神々の戦争   作:tuki21

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第31話:不浄なる邪女神

「私のターン、レスキューラビット召喚。効果を発動。このカードを除外し、デッキからアレキサンドライドラゴン二体を特殊召喚」

 

 肥満体の男のフィールドに現れた、ヘルメットとお守りをつけた兎が周囲の景色に溶け込むようにして消えていく。代わりに現れたのは、アレキサンドライトでできた体を持ったドラゴンが二体。

 

「バトル、二体のアレキサンドライドラゴンでダイレクトアタック」

 

 無表情、無機質な攻撃命令。だがモンスターの気性は荒々しい。その爪と牙で和輝(かずき)を引き裂こうと、二体のドラゴンが迫る。

 

「手札のバトルフェーダー効果発動! バトルフェイズを終了し、このカードを守備表示で特殊召喚する!」

 

 カチコチ、カチコチ。時を司る悪魔の振り子が、フィールドを制止させる。攻撃を強制的に中断された二体の宝石竜は、ずこずこと引き下がっていった。

 

「メインフェイズ2、二体のアレキサンドライドラゴンでオーバーレイ。No.(ナンバーズ)52 ダイヤモンド・クラブ・キングを守備表示でエクシーズ召喚。ターン終了」

「私のターン、大地の騎士ガイアナイトでバトルフェーダーを攻撃」

 

 肥満体の男に代わって、痩身の男が前に出る。馬上の騎士が放つ突撃(チャージ)がバトルフェーダーを撃破。和輝のモンスターを殲滅する。

 

「ターン終了」

「俺のターンだ!」

 

 二対一という数的不利が、和輝の肩に重くのしかかってきた。

 この二人は強い。昨日の晩倒した奴とはまるで違う。だが――――

 

「肥満体のライフは残り5000、痩身のほうは3000、か。和輝、頑張ってるけど、さすがに二対一は厳しいかい?」

「馬鹿言ってんじゃねぇ。この程度でやられてなんざいられるか! 見てろ、こっから逆転、ショウタイムだ!」

 

 和輝は折れない、屈しない。ここで負けるわけにはいかないという思いと、絶対に勝ち、妹を救うという信念が、彼に膝をつくことを許さない。

 

 

 

 

 

◆◆◆◆◆◆

 

 

 

 

 

 烈震(れっしん)は泰然としながら、これも良い修行になると思った。

 烈震にとって、神々の戦争の勝者に与えられる「なんでも一つ、願いを叶える」という特典には興味はない。ただ己を高める修行をする。相棒のトールも、ただ暴れられればいい、という程度の考えだ。本人も、神々の王の座に興味はないと言っていた。

 烈震は思う。この戦いもまた、(オレ)の強さの糧になると。

 強いことは重要だ。特に烈震はそれがなければ生き残れなかった。赤ん坊のころに中国の山地に捨てられた自分には。

 母のような、姉のような女性(ひと)に拾われなければ、きっと惨たらしい死に方をしただろう。……本人に母というと今でも半殺しにされるが。

 そしてデュエルもまた重要だった。この世界、デュエルの占める割合は大きい。たった十五年で、様変わりしてしまった。価値観も含めて。

 これが神々の戦争のために用意されたお膳立てなのだということはもうわかっているし、トールから言質もとった。

 だが関係ない。強さを、より強い強さを烈震は求める。己を高みに押し上げることのできる強さを。生きるために。

 

 

烈震LP1550手札3枚

ペンデュラムゾーン赤:なし青:なし

場 

伏せ なし

 

アイーダLP3200手札3枚

ペンデュラムゾーン赤:なし青:なし

場 甲虫装機(インゼクター) エクサビートル(甲虫装機 ギガマンティス、甲虫装機 センチピード装備、攻撃力1000→2400→3600→3900、攻撃表示、ORU:甲虫装機 エクサスタッグ)、No.20 蟻岩土ブリリアント(攻撃表示、攻撃力1800→2100、ORU:甲虫装機 アーマイゼ)、永続罠:ヴァリュアブル・フォーム

