文字通り絵に描いたような、あくまでドラゴンメインの高校生活 作:ぐにょり
物心付いた時に、自分の見えている世界が人と違うという事を理解できていたのは、はっきり言って幸運だと思う。
それが前世の記憶とかいう、一昔前の少し方向性を間違った文学少年少女達の妄想じみたモノがあったからだとしても、だ。
そうでなければ、心の病院か頭の病院か、さもなければ、怪しげな宗教施設に連れて行かれただろう事は想像に難くない。
特に宗教は危険だ。
この世界には、天使も悪魔も妖怪も居る。
そんな世界での宗教施設など、メガテン世界で宗教にすがるのと同じレベルで危険過ぎる。
餃子にも世紀末覇王にもなるつもりもない此方からすれば、天使も悪魔も願い下げ。
妖怪は……まぁ、別にどうでもいい。
野生動物とそれほど変わらないから、危険性も高くない。
この世界は、文字で出来ている。
より細かく言えば、文字と挿絵でできている。
より大きな言い方をすれば、この世は一冊の本である。
少なくとも此方にはそう見える、なんて生易しい話ではない。
この世界は、ほぼ間違いなく文字の塊とそれに張り付く挿絵で構成されているのだ。
知識として、そういった精神病が存在している事は知っている。
音を文字で認識してしまう、なんていうのも似たような症例だろう。
実はこの世界は読者に読まれる文章の羅列ではなく、此方の目や認識が狂っているのだ。
世界は無数の色の連なりで出来ていて、文字の塊がどうの、なんてのは、狂人の戯言でしかない。
実際は、前に生きていた頃と同じく見えていなければおかしい。
奇妙なのは此方の認識だけで、正しいのは周りの人々の認識。
それが現実。
……それが現実である、と、思えたならどんなに素敵だろう。
素敵だろうと思うから、此方はあくまでそういう体で生きていこうと思っている。
だから、今では瞼を開けなくても生活できるようにしたし、逆に狭い空間ではあるが、瞼を開けてもそれほど嫌な気分にならないスペースも作り上げた。
目を開けて、姿を見ながら話せる人も、だ。
だから、こういった学業の場、公の場では、とりあえず目を閉じて生活するようにしている。
長くストレスを感じずに生活する秘訣は、自分には適度に甘く、だ。
見なくても済むものなら、無理に見るつもりは毛頭無い。
クラスの連中はそこら辺、わりと適当なタイプらしく、目を閉じているのか、と聞いてきた相手は全て細目であるという言い訳に納得してくれた。
さもありなん。
人の言うことは信じなければならない。
何でもかんでも疑うようでは大きくなれない。
つまりこのクラスの連中はたぶん将来大物になれる。特に保証はしないが。
逆に、表向き納得したようで、未だに此方の言葉を信じない相手も一人居る。
故に彼女は小さいし、たぶん後々も小さいままである。実際アワレ、スッゴクカワイソ。
「…………」
アワレな小さい人の、いや猫の視線が背中に突き刺さる。
気のせいでも自意識過剰からくる幻覚でもない。
植えつけた六感七感がはっきりと向けられる視線を察知している。
クソの様な運命的神の思し召しか何かにより、奇しくも同じクラスに振り分けられた我が愛しの同級生共の一人にしてクラスメイト。
先日、無駄に無意味に此方の瞼を開かせ、栄えある登校一日目の爽やかな気分を一発で土留色に染め上げた、少し無神経なところのある少女。
塔城某は、入学式を終えそれなりにクラスメイト同士が打ち解けたこの時期になっても、時折此方に視線を向けてくる。
どういった感情が込められた視線であるか。
そんなもの、わざわざ目を開けて彼女の精神状態を読まなくとも察することができる。
猜疑ではなく好奇に変わった視線。
ああ、彼女の元の種族が猫魈──猫の妖怪である、というのも納得だ。
既成品でない手作りの奇妙なオモチャを目の前にした、好奇心旺盛で、しかし臆病さ故に手を出せない猫。
今の彼女はまさしくそれだろう。
関わりたくないなぁ、と、素直に思う。
あの有無を言わさぬ無言から来る強制力とでも言えばいいのだろうか。
あの視線で見つめられ、それでも彼女の欲するところを行わずに居た場合どうなる?
