艦これ世界 20XX年 七月上旬
長らく平和を享受していた世界は、海底より突如現れた知的生命体ーー通称〝深海棲艦〟に襲われる。
この時、深海棲艦側には人型の深海棲艦が約30体の人型が確認され、この人型の深海棲艦の指揮下に統率の取れた異形型の深海棲艦が追従してビーチに海水浴に来ていた観光客、漁をしていた漁船を襲撃、多大な数の犠牲者を出した。
七月下旬
日本政府並びに世界各国は自国の軍を用いて深海棲艦壊滅に動き出す。
自国が持つ最新鋭の戦闘機や海軍などの戦力を何処の国も約7割を投入し、深海棲艦との戦局は我らに有利なのは確定的に明らかと思われていたが、決戦に赴いた軍は初日の戦闘で壊滅。
集結させた戦力の大半が海の藻屑となった。
この事態に戦線を突破して陸地へ進軍する深海棲艦に政府は対策を講じることが出来ず、アメリカはホワイトハウスに大打撃を受け、当時の大統領ブロン◯さんを喪い、他の大国家も軒並み戦力を大幅に削られ、1ヶ月あまりで国家としての機能を失った。
これは後に〝国家解体戦争〟と呼ばれ。
深海棲艦と人類側の最初の決戦にして人類史上最大の敗北の記録となる
20XX年 十二月。
緩やかに衰退していく人類に妖精と呼ばれる存在が接触。
彼・彼女らは日本の戦車乗りたちに力を与え、その力を得た陸軍の戦車乗りは74式戦車、90式戦車、10式戦車に乗って深海棲艦への逆襲を開始。
その時の総指揮官は生粋の戦車乗りでもあり、後の有澤重工社長〝有澤 隆文〟で、彼を中心に始まった人類による反撃を『逆襲の社長 有澤隆文の反撃』略して『逆シャア』(※ここテストに出ます)
〝有澤隆文〟の没後、その名は有澤家の当主が名乗ったり、日本の子供の6割強が〝たかふみ〟となるなど、彼の偉業の程が知れる。
※有澤隆文自体は英霊となっており、クラスはライダーとされる。
因みに妖精の加護を受けた戦車は謎の推力で海上をホバー軌道しながら深海棲艦をロードキルしたり地下海底に潜り込んで深海棲艦の海底基地を壊滅させるなど、この時代に於ける神話級のオーパーツとされ、加護を失った現代では日本の博物館に現物を飾られている。
204X年 妖精から与えられた戦車乗りの加護は消失すると同時に世界大戦時の艦船の魂が蘇った日本の守護者ーーー〝艦娘〟が表舞台に立つ。
彼女達は当時の装備と経験を駆使して〝提督〟の指揮下にて戦い、幾度の勝利を、敗北を繰り返しつつも戦局を徐々に押し上げていく。
204X年 5月。
とある無人島に一人の少年が転生し、無人島に築かれた企業の社長となる。
ーーその時、歴史は動いた。
「暑っちぃ……」
女神に擬人化した ACを建造して指揮下における特典を貰った後、目を開けられない程の眩しさが辺りを包み込むと。
俺はいつの間にか、緑豊かな無人島の浜辺に突っ立っていた。
ジワジワと頭上で照り付ける太陽、足のくるぶしまで浸かった波の冷たさがなんとも言えない心地良さを与えていた。
ウトウトと少しの間そうしていたが、 擬人化AC娘と早く会いたいーーその気持ちはやはり大きく、オールドキングのように鼻歌を歌い、ウキウキとした気分で隣に聳え立つ建物に足を運んだ。
「あいむしんかーとぅーとぅーとぅーとぅとぅー」
港には誰もいない。
どれだけ放置されているのか、錆びついた作業車やコンクリートを突き抜けている雑草、放り捨てられた道具。
人どころか妖精すらいないことがそれだけで分かった。
それまで呑気に歌っていた鼻歌も、この光景を見れば歌う気も失せる。
「えー、これ……運営出来るか?」
無理だ。
そもそもが俺のスペックは並みの高校生程度、そこにアーマードコアの操作の知識があるだけでゲームじゃないリアルな提督業など出来るわけが無い。
出来ない仕事ばかりが積もり積もって運営が回らなくなる予感がする。
……あれ?これ詰んだか?
