喉が痛い。渇きを覚えたので、唾を飲み込んでみると、鉄の味がした。
唾を吐けばやっぱり血が混じっていた。どうやら、奴らの攻撃を一発もらった時、口の中を切ったらしい。派手に吹っ飛んで地面を転がったのだから、仕方がない。
だが、その戦いももう終わりだ。
「これで終わりだ。ブラック・マジシャンでダイレクトアタック!」
最後の一撃が下る。和輝の命を受け、ブラック・マジシャンが黒い稲妻の群を放つ。漆黒の雷は一切の慈悲なく肥満体の男を打ち据えた。
デュエル終了。不可解なバトルフィールドが解除され、和輝たちは現実空間に帰還した。
「綺羅は!?」
デュエル終了後、和輝はまず倒れたままの綺羅に掛けよった。
綺羅の身体を抱きかかえる。見たところ外傷はない。
「大丈夫だ、和輝。間にあった。綺羅ちゃんはまだ何もされていない。気絶しているだけだ。これなら、あとはちょっと記憶を弄って、神々に関する部分だけ、ほかの出来事で補完すればいい。それで綺羅ちゃんの日常は戻ってくる」
ロキの見立てに、和輝はほっと息をついた。綺羅についてはこれで大丈夫そうだ。後でロキに処置を願って、フォローはこちらでしよう。
「なら後はこいつら――――」
問題は、綺羅を浚った二人。彼らの目的や、誰の差し金か、なぜバトルフィールドを展開で来たのかなどを聞こうとして振り返った和輝の目に飛び込んできたのは、まるでできの悪いホラー映画のように
「な!?」
「はぁ!?」
驚愕の声を上げる和輝とロキ。近寄る和輝を、ロキが制する。一人と一柱の眼前で、痩身と肥満体の男たちは服も含めて、ドロドロに溶け、崩れ、最後には濁った黒い色の泥だまりだけが残った。
「混沌、か……、まさか奴がかかわっていたとはね」
「奴?」
ロキの表情は険しい。和輝は今までと一変したロキの様子に眉をしかめた。
「知っているのか?」
「ああ。和輝。覚えておくといい。この神々の戦争の中で、一番危険な神はアンラマンユだ。けれど、こいつはアンラマンユとは別ベクトルで
「…………そいつの、名前は?」
ロキは一拍おいて、その神の名を告げた。
「ナイアルラトホテプ。関わるだけで破滅を呼ぶ邪神だ」
◆◆◆◆◆◆
「ああ……、アイーダ、アイーダどこ? 誰か私を助けて。だれ、だれれれれ。わたし、ぼく、おれ、あ、あれ?」
クーデリアの言動が明らかにおかしい。その場にうずくまり、頭を掻きむしっている。
「お、おい……」
「魂の剥離によって、彼女の精神が不安定になっているのです。このままでは、彼女の精神が崩壊してしまう」
それはまずい状況だ。何とかできないかと思った時、不意にクーデリアの奇行が停止した。
「?」
怪訝な表情を見せる龍次と
「な……」
「さぁ、もう大丈夫よ、クーデリア。あなたは眠っていなさい。あとはわたしがやってあげるから」
表情の抜けた人形と化したクーデリアと、笑うフローラ。何が起こったのか理解した龍次がぎしりと歯を鳴らした。
「彼女を完全に洗脳しましたね、フローラ」
「一時的に眠ってもらっただけよ。そう、クーデリアにはこんな過酷な戦いは似合わない。誰よりも、何よりも美しく咲き誇る唯一無二の輝く花であればいいの。それよりも、まだあなたのターンよ、早くターンを進めてくれないかしら?」
悪びれることなく言い放つフローラ。龍次はますます心に怒りの炎を燃え上がらせた。
龍次LP6200手札1枚
ペンデュラムゾーン赤:なし青:なし
場 H-C エクスカリバー(攻撃表示、ORU:なし、攻撃力2000→2800)、H-C ムラクモ(攻撃表示、攻撃力2500→4300、ORU:H・C クラスプ・ナイフ、)、機甲忍者 ブレード・ハート(攻撃表示、ORU:、攻撃力2200→3000)、永続魔法:一族の結束
伏せ なし
クーデリアLP4600手札1枚
場 ギガプラント(攻撃表示、攻撃力、再度召喚)、永続罠:リビングデッドの呼び声(対象:ギガプラント)
伏せ 1枚
H-C エクスカリバー 光属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2000 DEF2000
戦士族レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を2つ取り除いて発動できる。このカードの攻撃力は、次の相手のエンドフェイズ時まで元々の攻撃力の倍になる。
H-C ムラクモ 地属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2500 DEF2000
レベル4戦士族モンスター×3
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象にして発動できる。そのカードを破壊する。この効果は相手ターンでも発動できる。(2):???