明らかに小学生にしか見えない(内臓の発達具合もその程度でしかないからあながち間違いでもないが)彼女の視線を無視した場合、周りは此方の事をどう思うだろうか。
彼女自身にも、彼女の知り合いである眷属仲間とやらにも、別に悪感情を持っている訳ではない。
入学式や全校集会で少しだけ目を開けて周りを見回した結果、それらしい連中は見つける事が出来た。
彼ら、というか、彼女らは、何かしらの害になる程危険ではないし、人格的に問題があるようでもない。
だが……重い。
塔城某を構成する文字列を全て熟読した訳ではない。
というか、目を開けさせられた初日に一度見たきりだ。
はっきり言って斜め読みも良いところだろう。
本で言えばぱらぱらぱらっとめくって適当に中身の文章を拾った程度か。
その程度の読み込みの中で、たった一人の肉親である姉が力に溺れて主を殺して指名手配されて行方不明、なんて文章が交じるのはどうなのか。
明るい文章が隠れるレベルの密度でそのことに関する葛藤やら悲しみやら決意といった文章がズラズラと並んでいる。
なんとも重い。高校生が背負うべき重さではない。
そして、そんな重みを一緒になって背負ってやりたいとはどうしても思えないのだ。
薄情と言われる事になろうとも、此方は嫌だ。
ただでさえ世界を楽しむという一点に置いてデカ目のハンディを背負っているというのに。
これ以上、自分から負債を抱え込むつもりには断じてならない。
なりそうになっても断固として拒否する。
同じクラスになるのは良い。
目に関しては目を見せた後に無理くり細目という事で押し通した。無理に瞼を開ける必要もない。
学校内、クラス内限定ではあるが、友人としての付き合いもいい。
お菓子が好き、というのは好感が持てるし共感できる。
餌付けでわりとあっさり警戒心が緩む当たりは可愛いとも思うし、そのことで話が弾む事もある。
きのこたけのこの
此方はトッポ及びコアラのマーチ派閥なのであの戦には煩わしさしか感じないし。
だが、うん。
踏み込んできそうな雰囲気を漂わせるのはやめて欲しい。
距離を保って踏み込まない関係で居たいのだ。
此方は踏み込まれた瞬間、横か後ろに逃げる所存故承知して欲しい。
「なーなー、
前の席の男子、奇特にも此方の友人となってくれた山ノ内くんが話しかけてきた。
途端、視線の強さが弱まり途切れ気味になる。
彼が此方の方を向くと自然と塔城某が目に入る為、此方を見続けるのを妨害する事が可能になる。
無意識ながらナイスアシストである。流石高校におけるファーストフレンド。
「そうだなぁ……天文部とかあると良かったんだけど」
星は好きだ。
なにより夜の星空が好きだ。
できれば天体望遠鏡は無い方がいい。
真っ暗な空に粒のような星。
あそこまで行くと、集中しない限り文字だとは分からない。
連続で行くと慣れて見えてしまうが。
「そういうおしゃれ系は大学行ってからだろ。高校で望むもんじゃないぜ」
「大学にあったら新入生騙して囲うヤリサーと化してそうだけど」
「酷い偏見だな。事実かもしれんが」
まぁ、暗いところの方が星がよく見える、という、天文部特有の言い訳により、人気のない山奥に誘われる女子、というのも多く居るだろうし、それを利用して悪事を働く男子もそれなりに居るだろう。
そういった観点から見て、大学ほど生徒の自己責任という言い逃れが効きにくい高校ではそういった部活は行いにくいのかもしれない。
単純に天体望遠鏡が高く買えない、という理由かもしれないが。
「オカルト研究会、みたいのがあればそれでも良かったかもな」
「なんでさ」
はっきり言って、元から文字列だけで構成された怖い話でも無い限り、オカルト関係には関心が向かない。
