑する。「そうだな」と言い、
「ライデンの効果発動。さて、墓地に送られるのは何かな?」
和輝のデッキトップから二枚のカードが墓地に送られる。送られたのは代償の宝札とバスター・ブレイダー。
「最上級モンスターのバスター・ブレイダーは墓地にいてくれた方がいいけど、地味に便利な代償の宝札が落ちたのは痛いね」
「逆に考えよう。手札コストが必要ない時に引いた時のがっかり感に比べればマシだってな。
俺はレベル4のサモンプリーストに、同じくレベル4のライデンをチューニング!」
龍次のエクシーズ召喚に対抗するように、和輝はシンクロ召喚を展開する。やはり先ほどの焼廻しのようまシンクロエフェクトが走り、周囲を白い光が満たす。
「集いし
光の向こうから、二重の咆哮が轟く。現れたのは頭部のほかに腹部にも開けたような巨大な口を持つ、闇を具現化したような漆黒のドラゴン。
「やっぱそいつか! そりゃ、俺のモンスター殴り殺すより、効果で除去った方が楽だよな!」
「お前とは結構対戦してるからな、こう来たらこう切り返す。みたいなのが確立されてんだよ! ダークエンド・ドラゴン効果発動! 攻守を500下げて、クサナギを墓地に送る!」
和輝の命令が矢のように飛ぶ。命令を受けたダークエンド・ドラゴンの腹部の口が開き、そこから闇の奔流が出現。一気にクサナギを飲み込んだ。
苦い表情の龍次。「く……ッ!」
険しい顔つきの伊邪那岐。「まずいですね。これで罠が解放されました」
「行こう和輝!」とロキがはやし立てる。
「ああ!」和輝が応じ、デュエルディスクを操作。もう一枚の伏せカードを露わにした。
「リビングデッドの呼び声! これで墓地の
赤い旋風が聖剣の戦士を吹き飛ばす。これで龍時の剣は二本とも折れ、砕けた。
「永遠の魂の効果で、デッキから
バトルだ! ブラック・ローズでダイレクトアタック!」
二度目の紫の炎が螺旋を描いて龍次を襲う。龍次はバックステップで距離をとりつつ、被災地区の隣地区の住宅街に逃げ込む。
直後、壁にした民家に炎が直撃。熱と衝撃が駆け抜けたが、龍次は直撃を免れた。
「ッ!」
「龍次!」
だが民家を盾にしたのがまずかった。炎と衝撃に耐えきれず、民家が崩壊。龍次は頭上から降り注ぐ木片を手で払いながら辛うじて脱出した。
「無事だったか……」
予想外の展開に、我知らず声を出していた和輝は、思わず安堵の息をついた。
和輝の安堵を見て、龍次もまた、普段の和輝通りの反応に安堵を覚えた。デュエル中に伝わってくる和輝の感情の発露、戦術の繰り出しも、龍次の記憶とずれがない。
「やはり、あの少年はロキに洗脳されているわけではないのでは?」
「だとしても、今更止められねぇよ! 俺にも火が点いちまった! 戦闘ダメージを受けたこの瞬間、墓地のサウザンド・ブレードを攻撃表示で特殊召喚だ!」
何度倒されても、主を守るために仁王立ちするサウザンド・ブレード。だが今回は先程のようにはいかない。
「今度は、まだ追撃ができるんだよ! ダークエンド・ドラゴンでサウザンド・ブレードを攻撃!」
和輝は攻撃の手を緩めなかった。攻守が下がってもまだサウザンド・ブレードを打倒する程度には余力を残していたダークエンド・ドラゴンが、頭部の口から黒い炎を吐く。
炎は大気を焦がす濁流となってサウザンド・ブレードを襲う。
だが、
「この瞬間、手札のH・C ソード・シールドの効果発動! こいつを手札から捨てて、サウザンド・ブレードを守る!」
黒炎は上下に三又に分かれた刃がつけられた盾を持った戦士によって阻まれた。
龍次が笑う。
「俺は確かにサウザンド・ブレードを活かすためにあえてダメージを受けるがよ、そう何度も殴られてやるほどお人よしでもねぇよ! 分かってんだろ!?」
「まぁいいさ。防御カードを使わせたんだからな。俺はカードを一枚セットして、ターンエンドだ!」
「そしてやられたらやり返すのが俺だ! お前のエンドフェイズに、伏せていたリビングデッドの呼び声を発動! アンブッシュ・ソルジャーを蘇生!」
「ッ!」
「やられたね……」
息を呑む和輝と、苦い表情のロキ。先ほどのダブルエクシーズ召喚がさらに繰り返されるのかと、脅威を感じるも、何もできない状況なのも同じだった。
「改めて、ターンエンドだ」
召喚僧サモンプリースト 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果
ATK800 DEF1600
(1):このカードが召喚・反転召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードはリリースできない。(3):1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てて発動できる。デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。
