神々の戦争   作:tuki21

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第45話:ペルソナ・と・シャドウ

 ウェールズの森の入り口で、和輝(かずき)はクリノと対峙する。

 クリノとは子供のころから何度もデュエルをした。そして一度も勝ったことがない。会うたびにリベンジしているが、全て返り討ちだ。

 それでも和輝は思う。今度こそ、勝って見せる、と。

 

 

和輝LP8000手札5枚

クリノLP8000手札5枚

 

 

「俺の先攻! 俺はクリバンデットを召喚!」

 

 和輝のフィールドに現れたのは、クリボーを彷彿とさせる、黒い毛玉の悪魔族モンスター。

 クリボーとの相違点は、まず体の大きさ。クリボーよりも大きく、目つきも鋭い。さらに左目には眼帯、頭にバンダナと、その名の通り盗賊(バンデット)を思わせる風貌だ。

 

「カードを三枚セット。そしてこのままエンドフェイズに入り、クリバンデットの効果発動! このカードをリリースし、デッキからカードを五枚、めくる!」

 

 和輝のデッキの、上から五枚のカードが一気に引き抜かれ、クリノにも見えるように提示された

 提示されたのはブラック・マジシャン、スキル・サクセサー、ライトロード・メイデン ミネルバ、苦渋の決断、グローアップ・バルブの五枚。

 

「苦渋の決断を手札に加え、残りは墓地に送る。そしてここでミネルバの効果が発動。デッキトップからカードを一枚墓地の来る」

 

 追加で墓地に落ちたのはミスト・レディ。墓地で効果を発動するモンスターだ。なかなかの落ちに、和輝は内心でガッツポーズした。

 

「改めて、ターンエンド」

 

 

クリバンデット 闇属性 ☆3 悪魔族:効果

ATK1000 DEF700

(1):このカードが召喚に成功したターンのエンドフェイズにこのカードをリリースして発動できる。自分のデッキの上からカードを5枚めくる。その中から魔法・罠カード1枚を選んで手札に加える事ができる。残りのカードは全て墓地へ送る。

 

ライトロード・メイデンミネルバ 光属性 ☆3 魔法使い族:チューナー

ATK800 DEF200

このカードが召喚に成功した時、自分の墓地の「ライトロード」と名のついたモンスターの種類以下のレベルを持つドラゴン族・光属性モンスター1体をデッキから手札に加える事ができる。このカードが手札・デッキから墓地へ送られた時、自分のデッキの上からカードを1枚墓地へ送る。また、自分のエンドフェイズ毎に発動する。自分のデッキの上からカードを2枚墓地へ送る。

 

 

「では、私のターンですね、ドロー」

 

 穏やかにカードをドローするクリノ。彼は六枚の手札を眺め、

 

「まずは、軽く流しますか。手札から、アンブラル・グールを召喚します」

 

 現れたのは、襤褸(ぼろ)を纏い、紫色の肌をした異形の鬼。顔には仮面を被っており、悪魔的雰囲気をさらに強調させている。

 

「アンブラル・グールの効果発動。自身の攻撃力を0にし、手札からアンブラル・アンフォームを召喚します」

 

 アンブラル・グールの傍らに現れたのは、ガスとゲル状生物の中間とでもいうべき不定形の生物。不気味に輝く青い一つ目が無機質に和輝を見据えていた。

 

「アンブラル・グール、アンブラル・アンフォーム。先生の切り込みコンビ……」

「そして、レベル4のモンスターが二体揃った。戦闘を期待できるステータスじゃないから、次くるとすれば……」

「和輝、ロキ君。君たちの予想通りです。ここから私のデッキの切り込み隊長を呼びましょう。私は、アンブラル・グールとアンブラル・アンフォームでオーバーレイ! 二体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!」

 

 クリノの頭上に、渦巻く銀河を思わせる漆黒の空間が展開し、その渦の中心部に、二体のアンブラルが紫の光となって飛び込んだ。

 一瞬後に起こる虹色の爆発は、新たなモンスターの誕生を示していた。

 

「深層心理の海より浮上せしは、機械操る悪戯好きな悪魔の王。汝今こそ顕現し、思うがままに遊べ! キングレムリン!」

 

 虹色の爆発の向こうから現れたのは、本来は大した力を持たぬはずの小悪魔が、何らかの間違いで強大に進化したかのような、巨大な、鬼を思わせる大悪魔。その周囲を衛星のように旋回するのは、エクシーズモンスターの生命線、ORU(オーバーレイユニット)だ。

 

「キングレムリンの効果発動。ORUを一つ取り除き、デッキからカゲトカゲを手札に加えます」

「爬虫類族なら属性もレベルも問わず、何でもサーチできる万能サーチカード。ほんと、破格の効果ですよね」

「ほかの種族では許されない効果でしょうね。それはそれとして、少しつついてみましょうか。バトルです、キングレムリンでダイレクトアタック」

 

 今、和輝のフィールドにモンスターはいない。ダイレクトアタックを受ければ大ダメージは確実だが、伏せカードが三枚もある。それだけあれば防御なり反撃なりできるだろう。だからこそ、クリノは()()()()みるのだ。和輝の反応を見るために。

 

「通さない! リバースカード、永遠の魂! これで俺の墓地から、ブラック・マジシャンを攻撃表示で復活させる!」

 