幽霊だろうが妖怪だろうが都市伝説だろうがUFOだろうが、一度目にしたら最後、神秘も謎もクソも無くなってしまうのだから、興味を持てるはずもなく。
「や、UFO呼ぶとか幽霊見に行くとかで夜に外出れるだろ。それで天体観測すりゃいいじゃん」
「ベントラー、ベントラー、って? そこまでするくらいなら部活以外で見るよ」
他愛もない話は十分の短い休み時間が終わるまで続いた。
少なくとも、目を閉じて送る分には良い学生生活だと思う。
時折背中に当たるチラ見の視線を無視しながら、そんな事を考えた。
―――――――――――――――――――
人は歩く時、普通は目を開けて歩きます。
……わざわざ口に出して説明するまでもない事ですが、これは大事なことではないか、と思います。
一部の妖怪の様に優れた感覚器官を持ち合わせていて、それが視覚の代わりを果たしている、なんて事がなければ、天使でも悪魔でもそれは変わりません。
当然、それは猫魈から悪魔に変じた私にとっても言えること。
余程集中して音を聞きながら、というのなら出来なくも無いですが、それでもやっぱり歩くときは目を開けて歩いた方が楽です。
仮に目を閉じてそれなりに人通りの多い通学路を歩いている人が居たとしたら、それはたぶん、変な人か、変な凄い人、という事になるのでしょうか。
──彼に気付く事が出来たのは、はっきり言って偶然以外の何物でもないでしょう。
それは私の王、リアス先輩──今日からは部長と呼ぶべきでしょうか──と同じ学校に入学し、初めての登校日、入学式に向かう最中のことでした。
「いい天気だなぁ」
良く通る声、という訳でもなく、特別大きな声でもなく。
周りの喧騒に紛れて聞こえなくてもおかしくない、ちょっとしたつぶやき。
声の主に視線を向けてしまったのは、たぶん、その声が本当に嬉しそうだったから。
真新しい駒王学園の制服を着ているから、私と同じ新入生か。
光の加減で僅かに赤みがかった光沢の見える黒髪。
光を遮るように太陽に手を翳した、私よりも幾分背の大きな男の人。
……まぁ、ここまでの道で私より小さな人は居ませんでしたが。
春の陽気にあてられて、少し頭の中が温かくなっていそうなところを除けば、道行く他の人達と変わらない、極普通の一般的な人間。
でも、そこに違和感。
彼は立ち止まって太陽を見上げていたわけではありません。
他の人達と同じく、学校に向けて歩きながら、ほんの少しの間だけ空を見上げて。
空を仰いでいた時と同じく、目を閉じたまま、顔を下ろして、また前を向いて歩き出したんです。
はっきりと瞼を閉じて、間違いなく視界はゼロになったまま、なんでもない様に歩き始めて。
そして、何の問題も無く歩き続けていました。
道に落ちていた犬の糞を避け、目の前に歩くのが遅い人がいれば避けて追い抜き、後ろから自転車がやってくればそれも避け……。
(……ワザマエ)
なんという技術、磨けば光るものが有ります。
巷では、夜道で通り魔を成敗して回る謎の爆乳ツジギリストが居るという怪情報が出回っていて、部長も原因究明に頭を悩ましているそうです。
もしかしたら、彼もそのツジギリストと同じく、謎の野良タツジンなのかもしれません。
部長が見たら気に入って、眷属に欲しがるかも。
ところで、何故辻斬でも通り魔でもなくツジギリストなのでしょうか。
「あの」
「あの」
……声をかけようと思ったのは、ほんの少しの気の迷いから。
かばんに忍ばせていたチラシを渡して、予め興味を引いておこう、と考えたのは、本当にそれだけが理由で。
まさか視線に気付かれて出鼻を挫かれるとは思いませんでした。
「何か、おかしなところがありましたか?」
続く会話の流れで、おかしな所があるのか、と聞かれ、迷う。
