バトルフィールドが消え去る。これは即ち、神々の戦争の勝敗が決したということだ。
0になったフレデリックのライフ。しかしロキの一撃はヘイムダルを打倒し、フレデリックのライフを0にはできたものの、その宝珠を砕くことはできなかった。
「いやぁ、見事見事。まさに見事な、神の成長、そこからのコンボだった」
デュエル場で、敗者であるフレデリックの拍手が響いた。
予想外の勝敗に驚愕の表情を浮かべるカトレア。和輝は大きく息を吐き出し、呆れたような、疲れたような笑みを浮かべた。
「よく言うぜ。あんたは本気を出していなかっただろう。あんたがその気なら、もっと早い段階でスターダスト・ウォリアーを呼んでこちらをけん制できただろうし、希望の宝札だって、こちらの手札をわざわざ増やすために発動したとしか思えないぜ。手札のコラプサーペントを特殊召喚してから使った方が、もっと手札を稼げただろう。ほかにもあんたが手を抜いたという根拠を上げようか?」
デュエルディスクを停止させて、デッキを回収しながら言う和輝に対し、今度はフレデリックが苦笑を浮かべる番だった。
「いや、結構だ。失礼したね、岡崎君。何を隠そう、私は今のデュエルでの目的は、君に勝つことではない」
「和輝に一つ上のステージの戦い方を教えること、そして、ボクの成長を促すこと、かな?」
デュエル終了と同時に私服で実体化したロキが、笑みを消した表情で言う。ロキもまた、己がフレデリックとヘイムダルの思惑通りに動かされたことを悟っていた。
怒りはない。ヘイムダルたちはあくまできっかけを与えたにすぎず、ロキが成長できたのはロキ自身の精神的向上に起因するし、和輝の勝利もまた、和輝の実力だ。本気を出していないかもしれないが、フレデリックもまた必死だった。少なくとも、勝ちを譲られたとはロキは考えない。
「おれはどちらでもよかったのだ」
戦闘態勢を解き、通常時の姿を現したヘイムダル。
短めの銀髪、赤い右目、左目に眼帯。銀の鋲が入った黒の革製ジャケット、同じ色のレザーパンツ姿。
「フレデリックはお前の契約者に目をかけていた。おれの千里眼を介して収集した情報の中で、特に目についたそうだ」
「一体何にだよ」訝し気に眉を顰める和輝。
「むろん、理不尽を、暴力と、不条理を許さぬ君の心意気にだよ!」
パンと大きく手を打って、フレデリックが言う。彼はゆっくりと踵を返した。
和輝に背中を見せながら、告げる。
「ついてきたまえ。夏休み中とはいえ、いつまでもデュエル場を無断で使っているわけにはいかないだろう?」
無言でフレデリックに続くカトレアとヘイムダル。和輝は疲れたように深く息を吐き出し、ロキは肩をすくめて後に続いた。
校門をくぐった和輝を待っていたのは、一台の黒塗りのリムジンだった。
「……マジか」
庶民感覚が骨の髄まで染みついた和輝は、初めて間近で見たリムジンに言葉を失っていた。
そして決して小市民とは言えないカトレアはさも当然のように、優雅ささえ感じさせる動作で執事の男――撫でつけられた灰色の髪と同じ色の瞳をした老紳士――の一礼と音を立てないドアの開閉に従い、「ありがとうセルバン」と答え、車内に入った。
その堂に入った動作に、和輝があっけにとられていると、傍らのフレデリックが「ハンドルは自分で握りたいのだがね」と呟きながらドアを潜った。
早くしろと言わんばかりの二人の視線――神はロキ以外、姿を消していた――を受けながら、和輝もまた、リムジンの中に入った。
車内とは思えぬ広々とした空間の中、落ち着かなげにシートに座る和輝。ソファのような感触に軽く目を見開く。
隣に座るロキ。ほかの人間三名と同じく、彼もまた悠然とシートに腰かけた。
