文字通り絵に描いたような、あくまでドラゴンメインの高校生活   作:ぐにょり

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四十六話 友人、意識する程度には

「ちょっとー! いつまで片付けしてるのよー!」

 

大きなビニール袋を手に下げたイリナが柳眉を逆立てながら、勢い良く体育倉庫の戸を開け放つ。

体育祭の自主練に付き合い、結果として相方共々全員にジュースをおごる事になった為、勝者達の指定のジュースを買いに行っていたのだ。

 

「おや紫藤さん、お早いお帰りで」

 

「コンビニのプライベートブランド頼んどいて何言ってるのよ白々しい……って、何、この雰囲気」

 

入口側を背にしてタオルで手を拭いている書主の向こう側、体育倉庫に積み上げられた体操マットの上に、彼女の元相方であったゼノヴィアがへたり込むように座っている。

すわ、悪魔的な淫らな行為が行われていたのかと疑いもしたが、一見して着衣に乱れはない。

頬を赤らめ、口を半開きにして惚けるように書主を見上げている元相方に声を掛ける。

 

「どうしたの、何かあった?」

 

「え! あ、い、いや、何、なにも、なかった、ぞ?」

 

声を掛けられ、初めてイリナの存在に気が付いたとでも言わんばかりに驚き、それを取り繕うゼノヴィア。

荒い吐息を押し殺すような声。

いかなる時も溌剌と、凛とした態度を崩さずに居た嘗ての姿を知るイリナは首を傾げ、視線を同じく体育倉庫の中に居た小猫に向ける。

視線を受けた小猫はゼノヴィアと同じような、しかし多分に照れの混じった表情でゼノヴィアと書主を見比べた後で、ぷい、とそっぽを向いてしまった。

何事が起きたかは分からないなりに、何事かは起きたのだと察し、イリナは顔を赤く染め、コホンと態とらしく咳を払う。

 

「……別に、やるなとは言わないけど、場所は選びなさい。不衛生だわ、ここ」

 

「別に衛生面に気を配らないといけない程の事はしてませんよ?」

 

「それでも、よ」

 

「それなら、あっちに言ったほうが良い気がしますけど」

 

ちら、と、書主が視線を向けた先は、不自然に移動された跳び箱などで仕切られた体育倉庫の奥のスペース。

完全に仕切られていないせいか、隙間から押し倒された形のイッセーと、馬乗りになったアーシアの姿が見える。

二人の表情は完全に陶酔しきっており、完全に二人の世界に入り込もうとしている。

服こそ脱いでいないが、それも時間の問題か。

イリナが言葉を叫ぶようにしながら柵を越え二人を止めに入りに行くのを見送ってから、書主は力なく座り込むゼノヴィアの首筋に指を添える。

 

「あ」

 

まるで楽器の様に、肌に触れられたゼノヴィアの喉が上擦った音を鳴らす。

たったそれだけ、たったそれだけで、ほんの数分前までの事を思い出し、背筋が震える。

反射的に身を反らし逃げようとして、止める。

喉をなぞり上げ擽るような指先を、自分の意志で受け入れる。

指先一つで自らの身体を弄ぶ男を見上げ、ゼノヴィアの瞳は熱を帯びて潤んでいた。

そこに歴戦の戦士としての強靭な意志も、新たな体験に心を躍らせる少女の瑞々しい好奇心も無い。

ほんの少し前に受けた未知の感覚への恐れと、それに屈する事への悦びだけが、熱を孕む身体に満ちていた。

 

「気軽に男を誘うとどうなるか、ちょっとは理解出来たでしょう? せっかく好きに恋愛できるんだから、もうちょっと考えて、自分の身体を大事にしなきゃ」

 

にこり、と、悪意の欠片も無い笑み。

目を閉じ、白々しくも諭すように振る舞う姿に、ゼノヴィアに対する欲情は見て取れない。

ゼノヴィアにとっては未知の感覚だった。

自分でするのとは比較にもならない。

後遺症も残らないと言われ使ったその手の薬を併用した時でさえ、これほどのものではなかった。

 

どんな苦痛や絶望にも膝を屈することのない戦士として育てられたゼノヴィアが、為す術もなくへたり込み、僅かな時間を置いて立ち上がる事すらできない。

いつも通り喋るのにも力を溜め、ゆっくりと絞りだすようでなければまともな声も出ず、普通に声を出そうとすれば力が抜け熱だけを帯びた吐息が漏れてしまうだろう。

へたり込んだ脚がガクガクと震えていないのも、短時間に与えられた過度の疲労が限界まで達しているからか。

たった三十秒の、衣服すら脱がさぬ、腕一本、掌一つでの慰撫。

肺の中にある空気を根こそぎ絞り出し、今まで上げたことのない、あられもない艶声、知性の欠片まで残さずかなぐり捨てた獣の嬌声が、ゼノヴィアの意志を離れて喉から溢れだした。