機甲忍者ブレード・ハート 風属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2200 DEF1000
戦士族レベル4モンスター×2
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、自分フィールド上の「忍者」と名のついたモンスター1体を選択して発動できる。このターン、選択したモンスターは1度のバトルフェイズ中に2回攻撃する事ができる。
一族の結束:永続魔法
(1):自分の墓地の全てのモンスターの元々の種族が同じ場合、自分フィールドのその種族のモンスターの攻撃力は800アップする。
ギガプラント 地属性 ☆6 植物族:デュアル
ATK2400 DEF1200
このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。
●1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。自分の手札・墓地から昆虫族または植物族モンスター1体を選んで特殊召喚する。
リビングデッドの呼び声:永続罠
(1):自分の墓地のモンスター1体を対象としてこのカードを発動できる。そのモンスターを攻撃表示で特殊召喚する。このカードがフィールドから離れた時にそのモンスターは破壊される。そのモンスターが破壊された時にこのカードは破壊される。
「バトルフェイズを終了、メインフェイズ2に入り、エクシーズ・ギフト発動。ムラクモとブレード・ハートから一つずつ
「待って、あなたのエンドフェイズに、わたしは伏せていた雑草魂を発動」
龍次のエンドフェイズに待ったをかけたクーデリア=フローラ。彼女の足元の伏せカードが翻った瞬間、信じられない光景が龍次の眼前に繰り広げられた。
「何!?」
龍次の驚愕の声が飛ぶ。彼の眼前には、先程確かに破壊したはずのティタニアル、タレイア、マリーナが復活していたのだ。
「何が起こった!?」
「雑草魂の効果よ、坊や。このターンに破壊された植物族を、効果を無効にし、攻撃力を0にした状態で特殊召喚するの」
艶やかに笑うフローラ。龍次は歯噛みする。相手にターンを渡すうえで最も重要なのは、言うまでもなく相手モンスターを残さないこと。
相手の場にモンスターが残らなければ、反撃の手段も限られるためだ。だが、今、クーデリア=フローラのフィールドには合計で四体のモンスターが残ってしまった。次のターン、ほぼ何でもできるのではなかろうか?
「くっそ。改めて、ターンエンドだ!」
エクシーズ・ギフト:通常魔法
自分フィールド上にエクシーズモンスターが2体以上存在する場合に発動できる。自分フィールド上のエクシーズ素材を2つ取り除き、デッキからカードを2枚ドローする。
雑草魂:通常罠
(1):自分植物族モンスターが戦闘で破壊されたターン終了時に、このターンに破壊された植物族モンスターを3体まを対象にして発動できる。対象のモンスターを攻撃力を0にし、効果を無効にした状態で特殊召喚する。
姫葵マリーナ 炎属性 ☆8 植物族:効果
ATK2800 DEF1600
このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカード以外の自分フィールド上の植物族モンスター1体が戦闘またはカードの効果によって破壊され墓地へ送られた場合、相手フィールド上のカード1枚を選択して破壊できる。
桜姫タレイア 水属性 ☆8 植物族:効果
ATK2800 DEF1200
このカードの攻撃力は、自分フィールド上の植物族モンスターの数×100ポイントアップする。このカードがフィールド上に表側表示で存在する限り、このカード以外のお互いのフィールド上の植物族モンスターはカードの効果では破壊されない。
椿姫ティタニアル 風属性 ☆8 植物族:効果
ATK2800 DEF2600
自分フィールド上に表側表示で存在する植物族モンスター1体をリリースして発動できる。フィールド上のカードを対象にする魔法・罠・効果モンスターの効果の発動を無効にし破壊する。
姫葵マリーナ攻撃力2800→0
桜姫タレイア攻撃力2800→0
椿姫ティタニアル攻撃力2800→0
「わたしのターンね、ドローよ」
プレイヤーは完全にクーデリアからフローラに移っている。フローラの声に従って、クーデリアが人形となってカードをドロー。確認するのはもちろんフローラだ。
だがフローラが本格的に動きだす前に、龍次が待ったをかけた。
「お前のスタンバイフェイズ、俺はムラクモの効果を発動! 最後のORUを取り除き、お前のリビングデッドの呼び声を破壊する!」