車がゆっくりと走り出す。
「さて、いきなり本題に入ろうか」
流れゆく街の景色を横目に眺めながら、最初にフレデリックが切り出した。
「今、神々の戦争に異変が起こっていることは知っているかね?」
「……なんでも、本来神々の戦争本戦に参加していないはずの神が、人界に存在しているとか」
「その通り。話が早くて助かるよ」こくりと頷くフレデリック。
「わざわざそんな話題を振ったということは、その正体についてもつかんでいるのかな?」腕を組んで、ロキが言葉を投げかける。
にやりと笑うフレデリック。さながら事件関係者を集め、全員の前で己の推理を披露する探偵のように――そしてそれはある意味正しい――大仰な仕草で両手を広げた。
「勿論だとも」
「わたくしたちは、元々ウェザースプーン卿の呼びかけに答え、邪悪に対抗するため団結しましたが、現在はこの最大のルール違反を犯した神について追跡、調査し、その戦力を探っていたのですわ」とカトレア。
「そして、その正体は?」
前のめりになる和輝。彼は己の知り合い、
神々の戦争に参加していないはずの神。その謎を解き明かし、そして、できれば鷹山の仇を取ってやりたい。
和輝の内心を知ってか知らずか、フレデリックは重々しく頷き、笑みを消して答えた。
「ティターン神族、というのを、聞いたことがあるかね?」
初め、和輝はその言葉にピンとこなかった。
「聞いたことがあるよ。ギリシャ世界の神。正確には、その敵対者だね」とロキ。
「ゼウスを筆頭にしたオリンポス十二神。彼らと敵対し、そして打倒された神々。そのリーダーはゼウスの父親にして前・ギリシャの主神、クロノス」
「クロノス? まて、クロノスってのは、アテナを子供の姿にしたやつだよな? そんなに強力な神なのか?」
「違うよ、和輝。ギリシャ神話に、クロノスと名の付く神は二柱いる。
一柱目はボクたちが戦ったカイロスの兄にして、時間を司る神。もう一柱が、今話題になっているティターン神族の長。農耕の神さ」
「人間にとっては、その二柱は同一視されることもあるね」とフレデリック。言葉の続きをカトレアが引き継ぐ。
「めぐる季節を把握する必要のある農耕は、突き詰めれば時間と切り離せぬ間柄。ゆえに、人々の間ではその二柱が混同され、同一視され始めたのですわ」
「だが本質的には別の神だ。融合することはない、はずだった」
ありえないことを口にするもの特有の、苦い声音のフレデリック。
「はずだった。その言い方からだと、二柱のクロノスは融合しているように聞こえるけれど?」
「
「つまり、アテナを子供にし、アレスとエリスの裏で糸を引いていた黒幕のクロノスは、実際には農耕の神の方だが、時間の神の方の力も使えるってことか? その力でアテナを子供の姿にしてしまった」
「その通りだよ、岡崎君」
沈黙が、車内に満ちる。それを破ったのはロキだった。
「神が神を吸収する、か。普通なら何を馬鹿なというところだけれど、クロノスじゃあねえ。確か、彼は一度自分の子供たちを喰らったことがあったよね? その逸話が吸収の能力に変換されたわけだ。時と農耕のクロノスは人間たちに同一視されている。その影響を受けていれば、吸収はしやすいだろうね」
「ロキ君。君の考察は的を射ていると思うよ。さてこれがクロノスに関する異変の
「もう一つ、これが本当に厄介なんだよな?」
言葉を挟み込む和輝。彼は知りたかった。クロノスについての能力的秘密ももちろん有用な情報だったが、それ以上に、今起こっている神々の戦争の異常の方に、心を惹かれた。
無理からぬことだった。実際にクロノスに襲われ、彼の配下に付け狙われたアテナと咲夜。彼女たちの苦悩を和輝はどうしても共有できない。