五秒と保たず達し、そのまま降りることすら許されずに続けられた責めに脚が力を失い、しかし立て続けに重なるように訪れるそれが脚の付け根からつま先までを全力で張り続ける極度の緊張状態に置き、その疲労は刺激から逃れた今も甘い刺激の残滓に浸らせ、立とうという意志すらも取り払っている。

 

優しく子を労るように撫で上げられ、物でも扱うように荒々しく揉みしだかれ、嬲る様に捻り上げられ……。

ゼノヴィアの意識は自分が何をされているのか、何をされたのか、自分の身体がどうなっているのかを理解できない程に混濁し、イリナから声を掛けられるまで真っ当に何かを考える事すら出来ない放心状態にあった。

それまでは、溶け落ちた理性の下から顔を出した生物の原始的な本能が、自らを貫き種を植え付け子を孕ませるのだろうと思われる相手に、期待を込めた視線を向けさせていた。

 

しかし、ゼノヴィアをそのような状態に追い込んだ男は、そんなゼノヴィアの様子を視覚以外で確かに認識しながらも、まるで欲情している様子を見せない。

それはとりもなおさず、男、書主にとって、ゼノヴィアに行った程度の行為は性交を感じさせるに値しない程の、程度の低いお遊びの様なものだったという事実を表している。

 

三十秒。

たった三十秒の間、文字通り片手間に、片手で行われた、ゼノヴィアが生まれて初めて受けた他人からの愛撫。

それは十数年掛けて積み上げたゼノヴィアの人生、人格、意志、能力を一つ残らず溶かし尽くし無意味なものとして廃した。

 

仮に、あのまま止めること無く責めが続いていたなら。

仮に、あのゼノヴィアの持つパーソナリティが全て残らず丁寧に毟り取られた状態で、犯されていたなら。

後に残されるのは『ゼノヴィア』ではなく、ただ悦びのままに男を受け入れ子を孕むだけの人間の残骸が残されていただろう。

 

元エクソシストではない。

悪魔の眷属、騎士の悪魔でもない。

齢十数歳の少女ですらない。

意志も思考も未来も可能性も、人間性が齎す何もかもを捨て去り、ただ快楽を受け入れるだけの器。

 

それは決してゼノヴィアの臨んだ未来ではない。

それは悪魔に堕ちたゼノヴィアが夢見た可能性ではない。

だが、何よりも恐ろしいのは。

 

『そうなってもいい』

『そうなりたい』

『続きが欲しい』

『他の何もいらない』

『欲しい』

『ほしい、ほしい、してほしい、ほしい』

 

怖くないのだ。

その、理性で考えれば恐ろしいと思ってしかるべき結末が。

 

辛うじて理性と人生の積み重ねを取り戻したゼノヴィアが否定すべき顛末が。

華やかに彩られた栄光の道、辛い旅路の果てに辿り着いた安息の地の様に思えて。

否定しようという意志すら、数分前の何もかもが溶けて抜け落ちていく感覚を思い出すだけで、薄皮を剥ぐように心から容易く離れていこうとする事が。

恐ろしい。

恐ろしい、と、思い続けなければ、今にも服を脱ぎ捨て、恥も外聞も無く慈悲を乞い、股を開き、涙を流しながらでも貫いて貰う事を強請り始めてしまいそうな自分が。

受け入れ難い破滅を受け入れたいと思う、雌雄に別れた頃から根付き続けていた生物としての原初の欲求が。

 

―――――――――――――――――――

 

……事の顛末、というには大袈裟かもしれないが、此方は無事に、痴女い発言を繰り返すゼノヴィアさんの事を退ける事ができた。

ニンジャ学校で習った技術、日影さんと共に日影さんで磨いた技術、錬金術的な人間の神経系研究をも応用した超時間短縮形の軽い愛撫。

洗脳前に一度脳味噌を綺麗に洗い流すのにも使える少しキツ目の技術を脅しとして使ったお陰で、ゼノヴィアさんの攻勢も鳴りを潜める事だろう。

 

元より放課後や昼休みなどを除けばあまり接触がある方ではなかったけれど、それでも人目がある場所での接触がない訳ではない。

大っぴらに此方に性的なネタを振られると、此方の数少ない交友関係がズタボロになりかねないし、今回の様な強攻策を何度も繰り返されては、いくら回避や離脱が容易いとしても手間が掛かる。

そもそも、約束の三十秒を終えてからの数分、ゼノヴィアさんのぐしゃぐしゃになった下着や体操着を魔法や忍術を使用してまでなんとか綺麗に見えるように証拠を隠滅したのも此方。

結果が伴わないのなら、こんな真似を何度もやっていられない。

 

……これで、ゼノヴィアさんの最終目的が強い男の子供を孕み、育てて母としての、女としての人生の悦びを見出す、などという大層なものでなければ対処のしようはいくらもあるのだ。

