【習作】嫉妬深い四角   作:ファンデルワールス欲

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プロローグ 支離滅裂な文章でごみん

その夜は大きな満月とザワザワと森が恐ろしい音を立てていて、臆病なベラはベッドに入ってからもなかなか寝付けずにいた。

何度目を瞑って寝ようとしても結局起き上がってしまうのだ。

そういう事があるたびにベラは昔、村の人達に何度も聞かされた命がけで村を守り続けた父と母の話を思い出した。

 

ベラの父と母は村では有名な魔法使いとその従者だった。

母が強力な魔法で村を襲う魔物や盗賊を追い払い、父がその巧みな剣術で母の背中を守る古典的な魔法使いとその従者として、長年村を守っていた。

そんな父母もまだベラが小さい頃に村を襲ったオークの群れを討伐に行ったきり帰ってこなかったのだ。

それから村にオークが現れる事はなくなった。

まさしく村の英雄なのだとか。

 

ベラにとっても二人は英雄だった。

ベラはこの話を思い出す度に、自分には立派な魔法使いと勇敢な剣士の血が流れているのだと元気が出てきた。

今夜もそのことを思い出して勇気の湧いたベラは、もう一度目をつむって眠りにつく。

すると先程までは恐ろしかった木々の音も何ともなくなって、ベラの心はゆっくりと眠りに向かっていった。

 

 

井上 伊織は突然の出来事に混乱していた。

それというのも彼が目覚めた時、見ず知らずの異国の森に横たわっており、その上彼の体はまるで、動かし方を忘れてしまったとばかりに動かず、それどころかよく見て見れば、自分の体が一振りの西洋剣になっている事に気づいたのからだ。

『あーあー本日は晴天なり〜』

そこで早くも現実を受け入れた伊織は、もしかしてファンタジーな世界では付き物の喋れる剣のような物になったのではないかというあながち的をはずさないそうぞうをし、先程から声が出るか出ないか一人で確認しているのであるが

『ん〜……いまいち、声が出てるような出てないような体の中だけ響いてるような外にも聞こえてるような』

この通り一人ではどうにも確認しよがないのが現状なのであった。

 

 

 

今まさに眠りに眠りに落ちようとしていたベラの耳に突然ドアを蹴破る大きな音が響いた。

ベラが驚いてベッドから飛び起きると、破られたドアから軽鎧を身に着けた見知らぬ男が三人、ガチャガチャという音をたてながら入って来ているところだった。

「な、何!?」

驚いたベラが叫ぶが男達はまるで聞こえていないかのようにベラを見るとニヤリと下卑た笑みを浮かべた。

「きゃああああああああ」

その表情に言い知れぬ邪な感じを受けたベラは叫び声を上げて窓から外へ飛び出すと、焦って近くに住む叔父さんと叔母さんの家に行けばいいのにそのまま森の中へ逃げて出してしまった。

ベラは自分の馬鹿さについ心の中で悪態をついた。

(何がなに!?よあんなの盗賊か人攫いに決まってるじゃない!)

後ろからガチャガチャと鎧の音が聞こえてくる。

どうやらさっきの男の一人が追って来ているようだった。

そのことが恐ろしくてベラは必死に足を動かすも、音はドンドン近づいて来る。

両親と違って体力のないベラはもうすでに足が疲れて走ず、立ち止まってしまった。

ベラの両脚はまるで石にでもなったようにうごかない。

「捕まえた」

すぐ後ろから聞こえた男の声にベラが振り向くと、同時にベラは男に押し倒された。

男の汚いニヤニヤ笑いと狂った犬のような血走った目が見える。

倒された時にうった頭がいたかった。

 

思ったよりずっと若い

 

ベラはもうどうしようもないとすっかり諦めて場違いにそんな事を考えていた。

お前何か嫌だという意味を込めて無駄だと思いつつもバタバタと暴れるだけだ。

 