ムラクモの周囲を旋回していた最後の光球が消失。次の瞬間、ムラクモが放った一閃が青い光の一撃となり、
「よし。これでギガプラントからの植物の再生サイクルは断たれました」
「だが、あいつの場にいるモンスターはまだ三体だ。来るか――――」
予感はあった。まだじかに見たことはなかったが、神々の戦争に参加すると決めた時から、いつか来ることだと、そう確信していた。
だからこそわかった。空気が変化した。これがまさしく勝負の流れだと、直感的に理解した。
クーデリア=フローラが動く。
「わたしの手札には、これがあるのよ、坊や。魔法カード、壺の中の魔術書を発動。互いのプレイヤーはカードを三枚ドローするわ」
手札増強カード、この土壇場で引き当てたのか、既に手札に抱えていたのか。クーデリアの手札のカードの位置からして、おそらく後者だろうと龍次は思った。
ドローしたカードを互いに確認する龍次とフローラ。先に笑みを浮かべたのはフローラ。危険であると知りながらも舌の上に載せずにはいられない、毒蜜のような笑みだった。
「そうね、やっぱり流れなんて、簡単に手に入れられるものではないの。結局、あなたの抵抗も激流の前の哀れな防波堤でしかない。せいぜい、ほんの一瞬せき止める程度! 三体の植物族モンスターをリリースし――――」
三体の植物の姫たちが一斉に、白い光の粒子に変換され、天に昇っていく。
そして、昇っていったモンスターたちが、新たな「神」を導く導になり、迎え入れる門となった。
「さぁいらっしゃい、このわたし、淫靡なる花女神フローラ!」
光が満ちた。次に龍次の鼻孔を刺激したのは、むせかえるような花の香り。
クーデリア=フローラのフィールドに現れた神。
白い肌、大輪の花のような桃色のドレス、森林樹の葉のような緑の髪、木枝のような茶色の瞳、尖った耳。それらを兼ね備えた、美しく、どこか
フローラ。ローマ神話に名を連ねる花の女神。元々はただの花園の女神だったが、後年になってそこに淫靡な印象を付け加えられた女神。ゆえにか、その在り方も歪んでいる。人間の信仰の影響を受けて、神自身も歪に変わってしまった。龍次は知る由もないが、以前和輝と戦った神、パズズと似たような例だ。もっとも、さすがにパズズほど歪んでいないためか、人間に対する憎悪は持っていないようだが。
「さぁ、始めましょう。わたしによる、わたしだけの、美しく、そして快楽的な戦いを。
永続魔法、魂吸収を発動し、
笑みを浮かべたフローラが、クーデリアの身体を操ってカードをドロー。ドローしたカードを確認する。
「ラッキーカード。引いたのは紅姫チルビメ。植物族なので、守備力分、2800ライフを回復。ああいけない、忘れるところだったわ。ローンファイア・ブロッサム二体をゲームから除外したから、魂吸収の効果で1000ライフ回復ね」
笑みのフローラ、舌打ちする龍次。せっかく与えたダメージを回復されれば、誰でも不機嫌になる。
だがこの時龍次は読み違いをしていた。フローラの狙いはライフ回復ではなかった。
「この瞬間、
「な!?」
目を見開き、驚愕する龍次。フローラの元々の攻撃力は3000、今回復したライフは合計で3800、即ち今のフローラの攻撃力は――――
「6800、簡単に手が届く数値ではありませんね」
伊邪那岐の声も苦いものを含んでいた。確かに、この数値に馬鹿正直にぶつかるのは冒険が過ぎる。
「そして、邪魔なもの達を掃除してしまいましょう。ブラック・ホールを発動。フィールドの全てのモンスターを破壊。もっとも、神であるわたしは、フィールドを離れないけれど」
確実に止めを刺そうとしているのか、フローラは容赦なく全体破壊魔法を発動。フィールド全体のちょうど中間点に現れた超高重力領域がフィールドのフローラ以外の全てのモンスターを捕え、中心点に引きずり込んでいく。
まさしく空に開いた「穴」に吸い込まれるモンスターたち。そこには一切の抗いも意味をなさなかった。
だが龍次の目も死んではいない。彼はここでもまだ、可能性を残していた。
「ただじゃ、やられねぇ! ムラクモのもう一つの効果! このカードが相手によって破壊され、墓地に送られた場合、俺のエクストラデッキからH-C クサナギをエクシーズ召喚し、墓地の
ムラクモと表裏一体の存在、クサナギが龍次のエクストラデッキより招来。墓地からムラクモが飛び出し、光球――ORUだ――となり、周囲を衛星のように旋回する。
「あらかわいい。必死の抵抗かしら? けれど、薄い壁よ。装備魔法、ビッグバンシュートを
攻撃宣言が下った。フローラが右手を軽く掲げた。
次の瞬間、龍次は足元に振動を感じた。
「なんだ?」
疑問に思う刹那、龍次の眼前、クサナギの足元のアスファルトが隆起し、爆発した。