伏せ なし

 

 

甲虫装機 エクサビートル 闇属性 ランク6 昆虫族:エクシーズ

ATK1000 DEF1000

レベル6モンスター×2

このカードがエクシーズ召喚に成功した時、自分または相手の墓地のモンスター1体を選択し、装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードの攻撃力・守備力は、この効果で装備したモンスターのそれぞれの半分の数値分アップする。また、1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、自分及び相手フィールド上に表側表示で存在するカードを1枚ずつ選択して墓地へ送る。

 

甲虫装機 ギガマンティス 闇属性 ☆6 昆虫族:効果

ATK2400 DEF0

このカードは手札から装備カード扱いとして自分フィールド上の「甲虫装機」と名のついたモンスターに装備できる。このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターの元々の攻撃力は2400になる。また、モンスターに装備されているこのカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地から「甲虫装機ギガマンティス」以外の「甲虫装機」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。「甲虫装機ギガマンティス」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

No.20 蟻岩土ブリリアント 光属性 ランク3 昆虫族:エクシーズ

ATK1800 DEF1800

レベル3モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動する事ができる。自分フィールド上に表側表示で存在する全てのモンスターの攻撃力は300ポイントアップする。

 

ヴァリュアブル・フォーム:永続罠

1ターンに1度、以下の効果から1つを選択して発動できる。●自分フィールド上の「甲虫装機」と名のついたモンスター2体を選択し、選択したモンスター1体をもう1体のモンスターに装備する。●自分フィールド上の装備カード扱いの「甲虫装機」と名のついたモンスター1体を選択して自分フィールド上に表側守備表示で特殊召喚する。

 

 

甲虫装機 エクサビートル攻撃力1000→2400→3600→3900、ORUなし

No.20 蟻岩土ブリリアント攻撃力1800→2100、ORU×1

 

 

「己のターンだ、ドロー」

 

 フィールドは空。ライフも僅か。逆転の手段は手札(ここ)にはない。にもかかわらず、烈震の心は湖面のように静かだった。

 激高するな。感情の高ぶりは時に思わぬ力を生み出すが、半面、思わぬ隙を作りやすい。得にデュエルでは、その火の心が敗因になることもある。

 冷静に。水の様に冷静(クール)になれ。それができてようやく()()()。師の言葉だ。あの女性は本当に手厳しいと思う。

 その心に加えて実力も備えてようやく一人前。そこから一流への道を歩め。己が知る中で一流のもっとも先を行っている人物だけに、その言葉は重く、険しい。

 

「烈震。どーすんだ?」

「そうだな。この手札では奴のライフまで届かん。なのでこのターンは、()()()()()()()()()()()()()。手札から速攻魔法、緊急テレポートを発動。デッキからレベル3のサイコ・コマンダーを特殊召喚。さらに超電磁タートルを召喚」

 

 烈震のフィールドに揃ったのは、レベル4のモンスターとレベル3のチューナー。意味するところは一つ。それを読み取ったアイーダの表情が渋いものになる。

 

「レベル7か」

「そうだ。レベル4の超電磁タートルに、レベル3のサイコ・コマンダーをチューニング!」

 

 シンクロ召喚。サイコ・コマンダーが三つの緑の輪となり、その輪をくぐった超電磁タートルが四つの白い光星となる。一際強い白の輝きが辺りを包みこんだ。

 

「連星集結、爆炎開花。シンクロ召喚、爆ぜろ、ブラック・ローズ・ドラゴン!」

 

 光の向こうから轟く咆哮。現れたのは、黒い体躯に血のように、炎の様に真紅の薔薇の花を咲かせたドラゴン。

 

「ブラック・ローズ・ドラゴン効果発動! このカードのシンクロ召喚成功時、フィールドの全てのカードを破壊する! 消えろ!」

 