別に、おかしな所があるから見ていた訳でもない、いや、おかしいと言えばおかしいのだけど。
タツジン、と思ったが、彼はどう見ても普通の一般人だ。
肉体的に鍛えてあるのだって趣味かもしれないし、目を閉じているのだって何か重要な理由があるのかもしれません。
人には──いや、人に限らず、悪魔にすらそれぞれ事情というものがある。
目を開けずに普通に歩けているのだって、その理由のために練習を重ねただけだとしても何も可笑しくはない。
「おかしなところ、という訳ではないんですが……、なんで目を閉じて歩いているんですか」
「いやぁ、これは目を閉じてる訳じゃないんですよ。実は自分、糸目でして」
なるほど確かに薄目を開けている。
でもそれは、私に言われてからほんの少し開けてみせただけ。
少なくとも目が見えないとか、そういう聞いたらいけない話では無いらしい。
そういう重い話なら、もう少しまともな嘘を言うか、はっきりと目が見えない事を口にして話を終わらせてくる。
じゃあ、彼の目に何があるのか。
……別に、道行く人に悪意を持って問いただしている訳ではないです。
最初から視線に気付かれなければ、おかしいところはあるか、と聞かれなければ、ここまで食い下がったりしませんでした。
ええ、もちろん、ただの好奇心で、どちらが悪いのかと言えば……聞いてきたあっちじゃないでしょうか。
催促するつもりは一切無かったのですが、そこで会話が途切れても彼の顔を見続けました。
見ていただけで、本当に細目なのか、とか、実は目をとじる事が修行の一環の隠れカラテユーザーなのか、と、そんな疑いをかけた訳でもないのですが。
一歩、二歩、三歩、と、多少近づいたのだって、偶然進行方向に進む過程で彼との距離が近づいただけの偶然です。疑いようもありませんね。
一分もしない内に、小さな溜息と共に、それは現れました。
ゆっくりと、勿体つけるように開かれた瞼の下に。
「ほら、ちゃんと目が、あるでしょう」
宇宙を押し込めた、黒い宝石。
そうと見紛う様な、綺麗な、いえ、深い、深い、宇宙の深淵の様な黒。
散りばめられた、というには大きすぎる、星の煌めきに似た輝き。
人の瞳は、ここまで美しいものなのか、と、そんな事を思ってしまう。
「これ、目を見開いておくのって、けっこう気合居るんですよ」
何より印象的なのは、それとわかる愛想笑いに僅かに滲む、複雑な色。
悲しんでいるのか、痛みを堪えているのか、何かを諦めているのか。
たぶん、分かる人にしか分からないその色に、私は──
―――――――――――――――――――
「小猫。それはね、恋よ」
私の話を遮り、部長は嬉しそうに断定した。
普段は超然とした態度と美貌で学園の二大お姉さまとまで言われている、冥界に勇名轟くらしいグレモリー家の次期当主であるリアス・グレモリーの姿は見る影もなく。
それはもう、修学旅行の夜に恋話に花を咲かせる普通の学生にしか見えない笑み。
言ってしまえば嫌らしいニヤけ顔だ。
「あら、あらあらまぁまぁ……! あの小猫ちゃんが……うふふ」
同じくニヤける、それでも何処か母性を感じさせる優しげな笑みを浮かべる副部長。
なんだろう……凄く子供扱いを受けているというか、単純に副部長が母親視点過ぎるせいなのかもしれないけど。
「……違います。そういう話じゃありません……」
勿論この言葉に裏はない。
私は初日から色々と怪しかったクラスメイトに関する報告をしていただけなのに、何故そう取られてしまうのか。
……いや、思い返すと、最後の辺りは確かに言葉を選びすぎてそう取れなくもない表現があった気もする。
ただ、それ以外に表現の難しい部分だったのだからしょうがない。