単純に気持ちいい事をしたいから、というのなら適当な相手をあてがってもいいし、それこそ此方が適当に相手をするのでもいい。

基本的には日影さんが相手をしてくれるにしても、此方の都合だけで日影さんの時間を奪うのも気が引ける。

実際どうなるかは日影さんに聞いてみないことにはわからないが、許可が出たなら特に問題なく性的交友を結ぶ事ができるだろう。

後腐れなく性的な欲求をぶつけ合う事ができる相手は割りと必要だ、と、そんな事を言っていた父さんは母さんにエーテライトで締めあげられていたが。

その夜に父さんと母さんの寝室に遮音結界が張られていた事を考えるに、それはそれで夫婦が燃え上がるためのスパイスなのかもしれない。

 

だが、最終目的が子作り妊娠からの子育て、というのは不味い。

こういう相手は、避妊するから、とか、安全日だから、とか、そういう言葉が一切当てにならない。

偽の妊娠検査薬、偽のピル、孔の開いたコンドームならまだ可愛げがある方で。

普通にコンドームをしてセックスをした後、そのコンドームを適切な方法で中身ごと保管、特殊な施設で相手の同意を得ずに受精、という事例はそれこそ無数にある。

 

特にニンジャ業界ではそれが顕著で、対エロ、エロ拷問訓練の際などにはしつこいほどに言い聞かせられる。

余談だがこのしつこく言い聞かせてきた講師には何人かの娘と息子が居て、ニンジャとしての教育を終えて任務に付き、互いに同じ任務で顔を合わせ、秘密を探りあう内に互いに兄妹である事に初めて気がつく、という、しつこく言い聞かせる理由が酷くわかりやすく察せられるエピソードをお持ちであった。

母親は勿論全員違い、中にはその講師と身体を重ねた事すら無く、一方的に懸想した挙句に夢精した際のそれをちょちょいと採取して自分に植え付けるというエクストリーム妊娠を決めたご婦人も居るのだとか。

 

実に恐ろしいことだ。

それに比べれば騙し討的に避妊しつつ致した相手が子を孕む位はなんてことのない様に思えるが、それは比較対象が悲しいほどに恐ろしいラブ・モンスターだったというだけのこと。

自分の意図しない相手との子供、というのは、仮に相手が認知しなくていい、と言い出して、実際に何ら法的な闘争を始める気配が無くとも、どうにも気になってしまうものだろう。

相手が納得しても、子供の方が歪曲して解釈し、後年父親に対して母を捨てた復讐を目論む、などという泥沼話も多く聞かれる。

 

「それも特にニンジャの間で顕著なんだね」

 

放課後、廊下で待ち伏せてオカ研に向かう所を捕まえた木場先輩が何処か他人事では無さそうな青ざめた表情で話のオチを掻っ攫っていった。

 

「わかります?」

 

勿論先の講師の話である。

子供の誤解が解ける頃には、父子共に四肢切断級の大怪我を負っていたらしい。

ニンジャなので今では全快して元気に任務に臨んでいるらしいが。

思えばあの先生も美形だとかいう評判を聞いた覚えがあるし、こういう話は美形特有の悩みなのかもしれない。

あ、勿論此方の顔面造形が美形ではない、と言っている訳ではない。

自分で見る機会もそうそう無いが、少なくとも母さんにも父さんにも似ていると言われる此方の顔が悪い、という事もあるまい。

こういう被害に遭う連中というのは何処かコミュ力が高すぎたりして、人当たりが良すぎる上に向けられた好意に対してもやんわりとした対応しかしないので、人間関係を拗らせやすいのだ。

 

「わかるけど、なんでそんな長い上に空恐ろしい話を僕が聞かされるのかがわからないかな」

 

「今朝から小猫さんがちょっと余所余所しいというか、距離を感じるというか……そんな感じでしてね。言い訳しようにもこれ、本人に聴かせるのもどうかなって内容ですし」

 

小猫さんが男性経験無い処女どころか異性や同性とお付き合いした事のない未開拓地である事は勿論知っているけれど、今朝の光景はそこまで刺激的だったろうか。

今日は少しオカ研に用事があったから一緒に行こうと思ったのに、小猫さんは『今日の放課後も用事があるんですよねそれじゃあまた明日』と告げるなり、此方から逃げるように教室から飛び出していってしまった。

 

「ううん……、どっちかっていうとさり気なく出てきたエロ訓練とかエロ拷問なんて単語の方が衝撃的な気もするけど、そういう場面を目にした女の子にする話ではないかもね」

 

「でしょう? でも、一応あの行動に至るにはそれなりの理由があるんだよ、っていうのを、誰かに言っておかないと、どうにも」

 

エロい光景に対する耐性なんてのは個人差がある。

その光景を繰り広げていた相手と話難くなる、というのもわかる。

だが、そもそもあの場面を見るという選択をしたのは小猫さんなのだ。

それであんな態度を取られてしまう、というのは、理解はできても受け入れがたく感じてしまう。

学校の中では数少ないニンジャだの悪魔だの魔法だのまで話せる相手であるし、気兼ねしない相手、という意味では日影さんを除けば学内でもトップスリーに入るレベルでもある。

知り合い、友人、まあまあな友人と来て、中々に親しい友人になったのだ。

避けられると悲しいし寂しい。

これは帰ってから冥界に調査に行く前に日影さんに一通り慰めてもらわなければ!

