私の自己紹介を見てもらうと嬉しいです。Twitter@minakanade
フーダニットと見せかけたワイダニットの手法で書きました。
登場人物少ないですが読んでいただければ幸いです。
5/30追記:誤字直しました。報告ありがとうございます。

ーーーあらすじーーー
なんとなくで生きてきたボクは突然両親を殺された。
復讐に人生をつぎ込んだ男の物語。

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ボクはボク、セカイはセカイ

ふざけたように眩しい朝日が、パズルゲームをしていた僕を溶かすように起こした。「遅刻」だなんて思ったけど、ボクは既に学校を辞めていてそんな事を思うのは杞憂だった。学校を辞めた理由は特にない。学業についていけなかった訳ではないし、誰かにイジメられていた訳でもない。「なんとなく」だ。つまらなくなって辞めたいと思ったら辞めていた。両親はとっくの昔にボクに呆れている。学校を探すだとか、就職したいだとかそんな訳ではない。ボクはいわゆるニートだ。

 

 

魚じゃなくても泳ぎたくなるような日差しとは逆にクーラーの効いた部屋でのんびりしていたら地震のような音が聞こえて来た。その後に悲鳴が続き。流石のボクもゆっくりと部屋から出た。一階に降りると両親は死んでいた。ボクは怖くなり声も出なかった。ただひたすらと鳴く蝉の音が鬱陶しかったのを今でも覚えている。吐いて、警察を呼んだ、パニックで何を言ったのかすら覚えてない。後に知ったのだが包丁のようなモノで刺されてた事と凶器が見つからない事から無理心中などではなく、殺人だという事。現金や装飾品などの金品が無くなっていたので、金目当ての犯行だという事。

 

 

兄弟もいない、天涯孤独のボクは唯一の親戚である叔母さんと一緒に葬儀をした。

田舎とはいえ父親・母親はともに人脈の広い人間だった為たくさんの人が来た。

ヒソヒソと話しているのが聞こえる「あの子は孤独で可哀想だ」

「学校を中退してニートらしい」とか色々聞こえた。

ボクは内心怒っていた。ここにいる奴らじゃない。何も誇れる事のないボクにだ。

葬儀が終わり片付けをしているとウチの事件担当の安藤さんがやってきた。

「凶器が見つかりました。安価な包丁です」とビニールに入った実物を見せられた。

葬儀などで忙しかったのと、どこにでも売っているような安物で殺された父親と母親を想うとやはり悲しかったのだろう。決して仲がいい親子関係とは言えなかった。でも悔しかった。悲しかった。涙が止まらなかった。

泣き止むと同時に決意をした。

 

「そうだ、ボクが犯人を殺してやろう。」と

 

今は20歳になる事件から3年が経つが進展はあまりない。叔母さんの家に住まわせてもらって、安藤さんが進展状況をたまに報告しに来たりして3年は経った。

両親が死んでもセカイは廻る。両親はセカイの1ピースでもないんだと実感した。

今はニートではなく学生として通っていた店。「味軒」というハエが好みそうな小汚い定食屋で働いている。雇った理由はPCができそうだから。らしい。マスターは機械音痴だから会計計算はバイトのボクが全てやってる。

「マスター、バイトのボクに金勘定任せていいんですか」と聞いた事がある。

マスターは「オメェはもうウチの次期店主よ!」と笑っていた。

従業員はマスターとボクだけだが高校中退の人間が小汚いとはいえ、店の主を任されてもいいべきなのだろうか。

マスターは言葉を続けた「第一、オメェのカレーは絶品じゃねえか。肉が柔らかくて客も増えた!ありがてぇよ。」と

ボクも安藤さん、叔母さん、マスターにはお世話になってばかりで頭が上がらない。

安藤さんが家にきていた。どうやら最近人が減ってるらしい。都内でも「田舎で神隠し」などといった題名でニュースになったそうだ。もしかしたら犯人が同一人物かもしれないから気をつけろ。」とだけ言って帰っていった。

 

 

ある日、バイト終わりに明日の準備をしようと包丁を研いで、買い出しに出かけた時に叔母さんと安藤さんが一緒に出歩いてるところを目撃した。二人は歳も近い。ある意味事件だ!と思い買い出しを投げて後をつけた。

叔母さんの家に入ってて「たまたま会っただけなのだろうか…」と思ったら話し声が聞こえた。

「アイツ、まだ犯人探しなんかしてんのか?見つかるわけねぇのによ。」

…どういうことだ?第一、温厚そうな安藤さんの話し方とは随分違う。

二人は奥に入っていった。ボクもバレないように玄関から盗み聞きをした。

「そうねぇ。私たちが二人を殺ったの。まだ気づいてなくて滑稽だわ。」

 

…は?

 

安藤さんと叔母さんが…父親と母親を殺した?

ずっと味方だと思っていた二人が犯人…?

「おい、どういうことだ…?」

「お前、聞いちまったのか…お前も殺るしかねえな。」

叔母さんは睨みつけながら真相を語った。「私たちは恋人なの。子供も欲しかった。でも彼は産めない身体でね…?代わりに不出来なキミをあいつらから奪っ…」

叔母さんは死んだ。まるで両親と同じように。

ボクの手には研がれた包丁が握られていた。安藤もボクを殺すつもりで殴りかかってきた。警察官だけあって身のこなしは良かったが死体となってボクの隣に転がった。

安藤と叔母さんが犯人…?金目当てっていうのは安藤のウソ…?

子供が出来ないから代わりにボクを…?じゃあ「「不出来」」なボクを奪い取る為に「「出来る」」両親を殺した…?頭が混乱してるところでポケットが震えてるのを感じた。ガラケーに着信があった。マスターだ。

「オメェ仕込みサボって帰ったのか!?家の前にいるから出てこい!」

ボクはマスターを家に入れた途端後ろから刺した。

叔母さんの家に三つの死体。

「マスター言ってましたよね。ボクがカレー作るの上手だって。美味くするポイントは人肉を使うことなんですよ」

そう、ボクは3年で一月に1人は殺してきた。

小さな村でバレないように殺すのは簡単だった。安藤以外の警察官を地道に減らしていって捜査すら難しい状況にした。そう、神隠しなどというフザけたことをやっていたのはボクだったんだ。

 

 

どうせいいだろ?

お前らが死んだって

セカイは廻り続けるんだ。

 

翌日、叔母の家から4つの死体が見つかった。

犯人は人を殺すのに慣れた切り方だと、犯人はまだ捕まってないと報じられた。

 

ボクはボク、セカイはセカイ。

生は死と隣り合わせだ。

 

 

 

すぐそこにいるよ。


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