ま、まあ、とりあえず提督室に行って初期機体を貰おう。
擬人化しても結局はネクストだし深海棲艦も敵じゃねーだろ。
放置された港→元鎮守府廃墟→執務室(?)
提督室の文字が擦れきった扉の前、恐らくここがこの鎮守府の要、執務室だ。
多分この中に入って初めて擬人化ネクストを一人入手できて鎮守府運営のチュートリアルとかやって……って感じで俺のネクストTUEEEEライフが始まるんだ。
コンコンと叩いて扉を開けた。
「遅かったわね」
「……ん?」
中には女神がいた。
下手くそな字で社長と書かれたネームプレートのある机で優雅なティータイムを楽しんでいる。
胸は無い。
「あんた今失礼なこと考えたわね」
「な、なんのことかな?」
女神はあからさまに怒り顔で舌打ちした。
しかし俺の思考を読むとは流石女神。
そう考えると奴は途端にニタニタと上機嫌になる、チョロ過ぎィ……。
「さて、私も暇じゃないしチュートリアル始めましょうか。まずこの部屋の説明ね。ここは見た通り執務室。貴方の部屋ね。ここで色んな書類や手続きをやったり、戦力の編成や出撃させたり出来るわよ。そして次にこれ、貴方の名前ねー」
紙とペンを渡された、これに名前を書けってことだろう。
さらさらさら、風見空、年齢 16、性別 男、童貞か否か……無回答、AC歴 fAから4やったりV系やったりプレ2の方に移行したり色々。
初期娘空を下記から選択せよ(今回選ばなかった娘空も建造などで入手可)
03-AALIYAH
TYPE-LANCEL
SUNSHINE-L
Y01-TELLUS
アセンブルはACfA基準。
アリーヤ、サンシャインL、テルスだけAC4と切り替え可。
俺は躊躇うことなくアリーヤを選択、さぁ俺の愛機よ早く出てきてたもれ。
03-AALIYAH
レイレナード社の標準型ネクスト。
装甲を薄くし、プライマルアーマー性能を高めることで機動性を向上させた近距離型ネクスト。
装甲が厚いだけのダンボール超人とは対照的にPAをフル活用した純粋なネクストと言えるが、PAを剥がされると脆いため、回避重視の短期戦が望ましい。
武装はマシンガンとレーザーブレードに小型プラズマキャノン。
初期娘空:アリーヤ YES/NO ?
「アリーヤで」
「おk、アリーヤちゃんかもーん」
コンコンコン
『し、失礼します』
ノックと控えめな声音の後に黒髪、黒服、黒靴、と全身黒尽くめの女の子が入ってきた。
頭には帽子型のAALIYAHヘッドパーツを被っていて、これも黒。
どう見ても彼女がアリーヤだった。
彼女は中に入るとこちらに一礼しドキドキした表情で元気に自己紹介してくれた。
「アリーヤ型一番機、アリーヤです。超高機動主体の近接戦が得意です。提督、よろしくお願いします!」
適度に緊張してる、可愛い。
思わず頭を撫でたくなる可愛さなので撫でる。
ひゃわっ、と変な声を出しつつ手を払いのけたりしない所にアリーヤの従順さが伺えた、すげえ唆る。
このままアリーヤとイチャイチャしたい。
欲望がひっそりと顔を出したがその前にクソ女神が手を叩いて雰囲気を霧散させやがった。
今更女神に見られていたことに気付いたか、アリーヤが顔を真っ赤にして離れた。
可愛い。
「はいはいチュートリアル1、初期娘空選択はしゅーりょーね。次はチュートリアル2、『娘空の建造』よ。工廠に行きましょ」
「へいへい」
「は、はい!」
執務室→地下→工廠(?)