「!?」
アスファルトを突き破り、無数の樹木が乱立。さらに樹木一本一本が寄り集まり、凄まじい大きさの大樹となった。当然、クサナギは樹木の間に挟まれ、貫かれ、圧死した。
「がああああああああああああああああああああ!」
ダメージのフィードバックが龍次を襲う。フローラの攻撃力は7200、対して、クサナギの守備力は2400、その差4800のダメージがじかに龍次に叩きつけられたのだ。
「あらあら、経験したことのない痛みだったかしら? これはショック死してしまうかもしれないわね」
いまだかつて感じたことのない、凄まじい痛みに地面をのたうち回る龍次と、その姿を見て心底楽しそうに笑うフローラ。龍次は地面に倒れ伏し、ピクリともしない。
否、僅かに指先が動き、ずるずると、緩慢な動作でデュエルディスクに手が伸び、やがて墓地から一枚のカードをとりだし、デュエルディスクにセットした。
龍次のフィールドに特殊召喚されたのは、H・C サウザンド・ブレード。ダメージを受けたので、自身の効果で特殊召喚されたのだ。
「あら、死んでいなかったのね。なら、もっといじめてあげましょう。わたしの可愛い可愛いクーデリアにしてくれたみたいに。いじめてあげる、殺してあげる。その魂は、わたしの美しさの糧にしてあげる。ターン終了よ」
フローラのエンド宣言。龍次は沈黙し、何の反応も返さないかと思いきや、彼のフィールドに動きがあった。
フローラの攻撃に対しても反応しなかった伏せカードがゆっくりと翻ったのだ。
「エンドフェイズ……、に……、リビング……デッド……の呼び声……を……、発動、した……。俺、は……、墓地から……H・C アンブッシュ・ソルジャーを……、特殊召喚、だ……」
息も絶え絶え、身体は痙攣しており、いつ倒れてもおかしくない。だが龍次は立ち上がった。そして、その眼光はいささかも衰えなかった。
「さ、あ……。お前の、ターンは……、終わりか……?」
「……ターン終了よ」
壺の中の魔術書:通常魔法
「壺の中の魔術書」は1ターンに1枚しか発動できない。(1):互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする。
淫靡なる花女神フローラ 神属性 ☆10 幻獣神族:効果
ATK3000 DEF3000
このカードは特殊召喚できない。このカードは3体のモンスターをリリースしてのみ通常召喚できる。(1):このカードは神属性、幻神獣族モンスターの効果以外のカード効果ではフィールドを離れず、コントロールも変更されない。(2):このカードが相手のカードの効果を受けた時、エンドフェイズにこのカードに対するそのカード効果を無効にする。(3):1ターンに1度、自分の墓地の植物族モンスター2体をゲームから除外して発動できる。カードを1枚ドローする。この効果でドローしたモンスターが植物族モンスターだった場合、そのモンスターの攻撃力か守備力、どちらか高い方の数値分、ライフを回復する。(4):このカードが表側表示で存在する時に自分のライフが回復した時、その数値分、このカードの攻撃力はアップする。
ブラック・ホール:通常魔法
(1):フィールドのモンスターを全て破壊する。
H-C ムラクモ 地属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2500 DEF2000
レベル4戦士族モンスター×3
(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除き、フィールドの魔法・罠カード1枚を対象にして発動できる。そのカードを破壊する。この効果は相手ターンでも発動できる。(2):このカードが相手によって破壊され、墓地に送られた場合に発動できる。自分のエクストラデッキから「H-C クサナギ」1体をX召喚扱いで特殊召喚し、墓地のこのカードを下に重ねてX素材にする。
H-C クサナギ 地属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2500 DEF2400
戦士族レベル4モンスター×3
1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。罠カードの発動を無効にし破壊する。その後、このカードの攻撃力は500ポイントアップする。
ビッグバン・シュート:装備魔法
装備モンスターの攻撃力は400ポイントアップする。装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。このカードがフィールド上から離れた時、装備モンスターをゲームから除外する。
