京-Kyo- 仮面ライダーディケイド      作:アマガキ

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彼らはどこに来てしまったのか?


クウガの世界
第二話 空我


「いったいなんなんだこれ?」

京太郎たちはいくつものパトカーの書かれた絵を見ていた。

「パトカーだじぇ」

「それはわかってるけどなんでパトカーなのかだよ」

優希が当たり前のことを言い、それに京太郎が言い返す。

「おかしいですね」

「そうだね?いきなりこんなのが現れるなんて」

「それだけじゃありません」

「へ?」「え?」「じぇ?」

そんな中一人和だけは別のことに気付いていた。

「このナンバープレートの地名を見てください」

「あれ?」

「そんなにおかしなことがあるか?」「いたって普通のナンバープレートだじぇ」

咲には何か伝わったが、優希と京太郎には何もわからなかった。

「長野と東京の地名のナンバープレートが混ざっています」

「この二か所か………」

偶然なのか彼らの高校たる清澄高校のあった長野と彼女たちの戦った全国大会の会場である東京である。

カーテンの閉め切られた部室の中で彼らはしばらくその絵の前で悩むことになった。

 

 

一同はしばらくしてこのまま悩んでいても仕方がないと部室の備品の確認をし始めた

「なんでこれがここに……?」

その中で京太郎は部屋の隅のあるものを前に驚いた。

「どうしたんですか?」

「ああ、これを見てくれ」

「私たちの荷物ですよね?」

「これ俺が全部怪人に投げつけたはずなんだよ」

「え?」

そこにあったのはさっきまで京太郎が担いでいたみんなの荷物。

怪人が現れたときに投げ捨てられたものだった。

「ほらとっさに時間稼ぎのつもりで投げつけたんだよ。大体こんなもの持ってちゃ走れないしな」

「それはそうですがならばなぜここに?」

「あの人が運んだのか?」

「…………確かにそれしか考えつきませんね」

京太郎にもそれ以外の理由は思いつかなかった。

「って、荷物の後ろにもなんかあるぞ」

そのまま荷物をどける。

「いやいや待てよなんでこんなもんがここにあるんだよ………」

「これは……?!」

「さすがにおかしいだろこれは。どうやって持ち出されたんだよ」

「一体どうしたんだじぇ?」「二人ともそんな深刻そうな顔をしてどうしたの?」

和と京太郎が騒ぐので何事かと咲と優希も寄ってきた。

「お前らこれを見てみろ」

「これって私の………」

「私のもあるじぇ」

「当然俺や和のもある」

京太郎が差し出したものは預金通帳だった。

「あれ?」

「どうしたんだ咲?」

「金額がちょっとおかしなことになってる」

「おれのもだな」「私のもだじぇ」「私もです」

みんなの口座のもっとも新しい部分にかなりの額の預金があった。

「これでやり繰りしろってことか?」

「そうとしか思えませんが、これを持ち出されているのは気分がよくありませんね」

「だよなあ」

「でもこれでタコスが買えるじょ」

「お前はマイペースだな」

とにかく生活面での心配は必要なくなったのだった。

 

 

 

 

 ◆ ◆

 

 

 

 

「あれ?京ちゃんそういえばバイクは?」

備品の確認を終えてひとまず休んでいるときに咲が思い出したように京太郎に質問した。

「へ?」

「だから京ちゃんバイクだよ。さっきディケイドになったときに乗ってた」

そういわれた京太郎はしきりに周囲を見渡す。

「室内に運び込まれているとは思えませんが?」

「ちょっと探してくる!」

和の言葉を聞いた京太郎は一目散に駆け出した。

「えええええええええ!!!!!!」

と思えば部屋を出て立ち止まって叫びだした。

「一体どうしたんだじぇ?」

ちょこちょこと優希が京太郎の様子を見るため外に行く。

「じぇえええええええ?!」

優希も部屋の外で驚きの声を上げる。

「いったいどうしたんだろう?」「見に行ってみましょう」

和と咲が部屋から出るとそこは見知らぬ廊下だった。

廊下の窓からのぞく景色も全く知らないものだった。

それどころか、時間帯も早朝だった。

彼女らは現在を昼の三時ごろだと思っていたので、これにも驚いた。

慌てて部室に戻った京太郎がカーテンをまくるとそこからのぞく景色も普段とは全く別のものだった。

「ここいったいどこなんでしょう?」

ここにきて四人は自分たちが別の世界に来たという自覚がはっきりと湧いてきた。

 