ライトロード・アサシン ライデン 光属性 ☆4 戦士族:チューナー
ATK1700 DEF1000
自分のメインフェイズ時に発動できる。自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る。この効果で墓地へ送ったカードの中に「ライトロード」と名のついたモンスターがあった場合、このカードの攻撃力は相手のエンドフェイズ時まで200ポイントアップする。「ライトロード・アサシン ライデン」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。また、自分のエンドフェイズ毎に発動する。自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る。
ダークエンド・ドラゴン 闇属性 ☆8 ドラゴン族:シンクロ
ATK2600 DEF2100
チューナー+チューナー以外の闇属性モンスター1体以上
1ターンに1度、このカードの攻撃力・守備力を500ポイントダウンし、相手フィールド上に存在するモンスター1体を墓地へ送る事ができる。
リビングデッドの呼び声:永続罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
H・C ソード・シールド 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK0 DEF2000
自分フィールド上に「ヒロイック」と名のついたモンスターが存在する場合、このカードを手札から墓地へ送って発動できる。このターン、戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分フィールド上の「ヒロイック」と名のついたモンスターは戦闘では破壊されない。この効果は相手ターンでも発動できる。
ダークエンド・ドラゴン攻撃力2600→2100、守備力2100→1600
和輝LP6400手札1枚(黒・魔・導)
龍次LP5600→3500手札1枚
「俺のターンだ、ドロー!」
ドローカードを一瞥で確認し、龍次はそれを手札にも加えずにデュエルディスクのボタンを押した。既にこのターンの戦術は彼の頭の中で展開されている。
「スタンバイフェイズ、アンブッシュ・ソルジャーの効果発動! 自身をリリースし、墓地からエクストラ・ソードとソード・シールドを特殊召喚!」
もう何度目か、展開されるヒロイック達。すぐさまエクシーズ召喚かと思いきや、龍次はその前に魔法カードを一枚発動した。
「対象のいなくなったリビングデッドの呼び声を墓地に送り、マジック・プランター発動! カードを二枚ドロー!」
ドローカードを確認した龍次は「よし!」と喝采を上げる。そして、即座に動いた。
「サウザンド・ブレード効果発動! 手札のH・C スパルタスを捨て、デッキからH・C 夜襲のカンテラを特殊召喚!」
「四体のモンスター、か。また連続エクシーズが来るね」
「ああ。迎え撃たねぇとな」
ロキの言葉に雄々しく答える和輝。その口の端は吊り上がり、実に楽しそうだ。
「龍次、一気に攻め込みましょう」
「ああ! 俺はソード・シールドと夜襲のカンテラ、エクストラ・ソードとサウザンド・ブレードでダブルオーバーレイ!」
二連続エクシーズ召喚。龍次の頭上に広大な宇宙を思わせる空間が二つ出現し、夜襲のカンテラ、ソード・シールドが黄色の光となってそのうちの一つに飛び込み、残るエクストラ・ソードとサウザンド・ブレードも、同じく黄色の光となってもう一つの空間に飛び込んだ。
「二体のモンスターで、それぞれオーバーレイネットワークを構築! ダブルエクシーズ召喚!」
虹色の爆発が二重に起こる。そして、その向こうから二体の戦士が現れる。
「聖剣の輝きは、決して色褪せない。何度でも! H-C エクスカリバー!」
一体目。先ほどブラック・ローズによってバウンスされた聖剣の体現者。
「刃の下に、心あり。闇に紛れ、
二体目のエクシーズモンスター。
闇を思わせる紫のバトルアーマーに身を包んだサイバー風の忍者。両手に握りしめた太刀を振るい、残像を残さんばかりの速度で跳び回った後、龍次のフィールドに降り立った。
「エクストラ・ソードを素材にしたブレード・ハートの攻撃力は1000アップする。手札から魔法カード、戦士の生還を発動し、墓地のダブル・ランスを回収! そしてダブル・ランスを召喚し、効果を発動。墓地にいるもう一体のダブル・ランスを特殊召喚!