 翻るリバースカード。直後に和輝の墓地から、彼を守ろうと復活する黒衣の魔術師。その反応に、クリノは満足げに笑った。

 

「ブラック・マジシャン。まだ使い続けていてくれていましたか」

「当然! なんせ、先生に初めてもらったカードですからね。それで、どうします? キングレムリンじゃブラック・マジシャンは倒せませんが」

「勿論攻撃は中断します。カードを二枚伏せ、ターン終了です」

 

 様々な使い道のあるモンスターをサーチできたし、バックも一枚正体を露わにできた。この時点で、クリノにとってキングレムリンは十全の働きをしてくれた。これ以上望むのは酷というものだ。クリノは穏やかな心持ちのまま、ターンを明け渡した。

 

 

アンブラル・グール 闇属性 ☆4 悪魔族:効果

ATK1800 DEF0

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。このカードの攻撃力を0にし、手札から攻撃力0の「アンブラル」と名のついたモンスター1体を特殊召喚する。

 

アンブラル・アンフォーム 闇属性 ☆4 悪魔族:効果

ATK0 DEF0

このカードの攻撃によってこのカードが戦闘で破壊され墓地へ送られた時、デッキから「アンブラル」と名のついたモンスター2体を特殊召喚できる。「アンブラル・アンフォーム」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

キングレムリン 闇属性 ランク4 爬虫類族:エクシーズ

ATK2300 DEF2000

レベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。デッキから爬虫類族モンスター1体を手札に加える。

 

永遠の魂:永続罠

「永遠の魂」の(1)の効果は1ターンに1度しか使用できない。(1):以下から1つを選択してこの効果を発動できる。●自分の手札・墓地から「ブラック・マジシャン」1体を選んで特殊召喚する。●デッキから「黒・魔・導」または「千本ナイフ」1枚を手札に加える。(2):このカードが魔法&罠ゾーンに存在する限り、自分のモンスターゾーンの「ブラック・マジシャン」は相手の効果を受けない。(3):表側表示のこのカードがフィールドから離れた場合に発動する。自分フィールドのモンスターを全て破壊する。

 

ブラック・マジシャン 闇属性 ☆7 魔法使い族:通常モンスター

ATK2500 DEF2100

 

 

キングレムリンORU×1

 

 

「俺のターン!」

 

 ダイレクトアタックを防ぎ、さらに攻撃力でキングレムリンに勝るブラック・マジシャンの召喚に成功した。和輝はフィールドの状況は、客観的に見て自分が有利だと、そう思った。

 だったら、攻める。

 

「苦渋の決断を発動。デッキからギャラクシー・サーペントを墓地に送って、二枚目のギャラクシー・サーペントを手札に加えます。

 墓地の苦渋の決断を除外して、マジック・ストライカーを特殊召喚。さらにギャラクシー・サーペントを召喚」

 

 和輝がモンスターを並べだす。頭身の低い、玩具みたいな外見のモンスターと、世にも珍しくも美しい外見を持つ、銀河の海を泳ぐウミヘビ(サーペント)。チューナーと非チューナーの登場に、クリノの瞳が細まった。

 

「行きます、先生! 俺はレベル3のマジック・ストライカーに、レベル2のギャラクシー・サーペントをチューニング!」

 

 シンクロ召喚。二つの緑色に輝く光の輪となったギャラクシーサーペント。その輪をくぐり、マジック・ストライカーが三つの白く輝く光星(こうせい)となり、その星たちを、光の道が貫いた。

 

「集いし五星(ごせい)が、知識と祝福の司書官を紡ぎだす! 光さす道となれ! シンクロ召喚、GO! TG(テックジーナス)ハイパー・ライブラリアン!」

 

 光の帳がおり、向こうから現れる、和輝がよく使うシンクロモンスター。

 学資帽、分厚いハードカバーの本、白いインバネスに未来チックなバイザー。即ちTG ハイパー・ライブラリアン。

 

「ほう、ハイパー・ライブラリアンを出してきましたか。ならば、君がよくやる、連続シンクロですか?」

「それはこれからのお楽しみです。墓地のグローアップ・バルブの効果発動! デッキトップを一枚墓地に送って、このカードを特殊召喚!」

 

 和輝のデッキトップからE・HERO(エレメンタルヒーロー) プリズマーが落ち、それを養分としたかのように、墓地から地面を突き破って現れるは芽を出した巨大な種。ぎょろりと種にある巨大な一つ目が周囲を見渡した。

 

「レベル7のブラック・マジシャンに、レベル1のグローアップ・バルブをチューニング!」

 

 クリノの言ったことをほとんど肯定するように、和輝は動く。もう一度シンクロエフェクトが走り、光が辺りに満ちた。

 

「集いし八星(はっせい)が、星海切り裂く光の竜を紡ぎだす! 光さす道となれ! シンクロ召喚、響け、閃珖竜(せんこうりゅう) スターダスト!」

 

 現れたのは、これまた和輝のデッキの守備の要。スターダスト・ドラゴンの別の可能性、亜種モンスター。

 

「ハイパー・ライブラリアンの効果で一枚ドロー。さらに永遠の魂の効果で墓地からブラック・マジシャンを復活させます。

 