 ブラック・ローズ・ドラゴンがはばたくと、赤い旋風が発生。さらにブラック・ローズ・ドラゴン自身もまるで花開くようにその身体がほつれ、中から紫色の炎が噴出。赤い旋風と合わさって炎の竜巻となった。炎の竜巻がフィールド全体を荒れ狂い、全てのモンスターを巻き上げ、焼き尽くした。

 

「く……ッ! だけど装備状態のギガマンティスの効果発動! 墓地のダンセルを守備表示で復活!」

 

 全体破壊でも、最低限の壁は残す。ただでは転ばない。死してなお次につながる何かを残す昆虫の矜持の発揮。烈震はそのままフィールドを開けたままターンを終えた。

 

 

緊急テレポート:速攻魔法

(1):手札・デッキからレベル3以下のサイキック族モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターは、このターンのエンドフェイズに除外される。

 

超電磁タートル 光属性 ☆4 機械族:効果

ATK0 DEF1800

「超電磁タートル」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。(1):相手バトルフェイズに墓地のこのカードを除外して発動できる。そのバトルフェイズを終了する。

 

ブラック・ローズ・ドラゴン 炎属性 ☆7 ドラゴン族:効果

ATK2400 DEF1800

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

このカードがシンクロ召喚に成功した時、フィールド上のカードを全て破壊できる。また、1ターンに1度、自分の墓地の植物族モンスター1体をゲームから除外して発動できる。相手フィールド上に守備表示で存在するモンスター1体を選択して表側攻撃表示にし、エンドフェイズ時までその攻撃力を0にする。

 

甲虫装機 ダンセル 闇属性 ☆3 昆虫族:効果

ATK1000 DEF1800

1ターンに1度、自分の手札・墓地から「甲虫装機」と名のついたモンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードに装備された装備カードが自分の墓地へ送られた場合、デッキから「甲虫装機 ダンセル」以外の「甲虫装機」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。また、このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターのレベルは3つ上がる。

 

 

「ちぇー。厄介なカードを墓地に置いてくれたもんだよ。あたしのターン!」

 

 ドローカードを確認したアイーダは、先ほどまでの不平はどこへやら、「おっ」と目を丸くし、次いで獲物を追い詰めた肉食獣のようににやりと笑った。

 

「まーこのターンはダメージ与えられないし、じゃあいっそ、場を盤石にしておこうか。

 ダンセル効果発動。墓地のグルフを装備ね。それから装備状態のグルフの効果発動。グルフを墓地に送ってダンセルのレベルを二つ上げる。そしてダンセルの効果でデッキから甲虫装機 ウィーグを特殊召喚」

 

 現れたのは黒のボディスーツ姿の「素体」に、青いハサミムシをモチーフにしたアーマーが装着される。

 

「さらに死者蘇生を発動し、あたしの墓地からギガマンティスを蘇生!」

 

 三体揃うモンスターたち。烈震の表情が自然険しくなり、トールもまた「来やがるぜ、この気配はな!」と烈震に対して警告を飛ばす。

 

「三体のモンスターをリリース! さーおいで! 不浄なる邪女神トラソルテオトル!」

 

 三体のモンスターが光の粒子となり、周囲の景色に溶け込むように消えていく。

 そして、三体のモンスター自体が依代となり、門となり、力の「場」となる。

 ぐるぐる回る力の流れ。自然、烈震の両肩に言い知れぬ重圧がかかる。神の召喚の前触れだと、烈震は思った。

 衝撃。獣の遠吠えのような、少し甲高い音が響き、神が現れた。

 黒い斑点が浮かぶ青白い肌、青い長髪、黒い瞳、漆黒のスカートに、上半身を覆うのは霧のような雲のような、液体と気体と固体を混ぜ合わせたような奇妙なドレス。

 

「さぁさぁさぁ! 我が来たぞ、不浄の女神が! 腐り落ちろ大地。穢れよ大気。全て我がひざ元に這いつくばらせてやろう!」

 

 出現し、笑う女神トラソルテオトル。アステカ神話に名を連ねる不浄の女神が今、烈震の前に立ちはだかった。

 