和輝にできることは、せいぜい、この情報を咲夜に伝えることくらいだ。それにしたって、だからと言って何ができるとも言えない。
それにもう一つ。クロノスが絡んでいることが明確になった以上、神々の戦争に起こっている異常事態についてもっと深く知ることは、アテナたちの倒すべき敵、クロノスについて知ることにつながる。まずは敵を知らなければならない。
「殿方ならば、少し落ち着いてほしいですわね」
思考も姿勢も前のめりになった和輝を制止するカトレアの声。冷静さを欠いていたことを自覚した和輝は「すまない」と謝罪した。
なぜか得意げに胸をそらすカトレア。だが彼女が続く言葉を口にする前に、ロキが「なるほどねぇ」と言葉を差し込んだ。
「読めてきたよ。時間のクロノスを吸収した農耕のクロノスはひそかに己と内通していたアレス、エリス夫婦と呼応して、人界に赴こうとしていたオリンポス十二神を襲撃。アテナを子供の姿にし、皆を散り散りにした。その後、彼は自分の配下を復活させようとしたね?」
ロキの視線がフレデリック、カトレア両名を射抜く。
「復活。つまりティターン神族は死んだわけじゃないのか?」
「死んだんだよ」
和輝の質問にあっけらかんと答えるロキ。和輝はますます混乱する。
「和輝、ウェールズの森で出会ったバロールを思い出してごらんよ。彼は過去に一度、孫のルーに殺されている。なのに、今はこうして神々の戦争に参加していた。神って言うのはね、基本的に不死なんだ。正確には、死んでもまた、時がたち、蘇生のための力を蓄えられたら、復活するんだ。
かつて一神教の救世主が、死したのち、三日後に蘇生したという逸話がある。皮肉にも、一部の神々が憎んでたまらない一神教のこの一節は、ほかならぬ、神の特性を言い当てていたのさ」
「ティタノマキア、と呼ばれる戦いだ」
車内に備え付けのクーラーボックスから取り出したミネラルウォーターを飲んで舌と唇を湿らせて、フレデリックが言った。
「ギリシャ世界で巻き起こった大いなる戦いだ。
ゼウス率いるオリンポスの神々と、クロノス率いるティターン神族。神々の力をフルに発揮した、破壊と再生を繰り返した空前絶後、想像を絶する戦いは十年に及んだ。そしてついに決着がついた。ゼウスがティターン神族の首魁、クロノスを打倒したのだ」にこりと笑うフレデリック。
「北欧神話のような、一部例外を除いて、神は基本的に不死です。そのためティターン神族はオリンポス十二神に打倒され、魂は肉体ごと
「しかし、クロノスだけはそうではなかった。逃れたんだね?」確信を突くロキ。
「その通りだ。クロノスだけは、死して後の封印から逃れた。そして復活し、力を蓄え、そして、時のクロノスを吸収し、ついに復讐のための行動に移ったのだ」
「それが、自分の配下の復活、ってことか」
和輝の結論に、フレデリックは正解とばかりに頷いた。
「かつて己の同胞が封印された因縁深き土地、ギリシャ。そこでクロノスは深淵に封印させたティターン神族を復活させた」
「目的はオリンポス十二神への復讐、かい?」
「そして、神々の戦争に勝利するための戦略だろう。相手より多くの戦力を集め、集団で叩く。勝利への布石だね」
ロキの言葉にフレデリックは頷いた。相手よりも多くの戦力を用意するのは戦略の基本で、それを行えない弱者が、奇策でその差を補うのだ。
あるいは、心意気かと、フレデリックは内心で独り言ちる。ちょうど傍らで、クロノスのやり方に内心で憤っているカトレアのように。
「つまりクロノスは、自分の部下を復活させて配下に加えているんだろ? それは神々の戦争のルールに抵触しないのか?」