或いは冥界での調査は一時キャンセルして日影さんに甘えなければ!

一日分サバミソがポケモンっぽく変異していく様を一切手出しせずに見逃す事になるけど、傷心を癒すためならば、日影さんと一緒にリビングや自室でぼーっとしたりして緩やかな時間を過ごす為ならば、致し方ない事ではないだろうか!

 

「……なんだか勝手に元気になってきたみたいだけど、一応僕の方からもフォロー入れておこうか?」

 

「ありがとうございます。今度何かお礼を考えておきますね」

 

「そんな気にしなくてもいいよ。同じグレモリー眷属の仲間のことでもあるからね」

 

そう言って朗らかに笑う木場先輩。

なんだ悪魔って天使揃いか。

ていうかリアル天使の影が薄すぎてリアル天使がどんなもんかさっぱりわからないのだけど。

ミカエルさんは記述読んだ限り、決して綺麗なだけの存在ではなかったしなぁ……。

 

―――――――――――――――――――

 

「お兄様……魔王様に会いたい?」

 

「はい。メールで済ますのは難しい話になってしまいますので、できれば近いうちにお目通り叶えばなぁ、と」

 

祐斗先輩と連れ立って、久しぶりにオカ研の部室に顔を出した書主さんは、ギャーくんと軽く雑談を楽しんだ後、徐ろに部長に無茶振りをしはじめた。

部長は上級悪魔グレモリーの当主で貴族、しかも現魔王であるサーゼクス・ルシファー様とは実の兄妹。

この学校から魔王に対するアポイントメントを取ろうと思ったなら、確かに部長を頼るのが一番の近道でしょう。

ですが、当主とはいえ一介の貴族、しかも現在は学生の身分である部長では、直ぐにどうこうできるものではないでしょう。

 

「どうしたの、小猫」

 

「別に、どうもしていません」

 

「せっかく読手君が来たのに、行かなくていいの?」

 

「……真の友達はそんなベタベタした感じじゃないので……」

 

この副部長は本当に、姿を表したと思ったら余計な事を言い出す。

私含め、家庭環境に問題があるオカ研部員はこういう場面で空気を読まなさ過ぎて困ります。

そりゃあ、私だって、別に書主さんに含む所があるわけではないんですが……。

 

「別に、喧嘩をした訳じゃないのでしょう?」

 

「……」

 

耳から聞こえてくる副部長の言葉も、今の私の頭には残らず何処かへ上滑りしていく。

私だって、書主さんと一緒に居ると楽しい。

でも、なんというか、今日は、駄目だ。駄目だった。

今日は朝から、あの光景が繰り広げられた朝から、まともに書主さんの顔を直視できない。

どうしても、ゼノヴィアさんに片腕を伸ばし、手の動き、指先の動きだけでゼノヴィア先輩を楽器のように自在に操っていた姿が思い返されて。

 

……凄い声でした。

声だけではない、匂いだ。

猫は特に匂いに敏感ということもないけれど、普通の悪魔や人間に比べれば断然鼻は利く。

触れられて数秒で派手な音と共に体操服の下から溢れだした、小水とは違う液体。

知識としては知っている。

別にいやらしい本とかで、という訳でもなく、純粋に学校で習う保健の授業の範囲で知っているだけのものだ。

たった三十秒の出来事が終わった後、書主さんが魔法や何やを駆使して殆ど残らず消し去った筈のそれの匂いが、鼻の奥に残っている気がする。

そして、今朝の光景を思い出しそうになるたびに、その匂いが鼻の奥から顔を出してくる様なきがしてならない。

光景も、音も、匂いも、まるで今まさに目の前で起きているかの様に脳裏に鮮明に思い浮かんでくるのだ。

そんな状態で、どんな顔をして書主さんに接すれば良いかわからない。

それに……、

 

『二人共、それなりに理由があっての関係だよ』

 

それなりに理由があれば、恋人でなくても。

それなりの理由って、どれだけの理由なら?

二人、という相手を庇っているようにも、慮っている様にも聞こえた、その二人は誰、いや、どんな人?

私よりも、親しい友人だったり、するんでしょうか。

それとも、私程度に親しい相手なら、『それなりの理由』で……。

 

首をぶんぶんと振り、頭に浮かんだ下らない妄想を打ち払う。

別に、私と書主さんはそういう関係じゃないし、そういう事をする理由だってぜんぜん無い。

 

『塔城さんは、可愛らしい人ですねぇ……』

 

な、無い……筈、ですよね……?

あの時の、優しげな視線だって、あの時、髪を掻き上げて頬や耳に触れたのだって……。

触れ……、夜の森の中で、胸に、ゼノヴィア先輩と、同じような場所……。

しかも、わたし、自分から……。

 

あれ、してほしい、って、言ってるみたいなものじゃ……。

私が、私も、書主さんの手で……?