「トラソルテオトル効果発動! 一ターンに一度、あたしの墓地のモンスター一体を装備できる! あたしは墓地の甲虫装機 ウィーグを装備!」

 

 アイーダの墓地から、半透明状態のウィーグが浮遊してくる。トラソルテオトルはにやりと笑い、そのウィーグ――正確にはその魂――を右手でつかみ取った。

 

「蘇生したモンスターよ、我が喰らってやろう。そうすることで、生前の罪穢れ、浄化してやろう。貴様の不浄を、我が体内に留めおこう」

 

 ぐわ! と大きく開かれる口。トラソルテオトルはウィーグの魂を一飲みにしてしまった。

 

「かかか。なかなかに美味。だが忌々しいのは、このターン、我の攻撃は届かないことか」

「けど、攻撃すれば防御は一枚削れる。バトル! トラソルテオトルでダイレクトアタック!」

 

 攻撃宣言が下される。神が動く。

 

「はは! さぁ死霊ども。どこにもイキバのない哀れな魂よ! 我が弾丸となるがいい!」

 

 トラソルテオトルが両手を広げる。その掌の上に集う無数の黒い塊。それがどこにもいけずに彷徨うだけの魂だと烈震が気づいたころには、魂たちはトラソルテオトルの手によってこねくり回され、砲弾に作りかえられてしまった。

 

「来るぞ烈震!」

「分かっている!」

 

 一人と一柱のやり取りの直後、魂の砲弾が発射。巨大な髑髏の形をした漆黒の砲弾は、恨みがましい咆哮を上げながら烈震に向かって肉薄する。

 

「墓地の超電磁タートルの効果発動! このカードを除外し、バトルフェイズを終了させる!」

 

 烈震の眼前に、彼を守るように電撃の壁が屹立。障壁はバリアーとなって死霊の砲弾を防ぎ、烈震を守った。

 

「これであんたに守りの手段はない。ターンエンドだよ」

 

 

甲虫装機 ウィーグ 闇属性 ☆4 昆虫族:効果

ATK1000 DEF1000

1ターンに1度、自分の手札・墓地から「甲虫装機」と名のついたモンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターの攻撃力・守備力はこのカードのそれぞれの数値分アップする。また、モンスターに装備されているこのカードが墓地へ送られた時、装備していたモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで1000ポイントアップする。

 

死者蘇生:通常魔法

(1):自分または相手の墓地のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚する。

 

不浄なる邪女神トラソルテオトル 神属性 ☆10 幻獣神族:効果

ATK3500 DEF3000

このカードは特殊召喚できない。このカードは3体のモンスターをリリースしてのみ通常召喚できる。(1):このカードは神属性、幻神獣族モンスターの効果以外のカード効果ではフィールドを離れず、コントロールも変更されない。(2):このカードが相手のカードの効果を受けた時、エンドフェイズにこのカードに対するそのカード効果を無効にする。(3):1ターンに1度、自分の手札、または墓地のモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターをこのカードに装備する。???(4):???

 

 

「己のターンだ、ドロー!」

 

 神の攻撃は凌ぎ切ったが、依然不利な状況の烈震。ドローカードを確認。顔しかめる。

 

(これではない……)

 

 逆転のための策はある。だがパーツがまだ揃わない。もう猶予はないというのに。

 

「だが耐えるしかない。カードを一枚セットし、カードカー・Dを召喚。効果を発動。カードを二枚ドローし、カードカー・Dの効果で強制ターンエンドだ」

 

 

カードカー・D 地属性 ☆2 機械族:効果

ATK800 DEF400

このカードは特殊召喚できない。このカードの効果を発動するターン、自分はモンスターを特殊召喚できない。(1):このカードが召喚に成功した自分メインフェイズ1にこのカードをリリースして発動できる。自分はデッキから2枚ドローする。その後、このターンのエンドフェイズになる。

 

 