H・C サウザンド・ブレード 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1300 DEF1100
「H・C サウザンド・ブレード」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。(1):1ターンに1度、手札から「ヒロイック」カード1枚を捨てて発動できる。デッキから「ヒロイック」モンスター1体を特殊召喚し、このカードを守備表示にする。この効果の発動後、ターン終了時まで自分は「ヒロイック」モンスターしか特殊召喚できない。(2):このカードが墓地に存在し、戦闘・効果で自分がダメージを受けた時に発動できる。このカードを墓地から攻撃表示で特殊召喚する。
H・C アンブッシュ・ソルジャー 地属性 ☆1 戦士族:効果
ATK0 DEF0
自分のスタンバイフェイズ時、フィールド上のこのカードをリリースして発動できる。自分の手札・墓地から「H・C アンブッシュ・ソルジャー」以外の「H・C」と名のついたモンスターを2体まで選んで特殊召喚できる。「H・C アンブッシュ・ソルジャー」のこの効果は1ターンに1度しか使用できない。この効果で特殊召喚に成功した時、墓地のこのカードをゲームから除外する事で、自分フィールド上の全ての「H・C」と名のついたモンスターのレベルを1にする。
淫靡なる花女神フローラ攻撃力3000→7200
龍次LP6200→1400手札4枚
クーデリアLP4600→5600→8400手札2枚(うち1枚は紅姫チルビメ)
「俺の、ターンだ……。ドロー……!」
意識が朦朧とする。足元が崩れそう。いや、崩れそうなのは俺か。
「龍次、こんなことを言っても気休めにしかならないかもしれませんが、気をしっかり持ってください」
「わかって……いる……! スタンバイフェイズ、アンブッシュ・ソルジャーの……、効果、を、発動! 自身をリリースし、エクストラ・ソード、アーバレストを特殊召喚……!」
息も荒く、しかしだんだん足取りがはっきりしてきた龍次は、ついに背筋をそらして大きく立ちはだかり、フローラを睨みつけた。
これで、龍次のフィールドに三体のモンスターが並んだ。
「俺は、ここで倒れてられるかよ……!」
大きく息を吐く。倒れてたまるか。人間を人形としか思っていない神に、膝を屈するなどあってはならない。
脳裏を、
許せない。あんな人々を増やすこと自体、あってはならない。
「こんな、奴らに、人の心を踏みにじられてたまるか!」
「龍次、行くのですか?」
「ああ! 俺は三体のモンスターをリリース!」
龍次の場の三体のヒロイックが消えていく。そして、代わりに新たな神を導き、迎え入れる門となる。
「出でよ! そして、勝利を!
神が現れる。
龍次のフィールドに現れた神、伊邪那岐。
腰まで伸びた銀髪、赤い髪飾り、白い肌、
一見すると学ランを思わせる黒い
「行きますよ、龍次!」
呼びかける声も凛としていて勇ましい。これこそ本物だ。先ほどまでの歪められたクーデリアの声の調子とはまるで違う。
「く……ッ!」
伊邪那岐という、日本神話に名を連ねる主神クラスを前にして、フローラは明らかに気圧されていた。
「ふざけないで! 例え神が出たところで戦力差は変わらない! 攻撃力という開きは消えないわ!」
そう、伊邪那岐の攻撃力は3500、フローラの6800を突破できない。
「なら、その開きをなくしてやるよ! 伊邪那岐の効果を発動! 一ターンに一度、自分の墓地のモンスター一体を蘇生し、さらにその攻撃力分、俺
のライフを回復する! 俺はH-C ガーンディーヴァを特殊召喚し、その攻撃力分ライフを回復する」
龍次の宣言を受けて、伊邪那岐が手にした剣を風車のように旋回させる。すると陰陽図が浮かび上がる。
陰と陽、生と死が反転する。
「我は日に千五百の産屋を作る神。生まれ育まれる生命よ、黄泉路の向こうより、来たれ」
詠唱終了。そして復活するガーンディーヴァ。
だがこれは前段階だ。龍次の手札は、ここからフローラ撃破の策を放つ。
「魔法カード、エクシーズ・シフトを発動し、ガーンディーヴァを俺のエクストラデッキの希望皇ホープにチェンジし、
現れたのは、龍次のデッキの隠し玉にして切り札、希望皇ホープ。だがその効果は守備型。無論、龍次もそれは分かっている。彼の狙いは、次の一手だ。
「目に物見せてやるぜフローラ! これが逆転の一発!
龍次の頭上の空間に、赤い稲妻を迸らせる紫色をした雲のような空間が展開。その空間中心部に開いた黒い穴に、希望皇ホープが白い光となって飛び込んだ
「赤き異界の力、敵を焼き滅ぼす炎となる! 今、希望は進化する! カオス・エクシーズ・チェンジ!