 バトル! スターダストでキングレムリンに攻撃!」

 今、和輝のフィールドには三体のモンスターが存在し、そのどれもがキングレムリンよりも攻撃力が上だ。まずスターダストの攻撃でキングレムリンを撃破し、続くブラック・マジシャンとハイパー・ライブラリアンの連続攻撃が通れば、クリノのライフはかなり削られることだろう。

 通れば、だが。

 

「勿論通しません。リバーストラップ、怠惰の仮面! このカードの効果で、フィールドの攻撃表示モンスターは全て表側守備表示に変更。さらに戦闘、カード効果で破壊されなくなります」

 

 翻るクリノのリバースカード。彼のフィールドに突如として出現した、何とも無気力な表情の仮面から発せられる魔力に当てられて、永遠の魂の効果で相手のカード効果を受けないブラック・マジシャン以外の全てのモンスターが戦闘意欲を消失し、守備表示に自発的に変更してしまった。

 

「く……! ブラック・マジシャンだけは攻撃できるけど、怠惰の仮面の効果で破壊は無理、ですね」

「それだけではありません。怠惰の仮面のもう一つの効果。自身の効果で三体以上のモンスターの表示形式を変更した時、私は、デッキから仮面と名の付くカードを一枚、手札に加えることができます。私は、仮面魔獣 デス・ガーディウスを手札に加えますよ」

 

 和輝の表情に苦いものがよぎる。もっともそれも当然だ。攻撃は躱され、おまけに新たなカードもサーチされた。このターン、和輝にできる事はもうない。

 

「俺はこれで、ターンエンドです」

 

 

苦渋の決断:通常魔法

「苦渋の決断」は1ターンに1枚しか発動できない。(1):デッキからレベル4以下の通常モンスター1体を墓地へ送り、その同名カード1枚をデッキから手札に加える。

 

マジック・ストライカー 地属性 ☆3 戦士族:効果

ATK600 DEF200

(1):このカードは自分の墓地の魔法カード1枚を除外し、手札から特殊召喚できる。(2):このカードは直接攻撃できる。(3):このカードの戦闘で発生する自分への戦闘ダメージは0になる。

 

ギャラクシーサーペント 光属性 ☆2 ドラゴン族:チューナー

ATK1000 DEF0

 

TG ハイパー・ライブラリアン 闇属性 ☆5 魔法使い族:シンクロ

ATK2400 DEF1800

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

(1):このカードがフィールドに存在し、自分または相手が、このカード以外のSモンスターのS召喚に成功した場合に発動する。このカードがフィールドに表側表示で存在する場合、自分はデッキから1枚ドローする。

 

グローアップ・バルブ 地属性 ☆1 植物族:チューナー

ATK100 DEF100

「グローアップ・バルブ」の効果はデュエル中に1度しか使用できない。(1):このカードが墓地に存在する場合に発動できる。自分のデッキの一番上のカードを墓地へ送り、このカードを墓地から特殊召喚する。

 

閃珖竜 スターダスト 光属性 ☆8 ドラゴン族:シンクロ

ATK2500 DEF2000

チューナー+チューナー以外のモンスター1体以上

1ターンに1度、自分フィールド上に表側表示で存在するカード1枚を選択して発動できる。選択したカードは、このターンに1度だけ戦闘及びカードの効果では破壊されない。この効果は相手ターンでも発動できる。

 

怠惰の仮面:通常罠

(1):フィールド上に攻撃表示で存在するモンスターを全て守備表示にし、このターン、全てのモンスターは戦闘、カード効果では破壊されない。(2):(1)の効果で3体以上の表示形式を変更した場合に発動できる。デッキから「仮面」カードを1枚手札に加える。

 

 

「私のターン、ドロー」

 

 このデュエル、流れは和輝から離れていったなと、ロキはそう思った。

 今のターン、和輝は主力を並べた。攻撃を仕掛けたのは一気呵成に。それを、躱されたのみならず、新たな戦力の補給も許してしまった。

 これは痛い。攻撃のチャンスを利用されたのだ。このまま勝負全体の流れも、持って行かれかねない。

 

「では、まずはキングレムリンの効果を発動ORUを一つ取り除き、デッキから二枚目のカゲトカゲを手札に加えましょう。そして、暗黒のドルイド・ドリュースを召喚」

 

 クリノのフィールドに追加されたのは、顔全体を覆う仮面に黒衣姿、両手に儀礼用の杖を持った怪しげな魔法使い。見た目を裏切らず、仮面の奥からくぐもった呪文の詠唱が聞こえてきた。

 

「ドルイド・ドリュースの効果発動。そしてそれにチェーンして、手札のカゲトカゲの効果を発動します。逆順処理で、まずカゲトカゲを特殊召喚。さらにドルイド・ドリュースの効果で、墓地からアンブラル・グールを特殊召喚します」

 

 ドルイドの詠唱が効果を発揮する。墓地から復活するアンブラル・グール。そしてドルイドの影の一部が切り離され、それが平面のトカゲの姿をとる。すなわちカゲトカゲだ。

 

「レベル4が三体、揃った」

 

 和輝の声に驚愕が混じる。この布陣の意味を、和輝は知っていた。クリノのデッキで、三体のレベル4を使うエクシーズの存在を。

 

「私は、場の三体のモンスターでオーバーレイ! 三体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!」 

 

 エクシーズエフェクトが走り、虹色の爆発がクリノのフィールドで起こる。

 