「ちぇっ。ここにきてターンを犠牲にしてもドローの可能性にしがみつくなんて。みっともないねー」

 

 アイーダの台詞は明らかな挑発だった。あるいは、神を前にして心折れない、どころか萎えもせず、乗り越えてやるといわんばかりに相対している烈震に、アイーダ自身が苛立っているのかもしれない。

 一方の烈震は相手が何を言っているかわからない、という表情をしていた。

 

「よくわからないな。可能性があるなら足掻いて何が悪い?」

「何?」

「勝利―――――いや、自分の成し遂げようとすることのために足掻くことの何が悪い? たとえ他人にはどれだけ無様に見えようと、己には関係ない。己は己。常に確固たる(おのれ)の中心部はここにある」

 

 そう言って烈震は己の左胸、心臓のある部分を親指で指さした。

 

「ッ!」

 

 確固たる己。その言葉にアイーダは劇的に動揺した。そんなものが自分にあれば、ブランドもので身を固め、愛想を振りまき、明るく楽しく、周囲に溶け込むよう努力なんてしなかった。

 そして、そんな努力をせず、それでも輝く何かを持っていたクーデリアに嫉妬もしなかった。

 

「ハッ。じゃあその確固たる己とやらで、あたしに勝って見せるんだね! トラソルテオトル効果発動! 墓地のギガウィービルを装備! さらにトラソルテオトルは、自分が装備したモンスターと相手のカードを一枚ずつ、墓地に送ることができる! あたしのギガウィービルと、あんたの伏せカード、消えなよ!」

 

 トラソルテオトルが今度はギガウィービルの魂を墓地から嚥下(えんか)し、その周囲にあふれ出た魂が無数の腕に加工され、一斉に烈震の伏せカードに向かって殺到した。

 

「そう簡単に事を運ばせるものか。チェーンして伏せていた和睦の使者を発動。これにより、このターン、己への戦闘ダメージは全て0になる」

 

 フリーチェーン。ダンセルがまた出てくる可能性がある以上、伏せカードがフリーチェーンである可能性は高かったはずだ。にもかかわらず、アイーダは無理にトラソルテオトルの効果を使用した。まるで力を誇示するように。

 

(これは、まずいかもしれんな……)

 

 トラソルテオトルは内心でそんなことを思った。しかしデュエルは止まらない。最後まで行くしかない。

 

「まぁいいさ。墓地に送られたギガウィービルの効果は問題なく発動する。あたしは墓地からダンセルを守備表示で特殊召喚。ダンセルの効果を発動し、グルフを装備。さらにグルフの効果で、装備状態のグルフを墓地に送って、ダンセルのレベルを二つ上げる。ダンセルの効果でデッキから甲虫装機 ホーネットを守備表示で特殊召喚。ターンエンド」

 

 

不浄なる邪女神トラソルテオトル 神属性 ☆10 幻獣神族:効果

ATK3500 DEF3000

このカードは特殊召喚できない。このカードは3体のモンスターをリリースしてのみ通常召喚できる。(1):このカードは神属性、幻神獣族モンスターの効果以外のカード効果ではフィールドを離れず、コントロールも変更されない。(2):このカードが相手のカードの効果を受けた時、エンドフェイズにこのカードに対するそのカード効果を無効にする。(3):1ターンに1度、自分の手札、または墓地のモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターをこのカードに装備する。???(4):1ターンに1度、このカードに装備されているカードと相手フィールドのカードを1枚ずつ対象にして発動できる。そのカードを墓地に送る。

 

和睦の使者:通常罠

このターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージは0になり、自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

甲虫装機 ギガウイービル 闇属性 ☆6 昆虫族:効果

ATK0 DEF2600

このカードは手札から装備カード扱いとして自分フィールド上の「甲虫装機」と名のついたモンスターに装備できる。このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターの元々の守備力は2600になる。また、モンスターに装備されているこのカードが墓地へ送られた場合、自分の墓地から「甲虫装機」と名のついたモンスター1体を選択して特殊召喚できる。「甲虫装機ギガウィービル」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