「しないね。神々の戦争には、封印されたものを復活させて手駒にしてはいけないなんてルールはない。もっと言えば、勝利条件と敗北条件以外は特に設定されてもない。何でもありさ」
「もちろん、不当に戦力を増やすことも含めて、ね」
肩をすくめるロキ。苦い笑みを浮かべるフレデリック。和輝も憤懣やるかたないといった表情を浮かべた。
「じゃあクロノスは、ティターン神族を復活させて、かつて自分たちを打倒したオリンポス十二神に復讐するつもりなのか?」
「いや、その目的はすでに果たされている。オリンポス十二神はギリシャにて、潰滅した。生き残ったのは戦いに参戦できなかったアテナとゼウスのみ。アレスの裏切り、守護の要だったアテナの不在、何より強力なけん引力を誇り、主神の地位に見合った実力を備えていたゼウスを欠いたことが痛かった。ポセイドンだけではティターン神族に抗しきれず、残らず脱落し、十二神には入っていなかったが、クロノスの息子にしてゼウス、ポセイドンの弟、ハデスは囚われた。息子を喰らった逸話を拡張し、クロノスはハデスをも取り込むつもりかもしれない。
そして一応の目的を果たしたクロノスは、神々の戦争に勝つために動き出すだろう」
ロキの表情に「険」の文字が宿る。
「なるほど、ちょっと疑問に思ったことがある。神々の戦争で脱落した神は五十柱。いくら何でもペースが速すぎると思ったんだ。オリンポス十二神。一勢力が軒並み潰滅したというなら、話は分かる。クロノス、確かに注意が必要だ。そして、ティターンの復活が影響しているのかな? どうも人界で不穏な気配が蔓延しだしている」
「前に言ってたな、そんなこと」
和輝の言葉にうなずいたのは、ロキではなくフレデリックだった。
「アンラマンユの封印が緩んでいるのか、神ではないが、それに匹敵する力を持った怪物や、精霊、妖精の類の活動が活発になってきている。ゼウスが派手に動けない今、ギリシャの怪物たちはクロノスに従うだろう」
「敵は、神やティターンだけではないということですわ」
「……ねぇ、ミスター・ウェザースプーン」
改まった調子でロキが問いかけた。
「何かな?」
「全くの勘だけれど、君たちはひょっとして、クロノスの契約者も突き止めているんじゃないかな? 違うかな、探偵殿?」
沈黙。しかし口角を吊り上げたフレデリックの笑みが、百の言葉よりも雄弁にイエスと物語っていた。
「一体それは?」
「君にも縁ある人物だよ、岡崎君」
和輝の動きがぎくりと止まる。自分の身近に、強大な敵がいた。その予想が彼に冷や汗を流させた。
「落ち着いて、和輝。君の身近な人間ならボクが気付く。探偵殿が言っているのは物理的な縁じゃなくて、立場的な縁じゃないかな?」
「その通りだ、ロキ君。クロノスの契約者、それは、十二の企業が合併した複合企業、ゾディアック。そのCEOにして多くのプロデュエリストのスポンサー、さらに、十二星高校をはじめ、多くのデュエリスト養成校に出資している男」
「あ」
そこまで言われれば和輝にも理解が及ぶ。十二星高校入学パンフレットにも顔写真が乗っていたし、咲夜の試合を観戦しに行った時も、挨拶にきていた。ロキが神の気配を感じなかったのは、その時はクロノスと離れていたのだろう。
おそらくその時に、クロノスはギリシャへと赴き、ティターン神族を復活させていたのだろう。
「
納得いく人物だった。
射手矢は多くのプロデュエリストのスポンサーになっている。その一人にも咲夜がいた。
「疑問には思っていた。何故咲夜さんの行く先々でアレスたちの襲撃があったのか。情報は漏れて当然だ。スポンサーなら咲夜さんのスケジュールだって知っている。その情報を、アレスたちに漏らしたんだ」