 

「にゃあ……」

 

頭が、くらくらする。

熱くて……。

 

―――――――――――――――――――

 

ばたん、と、わりと遠慮のない大きな音が鳴り響く。

音の反響から判るのは倒れたのが駒王学園の制服を来た背丈の小さな女性だという事で、この場でそれに該当するのは一人しか居ない。

 

「小猫!?」

 

誰よりも早く反応したのはグレモリー先輩だ。

先まで此方の無茶振りにウンウン唸りながら考え込んでいた先輩は一瞬で意識を切り替え、倒れこんだ眷属へと駆け寄ろうとしていた。

なるほど、これが王、いや、これがグレモリー先輩の中の王なのだろう。

小猫さんや木場先輩がなんやかんやいいつつも信頼を置く理由が判る気がする。

 

ニンジャ速度で先輩を追い抜き、倒れた小猫さんをしゃがみ込んで抱き起こそうとしていた姫島先輩を手で制し、小猫さんの身体に触れた。

触れた箇所から此方の血流によって生じる振動が伝わり、小猫さんの身体の中を反響し手元に戻ってくる。

未成熟な部分が大きく、わずかに純正の人間とは異なる部分があるが、どの臓器も神経系も問題なく作動しているのが判る。

 

「どうなってるの?! 小猫は大丈夫なの?」

 

一番に駆け出しながらも気付かぬ内に追いぬかれたことなど微塵も気にせず、ただ小猫さんの安否だけを確認するグレモリー先輩。

彼女が下僕想いである事を除いても当たり前の反応だろう。

何しろ先ほどまで普通にしていた相手が唐突に意識を失い倒れこんだのだ。

 

「……知恵熱、ですかね」

 

「知恵熱?」

 

「正確に言えば、心因性発熱、或いはストレス性高体温症とでも言いましょうか」

 

慢性的にストレスを抱えている人に良くある症状なのだが、今回はそれに極度の緊張状態が重なったような状態の様だ。

まぁ、慢性的なストレスに関しては以前に比べて少なくなっているようではあるけれど、どうにも、今朝の光景、そしてそこから想起したであろう何がしかの考えが、小猫さんの許容量をオーバーしてしまったらしい。

あれだ、初めて無修正のポルノビデオを見た清純な少女、みたいな状態なのだろう。

 

「アーシアに急いで部室に来るように伝え……」

 

「この手の熱は別に怪我でも病気でも無いから、あの神器では回復できませんよ。横にしておくのが正解です」

 

慢性的なものならともかく、今回のは短期的なもの。

こういうのは、受けたストレスが抜けると拍子抜けする程に熱が下がって元通りになる。

 

「そう……、それじゃ、お願いね」

 

「はい?」

 

「寝てる間、小猫の事を診ていてあげて欲しいの」

 

「なんでまた」

 

「私も朱乃もそういうのは向かないし、そういうのが解ってそうなアーシアとイッセーはまだ部室に来ていない、ギャスパーは昨晩遅くまで悪魔の仕事を頑張っていて今は眠っているし、祐斗は……そう! これからちょっとお使いがあるのよ。先立って契約した悪魔としての仕事がそろそろ始まる時間帯でね、外さないといけなくて」

 

沈黙を溜めにしてからの( ゚д゚ )彡そう! とは一体何なのか。

グレモリー先輩の発言の後に『えっ?』と言いかけて飲み込んだのを聞き逃す程此方は鈍感ではないぞ。

優れた忍者は足音から相手の感情をある程度読み取る事など造作も無いのだ。

魔法陣を使わずに部室の出入り口に向かうのも不自然だし、その足取りから察せられる心情は恐らく『ああ、また部長の悪い癖が始まった。でもたぶん小猫ちゃん的にはいい感じの展開になるだろうし、ちゃんとした活動が始まるまで近くの本屋で立ち読みでもしてこようかな』といった感じだろう。

 

溜息。

これまでの人生、人脈豊富とまではいかないまでも多少の人付き合いはあったけれど、このグレモリー先輩の様な取り敢えず男と女が出会ったらラブコメが始まると思っているレベルのカプ厨は見たことがない。

小猫さんや木場先輩から聞く話や振る舞いから想像するに、公式の場などのきちんと締めるべき場所では王に相応しい振る舞いとカリスマがあるのだろうけれど、彼女に付き従う小猫さんはじめオカ研メンバーの苦労が忍ばれる。

 

「いいですよ、でもその代わりさっきの話、よろしくお願いしますね?」

 

そう念押しして、熱っぽくなった小猫さんの頭を撫でつけた。

 

―――――――――――――――――――

 

温かい、誰かの体温を肌で感じる。

柔らかいような硬いような、でも、頭を預けていてもさほど不快には感じない生き物の身体の感触。

人肌……肌ではなく布の感触だけれど、だからこそ、遠い昔に身体を預けた背中を思い出す。

記憶も曖昧な親の背中か、僅かに覚えのある姉様の背中か。

それはどちらにしても遠い記憶、覚えているか覚えていないか、思い出そうとしても記憶に無いか、思い出そうとしても記憶が薄いかの違いでしかなくて。

自分が眠っていたのだと理解し、意識がはっきりしていくと同時に思うのは、今の自分にはどちらも縁遠いものだ、という現実。

 