「深層心理の海より浮上せしは、虚構の舞台で踊る聖なる仮面道化。その輝かしき光で一切の影を退けよ! 現れろオーバーハンドレッド! No.(ナンバーズ)104 仮面魔踏士(マスカレード・マジシャン)シャイニング!」

 

 虹色の爆発、その向こうから現れた影。

 白の下地に派手な金のアーマー姿は、煌びやかな宮廷道化師を想起させる。背には青いウィングパーツ、左手には繋がりあった金のリング。

 

「オーバーハンドレッドナンバーズ!? デュエルキングが使っていた、世界で一枚だけのレアカード!」

 

 ロキが驚愕の声を上げる。クリノが苦笑する。

 

「何年か前に、私が参加した全英大会の賞品ですね」

「優勝した先生が手に入れたんだ。で――――」

「子供のころから、和輝が欲しがっているカードです。私に勝てたら、上げるって約束でしたが」

「今まで一度も勝ててない、と」

「……そーだよ」

 

 ふてくされるようにそっぽを向く和輝。クリノは苦笑を強めた。

 

「さて、デュエルを続けましょう。キングレムリンを攻撃表示に変更。そして、キングレムリンに憤怒の仮面を装備します」

 

 キングレムリンの顔面に貼り付けるように装着されたのは、憤怒の形相を浮かべる真っ赤な仮面。仮面を装着した途端、悪魔の全身から赤いオーラが立上った。

 

「憤怒の仮面の発動にチェーン! スターダストの効果を発動! 俺の場の永遠の魂に耐性を付与します!」

「? このタイミングで? どうせならバトルフェイズに入って、相手の攻撃に対して行えばいいのに」

 

 ロキの疑問はもっともだ。が、勿論、和輝にはそうする理由があった。

 

「シャイニングは、ORUを一つ取り除き、バトルフェイズ中に相手が発動したモンスター効果を無効化できる。さらにこっちに800のダメージを与えてくるってわけだ」

「あー、なるほど。それで先にスターダストの効果を発動したわけだね」

「さらに捕捉するならば、和輝の場に伏せられているのは永遠の魂を守るカードではないのでしょう。今、彼が最も困るのは永遠の魂を破壊され、自分の軍勢を壊滅させられること。だからこそ、スターダストの効果で真っ先に守らなければならなかった」

 

 ロキの納得を、クリノが補足し、固めていく。和輝は苦い表情。それはつまり、クリノの言ったことが図星だということだ。

 

「行きますよ、和輝。まずはシャイニングでスターダストを攻撃!」

 

 一撃目。仮面道化が放ったリングがひとりでに分割。宙を舞い、恐るべき切断力を発揮し、スターダストの翼や胴体、首を切り裂いた。

 

「く……!」

「次です。キングレムリンでハイパー・ライブラリアンを攻撃! そしてダメージステップに、憤怒の仮面の効果を発動! 装備モンスターが攻撃する時、相手モンスターの攻撃力を装備モンスターに加えます!」

 

 キングレムリンに装備された仮面から、さらに莫大量の赤いオーラが放出される。同時に、キングレムリン自体も一回り巨大化した。

 

「オネストみたいな効果か! けど、守備表示なら――――」

「ダメージはないと思っているのなら、甘い考えですよ。憤怒の仮面を装備したモンスターは、貫通能力を得ます!」

「!?」

 

 息を呑む和輝。キングレムリンの攻撃力は2300、攻撃対象のハイパー・ライブラリアンの攻撃力は2400。合算されてキングレムリンの攻撃力は4700、さらに貫通ダメージがあるならば――――

 

「2900のダメージを受けなさい、和輝」

 

 キングレムリンの剛腕が、ハイパー・ライブラリアンを粉砕する。和輝のライフが一気に削られた。

 だが――――

 

「この瞬間、リバースカードオープン! ダメージ・コンデンサー! 手札を一枚捨て、デッキからガガガマジシャンを特殊召喚! さらに今捨てた代償の宝札の効果により、カードを二枚ドロー!」

 

 ダメージは受けた。だが転んでもただでは起きない。反撃のための手段は用意しておく和輝。しかも、代償の宝札によって手札の補充も完了だ。

 

「ほう、やりますね。バトルフェイズを終了。メインフェイズ2に入り、エクシーズ・ギフトを発動。シャイニングのORUを二つ取り除き、二枚ドロー。カードを一枚セットして、エンドフェイズ、憤怒の仮面は自身の効果によって破壊されます」

「なら俺も、先生のエンドフェイズに永遠の魂の効果を発動し、デッキから千本ナイフ(サウザンドナイフ)を手札に加えます」

 

 幸い、ブラック・マジシャンは無事だ。ならば次のターン、せめてシャイニングは破壊しよう。和輝はそう考えていた。勿論、その考えは見透かされているだろうけれど。

 

 

暗黒のドルイド・ドリュース 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果

ATK1800 DEF0

このカードが召喚に成功した時、自分の墓地から「暗躍のドルイド・ドリュース」以外の攻撃力または守備力が0の闇属性・レベル4モンスター1体を選択して表側守備表示で特殊召喚できる。この効果で特殊召喚したモンスターの効果は無効化される。「暗躍のドルイド・ドリュース」の効果は1ターンに1度しか使用できない。

 

