7話
戦闘モード起動。
アリーヤの被る帽子型ヘッドパーツの複眼が前方に見える敵を感知して一斉に見開く。
敵の数は30ほど、小銃持ちの歩兵級と擲弾持ちの砲兵級。
それらは高速で接近してきたアリーヤ達をレーダーに捉え、先んじて陣形を組んでいたようだ。
壁のように立ち並ぶ歩兵級達の背後で砲兵級達が獲物を今か今かと待ちわびている。
『イイイイイィィィィiiiiiiiii!!』
異形の全身から小銃が突き出、複数の砲身が迫る影に向く。
そのまま20あまりの歩兵級が小銃の一斉放火を浴びせる。
それはまさに嵐のような弾幕だった。
「当たりません!」
しかし、プライマルアーマーを持ち、高速で移動するネクスト娘空には一つたりとも掠りもしないか、プライマルアーマーによって弾かれていく。
アリーヤは歩兵級達の弾幕をものともせず、真っ直ぐに向かってくる弾丸のカーテンを横方向へのクイックブーストで強引に突破する。
「アリーヤ先輩に当てる気?死ね」
建物を遮蔽物に見立て、接近戦を仕掛けるアリーヤをレーザーバズーカで援護するライール。
一射一射が必殺の威力を持つその火力に機動性の無い歩兵い級達が爆発していく。
「いっくよー!」
水色のマフラーをたなびかせるアクアビットは空中からひらりと着地すると右手に構えたコジマライフルの引き金に指を当て、歩兵級の背後にいる砲兵級へ狙いを定めた。
「コジマァバーン!」
チャージも碌にしていないコジマライフルの閃光が擲弾の準備のために直線上に立つ砲兵ち級を三体纏めて消し炭に変えた。
そのままプラズマライフルを速射してち級の火力支援の牽制を行うと、流れ弾のプラズマエネルギーを喰らって一体のち級がその装甲をドロリと融解させ、崩れ落ちる。
『チッチッチ』
ち級は形勢の不利を認め、密集陣形を散開させ、火力支援を行うよう移動を開始する。
しかし建物の陰からその隙を虎視眈々と狙っていた影が飛び出すーーー敵陣奥深くへ侵入したアリーヤだ。
「逃がしま、せん!」
初手、ドラゴンスレイヤーによる単純な薙ぎ払いでち級の胴体が二つに分かれる。
次いで慌てて擲弾を込めた別の個体をマシンガンで穴だらけにすると次の敵を見定める。
『チチチチチチ』
だが、その時には既にち級の包囲網は完成していた。
アリーヤに向けて一斉に放たれる擲弾の雨、地面に着弾すると共に爆風と爆発が発生し、土煙が地上を覆う。
それに対して上空で攻撃をしていたライールは一瞬眼を見張るも、FCSが共有している味方機のAPが情報を更新したのを見て、ふん、と鼻を鳴らす。
共有されてたデータには、アリーヤのAPは少しも削れていなかった。
それが意味することは一つ。
「時代遅れの鉄屑共が。ネクストを舐めているの?」
ドヒャアッ!