虹色の爆発が起こり、そこから降りたつ影が一つ。
着地と同時にズシンと重々しい音が響く。
希望皇ホープをより鋭角的にしたシャープなデザインだが、カラーリングは白と金を基調としていた姿から一変。黒を基調に、赤のアーマーを装着し、赤く輝く各所の身体を持った、禍々しさと刺々しさが大きく向上されたデザイン。その足元に突き刺さるように現れたのは、赤い棘十字。即ち
「ここで、ヌメロン・フォースの効果発動! このカードの効果でエクシーズ召喚したモンスター以外の表側カードの効果を全て無効化する!」
「な!?」
龍次のフィールドに金と銀を織り交ぜたような光が放たれ、それがフィールド全体に及んだ。次の瞬間、ホープレイV以外の表側カードから、色が失われていった。それは神とて例外ではない。
「あ、ああ……。わたしの、力が、失われていく、そんな、ちっぽけなカード一枚で!」
「ヌメロン・フォースは節理書き換えの力。その力の前には神とて例外はない! もっとも、神は相手のいかなるカード効果も一ターンで無効にしちまうから、ただの
「この一ターンで十分。自身の効果で攻撃力を上昇させている君は、その数値は元に戻った! さらに、今ならば神以外のカード効果での除去も可能!」
ここにきて、勝敗は完全に決した。龍次たちは完全に勝利の流れを掴み取った。
「行くぞ伊邪那岐! この戦いに、終止符を打つ!」
「ええ、龍次。そうしましょう。早ければ早いほど、あの契約者のお嬢さんを救える確率が高まる」
「ふざけないで。クーデリアは渡さない。彼女の美しさは誰にも渡さない。そう、彼女は美しい。だからもっと美しくする! 魂まで! 隅の隅まで! 誰からも崇められる至高の花に!」
「ふざけないでください、フローラ。君の言う花は周囲の花々の栄養さえも独占し、枯らしてしまうおぞましい毒花です。もしもそれを美しいと感じるならば――――」
「今のお前が、何よりも醜いぜ! ホープレイVの効果発動! CORUを一つ取り除き、フローラを破壊! その攻撃力分のダメージを与える!」
龍次の命令が下り、ホープレイVが背中のウィングパーツを開いて飛翔。右手の剣を投擲し、間髪入れず新たに出現させた剣も投擲。回転し、迫る剣がVの軌跡を描いた瞬間、フローラを捕えた。
「か……!」
手応えあり。フローラの身体に亀裂が走る。
「そんな……、このわたし、が、神のカード以外の手に、かかるなんて……」
「人間を、いえ、パートナーさえもただの美品としか見れなかった、君ではそれが必然です」
伊邪那岐の冷徹な宣言の後、フローラの身体がV字に切り裂かれ、爆発炎上した。爆音がフローラの断末魔さえかき消していく。
「これで終わりだ! ホープレイVと伊邪那岐でダイレクトアタック!」
人形と化していたクーデリア。その彼女に向かって、二体のモンスターが迫る。
「逃げるの、クーデリア! できるでしょ? だってあなたは、わたしが丹精込めているんだもの! できないはずがない! 宝珠が砕けない限り、負けではないの!」
だがクーデリアは動かなかった。うつむいたまま、フローラの懇願とも、命令ともつかない言葉に顔をそむけた。
どころか、自分から宝珠を伊邪那岐に向かって差し出すように、胸をそらした。
「クーデリア!?」
信じられないものを見たようなフローラの悲鳴が響く。クーデリアは何も言わず、伊邪那岐が突き出した刃の一撃を受け入れた。
宝珠が砕ける。フローラが断末魔の悲鳴を上げた。それらを、クーデリアは黙して受け入れた。
まるでそれは、神に、親友に振り回された彼女の、物言わぬ唯一の抵抗のようだった。
H・C アーバレスト 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1400 DEF1300
(1):このカードの召喚に成功した時に自分のデッキから「ヒロイック」モンスター1体を対象にして発動できる。そのモンスターを墓地に送り、相手に800ポイントのダメージを与える。
H・C エクストラ・ソード 地属性 ☆4 戦士族:効果
ATK1000 DEF1000
このカードを素材としたエクシーズモンスターは以下の効果を得る。●このエクシーズ召喚に成功した時、このカードの攻撃力は1000ポイントアップする。
国造大神伊邪那岐 神属性 ☆10 幻神獣族:効果
ATK3500 DEF4000
このカードは特殊召喚できない。このカードは3体のモンスターをリリースしてのみ通常召喚できる。(1):このカードは神属性、幻神獣族モンスターの効果以外のカード効果ではフィールドを離れず、コントロールも変更されない。(2):このカードが相手のカードの効果を受けた時、エンドフェイズにこのカードに対するそのカード効果を無効にする。(3):1ターンに1度、自分の墓地のモンスター1体を対象に発動できる。そのモンスターを自分フィールドに特殊召喚し、対象となったモンスターの元々の攻撃力分ライフを回復する。(4):???