 

 

「と、とにかくバイク探してくるからな!」

沈黙を破ったのは京太郎だった。

この空気に耐えられなくなったのだ。

「あ、私もついて行っていい?」

「いいけど、迷子にならないでくれよ」

「ならないよ迷子なんて」

そう咲は言い切る。

「前科をわすれたのか?」

「な、なんの事かな?」

冷や汗をかきながら咲はとぼける。

「開会式、東京見物、決勝前、個人戦照さんと戦った後」

「うう……」

「これ聞いてなんかあるか?」

「ごめんなさい」

しかし最近迷子になった状況を京太郎があげると咲は認めるしかなかった。

特に最後の時は、姉の照と一緒に迷子になったから白糸台からも捜索隊が出ていたなぁと京太郎は遠い目をする。

「お前は高確率で迷子になるんだから、ちゃんと自覚を持てよ」

「……はい」

そう念押しをする。

「それじゃ行ってくるな」

 

 

 

「慌ただしく行っちゃいましたね」

「全くだじぇ」

和と優希はバイクを探しに行く京太郎と咲を見送って、そう言葉を漏らした。

「ちょっと、うるさかったわよ、あんたたち―」

後ろから声がかかった。

(あれ?どこかで聞いたような?)

その声にちょっと疑問を持つが和はその時は考えなかった。

振り向くとその人は二十代ぐらいの女性だった。

「徹夜してたのはこっちの事情だけど、廊下で騒がないでよね」

「すみません」

どことなく見覚えのある髪の色、雰囲気にくびをかしげながらも素直に謝る。

「って、え?あ?あれ?」

しかし和を見た女性はひどく狼狽した。

その姿にどことなく誰かに似ているなと思いながら和は見ていると、

「の、和?!」

いきなり名前を呼ばれた。

そのことに和は思わずといった感じで後ずさる。

そして女性が誰に似ているのかに気付いた。

「えっと、もしかして憧?」

「そ、そうだけど、なんか小さくなってる?!」

「へ?!」

 

 

 

 

 ◆ ◆

 

 

 

 

「今使える手札はこれだけか」

京太郎は絵柄のあるカードをすべて机に並べる。

あれから咲と二人でマシンディケイダーを見付けた京太郎はそのまま二人で出かけ、今は適当な喫茶店に入っていた。

「あれ?さっき使ってたやつは?」

「力が消えた」

「力が消えた?」

訳が分からないという顔をした咲の前に京太郎は十四枚のカードを並べる。

「絵がなくなってる」

「見ての通りだ、使えないんだ」

先ほど使った三枚を含む十四枚のカメンライドカード。

そのすべてから本来描かれていた絵が消えていた。

「なんかいっぱいあるね」

「これは全てさっき姿を変えたカメンライドに使ったカードと同じやつだ」

「つまり京ちゃんは十四の姿になれるんだ」

「たぶんそうなんだと思うぜ」

したり顔で京太郎はうなずく。

「でも今はその力がないと」

「そうなんだよなぁ」

「残りは何なんなの?」

「これか」

そこにある四枚。

ディケイドが描かれた、BLAST、SLASH、ILLUSIONの三枚、そして他と違い黄色く縁どられたディケイドのエンブレムのカード。

「こっちの三枚は技を出すためのカードなんじゃないか?それでこの特別っぽいのは必殺技だと思う」

「そうなんだ」

説明を聞き咲が納得する。

 

「それにしても世界をつなぐっていったい何をすればいいんだろう?」

これからしなければならないであろうことを思い、咲は頭を悩ます。

「全く見当もつかないけど」

「なるようになるしかないんじゃないか」

「それはそうなんだけど」

「とりあえずこいつがカギだとは思うけど」

そういって京太郎がとりだしたのは先ほど目についたと言って購入した新聞

その一面には四号、第二十四号を撃破と書かれている。

二人はこの新聞を見て、京太郎がインターネットで調べることで、この世界の大体のことは理解していた。

それによれば二月ごろに遺跡からよみがえった化け物を未確認生命体として、それが人を無差別に殺してまわっていること。

その中で二号、四号だけが人間を守りほかの未確認と戦っているということ。

警察は未確認生命体合同対策本部を設立して戦っていることなどがわかった。

「それにしてもこれって京ちゃんの変身したクウガだよね」

「たぶんこっちが本物なんだろうな」

「本物?」

「ああ、なんとなくだけど俺が変身したのは借り物って気がする」

咲の疑問に京太郎が答える。

「とりあえずまずはこいつと接触したいな」

「どうやって?」

「普通に考えりゃこの未確認が出たときに現場に行きゃ会えるんじゃないのか?」

「そうだけど、どうやって未確認の現場を探すの?」

「それは……」

「それは…?」

「なるようになるしかないだろ」

「京ちゃんの考えなし」

「そういうなって」

 