風を切り裂くプラズマ推力の超加速。
ち級はすぐ傍をアリーヤが通り過ぎたことにも気付かず、ドラゴンスレイヤーの一刀に倒れた。
「敵、残り13、一気に殲滅します」
この日、ネクスト娘空3機の襲撃によって、深海棲艦が保有する油田基地が奪われるのであった。
戦闘結果
場所:深海棲艦油田基地
vs.歩兵い級×22(全滅)砲兵ち級×11(全滅)
戦果:勝利
アリーヤ Lv6→Lv7
アクアビット Lv2→Lv4
ライール MVP Lv1→Lv3
「アリーヤ先輩……ライールのこと見てくれましたか?ライール。凄く頑張りました」
ドロップ:なし
領地奪取:油田基地
「よし油田基地を確保だ。直ぐに妖精さんを送って燃料の生産をしてくれ!」
アリーヤ達が油田基地を襲撃し、敵は全て殲滅。
制圧した油田基地を管理するために鎮守府から妖精さん達が派遣される。
「ヒャッハァァァァァようやくこのコジマ施設からオサラバァ!!?」
「あばよ、コジマ馬鹿どもー!ウッヒヒヒヒヒヒ!!?あ、アレは主任!?貴様、何をする気だ!!?」
「いやいや。ちょっとお引越しの手伝いをね!?」
「ヒュージキャノンで手伝いなんて「ドガーン」ウワアアアアアアアアアア!!」
各々のMTに乗り込み、ネクストのOBに追随するレベルの速度で海上を疾駆する妖精の姿に俺は何も言えない気持ちになる。
どんだけブラックなんだろうね、この鎮守府。
「いやいや。案外珍しいんじゃない!?妖精に対してブラックな鎮守府っていうのもさァー!!ギャハハ」
悪びれた様子のない諸悪の根源に溜息をつき、計画の進行を聞く。
「例の計画は?」
「ま、見たトコロ油田基地には燃料がたんまり溜め込まれるらしいから後は時間次第ってとこかナァ!1日、2日じゃ出来る代物でもないしねェ!」
「んー。圧倒的戦闘力の代償が建造時間ってとこかね」
大型も超大型、こうなるとか分かっちゃいたんだけどね。
さて、今この鎮守府の解放ドッグは2つで内一つは巨大兵器の建造に使うから、後一つでネクスト娘空かノーマル娘鴉のどっちを建造するか。
「ハイハーイ。当分はノーマル娘鴉で防衛戦力増やしといたほうがイイと思いまーす」
「言い方むかつけどそれしかないよなぁ」
油田基地以外は少し遠いらしいし、当分は戦力の拡大かね。
輸送ヘリはアレが出来るまで向かおうにも向かえないし主任の言う通りこの鎮守府の防衛戦力が少ないことは事実であり致命的だ。
それに、油田基地を奪取したので基地が深海棲艦に奪い返されないようにするための防衛戦力を置かないといけないし、油田基地からラインアークへ資材を運ぶ輸送部隊も必要だ。
「林檎ちゃんチームが離れたらこの島直ぐに壊滅しそうだしな」
当分はネクスト娘空を周辺海域から油田施設の防衛に当てるとして、鎮守府は林檎ちゃん、不言、グリーンウィッチに任せるしかないだろう。
林檎ちゃんは場所を選ばない強さがあるし、もともとセントリーガン持ちの不言は基地防衛に相性が良いとして、グリーンウィッチか。
「全身EN兵器でフロートだから水没しないにしても息切れが激しいしそもそも地上でフロート脚部っつってもね……」
ここはやっぱり建造しまくるしかない。
防衛側と攻撃側も作っておきたいし。
「じゃあ、例の計画と並行してノーマル娘鴉を最低値で7回だ」
ベテラン勢が来てくれることを祈ろう。
例えば霧影とか霧影とか霧影とか。
イロモノ枠じゃ無い、安定感のあるノーマル娘鴉が欲しいです(願望)
「あいよー」
早速油田施設から送られてきた燃料で大型建造を行う主任が工廠へ帰っていく。
それとすれ違いで油田襲撃から帰ってきたアリーヤ達が執務室に入室する。
「お疲れ、アリーヤ。アクアビットちゃん。ライール」
3人の顔を順繰りにみて労いの言葉をかける。
まあ、観戦してた感じダメージも無かったし良かった良かった。
「ふふ、社長のお役に立てて良かったです」
「しゃちょー!次はどこに行くの?私はまだまだ元気一杯だよっ!」
「ライールはただ、アリーヤ先輩の為に手を貸しただけ。くれぐれもそれを勘違いしないで」
素直、元気、クールな美少女3人の返答にニヤニヤが止まらない。
ああ、俺!こんな可愛い子達に囲まれてなんて幸せなんだろう!
AC擬人化万歳!