H-C ガーンディーヴァ 地属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2100 DEF1800
戦士族レベル4モンスター×2
相手フィールド上にレベル4以下のモンスターが特殊召喚された時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除く事で、その特殊召喚されたモンスターを破壊する。この効果は1ターンに1度しか使用できない。
エクシーズ・シフト:通常魔法
自分フィールド上のエクシーズモンスター1体をリリースして発動できる。リリースしたモンスターと同じ種族・属性・ランクでカード名が異なるモンスター1体をエクストラデッキから特殊召喚し、このカードを下に重ねてエクシーズ素材とする。この効果で特殊召喚したモンスターは、エンドフェイズ時に墓地へ送られる。「エクシーズ・シフト」は1ターンに1枚しか発動できない。
No.39 希望皇ホープ 光属性 ランク4 戦士族:エクシーズ
ATK2500 DEF2000
レベル4モンスター×2
(1):自分または相手のモンスターの攻撃宣言時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。そのモンスターの攻撃を無効にする。(2):このカードがX素材の無い状態で攻撃対象に選択された場合に発動する。このカードを破壊する。
RUM-ヌメロン・フォース:通常魔法
自分フィールド上のエクシーズモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターと同じ種族でランクが1つ高い「CNo.」と名のついたモンスター1体を、選択した自分のモンスターの上に重ねてエクシーズ召喚扱いとしてエクストラデッキから特殊召喚する。その後、この効果で特殊召喚したモンスター以外のフィールド上に表側表示で存在するカードの効果を全て無効にする。
CNo.39 希望皇ホープレイV 光属性 ランク5 戦士族:エクシーズ
ATK2600 DEF2000
レベル5モンスター×3
このカードが相手によって破壊された時、自分の墓地のエクシーズモンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す事ができる。また、このカードが「希望皇ホープ」と名のついたモンスターをエクシーズ素材としている場合、以下の効果を得る。●1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除き、相手フィールド上のモンスター1体を選択して発動できる。選択したモンスターを破壊し、破壊したモンスターの攻撃力分のダメージを相手ライフに与える。
龍次LP1400→3500
クーデリアLP8400→5400→2800→0
◆◆◆◆◆◆
「あーあ、負けちゃった」
とあるビジネスビルの屋上。ビル風が吹き荒むその場所で、少女は屋上の手すりに腰かけて、虚空に向かって足をプラプラと振っていた。
口調はとても詰まらなそう。子供っぽく頬を膨らませ、どこからとりだしたのか、食べていたポップコーンの箱を中身ごとビルの下に投げ捨てた。
腰かけている場所さえ考えなければ、可憐な少女だった。
背中まで届く金の長髪、サファイアを思わせる青い瞳、白いフリルの付いた黒のゴシックドレス姿に加え、頭にも黒と白のカチューシャ。さらに右手にはすべての指に金色の指輪を、左手にも全ての指に銀色の指輪をつけ、赤い靴を履いた両足。
彼女は人間ではない。神だ。そして神々の中でも一際
ナイアルラトホテプ。いくつもの化身を持ち、人を欺き、騙り、悪意と冷笑を持って破滅へと導く、最悪の部類に入る邪神だ。
「つまんないの。フローラもトラソルテオトルもだらしない。せっかく手に入れた
「だから言ったじゃないですか。ロキが、明確な弱点に対して何の対策も施していないはずがないと」
ナイアルラトホテプの背後から声。
「それに相手も悪い。ロキだけでなく、伊邪那岐とトールまでいた。武力でも敵わない以上、あの女神たちの敗北は必然でした。手にした切り札は、まさに毒を持っていたわけですね」
声の主は、少女のように美しい顔をした青年だった。
外見は、おそらく二十歳前後。腰まで伸びる薄紫の髪に紫紺の瞳。華奢な体躯に男物のシャツと薄手のジャケット姿。だが少女のような顔つきに沁み一つない白い肌、そして華奢な身体つきから、青年というよりは、少女が背伸びして男物の服を着て男装しているようにしか見えない。
「でもこっちは不満だわ、
「マーブル模様は見出すものですから。そういう意味では、大変興味深い白と黒を見ることはできましたよ」
青年、平月は興味深げに頷いた。