もう居ないだろう親と、今は会えない姉。

私に温もりをくれた家族は、今の私には触れることもできない。

勝手な話だ、と思う。

どんな理由があったとしても、せめて会いたいと思えば会える場所や立場に居て欲しいのに。

……そんな自分の感情も勝手なものだ、と、理解しても止められないものです。

だけど、この安らぐ感触が記憶の中にしか無いというのは、やっぱり客観的に見て不幸なのかもしれない。

 

「ん…………、んぅ?」

 

心地よい温かさに顔をこすりつけるように寝返りを打ち、気付く。

夢か幻覚か、と思ったけれど、温もりも柔らかさもしっかりと感じる。

誰だろう、部長、ではない、副部長、も違う。

でも、間違いなく覚えのある匂い、親しみを感じる匂いだ。

誰に身体を預けて眠っていたのだろう、ぐっすり眠ってしまっていたならかなり迷惑をかけてしまったかもしれない。

 

「つまり、見学に行け、と?」

 

「どうせこの事を伝えれば招待状の一通くらいは書くだろ。それが一番手っ取り早いし、あいつのスケジュールを崩さずに会える。だろ?」

 

「……そうね、確かに、前々から誘おうかどうか相談はされていたから、難しくはないと思うわ」

 

頭の上から聞こえてくる声に応えたのはアザゼル先生と部長。

二人の声は少し離れたところから聞こえて、一番近くに聞こえた声が誰のものかを理解して、顔が熱くなる。

頭を擦り付けた何かが、親しみのある匂いの染み付いたただの温かくて柔らかい普通のクッションである事を祈りつつ瞼を開ける。

視界に入ったのは駒王学園の制服のお腹の辺り。

 

「あ、起きました?」

 

視線を横に、地球規模で言えば上にずらして見えるのは、いつもどおり、瞼を閉じた書主さんの顔。

 

「起きましたけど、……これは」

 

「膝枕ですね」

 

「膝枕ですか」

 

「はい」

 

はいじゃないが。

 

「何故膝枕を?」

 

「いきなり倒れてしまったので、介抱として」

 

「そうですか……すみません」

 

これが仮にドタバタラブコメの主人公とヒロインだったら反射的に拳の1つ2つが飛びそうなものだけど、あいにくと私は理性的なつもりだ。

だから、照れ隠しで暴力に訴えるような非文明的な真似はするつもりは無い。

恐らく書主さんは100%善意で介抱してくれたのだから、例え膝枕という結果に落ち着いたとしてもそれは仕方のない、そう、言ってしまえば緊急避難的なあれだから大丈夫ですよ。うん。

 

「……太もも、柔らかいですね」

 

二人三脚の練習の時は割りとがっしりしていた気もするんですが。

 

「忍者ですからね。変装術の応用で身体の柔らかさくらいは変えられるんですよ」

 

どういう変装で身体の柔らかさを変える必要が出てくるかがわからないし、解ったらいけない気がするけれど。

こういう場面で便利だから別に問題はないのかもしれない。

 

「小猫さんは、寝てる時は本当に猫みたいに動きますね」

 

「……まぁ、猫なので」

 

「可愛らしくていいと思います」

 

「…………それほどでも、無いです」

 

なんですか、今もしかして口説かれていますか私。

なんだか顔もやたら熱くなってきたのでいい加減拳とか使って黙ってもらうべきじゃないですか。

彼女さんである日影さんのためを思えば一二発くらいは許されませんか。

でもたぶん普通に頼めば黙ってくれそうなんですよね。

諭せば反省もしそうですし。

じゃあ殴れないじゃないですか!

 

「んっ、ん゙ん゙!」

 

「おーおー、彼女が居るってのに良くやるねぇ」

 

書主さんのベルトにこっそりと括りつけられていた謎の紅白柄の球体を毟り取り声の方に投げつける。

あ痛ぁ! という悲鳴と、かっかっか! という余裕そうな声を聞きながら身体を起こす。

身体を起こすと視界に入った、何故か額を抑えて蹲る部長とニヤニヤと気持ちの悪い中年臭い笑みを浮かべるちょいワルオヤジなアザゼル先生がどうにも気に食わない。禿げればいいのに。

 

「さ、全員揃った上に面白い見世物も終わっちまったからな、真面目にレーティングゲームの勉強でも始めるか」

 

全員揃った……。

言われ、視線を部室内に巡らせれば視線を向けられた先で何時ものオカ研メンバーが勢揃いしているのが見て取れる。

ニヤニヤしている人も居れば恥ずかしそうにしている人も、興味深そうにしている人も居る。

誰が誰とは言わない。

とりあえず睨みつけたら全員目を逸らした。

しかし目を逸らしつつもそれぞれの態度はさほど変わらない。

何ですか、何か言いたいことがあるなら言って下さい。

あと羨ましそうな顔してるギャー君はもうそろそろ悔い改めて下さい。

悪魔でもその性癖は後戻りできない系で危険です。

 