神々の戦争はイレギュラーにして新たな局面に移行しつつある。その事実を、和輝は改めて痛感した。
リムジンが止まる。窓の外を見れば岡崎家の家の前だった。
「話はここまでのようだね」
言外に降りろと言われたと察し、和輝は腰を上げかけた。それに待ったをかけたのは、隣のロキだった。
「最後に一つ、聞いてもいいかな?」
ロキの口元にな笑みが浮かんでいた。しかし目は笑っていない。これからの質問に対して虚偽は許さないと、神の圧力をかけているようだった。
「答えられることならば」
「神が契約した神はヘイムダルだろ? なのにずいぶんギリシャ世界の事情に詳しいじゃないか。クロノス、ティタノマキア、ティターン神族、オリンポス十二神の現状。
不穏な沈黙が車内に満ちる。カトレアがこめかみに一筋汗を滴らせた。
「いるんだろ? 情報提供者。それもギリシャ神話の深部に精通した、ティタノマキアの当事者が。そして、現在神々の戦争に参加している神の中で、そこまでの事情通は二柱。アテナと、もう一柱。ボクの勘ではこちらだね」
そこで一呼吸分、ロキは間を開けた。ロキが言わんとしていることに気づいた和輝は息を飲んだ。
「いるんだろ、君たちの陣営に。ギリシャ神話の主神、雷を従える大いなる神。ゼウスが」
◆◆◆◆◆◆
東京都内某所。
屋上からの風を感じながら、その男はふてぶてしくにやりと笑っていた。
ひどく野性的な男だった。
180センチを超える長身、浅黒い肌、黒い総髪、黄色い瞳。鋭い犬歯。第三ボタンまで外したシャツにダメージジーンズ姿。知能を持つ黒獅子の風情。
「いい風じゃねェかオイ」
男の喉から低く、どう猛な声が漏れる。笑うと鋭い犬歯が牙のように覗く。
そのまま男の右手が左胸、心臓部に添えられる。
「今日はオレの心臓の調子も悪くねェ。こういう時、誰かと戦えりゃァ最高なんだがな」
「そうそううまく事が運ばんのが世界だな」
屋上部の扉が開かれ、大柄な男が現れた。
外見年齢三十代前半。二メートル二十に達する巨体、荒々しい金髪に白い肌、奥に炎がちらつく氷河のような青い瞳。筋骨隆々で引き締まった体は野性味を帯びていながら、本人の性質ゆえか、どこか気品さえ感じさせる。
眉目秀麗、というわけではないが、全身から満ち溢れる活力と底知れぬ胆力、そして絶大なる自信。それらが混然一体となった名状しがたい魅力。野性的なセクシーさを漂わせていた。
金髪の男に視線を移し、色黒の男はスンスンと引くつかせた。
「ンダァゼウス? また香水の匂いが変わったなあ」
「今夜の女は情熱的だった。悪くない。惜しむらくは、人間では吾輩の全力運動に耐えられないことだな。常に気を使わなければならん」
「お盛んなこって」
「貴様もやってみろ、
「オレの生の実感は、快楽じゃなくて痛みだよ」
にやりと獣のように笑い、狩谷と呼ばれた男はゼウスに向かって歩を進めた。
「ガキの頃から付き合ってる心臓の熱と、体が雑巾のように絞られそうな激痛。ンでもって、そのあとにくる体が氷に代わったかのような冷たさ。全部、全部だ、ゼウス。全部がオレが生きている証だ。
テメェのように子孫でも遺そうかと思ったこともあったがな、ありゃだめだ。オレはオレだ。何も残せない、引き継がせられない。オレは一代で生まれ、一代に終わる。オレの命のリミットはオレだけが使い切る」
そう締めくくり、狩谷は笑う。禍々しくもどこか気高さを感じさせる、絶滅種の狼のような笑みだった。
「ゼウス! テメェと因縁深い神、クロノス。そいつとの戦いが、オレの命の使い時かもしれねぇな」
声は風に乗って飛んでいく。
どこまでも、どこまでも。誰の耳にも届かないままに。