甲虫装機 ダンセル 闇属性 ☆3 昆虫族:効果

ATK1000 DEF1800

1ターンに1度、自分の手札・墓地から「甲虫装機」と名のついたモンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードに装備された装備カードが自分の墓地へ送られた場合、デッキから「甲虫装機 ダンセル」以外の「甲虫装機」と名のついたモンスター1体を特殊召喚できる。また、このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターのレベルは3つ上がる。

 

甲虫装機 グルフ 闇属性 ☆2 昆虫族:効果

ATK500 DEF100

1ターンに1度、自分の手札・墓地から「甲虫装機」と名のついたモンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターのレベルは2つ上がり、攻撃力・守備力は、このカードのそれぞれの数値分アップする。また、装備カード扱いとして装備されているこのカードを墓地へ送る事で、自分フィールド上のモンスター1体を選択し、レベルを2つまで上げる。

 

甲虫装機 ホーネット 闇属性 ☆3 昆虫族:効果

ATK500 DEF200

1ターンに1度、自分の手札・墓地から「甲虫装機」と名のついたモンスター1体を装備カード扱いとしてこのカードに装備できる。このカードが装備カード扱いとして装備されている場合、装備モンスターのレベルは3つ上がり、攻撃力・守備力はこのカードのそれぞれの数値分アップする。また、装備カード扱いとして装備されているこのカードを墓地へ送る事で、フィールド上のカード1枚を選択して破壊する。

 

 

「己のターン! ドローだ! よし、貪欲な壺を発動! 墓地のドラゴアセンション、フォーミュラ・シンクロン、サイレント・ドラゴン、TG ストライカー、カードカー・Dを戻し、二枚ドロー!」

 

 このドローは烈震にとって賭けだった。もう手札に防御系カードはなく。神の攻撃をこれ以上防げない。次にアイーダのターンが渡れば、確実にやられる。

 

「このターンで決めろ、烈震!」

「いわれるまでもない!」

 

 そして、裂帛の気合いを込めてのドローが行われた。

 引いたカードは――――

 

「相手フィールドにのみモンスターが存在するため、己は手札のバイス・ドラゴンを特殊召喚! ただしこの効果によって特殊召喚されたバイス・ドラゴンは攻守が半分となる。

 さらに墓地のレベル・スティーラーの効果を発動。バイス・ドラゴンのレベルを一つ下げて、レベル・スティーラー(このカード)を特殊召喚する。死者蘇生を発動し、モンスターを蘇生。己はこの三体のモンスターをリリース!」

 

 準備は整った。次々に展開されるモンスターたち。そしてそのモンスターが光の粒子となって消え、天に昇っていく。

 昇天したモンスターたちは神を呼び出す門となる。

 

「現れろ己の神! 迅雷の闘神トール!」

 

 夜空に青白い雷が降り落ちた。

 一つ、二つ、飛んで十。そして現れる神。

 短く乱雑に切られた緑の髪、挑戦的な金の双眸、前を開いたジャケットのように背中と肩程度しか守っていない緑の鎧、いくつもの雷球が日本の雷神の電電太鼓のようにトールの背後に展開され、右手には妙に柄の短いハンマー、ミョルニル。

 

「オレ、参上!」

 

 がっとポージングを決め、トールは大声でそう言った。

 アイーダは怪訝な表情、トラソルテオトルはどこか脱力したような表情。そして肝心の烈震は無表情。三者三様の反応を見て、トールが「カーッ」と大げさに天を仰いで右手で顔も覆った。

 

「情けねぇ。せっかく神が揃ったってのに、この反応かよ」

「……お前の登場シーンが滑ったこともあるがな、トール。まぁいい。気を取り直すぞ。トールの効果発動! 相手モンスター一体を破壊し、その攻撃力分のダメージを与える! 己はもちろん、トラソルテオトルを対象とする!」

 

 トールの背後の電球が一斉に上昇、一か所に集まり、太陽の様に発呼する巨大な大電球となった。

 