女神、俺、アリーヤの順番で提督室を出ていきなり地下へ。
緑色に染まったコンクリート仕立ての階段を降りていくと、地上の閑散した光景と対照的な、怒鳴り声、悲鳴、阿鼻叫喚の嵐が目に映った、映ってしまった。
「ヒェェェ死ぬうううう」
「バカが!妖精がコジマ吸ったくらいで死ぬと思ーーー(死ーん)」
「ウヘヘヘヘコジマァ、コジマ吸ってねえと禁断症状ががががががががが」
「誰だ!おれのMTにコジマ粒子ぶち撒けやがったの!?ドロドロに溶けてんじゃねえか!」
「コジマ風呂の完成ダァァァァヒャハハハハハァァァァァ」
「僕はコジマ君はコジマ私はコジマあなたはコジマおれはコジマお前はコジマおいらはコジマてめーはコジマ」
「コジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマコジマ」
……………なにこれ(白目)
多数の妖精さん達が地下の工廠所狭しと駆けずり回っている。
しかも妖精サイズのMTに乗り回しているのだから傍目で見ると非常にシュールで可愛い。
しかしマニュピレーターの先っちょから緑色の粒子を飛ばしてる以外は案外まともそうに見えるがいかんせん会話が危ない。
ヤク中ならぬコジマ中毒者が大半を占めてんじゃねえの?あ?コジマ汚染者か?どっちでいいわ。
「ここが工廠よ。ここであなたの戦力になるネクスト娘空、ノーマル娘鴉、AF娘、MT娘を建造することができるわけ」
「そ、そうなんですね。個性的な妖精さん達がいっぱいいると……思います」
アリーヤさんや、そこはもうヤベー奴らで沢山だけど問題無いんですか?って聞いたほうがいいぜ。
アリーヤにそのことを言おうとしたら工廠がにわかに騒がしくなりはじめた。
まるで何かに怯えているように。
「ウワァァァァァ!!?奴だー!奴が来たぞーー!」
「アイエエエ!?主任!?主任ナンデ!?」
「主任コワイ!」
「奴はいつも夜に行動開始するはずなのにィィヒイイイイイ!!?」
ドゴォァン!!
『重役出勤〜♪ギャハハハハ!?』
交渉の壁が壊れた、土煙から青い装甲のACが……ヤベエ、アレは、アイツはヤベェぞー。
「ギィァァァァァ!!?」
「殺されるぅうううう」
「コジマで死ぬか主任に殺されるか……」
「俺はコジマを選ぶ(キリッ)グワァァァ!?」
『ロードキル♪+400!なぁんちゃってぇ!?ギャハハハハハ!』
青いAC ハングドマンが道中の妖精を蹴っ飛ばしている、ひでぇ。
妖精は血反吐と悲鳴を上げながら工廠の空を舞い、無様に床に叩き落とされる、ひでぇ。
『アレ?おたく新しい社長サン?』
「アッ、ハイ。風見空です宜しくどうぞ……ん?社長?」
ハングドマンの装甲がぱっくり割れて中からボサボサの頭に無精髭を生やしたツナギ姿の男が現れた。
ネームプレートは主任、やはりか。
「ハハッ!この会社の工廠の最高責任者の主任で〜す。ぶっちゃけ働くのってダルくね?つーわけでぇテキトーに頑張るから宜しくゥー。ギャハハハハハ!」
うわぁ、俺が知る限り最悪の責任者だろ。
誰だよコイツ責任者にしたの。
「主任を最高責任者にしたのは私のノリと勢いの責任よ。だが私は謝らないわ」
「クソメガミ(ボソッ)」
やはりお前か。
「自己紹介も終わったし、んじゃチョット遊ぼうかァ」
「 え 」
「社長!下がってください!」
『残念だけど、味方なんて居ないんだ……。そう、いないんだよ。味方も、そして敵もね』
ハングドマンがKARASAWAをチャージしながらこちらにハイチャージ!?ま、マズ…ッ。
『ぁああ愛してるんだぁぁぁキミ達ををぉぉおおおおおおアッハ(ry』
ドガーン!