カゲトカゲ 闇属性 ☆4 爬虫類族:効果

ATK1100 DEF1500

このカードは通常召喚できない。自分がレベル4モンスターの召喚に成功した時、このカードを手札から特殊召喚できる。このカードはシンクロ素材にできない。

 

No.104 仮面魔踏士シャイニング 光属性 ランク4 魔法使い族:エクシーズ

ATK2700 DEF1200

レベル4モンスター×3

バトルフェイズ中に相手の効果モンスターの効果が発動した時、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。その発動を無効にし、相手ライフに800ポイントダメージを与える。また、1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に発動できる。相手のデッキの一番上のカードを墓地へ送る。

 

憤怒の仮面:装備魔法

闇属性モンスターにのみ装備可能。(1):装備モンスターが相手モンスターと戦闘を行うダメージステップ開始時からダメージ計算前までに発動できる。装備モンスターの攻撃力はターン終了時まで、戦闘を行う相手モンスターの攻撃力分アップする。(2):装備モンスターが守備表示モンスターを攻撃した時、その守備力を攻撃力が超えていれば、その数値だけ相手ライフに戦闘ダメージを与える。(3):装備モンスターが攻撃したターン終了時、このカードを破壊する。

 

ダメージ・コンデンサー:通常罠

自分が戦闘ダメージを受けた時、手札を1枚捨てて発動できる。受けたそのダメージの数値以下の攻撃力を持つモンスター1体をデッキから表側攻撃表示で特殊召喚する。

 

ガガガマジシャン 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果

ATK1500 DEF1000

1ターンに1度、自分のメインフェイズ時に1から8までの任意のレベルを宣言して発動できる。エンドフェイズ時まで、このカードのレベルは宣言したレベルになる。「ガガガマジシャン」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。このカードはシンクロ素材にできない。

 

代償の宝札:通常魔法

(1):手札からこのカードが墓地に送られた時に発動する。カードを2枚ドローする。

 

エクシーズ・ギフト:通常魔法

自分フィールド上にエクシーズモンスターが2体以上存在する場合に発動できる。自分フィールド上のエクシーズ素材を2つ取り除き、デッキからカードを2枚ドローする。

 

 

和輝LP8000→5100手札4枚(うち1枚は千本ナイフ)

クリノLP8000手札3枚(うち2枚はカゲトカゲ、仮面魔獣デス・ガーディウス)

 

 

「俺のターン!」

 

 ライフは削られた。フィールドは蹂躙された。しかし、反撃の手段は残せた。なら攻めろ。決して臆するな。臆すればその瞬間、負けるぞ。

 

「まずは永遠の魂の効果で、ブラック・マジシャンを蘇生させます。そして千本ナイフを発動! これでシャイニングを破壊します!」

 

 和輝のカードがデュエルディスクにセットされた瞬間、彼のフィールドに佇むブラック・マジシャンの背後の空間が歪み、そこから切っ先をクリノのシャイニングに突き付けた無数のナイフが現れる。

 一瞬の間。ブラック・マジシャンが指先でシャイニングを指示した瞬間、空中のナイフが一斉に射出され、シャイニングに着弾。次々に突き刺さり、破壊した。

 

「これで、厄介なモンスターは撃破した。攻撃力でも和輝のブラック・マジシャンはドクター・クリノのキングレムリンを上回っている。今が攻め時だね」

「そうだ! 俺はガガガマジシャンの効果を発動し、自身のレベルを7に変更。そして、レベル7となったガガガマジシャンとブラック・マジシャンでオーバーレイ! 二体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!」

 

 今度は和輝の手によるエクシーズ召喚。彼の頭上に銀河の渦を連想させる空間が展開され、その中に紫の光となった二体のマジシャンが飛び込む。

 虹色の爆発。そして、新たなモンスターが誕生する。

 

(うつつ)と幻想の操り手よ、色褪せぬ忠義の持ち主よ。今こそ出でよ! 幻想の黒魔導師!」

 

 現れたのは、ブラック・マジシャンに酷似した外見のモンスター。違う点はローブの色が若干淡く、蒼に近くなり、肌の色が褐色になったこと。そしてローブの上から、金に縁どられた藍色の魔導鎧を着込んだことか。

 

「幻想の黒魔導師効果発動! ORUを一つ取り除き、デッキから二体目のブラック・マジシャンを特殊召喚します!」

「待ちなさい和輝。それは不許可です。手札のエフェクト・ヴェーラーの効果を発動。幻想の黒魔導師の効果を無効にします」

「うわっち」

 

 今にもブラック・マジシャンを召喚するための魔法陣を生成しようとしていた幻想の黒魔導師だったが、魔法陣が唐突に砕け散った。

 だけではなく、幻想の黒魔導師のカードから色が失われた。ソリットビジョンなので実際にカードの絵柄が変化したわけではない。ただ、効果が無効になったことを示すエフェクトだ。

 和輝は歯噛みした。止められた。これで和輝は無駄にORUを消費した。そう見えた。

 だがそうではなかった。和輝は、ちゃんと止められた後のことも考えていた。

 

「ならこっちだ! 永遠の魂の効果で、墓地のブラック・マジシャンを復活させます!」

 

 再び舞い戻る黒衣の魔術師。クリノはほうと口の端を笑みに変えた。

 