お菓子を食べ、お茶を飲みながら、恋話にされてしまった私の報告によって、オカルト研究部の薄暗い部室の中は忽ち一般人の女子会めいた空間になってしまった。
主役……というか、生贄は私。
生贄を捧げて盛り上げるあたり、女子会は悪魔を呼ぶ古式ゆかしいサバトにも似ているのかもしれない。
そう考えれば私の末路は悲惨なもの。
視界の隅に居る祐斗先輩は居心地悪そうに一歩引いた場所で愛想笑いを浮かべている。
……いや、居心地悪そうにというか、単純に巻き込まれない位置に逃げているだけか。
「でも、少し気になるね。その、小猫ちゃんの想いび──冗談だよ」
つまらない冗談を交えた祐斗先輩をじろりと睨みつける。
前半だけを真面目に言ってくれればいいものを。
気を取り直し、真面目な表情で改めて口を開く。
「小猫ちゃんの言うその彼……読手くん。本当に、入学式の日以来目を開けてないのかい?」
「はい。……後ろの席からですから、授業中の話は人伝で聞いただけですけど」
入学式のあの日、私は確かに彼の目を見た。
だけど、それ以来彼が目を開いているのを見たことがない。
「授業中も?」
部長の言葉に頷く。
しかも、しっかりと板書は写しているのだ。
少し言い訳してノートを見せてもらったから間違いない。
「見られていない時だけ、薄目を開けている、とかではなく?」
副部長の言葉にも頷く。
「授業中に確認するのは難しかったので、他の時間に改めて確認しました」
「どうやって?」
祐斗先輩の言葉に、思わず拳を握りしめながら頷く。
あれは、悲しい出来事だった……。
「幸運のピノを、真っ先に取られました……!」
しかも素早く写メを取った上で、何の断りもなく……!
いや、向こうが買ってきたものを分けてもらったのだから、文句を言うわけにはいかないんですが。
「間違いないです。蓋を開けた瞬間に幸運のピノに気付いて、しかも素早く写メを取って迷いなく幸運のピノに楊枝を突き刺して、しかも目は閉じたままだったんです」
あまつさえ、『うぅん、味は何一つ変わらないのにお得な気分ですねぇ! おや塔城さん食べないんですか? 半々ですよ?』なんて……。
あんな悪魔じみた人間は見たことがありません。
おごりに文句をいう筋合いは無いとはわかっているんですが。
「へぇ……、ところで、何で一緒にピノを食べてたの」
「? おやつの時間でしたので、成り行きで」
買いすぎて余ったからわけてあげよう、などと言ってお菓子を置いて行ったり。
春の新作見つけたから一緒に試してケチつけてみよう、と言ってお菓子を分けてくれたり。
臨時収入入ったから景気付けに奢ってあげよう! と言ってコンビニに連れて行って貰ったり。
貰ってばかりだと悪いから、少しお菓子を分けて上げたり。
「……少し根性悪くて怪しいですけど、……たぶんそこまで悪い人じゃないと思いま……何で笑っているんですか」
部長が再びニヤニヤと笑い、朱乃先輩は微笑ましそうして、祐斗先輩は困ったように苦笑している。
「大丈夫、大丈夫よ小猫。私は下僕のことなら何でも……ええ、勿論分かっているわ」
それは間違いなくわかってない系の人が言うセリフだと思います、部長。
相手をしても仕方がないので、部長の何もかも分かっているわ、と言いたげな視線を無視し、続ける。
「体育の授業の時も、普通に目を瞑ったままヒットエンドランしていました。それも当然、目を閉じたまま」
「へぇ……」
祐斗先輩が関心したように声を上げる。
そう、もうここまで来ると明らかに異常でしかない。
他のクラスメイトは本気で目が細いだけ、と見ているようですが、悪魔で猫魈な私の目は誤魔化せない。
「その子、神器持ちかもしれないわね」
部長の目が、怪しく光った。
リアスが人の恋話でニヤニヤするシーンが書きたかった
キャラ崩壊とか書くべきか