主任の乗っていたハングドマンが木っ端微塵に爆発した!?
「主任、お戯れはそこまでかと」
「き、キャロリーン。今のは……き、効いたぜ。ごふっ_:(´ཀ`」 ∠):」
土煙から颯爽と現れたデコだし眼鏡に白衣を着た妖精さん……キャロリンだ、これ絶対キャロリンだ。
手にはヒュージキャノン持ってやがる!これで主任を抹殺したに違いない(※死んでない)な、なんてクレイジーなんだコイツも!
「どうも。キャロル・ドーリーと申します。お見知り置きを、代表」
「アッハイ」
「それではこれより工廠の説明をさせていただきます」
「あ、ちょっと待って。俺が社長ってどう言う事だ?俺は提督じゃないのか?」
「……大本営も把握していない素性の知れない輩が突然提督を自称し元とは言え鎮守府跡地を再建、運用する。そんな鎮守府と提督を信頼出来ますでしょうか?」
「あー、無理だわ」
「既にこの島は企業所有地として政府やり買取を完了しています。では、工廠についてご説明させて頂きます」
突然キャロリンの説明が始まる。
「まずこの施設の目的はネクスト娘空やノーマル娘鴉、MT娘、更にAF娘と言った戦力を開発する事にあります。艦娘も建造自体は出来ますが、この企業は現在、放置された非正規鎮守府の認識をされていますので、無許可に艦娘を建造した場合憲兵が飛んで来ます」
ええ、憲兵来るんだ……来れるんだ。
そして艦娘はダメでもネクストとかノーマルは別に良いのか。
「建造のやり方については、ネクスト娘空やAF娘にコジマ粒子、鋼材、燃料、弾薬の四種類から適切な量を選択することで建造可能です。なお、資材量によって出て来る娘空にもバラツキがございます。裏を返せば欲しい娘空の特徴を抑えた資材量なら必ず当てることが出来るということです」
ふむふむ、例えば鋼材マシマシでダンボール超人が、燃料マシマシでアリーヤとか逆流とか、弾薬マシマシでメルツェェェル!や弾幕天使とか(白目)コジママシマシでアクアビットマンとか!(歓喜)。
「試しに一度建造なさいますか?」
「おん、じゃあコジマ999それ以外最低値で」
「「「「……」」」」
即答だった、最初の建造はアクアビットマンと決めていた、後悔はない。
因みにキャロリンの眼鏡が割れた、驚きすぎると割れるのだろう。
「へへ、最高だ。最高に面白い。お前は」
主任が指を鳴らすと自動ドアが開いて新しいハングドマンが滑ってきた。
彼はそれに乗ると明らかにヒュージキャノンを両手で保持してハンガーの中へ消えていく。
「ネクスト娘空の建造はいずれも何十時間単位ですので、次にノーマル娘鴉の説明をさせていただきます」
キャロリンはスペアの眼鏡をかけ直しノーマル娘鴉の説明を始めてくれる。
ノーマル娘鴉
・MT娘から発展・開発され、装備に応じて高い汎用性と拡張性を持つ鋼の乙女。
・ネクスト娘空よりも維持費、修理費などが廉価な分戦闘力で劣る。
・4系、V系のノーマル娘鴉はどの脚部でも水上移動が出来るのに対してそれ以前のノーマル娘鴉はフロート脚部を除き、改修を行わなければ海上での機動力は劣悪となり、最悪沈んでしまう。
建造に消費する資材は鋼材、燃料、弾薬、ボーキサイト。
ついでにMTはノーマル娘鴉よりも更に安価に建造出来る。
「じゃあ最低値でやってみよう」
「かしこまりました。完成後に連絡致します」
キャロリンも別の妖精を伴ってドッグの中に消えていった。
俺達は一度執務室に戻り、暇を潰しているとキャロリンから建造完了の連絡を貰った。
さあ、どんなノーマル娘鴉が出てくれるやら。
何を出すかは決まってない。
ACVの診断メーカーではビーハイヴS4が来たけど多分採用しない。
1発目だしキャラ濃ゆいのが良いよね。