―――――――――――――――――――

 

────の時は居なかったので関係ない筈なのに、外からの評判が……

 

────果として当主は死んだがそれで誰が得をしたかと言えば……

 

────い話だ。何か怪しげな実験を繰り返していたとい……

 

────忌々しい事に、資料の多くはこの家から流出し、当時に協力していた……

 

「当たりだ」

 

目当ての情報を持っているものを除き、接続していたエーテライトを勢い良く引き抜く。

途端、虚ろな表情で整列していた身なりの良い悪魔たちが一人を除いてその場で崩れ落ちた。

乱暴に引き抜いたせいで少しばかり脳神経を傷つけてしまったけれど特に問題は無いだろう。普段からそれほど脳味噌を働かせて生きている訳ではない事は、記憶を探る中で十分に察している。

重要なのは、必要な証拠を現在握っているであろう悪魔の足取りがつかめた、という一点のみ。

 

「……そう遠くない、か。サバミソ」

 

「にゃあ」

 

適当に見張りをさせていたサバミソに声を掛けて、付いてくるようにジェスチャーのみで促す。

特に反駁も無く、短い返事のみで此方に付き従う姿は実に従順だ。

別にこれは知能が退化して人語を話せなくなったとかいう話ではない。筈だ。

記憶走査を始める前までは普通に話していたし、いい加減慣れてきた、という事だろう。

良い傾向だ。

ここまで来るとこいつの協力が必ずしも必要という訳ではないが、こうして捜査に協力させておけば後々に多少プラスにできる。

 

割りと長引いた捜査も大詰め。

二時間サスペンスで言えば犯人を崖に追い詰めるシーン程度には煮詰まってきている。

魔王さんのアポも取れたし、先延ばしにして延々放課後の自由な時間を費やすのも馬鹿らしい、今日中に全て揃えて、後は突き付けるまでの時間でわかりやすく整理させて貰おう。

 

―――――――――――――――――――

 

気安く、仮のものであるらしい名を呼ぶ主の背を追う。

仮にも上級悪魔がぞろりと揃っている屋敷に堂々と潜入した上で、一人残らず抵抗も許さず無力化した男は、必要な何某かを手に入れたらしく、次の標的を定めて動き出している。

同じことができるか、と言われれば、出来ない事もない。

だが、自分がこの男と同じ立場だったとして、それを積極的にやろうとするか、と言われれば首を横に振るだろう。

好き好んでそんな真似をする意味も理由も無いし、リスクも高い。

自由な野良猫というのは、自由であるが故にある程度のリスク管理も必要になってくる。

それは自分とこの男の性格が違う、という事もあるだろうが……。

 

「にゃあ」

 

「なんです?」

 

一人残らず一室に集められた上で意識を失っている為に無人となった屋敷を歩く。

来る時と同じように、何を恥じることもないと言わんばかりの堂々とした振る舞いを見せる男は、振り返る事も無く応えた。

この男は気安い。

口調こそ丁寧ながら、重要な部分以外ではそれなりに明け透けに答えてくれるのは、これまでの短い期間で理解できた。

恐らく、聞けば、問えばあっさりと答えが得られるのだろう。

 

この男が今現在、何をしようとしているか、というのは聞いている。

その結果は、自分にとっても悪く無い未来へと繋がるかもしれない。

だけど、何故、という、その一点だけを知らない。

聞けば何時でも答えるだろうと思いながら、自分がそれを聞いて良いのかがわからない。

 

捕らえられた当初の様に、この男が脅威でないとは思っていない。

この男に『持ち運ばれて』居る間に、この男の生活を垣間見て、人間性を、人となりを知った今では、この男の脅威も理解できる。

脅威も、人となりも、それなりに理解できるが故に、聞けない。

危険な男で、だけれど、間違いなく、この男も白音の友人で、白音の日常の一部で。

だからこそ、もしかしたら、決定的な破滅を齎すかもしれない問いかけを躊躇してしまう。

 

「大丈夫、貴女は正しい」

 

呼びかけるだけ呼びかけて二の句を告げずに居ると、背を向けて歩き続ける男が、諭すような声色で語りかけてきた。

 

「此方が貴女の意図を無視して連れ回している以上、信用しろ、とも言えませんし、逆の立場なら信用もできません。例え、後に結果が出ても疑うでしょう」

 

「いいのかにゃ? 自分でそんな事を言って」

 

「ええ。何しろ、此方の求める結果に、貴女の信用や信頼はあまり必要ありませんので」

 

「君、面倒な奴って言われにゃい?」

 

「不可抗力ですよ。そう簡単にいかないと思いませんか? 自己満足って」

 

なるほどなるほど。

で、あれば、この男の動機も、なんとなく見当がつく。

勿論、好意的に解釈した上での希望的観測でしかないのだけれど、その予想はそれなりに的を射ているんじゃないだろうか。

口元がにやける。

白音は面白い男を見つけたものだ。

既に(つがい)が居るようだけど、その程度の障害はスパイスの様なもの。

 

「にゃにゃにゃ」

 