「すでに幻想の黒魔導師の効果発動時にコストとして墓地に送っていましたか。効果を止められても、最低限一体はブラック・マジシャンを呼び出せるようにと」

「はい。俺は追加で、クルセイダー・オブ・エンディミオンを召喚し、バトルです。ブラック・マジシャンでキングレムリンに攻撃!」

 

 三体のモンスターによる総攻撃を受ければ、クリノのライフにもかなりのダメージを与えられるだろう。だがクリノは動じず、落ち着いた仕草でデュエルディスクのボタンを押し、トラップカードを発動した。

 

「和睦の使者。残念ですが、和輝。そんな単純な攻撃では私にダメージは与えられませんよ」

 

 翻ったのは、2ターン目にクリノが伏せたカード。瞬間、その効果が発揮される。

 ブラック・マジシャンが放った黒い稲妻の群が、音もなく、まるで攻撃自体が幻であったかのように消滅した。

 

「これでも駄目かよ……。ターンエンドです」

 

 

千本ナイフ:通常魔法

(1):自分フィールドに「ブラック・マジシャン」が存在する場合、相手フィールドのモンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターを破壊する。

 

幻想の黒魔導師 闇属性 ランク7 魔法使い族:エクシーズ

ATK2500 DEF2100

レベル7モンスター×2

このカードは自分フィールドのランク6の魔法使い族Xモンスターの上に重ねてX召喚する事もできる。「幻想の黒魔導師」の(2)の効果は1ターンに1度しか使用できない。(1):1ターンに1度、このカードのX素材を1つ取り除いて発動できる。手札・デッキから魔法使い族の通常モンスター1体を特殊召喚する。(2):魔法使い族の通常モンスターの攻撃宣言時、相手フィールドのカード1枚を対象として発動できる。そのカードを除外する。

 

エフェクト・ヴェーラー 光属性 ☆1 魔法使い族:チューナー

ATK0 DEF0

(1):相手メインフェイズにこのカードを手札から墓地へ送り、相手フィールドの効果モンスター1体を対象として発動できる。その相手モンスターの効果をターン終了時まで無効にする。

 

クルセイダー・オブ・エンディミオン 光属性 ☆4 魔法使い族:デュアル

ATK1900 DEF1200

このカードは墓地またはフィールド上に表側表示で存在する場合、通常モンスターとして扱う。フィールド上に表側表示で存在するこのカードを通常召喚扱いとして再度召喚する事で、このカードは効果モンスター扱いとなり以下の効果を得る。

●1ターンに1度、フィールド上の魔力カウンターを置く事ができるカード1枚を選択し、そのカードに魔力カウンターを1つ置く事ができる。この効果で魔力カウンターを置いたターンのエンドフェイズ時まで、このカードの攻撃力は600ポイントアップする。

 

和睦の使者:通常罠

このターン、相手モンスターから受ける全ての戦闘ダメージは0になり、自分のモンスターは戦闘では破壊されない。

 

 

幻想の黒魔導師ORU×1

 

 

「私のターン、ドローしますよ」

 

 今現在、クリノの手札はドローカードを除けば二枚。それも内容はカゲトカゲ、そしてデス・ガーディウスと判明している。

 いくらクリノでも、現状、この二枚は単体では使えないカードだ。ドローカード一枚ならば、この状況は覆されないはず。

 和輝はそう思っていた。甘い考え、だった。

 

「手札から魔法カード、壺の中の魔術書を発動しましょう。和輝、君もカードを三枚ドローしなさい」

「はぁ!?」

 

 この局面でのドローブースト。トッププロが当然のように有しているドローの力に、和輝は思わず上ずった声を上げてしまった。

 

「デュエルキングもそうだったけれど、トッププロってのは不利な状況を逆転に持って行くカードを、さも当然のようにここぞというタイミングで引くね」

 

 それこそトッププロが持っている物、というべきか。

 それは当然、デュエルキング、六道天(りくどうたかし)も持っていた力。それはすなわち、和輝がこれから、乗り越えなければならない力だ。

 

「さて、この手札ならば、行けますね。まずは伏せていたエンペラー・オーダーを発動します。

 召喚僧サモンプリーストを召喚。召喚成功時、効果が発動し、守備表示に変更されますが、ここでチェーン、エンペラー・オーダーの効果を発動しましょう」

「ぐ……!」

 

 自身も壺の中の魔術書の効果によってドローできた和輝だが、クリノがさらにドローするつもりであること、すなわち、()()()()()()()()()()()ことを悟り、息を呑んだ。

 

「その表情から察するに、チェーンは挟めないようですね? では続けましょう。エンペラー・オーダーの効果でサモンプリーストの効果を無効化し、一枚ドロー。さらにそれにチェーンして、手札のカゲトカゲの効果を発動。これに対してもエンペラー・オーダーで無効化し、一枚ドローします。このカゲトカゲの効果も、モンスターの召喚時に発動できるモンスターカードですので、問題なく、エンペラー・オーダーで無効化できます。そしてさらにチェーン、サモン・チェーンを発動。これで私は、後二回、通常召喚を行えます」

 

 増えた召喚権。それは同時に、カゲトカゲとエンペラー・オーダーのコンボでクリノの手札が増え続けることを意味していた。

 

「レスキューラビットを召喚。召喚に対してカゲトカゲの効果を発動。その効果発動にチェーンして、エンペラー・オーダーの効果を発動。一枚ドロー。そして、レスキューラビットの効果を発動。自身を除外し、デッキから仮面呪術師カースド・ギュラを二体、特殊召喚します」