「オラくらえや!」

 

 トール渾身の一撃。彼の腕の動きに合わせて、大電球が落下してきた。

 

「させないよ! トラソルテオトル効果発動! 自身に装備されているモンスター一体を墓地に送ることで、破壊を無効にする!」

「我を守れ魂の壁よ!」

 

 アイーダの宣言が走り、トラソルテオトルが両手を振り上げる。その動きに合わせ、彼女が取り込んだ魂が天に向かって昇る滝のように展開。トールの大電球から主を守る壁となる。

 

「残念だったねー。さらに墓地に送られたウィーグの効果が発動するよ、トラソルテオトルの攻撃力を、ターン終了時まで1000アップだ」

 

 これでトラソルテオトルの攻撃力は4500。トールを上回った。

 

「オレの攻撃力を超えてきたか」

「問題ない。勝利への道は見えている。トールの効果を発動! 一ターンに一度、手札かフィールド、または墓地の己のモンスター一体をトールに装備させ、その攻撃力分、トールの攻撃力を上昇させる。己はTG(テックジーナス) ハイパー・ライブラリアンをトールに装備させる」

 

 烈震の宣言と同時に、彼の墓地からハイパー・ライブラリアンが半透明応対で出現。次の瞬間には青白く輝く雷の化身となり、トールの肩にまるで羽衣のように羽織られた。

 

「さぁ! これでオレの攻撃力は6400、おめぇを上回ったぜ? トラソルテオトル」

「ぐ……」

 

 トラソルテオトルの表情に苦いものが走る。契約者のアイーダも同様だ。あっさり超えられた神の攻撃力。状況は、一気に敗北に傾いた。

 

「ダメ押しだ。手札から二枚目の緊急テレポートを発動し、デッキからクレボンスを特殊召喚。さらに己のフィールドにチューナーが存在するため、墓地のボルト・ヘッジホッグを特殊召喚。そしてレベル2のボルト・ヘッジホッグに、同じくレベル2のクレボンスをチューニング」

 

 ダメ押しの一発。攻撃力がアップしたとはいえ、トール単独でトラソルテオトルを撃破しただけではアイーダのライフは0にできない。

 

「連星集結、鉄腕錬鉄。シンクロ召喚、出でよアームズ・エイド!」

 

 ダメ押しの一発。モンスターの装備カードとなり、さらに戦闘破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える特異なシンクロモンスターだ。

 

「アームズ・エイドをトールに装備。トールの攻撃力1000ポイントアップ。

 貴様たちの敗因は、神を召喚しながら二度も己を討ち損じたことだ。攻めきれなかった事実を悔め。バトルだ! トールでトラソルテオトルに攻撃!」

 

 デュエルの終幕を告げる攻撃宣言が下された。アイーダのフィールドに伏せカードはなく、手札にもこの状況から自身を守る手段は残されていない。

 

「く……、くそ……ッ! こんなところで終わるなんて……!」

 

 アイーダの眼前、右手に禍々しく鋭い鉄鋼、アームズ・エイドを装備したトールが、その手で雷撃の鉄槌、ミョルニルを天に向かって掲げる。

 そのミョルニルから莫大な量の雷が放出される。まるで真昼の空のような光量が周囲を照らす。

 

「誘拐犯の片割れ、これで終わりだ!」

 

 トールの宣言。アイーダの表情が憤怒で歪む。

 

「畜生、畜生……! ここで終わりなんて……。クーデリアを、綺麗に、誰よりも、何よりも綺麗にするんだ! 誰も無視できないように! あたしが見つけた彼女の美しさを知らしめるんだ! 見ろ! これが――――()()()()()()()()()!」

 

 直後、莫大量の雷撃と鉄槌の物理的衝撃がトラソルテオトルを直撃した。

 

「あああああああああああああああああああ!」

 

 甲高い断末魔の悲鳴を残して消えるトラソルテオトル。そして、

 