背後からじゃれつこうとして、するりと躱される。

つれない男だ。

性欲がない訳ではないという事は、ここ暫くボールの中から私生活を覗いていて十分に理解できている。

そういう行為に慣れていない訳ではない、という事も、今朝に白音と運動をした後のあれこれで察するに足りる。

難物だ。

飢えても居なければ経験が少ない訳でもない、獲物を選ぶタイプの捕食者(プレデター)、しいて言うなら、自分に近い。

 

そんな男と白音が親しくなっている、というのはどんな因果か。

そんな男と白音が今後、どんな関係へと進んでいくのか。

害はあるまい、なら、純粋に見世物として面白そうだ。

妹の青春にそんな視線を向けてしまうのはどうか、とも思うのだが、こればっかりは野良の性分なのでどうしようもない。

だけど、こうしてこの男を近くから見続ける事ができる時間も残り僅からしい。

だけど願わくば、白音がこの男と『どう』なっていくのか、見物できる位置には居たいものだ。

 

 

 

 

 





冒頭、セーフラインを探して迂遠な単語を選んでいた
中盤、相談役として定着しつつある木場先輩の便利さを実感した
終盤、描写の少ない途中経過が、唐突なサバミソのデレを招く
非眷属非悪魔系主人公は蚊帳の外、本筋に関わらない部分ならなんでもやれる
次回、『未定』
次の展開、そんな先の事は分からない


という四十六話なのでした
勿論次回も原作に沿います
でも少し話が前後してディオドラとか出すかな出さないかなって
あと今回この展開でサバミソの回想入れられなかったから、そこらへんも入れていきたい

★ゼノヴィア
エロ餌食一番乗り
噛ませと言うと聞こえが悪いけど、一番槍と言えば誉れなので問題ない
今回で少し女性として云々の部分を理解させられてセクハラ攻勢は収まるかも
しかしそこからの派生が更に小猫さんの話を進めるのに役立つかもしれない
恋愛劇の好き好き系噛ませは嫌いどころか大好きな立ち位置なのである意味優遇
最後に消えようとする主人公を追いかけようとする小猫さんにバイクを貸したりする名シーンが挟まれるかもしれない
で、去った後に『ふふ、敵わないな』みたいな事を切なげな、でもさっぱりした表情で言う、みたいな
なお、主人公が小猫さんの目の前から消えようとする系の展開は現在一切予定されていない
あくまでこんなシチュならこんな役回りというだけの位置である
というか追っかけても主人公の隣には日影さんが居るんだけどどうするという話ではある
そこら辺は今後解決できたらいいねって思う

★イッセーくんとアーシアちゃん
あてられた
少し部室に来るのが遅れたみたいだけど、どこで何をしていたのだろう
アーシアちゃんの歩き方に違和感がなければセーフ

★木場先輩
気づけばストーリー上の便利屋ポジ
MKT(モーニング騎士王タイム)を除けば非常に人間力の高い常識人である
女子人気が高いわけだよ……

★小猫さん
なんか今回勝手に自分から空回っているけど実際自業自得なので……
自ら主人公を意識するイベントを踏みに行く辺りはヒロインの鑑と言えるのだろうか

★サバミソ
ぶっちゃけなつき度系の処理で勝手に好感度上がってた、って処理しても問題無いっちゃ無いんですが
それはそれで悔しいので次回辺り無理矢理回想入れる
無理なら一度死にかけさせて走馬灯の様なタイミングで回想入れる
それも無理ならその次の巻の日常パートで入れる
好感度が上がる様を省略してはいけない(戒め)

★紫藤さん
立ち位置的に便利そう
フラグは立たないなりに何かの関係性は築けるかもしれない
築けなくてもそれはそれでそういう立ち位置として美味しい
美味しくないのはその場に居るはずなのに一文字も描写されないみたいな立場ではないだろうか

★部長さん
今回特に悪い事してないのになぁ
何故か中身入りモンスターボールが額に直撃した

★忍者の性事情
なんか、任務先で生き別れの兄妹と再開する事が多い忍者業界の闇
何時死んでも何時好きでもない相手の子を孕まされてもおかしくない忍者業界では恋は神速を尊ぶのである
でもいきなり妊娠は重いのでみんなも気をつけよう

★エーテライト
家伝の技術なので使えない訳がない
単純に記憶の中を覗くならこれでも十分
周りが忍者な環境や一般的な学校では意味が無いが、アトラス院にでも入ってコレを駆使しまくれば母親と同じ程度には大成できる
が、それだと母親の息子ではなく、母親のコピーにしかならないので『才能がそれほど無い』扱いになる、主人公的には
親の子供である、つながりがある、という点が重要なのである
これが使えて、母親から直々に錬金術の手ほどき受けてる時点で繋がりとしては満足しているらしい



前回あんな引きをしといてエロ展開にならなくてごめんなさい
でもこのSS健全なんでやれてもこれくらいなんです
それでもよろしければ、今後共よろしくお付き合い下さい
感想とか誤字指摘とかも随時お待ちしています

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