 

 首からお守りを下げた兎は出てきた次の瞬間には、周囲の景色に溶け込むように消えた。

 代わりに現れたのは、まさに南米奥地の呪術師あたりが使いそうな、奇怪な仮面をつけ、やはり奇怪な人面を繋げて作った首飾りを首から下げた奇怪なモンスター。ステータス的には見るべきもののないモンスターだが、このカードはあるモンスターの特殊召喚条件につながっている。そしてそのモンスターは、既にクリノの手札に舞い込んでいた。

 

「二体のカースド・ギュラをリリースし、来なさい、仮面魔獣 デス・ガーディウス!」

 

 二体の呪術師が存在自体が幻だったかのように消えうせる。代わりに現れたのは、禍々しくも巨大な影。

 まるで骨と筋肉が逆転したかの様なフォルム、身体の両肩に当たる部分にはめられた嘆き、悲しみ、そして苦しむような表情の仮面、胸部に(はりつけ)にされ、拷問具を装着させられた女性の上半身。そして顔面にもまた、無表情の仮面。

 攻撃力は3300、一気に大型モンスターを投入してきた。

 

「く……!」

「まだですよ、和輝。悪夢再びを発動。墓地のアンブラル・グールとアンフォームを回収し、アンブラル・グールを召喚。当然、カゲトカゲの効果を発動、そしてエンペラー・オーダーで無効化します。

 アンブラル・グール、効果発動。自身の攻撃力を0にし、手札からアンブラル・アンフォームを特殊召喚します」

 

 これで再び、クリノのフィールドにはレベル4のモンスターが二体、揃った。

 

「また、ランク4エクシーズ召喚かな?」

「半分正解です、ロキ君」と、クリノは笑顔で答え、次の瞬間には笑顔が消えた。

「エクシーズ召喚を行う点は正解。ですが、ランク4というのは不正解です。私は手札から、タンホイザーゲートを発動。ともに攻撃力0となったアンブラル・グール、アンブラル・アンフォームのレベルを両者を合わせた数値、即ち8に変更します。

 そしてレベル8となったアンブラル・グールとアンフォームでオーバーレイ! 二体のモンスターで、オーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!」

 

 走るエクシーズエフェクト。紫の光となって宙を飛ぶ二体のアンブラル。そして虹色の爆発。

 

「深層心理の海より浮上せしは、恋慕に身を焦がした不義の騎士。裏切りの刃を振るい、同朋の血に塗れ進むがいい、愛の道を! No.23 冥界の霊騎士ランスロット!」

 

 粉塵を切り裂いて、現れるモンスター。

 銀色の甲冑姿は腰のフォルムが異常に細い。それも当然、ランスロットの上半身と下半身をつなげるのは人間で言うならば背骨に当たるパーツのみ。首には長い紫のマフラーを、そして手には細身のレイピアを一振り。その姿は生身の騎士というよりは、中身のない動く甲冑。まさに亡霊騎士だ。

 

「まだ行きますよ。手札のダーク・バーストを捨て、サモンプリーストの効果発動。デッキから仮面魔道士を特殊召喚します」

「まだ来ますか!」

「当然。私もカードがかかっていますので、手加減なんてしませんし、そんなことをすれば君だって怒るでしょう? 全力ですよ。私はサモンプリーストと仮面魔道士でオーバーレイ! 二体のモンスターでオーバーレイネットワークを構築! エクシーズ召喚!

 深層心理の海より浮上せしは、金剛の身体持つ堅牢なる刃! 汝、盾に、矛に変化し、矛盾を体現せよ! No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング!」

 

 現れる新たなナンバーズ。その名の通り、金剛石(ダイヤモンド)でできた甲羅を持った巨大な蟹。素のステータスは攻撃力0、守備力3000と超守備的だが、クリノは攻撃表示で召喚した。

 

「ダイヤモンド・クラブ・キング、効果を発動します。ORUを一つ取り除き、このカードの攻守を逆転させます」

「攻撃力3000か! ランク4で出すモンスターの中じゃ、破格だね」

 

 和輝は無言。クリノの軍勢を前に、言葉もないのだ。

 

「では、バトルです。まずは冥界の霊騎士ランスロットでダイレクトアタックです」

 

 ついに下る攻撃命令。一撃目、冥界の霊騎士ランスロットが身をかがめた一瞬後、その姿が消失した。

 それが、和輝のモンスターたちという物理的な壁を()()()と抜けた結果だと気付いた時には、霊騎士は和輝の眼前で剣を構えていた。

 

「な!?」

 

 驚愕は強制終了させられる。ランスロットが放った刺突の一撃。レイピアの切っ先が和輝の左胸、心臓部に突き立てられた。

 ソリットビジョンでなければ致命傷となった一撃。和輝は思わず後退し、反射的に刺された箇所を抑えた。

 

「まだです。キングレムリンでクルセイダー・オブ・エンデュミオンを、ダイヤモンド・クラブ・キングでブラック・マジシャンを攻撃します」

 

 クリノの攻撃は止まらない。追撃が躊躇なく下される。

 キングレムリンの爪がクルセイダー・オブ・エンデュミオンを引き裂き、ダイヤモンド・クラブ・キングの鋏がブラック・マジシャンを両断した。

 