それを丁度よく見ていた剣が一本、言わずと知れた伊織君である。

伊織の位置は都合よく押し倒されているベラ頭の少し後、小柄なベラでも少し頑張って手を伸ばせば届くだろう距離にあった。

だが男も少女もいっこうにこちらに気づいた様子はない。

かなりの時間夜の森に放置されていた伊織にとってこれは更なる好都合であった。

 

虚しい一人実験に終止符を打つ時が来たのである。

興奮した伊織が叫ぶ。

『女!助けてやる!取れ!取れ!!』

 

突然、ベラの頭に男とも女ともつかない奇妙な声が響いた。

助けてやる!

その言葉を聞いて意味を理解した時にはベラはなぜか頭の上に思いっきり手をのばしていた。

言われたままに、何かに助けを求めるように。 言われたとおり、何かを掴もうとするように。

ベラの手に何かが当たる。 細長い金属の板のような物。 結構おもたい。

それを掴むと何も考えずに男に向かって振り下ろした。

 

果たしてそれは剣だった。

月明かりを浴びてキラキラと妖しく光る真っ黒い細身の剣。

鍔も柄もなく、鍛冶屋が仕上げたままのようにピカピカであった。

剣はその華奢な剣身とは対象的な凄まじい切れ味で鎧を割り男の肩口から腹に掛けて食い込み、ベラと男の死体を中心に大量に吹き出た血が小さな池をつくった。

 

 

大量の血液がダラダラと伊織の体を伝って下の池に新たな血液を足して行く。

伊織は自分が死体に突き刺さっているというスプラッタな状況にあって気味悪く思わない事を意外に思っていた。

案外大丈夫なもんだな……いやこれも剣になった弊害なのか?

そんな事を考えていると、ズルッという音を立てて伊織は引き抜かれた。

引き抜いたのは当然ベラだ。

ベラは可哀想に暗がりでも分かる程に顔を真っ青にして逃げる様に自分の家に向かって早足で歩き出した。

当然だった。 ベラは生まれてこのかた虫も殺せない子だったのだ。

もし、彼女持つ黒剣がその細腕の力だけでで金属の鎧を易々と金属の鎧を叩き割って人を殺す物だと知っていたら、彼女は伊織を取らずそのまま男に好きにされていたであろう。

両親はいないが、優しい村の仲間に囲まれて平穏に暮らしていたベラは、それほどに 死 というものを恐れているのであった。

 

伊織の方はそんな事は知らないまでも、何と無く取り返しのつかないことをした様な気になっていた。

実際は彼も自身の威力を知らず行った事であるし、そうしなければベラは恐ろしい目に合う事にかわりないのであるから、そんな気になるのは無駄な事ではあるのだが。

そう思ってしまうのも仕方のない事かもしれない。

剣となった伊織には見えていた。

美しい球を作っていた薄桃色のベラの魂がほんの少しだけ歪み、その隙間に微かに入り込む闇色の誰か(黒剣)の魂が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




このような稚拙な文章をここまで読んでいただきありがとうございます。
これからも多分ちまちまと更新して行くと思いますので思い出した時にでもヌルく、あくまでヌルくダメだしして下さるとありがたいです。
自分で言うのもなんですが豆腐メンタルなので。

さて、実はこの度の作品「嫉妬深い四角」は今ヌルく温めている作品の前座だったりします。
そうは言ってもこちらの作品の手を抜いているというわけではないのですが。
というのも、あちらの作品は私自身かなりの時間アイデアをヌルめに温めたことで非常に愛着が湧いてしまって、できることなら全力全壊な作品に仕上げたいと思っているのです。
そこで私の筆づかいを鍛えるのとストレス発散も意味もあって本作を書く事に決めたのです。

目指すはあの『せっかくバーサーカー(ry』で有名なあの方(勝手に名前出しちゃっていいのかな?)の文章力に到達することです。
何にせよ三日坊主にならないよう気をつける事にします。

これからよろしくお願いします。

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