「アームズ・エイドの効果! 今破壊したトラソルテオトルの攻撃力分のダメージを与える!」

 

 トールが一気に距離を詰めた。ミョルニルを放り投げ、アームズ・エイドを装備した右拳を振り上げる。

 

「作品、か。ま、テメェの感情なんざ知ったこっちゃねぇ。気に入らねぇ誘拐は、ここまでもしてもらうぜ!」

 

 トールの拳が振り抜かれる。拳は寸分(たが)わずアイーダの宝珠を打ち抜き、砕いた。

 

 

貪欲な壺:通常魔法

(1):自分の墓地のモンスター5体を対象として発動できる。そのモンスター5体をデッキに加えてシャッフルする。その後、自分はデッキから2枚ドローする。

 

バイス・ドラゴン 闇属性 ☆5 ドラゴン族:効果

ATK2000 DEF2400

(1):相手フィールドにモンスターが存在し、自分フィールドにモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる。この方法で特殊召喚したこのカードの元々の攻撃力・守備力は半分になる。

 

レベル・スティーラー 闇属性 ☆1 昆虫族:効果

ATK600 DEF0

(1):このカードはモンスターゾーンに存在する限り、アドバンス召喚以外のためにはリリースできない。(2):このカードが墓地に存在する場合、自分フィールドのレベル5以上のモンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターのレベルを1つ下げ、このカードを墓地から特殊召喚する。

 

迅雷の闘神トール 神属性 ☆10 幻神獣族:効果

ATK4000 DEF2500

このカードは特殊召喚できない。このカードは3体のモンスターをリリースしてのみ通常召喚できる。(1):このカードは神属性、幻神獣族モンスターの効果以外のカード効果ではフィールドを離れず、コントロールも変更されない。(2):このカードが相手のカードの効果を受けた時、エンドフェイズにこのカードに対するそのカード効果を無効にする。(3):1ターンに1度、相手モンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを与える。(4):1ターンに1度、自分の手札、フィールド、墓地のモンスター1体を対象に発動できる。対象のモンスターをこのカードに装備する(1度に装備できるモンスターは1体まで)。装備したモンスターの攻撃力分、このカードの攻撃力がアップする。

 

不浄なる邪女神トラソルテオトル 神属性 ☆10 幻獣神族:効果

ATK3500 DEF3000

このカードは特殊召喚できない。このカードは3体のモンスターをリリースしてのみ通常召喚できる。(1):このカードは神属性、幻神獣族モンスターの効果以外のカード効果ではフィールドを離れず、コントロールも変更されない。(2):このカードが相手のカードの効果を受けた時、エンドフェイズにこのカードに対するそのカード効果を無効にする。(3):1ターンに1度、自分の手札、または墓地のモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターをこのカードに装備する。このカードが破壊される時、代わりにこの効果で装備したカードを破壊する。(4):1ターンに1度、このカードに装備されているカードと相手フィールドのカードを1枚ずつ対象にして発動できる。そのカードを墓地に送る。

 

クレボンス 闇属性 ☆2 サイキック族:チューナー

ATK1200 DEF400

このカードが攻撃対象に選択された時、800ライフポイントを払って発動できる。その攻撃を無効にする。

 

ボルト・ヘッジホッグ 地属性 ☆2 獣族:効果

(1):自分メインフェイズに発動できる。このカードを墓地から特殊召喚する。この効果は自分フィールドにチューナーが存在する場合に発動と処理ができる。この効果で特殊召喚したこのカードは、フィールドから離れた場合に除外される。

 

アームズ・エイド 光属性 ☆4 機械族:シンクロ

ATK1800 DEF1200

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に装備カード扱いとしてモンスターに装備、または装備を解除して表側攻撃表示で特殊召喚できる。この効果で装備カード扱いになっている場合のみ、装備モンスターの攻撃力は1000ポイントアップする。また、装備モンスターが戦闘によってモンスターを破壊し墓地へ送った時、破壊したモンスターの元々の攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。

 

 

アイーダLP3200→0

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