「くっそ!」

「気を抜くのは速いですよ。デス・ガーディウスでダイレクトアタックです」

「気なんか、抜いてませんよ! 永遠の魂の効果発動! ブラック・マジシャンを守備表示で復活!」

「壁にしかなりませんよ。デス・ガーディウスでブラック・マジシャンを攻撃します」

 

 石板の力によって再び顕現する黒衣の魔術師。だがその次の瞬間には仮面魔獣(デス・ガーディウス)が振り下ろした剛腕を受けて粉砕されてしまった。

 

「……守備表示だったので、ダメージはありませんよ、先生」

「それが残念なことでした。バトルフェイズを終了。ダイヤモンド・クラブ・キングは自身の効果で守備表示に変更されます。カードを一枚セットし、ターンエンドです。そしてこの瞬間、ダイヤモンド・クラブ・キングのステータスは元の数値に戻ります」

 

 

壺の中の魔術書:通常魔法

「壺の中の魔術書」は1ターンに1枚しか発動できない。(1):互いのプレイヤーはカードを3枚ドローする。

 

召喚僧サモンプリースト 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果

ATK800 DEF1600

(1):このカードが召喚・反転召喚に成功した場合に発動する。このカードを守備表示にする。(2):このカードがモンスターゾーンに存在する限り、このカードはリリースできない。(3):1ターンに1度、手札から魔法カード1枚を捨てて発動できる。デッキからレベル4モンスター1体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはこのターン攻撃できない。

 

エンペラー・オーダー:永続罠

(1):モンスターが召喚に成功した時に発動するモンスターの効果が発動した時、この効果を発動できる。その発動を無効にする。その後、発動を無効にされたプレイヤーはデッキから1枚ドローする。

 

レスキューラビット 地属性 ☆4 獣族:効果

ATK300 DEF100

「レスキューラビット」の効果は1ターンに1度しか使用できない。このカードはデッキから特殊召喚できない。①:フィールドのこのカードを除外して発動できる。デッキからレベル4以下の同名の通常モンスター2体を特殊召喚する。この効果で特殊召喚したモンスターはエンドフェイズに破壊される。

 

仮面呪術師カースド・ギュラ 闇属性 ☆4 悪魔族:通常モンスター

ATK1500 DEF800

 

仮面魔獣デス・ガーディウス 闇属性 ☆8 悪魔族:効果

ATK3300 DEF2500

このカードは通常召喚できない。「仮面呪術師カースド・ギュラ」「メルキド四面獣」の内いずれかを含む自分フィールドのモンスター2体をリリースした場合に特殊召喚できる。(1):このカードがフィールドから墓地へ送られた場合、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動する。デッキから「遺言の仮面」1枚を装備カード扱いとして対象のモンスターに装備する。

 

悪夢再び:通常魔法

(1):自分の墓地の守備力0の闇属性モンスター2体を対象として発動できる。その闇属性モンスターを手札に加える。

 

タンホイザーゲート:通常魔法

自分フィールド上の攻撃力1000以下で同じ種族のモンスター2体を選択して発動できる。選択した2体のモンスターは、その2体のレベルを合計したレベルになる。

 

No.23 冥界の霊騎士ランスロット 闇属性 ランク8 アンデット族:エクシーズ

ATK2000 DEF1500

レベル8モンスター×2

(1):X素材を持っているこのカードは直接攻撃できる。(2):このカードが相手に戦闘ダメージを与えた時、相手フィールドの表側表示モンスター1体を対象として発動できる。そのモンスターを破壊する。(3):1ターンに1度、このカード以外のモンスターの効果・魔法・罠カードが発動した時、このカードのX素材を1つ取り除いて発動する。その発動を無効にする。

 

仮面魔道士 闇属性 ☆4 魔法使い族:効果

ATK900 DEF1400

このカードが相手ライフに戦闘ダメージを与えた時、自分のデッキからカードを1枚ドローする。

 

No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング 地属性 ランク4 岩石族:エクシーズ

ATK0 DEF3000

レベル4モンスター×2

1ターンに1度、このカードのエクシーズ素材を1つ取り除いて発動できる。ターン終了時まで、このカードの守備力を0にし、攻撃力を3000にする。このカードは攻撃した場合、バトルフェイズ終了時に守備表示になる。また、エクシーズ素材の無いこのカードは、攻撃された場合ダメージステップ終了時に攻撃表示になる。「No.52 ダイヤモンド・クラブ・キング」は自分フィールド上に1体しか表側表示で存在できない。

 

No.23 冥界の霊騎士ランスロットORU×2

No.52 ダイヤモンド・クラブ・キングORU×1

 

 

和輝LP5100→3100→2700→2200手札6枚

クリノLP8000手札2枚(うち1枚はカゲトカゲ)

 

 

 ロキは思う。さすがに、師匠というだけはある、と。

 六道のような圧倒的な、触れればそれだけで火傷してしまいそうな攻撃性があるわけではない。だがどれだけ息巻いても、一切の手応えを感じさせない、風や水のような、どうあっても触れられない隔絶とした印象を受ける。

 和輝は、この手の間をすり抜けていく風水(かぜみず)を、どのように攻略するつもりでいるのか。ロキは内心で期待する。己の契約者は、ここでなすすべなく終わるほど、味気なくはない、と。

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