「北欧神話のトリックスター、同じく北欧神話の武神、そして、日本神話の国造りの神。どれも興味深い。そのパートナーも含めて」
一人そう呟く平月。ナイアルラトホテプはそんな契約者の様子を、くすりと笑って観察していた。
◆◆◆◆◆◆
戦いは終わった。ここから先は事後処理に過ぎない。
フローラたちに拉致された少女たちは無事、魂が元に戻った。伊邪那岐の処置が成功し、クーデリアに後付けで縫合されていた魂の
和輝たちは匿名で警察に連絡し、警察は少女たちが打ち捨てられていた場所に急行。無事保護に成功した。
しかし少女たちの記憶は霞がかかっており、皆事件当時のことは覚えていなかった。これは神による記憶改竄のせいだ。ロキが手を加えたものもあれば、フローラたちが行ったものもある。
クーデリアとアイーダ。二人の関係については微妙なところだ。クーデリアは神々の戦争参加中、ほとんどの期間をフローラの魂の加工のせいで記憶も定かではない状態だった。
自分が戦っていたのかどうか、何をやっていたのかさえ覚えているか怪しいものだという。
だがアイーダは違う。彼女は自分の意思で、女神たちに協力してクーデリアを――本人曰く――美しくしようとしていた。
二人の関係が今後とも続くかどうかわからない。和輝たちも、そこまで世話を焼く義理はないし、やったことは看過できない。命を見逃し、クーデリアは元に戻した。そこから先は二人次第だ。もう、関わり合いになることもないし、そこまで優しくもない。
綺羅に関しても、問題はなかった。ロキの記憶改竄によって、彼女は自分が拉致されたことも覚えていない。久しぶりに友達と外出し、遊び疲れて眠ってしまったところを、夕食の時間になっても起きてこなかったことから和輝に起こされた。そういう筋書きにされた。本人は顔を赤面させ「わ、私としたことが……!」と恥ずかしそうに俯いていたが、それはまた別の話だ。
一件落着。少なくとも、神々の戦争から見るとそうだ。危険な神二柱は退場し、拉致された少女たちも救出された。警察も、少女たちの保護、犯人逮捕を発表した。もっとも、前者はともかく、後者については存在しない人物を犯人に仕立て上げた
ロキ曰く、「神の力っていうのは、人間の間にも波及している。人間の権力側に、神の協力者として、神々の戦争の後処理をする存在があるんだよ」とのことだった。
その日の夜。和輝は自室のベッドに寝転がりながら、考え事をしていた。
「ナイアルラトホテプ、か……」
「奴と接点を持ったのは失敗だったかもね。と言っても、たぶんアレスたちの時に出てきた正体不明の男も化身だろうから、いまさら何言っても後の祭りだけど」
心底嫌そうな顔でロキはそう言った。この神は常に胡散臭そうなにやにや笑いを浮かべているので、こんな風に露骨に嫌悪な表情を浮かべるのは珍しい。
「嫌いな神か?」
「勿論」
即答した。和輝の質問が終わるよりも前に首肯していた様に見える。
「ボクとあいつはある意味似ている。ともに人間が大好きなことも。けれど方向性がまるで違う。ボクは人間
「みたい、だな。そんな危険な神なのか」
「ああ。ある意味、アンラマンユよりもたちが悪い。あいつは人間が悪意の袋小路にはまって自滅していく様を面白おかしく眺めるからね。なんであいつがフローラたちに戦力を提供したのか知らないけど、どーせあの契約者のお嬢さんたちの歪んだ関係を見てゲラゲラ笑いたかったんだろうね。あいつと契約した人間も、たいがい性格悪いと思うよ」
「……お前がそこまで言うってことは相当か。ん?」
その時、ふと和輝は己のデュエルディスクの異変に気づいた。
デュエル終了後、和輝はデッキも含めた全てのカードをデュエルディスクから外していた。それなのに、一枚のカードがデュエルディスクにセットされていたのだ。
「なんだこれ? 白紙のカード?」
「ん? へぇ、もう来たのか。和輝、その状態でデュエルディスクを起動させてみて」
ロキが笑う。怪訝な表情のまま、和輝は言われた通りにした。すると、ブゥンという機械的な音を立てて、
『神々の戦争参加者の皆さんにお知らせします。
残り参加者が七十柱となりました。
残り参加者の皆様、これからもより良い闘争を』
「これは……」
和輝がメッセージすべてに目を通したの止まっていたかのように、映像は消え、カードは一人でに燃え、どこにも延焼することなく燃え尽きた。
「残り、七十組……」
「これで、神々の戦争の序盤は終わりだ。これからはもっと強力で、狡猾な神が相手になるだろう。和輝、覚悟はいい?」
「してもしなくても、状況は待ってくれないだろ」
実感はまだ湧かない。既に全体の三割が脱落しているという事実に。ここまで生き残っているという現実に。
だが、言えることはある。和輝は不敵に、その言葉を口にした。
「やってやる。理不尽な神を、一柱も残さず倒してやる」