そして、二体のダブル・ランスをオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!」
「三体目!?」
驚愕の声を上げるロキ。険しい表情の和輝の眼前で、このターン三度目のエクシーズエフェクトが発生。虹色の爆発が起こる。
「出でよ
三体目。月とそこから溢れる月光のような、黄色と白の鎧姿の戦士。背にはウィングパーツ、腰の両脇に片刃の剣をそれぞれ一本ずつ下げ、左肩には自身のナンバーである「39」を刻んでいた。
「見ろロキ、あれこそ龍次のデッキの
「つまり、いよいよ決めにきているってことか!」
戦慄する和輝とロキ。その一人と一柱を見据え、龍次は叫ぶ。
「ブレード・ハートの効果を発動。ORUを一つ取り除き、自身に二回攻撃を付与。さらにエクスカリバーの効果も発動。ORUを二つ取り除き、自身の攻撃力を4000に。
バトルだ! ブレード・ハートでダークエンド・ドラゴンと月華竜ブラック・ローズに攻撃!」
攻め時とみた龍次に躊躇いはない。彼の命令を受けたブレード・ハートがその身を疾風のごとき速さで移動させ、手にした二刀をそれぞれ一閃。銀の光となった剣筋は何の停滞もなくダークエンド・ドラゴンとブラック・ローズの首を切り落としていた。
「がぁ……ッ!」
ダメージのフィードバックが襲い掛かり、和輝が苦悶の声を上げた。
「龍次、この気を逃してはいけません」
「ああ! エクスカリバーでダイレクトアタック!」
よろめく和輝に狙いをつけ、エクスカリバーが剣を振り被った。
剣身が黄金の光を放つ。振り下ろされた一撃は光の瀑布となった。
回避は困難。地面を削りながらやってくる、光の壁とでもいうべき攻撃を前に、和輝は苦悶に表情を歪ませながらも伏せカードを翻した。
「リバーストラップ発動! ガード・ブロック! 戦闘ダメージを0にし、カードを一枚ドロー!」
和輝の眼前に、彼を守るための不可視の壁が屹立。その壁が光の瀑布をせき止める。
流れを止められた一撃はそのまま左右に割れ、和輝の背後を疾走。地面に大きな傷跡を残した。
「躱してきましたか」
「けどこれでもう防御はねぇだろ! ホープでダイレクトタック!」
主の名を受けて、希望を背負った戦士が飛翔。左手で引き抜いた剣を投擲する。
投擲された剣は回転しながら和輝を襲った。和輝は身を翻して回避。だがそれを見越し、龍次はもう一手進めていた。
「ッ!」
剣を投擲した後から距離を詰めていた希望皇ホープ。その姿が和輝の眼前に到達、右手の剣を振り上げた。
「くっそ!」
バックステップで回避しようとする和輝。その耳朶に響く半透明のロキの警告。
「下がっちゃダメだ! さっきの剣がくる!」
そう、先程投擲された剣が、まるでブーメランのように孤を描いて背後から和輝に襲い掛かっていたのだ。
前後をはさまれた和輝。この状況から脱出するためには――――
「ここだ!」
和輝はあえて前に出た。
剣を振り下ろすホープ。その手元――すなわち剣の刃が届かない柄部分――に向かって飛びこむ和輝。狙い通り、刃よりも先に柄を握り締めた拳が彼の左肩を強打した。
「ぐ……ッ!」
鈍い痛みが和輝の左肩上で爆発する。だがそれだけだ。宝珠を破壊されていないし、刃で切られたわけでもない。
「このくらいじゃ、俺には届かねぇぞ、龍次!」
にやりと笑って見せる和輝。その胸の奥から純粋に「楽しい」という気持ちが湧き上がってくる。
楽しい。それは龍次も同じだった。
和輝とロキへの疑念はいつの間にか消えていた。今はただ、純粋に戦い抜いてやろうという気持ちしか湧いてこない。ありていに言って、“テンションが上がってきた”。
「俺はこれでターンエンドだ!」
マジック・プランター:通常魔法
自分フィールド上に表側表示で存在する永続罠カード1枚を墓地へ送って発動できる。デッキからカードを2枚ドローする。
H・C 夜襲のカンテラ 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1200 DEF300
このカードが相手フィールド上に守備表示で存在するモンスターを攻撃した場合、ダメージ計算前にそのモンスターを破壊できる。
機甲忍者ブレード・ハート 風属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2200 DEF1000
戦士族レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、自分フィールド上の「忍者」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。このターン、選択したモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
戦士の生還:通常魔法
(1):自分の墓地の戦士族モンスター1体を対象として発動できる。その戦士族モンスターを手札に加える。
No.39 希望皇ホープ 光属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2500 DEF2000
レベル4モンスター×2
(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。そのモンスターの攻撃を無効にする。(2):このカードがX素材の無い状態で攻撃対象に選択された場合に発動する。このカードを破壊する。
ガード・ブロック:通常罠
相手ターンの戦闘ダメージ計算時に発動する事ができる。その戦闘によって発生する自分への戦闘ダメージは0になり、自分のデッキからカードを1枚ドローする。
H-C エクスカリバーORU×0
機甲忍者ブレード・ハート攻撃力2200→3200、ORU×1
No.39 希望皇ホープORU×2
和輝LP6400→5300→4500→2000手札2枚(うち1枚は黒・魔・導)
龍次LP3500手札1枚
◆◆◆◆◆◆
和輝と龍次の戦いを、遠く離れた場所、バトルフィールドの端っこで監視している影があった。
男だ。褐色の肌、ぼさぼさの、汚れた金髪、ギラギラ獣のように輝く緑の瞳、黒のタンクトップの上にフライトジャケットを羽織った姿で、双眼鏡を片手ににやにや笑っている。
「いいぞいいぞ!」
男は機嫌がよさそうに、双眼鏡の向こうの光景、否なお激闘を繰り広げる和輝と龍次の姿を眺めていた。
「このままあいつらが消耗し尽くしたところで、オレの出番ってわけだ。うまくいけば労せずに二組脱落だ。いいぞいいぞ!」
ひとしきり笑た後、男は下卑た笑みを浮かべて、言った。
「世界はまさに、オレのために廻っているようじゃあないか!」