「はは。とりあえず補給しとこうか」
「あ、そうですね。じゃあ、えっと、補給ドックに行ってきます」
戦闘を終えたアリーヤ達。
彼女達は今回の一戦で消費したコジマ粒子や弾薬の補給、更に消耗したジェネレーターやブースターとPAを展開する上で必須な整波装置の整備を行わなければならない。
これを一回欠かしたところで次に故障する訳では無いが、キチンと整備しなかったことで性能が劣化するのも面白くない。
というわけで戦闘後に時間があるならばこうして整備することを義務付けている。
なに分コジマ粒子及びコジマ汚染は……マズイ思考なのでそこは徹底させている。
ネクスト娘空は大丈夫みたいだけど人体にはかなり毒なんでね、コジマ粒子。
女神はゲーム本編よりは人体に悪影響は無いと言ってたけど工廠の妖精さんたち(廃人妖精多数)を見るにあたって信用できねえ。
帰って来て抱きついた挙句ジェネが壊れて粒子が漏れて俺が廃人ルートなんて笑えないからね。
整備ドック
コジマ粒子を補充したアリーヤ達はジェネレーターや各種ブースターを整備する為にこの一室に来た。
無論腕部やコアなどの各種パーツにネクスト娘空の命綱とも言える整波装置を修理することもこの整備ドックの目的であるが、今回の戦闘で被ダメージは無かったためにアリーヤは修理することはないだろうと考えていた。
「アリーヤ先輩」
「ふぇ!?」
しかし、背後に近づいたライールの奇襲により、整備ドックは突如脱衣ショーの会場となってしまった。
ライールの細い腕がアリーヤの軍服のラインをそっと撫でる。
たったそれだけで彼女の軍服を留めていたボタンがその拘束を緩め、その下の白シャツのボタンすらも瞬時に解かれてしまった。
「あぁ、アリーヤ先輩の肌……綺麗」
「ふぇ!?へ、ふ、ふぇ???」
一先ず、アリーヤの思考は奪われた。
ECMの効果でレーダーが全く効かなくなったように、頭の中が真っ白になってしまった。
その混乱に乗じてライールの魔の手がアリーヤの柔肌を駆け巡る。
はだけた白いシャツに覗く隙間に手を差し込み、そこに隠れた肌を下着ごと揉む、揉む、揉む。
その乱暴な手つきに堪らずアリーヤは振りほどこうと手を伸ばすが、ライールの腕部運動性能はアリーヤ型より高く、彼女の胸を蹂躙する手は動きを止めない。
「んっ、ん、んんっ///」
ならばと固く身を縮こませようにもライールの手つきは縦横無尽にアリーヤの身体を動き回り、胸から脇の下を、脇の下から腹部を撫でて中指でヘソを擦る。
ピクンピクンと反応するアリーヤを恍惚とした表情をしたライールの指先は更にその下へと下りていく。
更にヘッドパーツから展開されているセンサーカメラで録画と並行して連続写真を撮る始末である。
「はぁはぁ。アリーヤ先輩。はぁはぁ」
「〜〜ッ、ふぇぇぇ!ら、らら、ライールちゃんのエッチ!」
「2人とも仲良いねっ!」
アリーヤの体を思う存分セクハラするライール。
しかしやはり軽量機と中量機、アリーヤはダメージ覚悟で壁に激突し、壁とアリーヤの板挟みだったライールは「ごっつぁんでした♡」と一言、床に崩れ落ちたのだった。
「ふぅ。少しばかり……抜くか」
アリーヤ達に整備と補給を申し付けたので、あと一時間はここに来ないだろう
ならば、とベルトを緩め、ズボンを下ろし、アリーヤ達との会話でいつの間にかいきり勃った息子を鎮めようと作業を開始する。
「はぁ、あんな可愛い子に囲まれてんのに……」
ため息をつく風見。
しかし日本人特有の奥ゆかしい性格と元々のヘタレな気性のせいでよく同人誌にあるような「ハイ、提督命令な?ハイ、僕の主砲のご奉仕どうぞ?ハイ、次は君の格納庫開いて?ハイ、主砲発射ぁー」みたいな展開に持ち込めないのだ。
いっそ媚薬でも作って貰ってヤっちまうかとも考えたが、見た目は女の子とはいえその実態はネクスト。
アリーヤにビンタされただけで生身の提督たる彼なら死にかねないのだ。
「まだ2日目だし焦ることはないぞ。俺」
まだまだ機会はたくさんあるだろうと寂しく1人作業の風見。
そんな彼の主砲を優しく握ってくれる手が。
「え」
「ふむ。手こずっているようだな。尻を貸そう」
美尻をこちらに向けてぐいと突き出し、腰に手を当てて此方を見つめる干のアンテナを持つ娘。
尻神、此処に降臨。