 

 

「未確認生命体ですか……」

和は新子憧の話を聞いた感想を漏らす。

その外見は和たちの知るものではなく成人した大人のものである。

当初そのあまりにも非常識な出来事に和は話すのを渋っていたが、あっさりと優希がこちらのことを話してしまったために、憧には大体の事態の説明をし終えてしまった。

話を聞いた憧は、

「とりあえずちょっと確認したいことがあるから電話させて」

そういって電話をかけ、

「あ、優希、今どうしてる?」

『―――――』

「別にそういうことじゃないけど」

『――――――』

「そうそうあんたが一年の時のインターハイで世界が破滅するとか言われたことない」

『―――――――、――――――――――――――』

「分かったわ、妙なこと聞いて悪かったわね」

この世界の優希に確認をとるということがあっ。、

「こちらの世界の優希とずいぶん仲がいいんですね」

という和の質問には、

「まあね、十年ぐらいあればいろいろあるのよ」

とこたえた

 

その後、憧はこの世界の事情について話した。

すなわち三か月前に九郎ヶ岳遺跡からよみがえった未確認生命体。

それらに対抗するために組織された、未確認生命体合同捜査本部。

その中でも人間に味方する未確認生命体第四号。

自分の現職、古代文明の研究についてのこと。

 

未確認について和は、

「そんなオカルトありえません」

と否定したが、

「こっちの和も最初に聞いたときはそういっていたわ」

と言って笑った。

「でも別の世界から来た和が言っても説得力ないわね」

と言われ、ぐうの音も出なくなっていた。

 

古代文明の研究についても和は驚いたが、

「まあね。大学時代にいろいろあったのよ」

と答えた。

ちなみに、優希はその間部屋に飾られた様々なお面を眺めていた。

 

 

 

 

 ◆ ◆

 

 

 

 

喫茶店を出た咲と京太郎は町をバイクで回っていた。

「しっかし少し先の時代だけあっていろいろ進んでるな」

「そうだね。なんか私たちの世界より高いビルが多い気がするね」

彼らは購入した新聞の年号が自分たちの世界から十年以上後なのでそういうことなのだろうと納得していた。

そんな話をしながら京太郎はバイクを走らせる。

「それにしても本当に運転しちゃってよかったのかな?」

「大丈夫ってことだと思うけどな」

京太郎は自動二輪免許を持っていないのだが、通帳と一緒におかれていたのである。

そして危なげなく運転できることや有効そうな免許証から大丈夫と判断していた。

楽しげにツーリングをしていた二人だったが、その時間は唐突に終わることになる。

目の前に警察官が投げ飛ばされてきたからだ。

「バギング・ドググド」

トラのような怪人がそこには立っていた。

「きょ、京ちゃん……」

「見るな」

そこには警察官の亡骸が多数あった。

京太郎は咲にそれを見せないように彼女の前に立つ。

「咲、隠れてろ」

そして咲が隠れるのを確認した彼はバックルを取り出す。

「変身」

≪KAMEN RIDE DECADE≫

京太郎はディケイドとなり目の前の怪人を見据える。

 

 

 

「バギバグバ・クウガ。ゴラゲバ・バンザ」

「何言ってんのかわかんねえけどさっさとおまえを倒す」

そしてディケイドと虎種怪人メ・ガドラ・ダはそのままぶつかり合った。

お互いの武器、剣と鎖が火花を散らす。

ガドラはチェーンを振り回しての強力な攻撃を仕掛ける。

ディケイドはライドブッカ―のソードモードで対応する。

幾度も武器をぶつけあい、お互いに決定打を与えぬまま時間がった。

戦況が動いたのはディケイドの集中が切れてきた時だった。

ガドラの放った鎖を防ぎ損ね、それが首に巻き付いた。

「がっ?!」

首を締め上げられディケイドはうめき声を上げる。

「ボボラバ・ギベ」

ギリギリと音を上げ締め付ける鎖にディケイドの意識が遠のいていく。

「ちっくしょう」

ディケイドは苦しまぎれにも一枚のカードをベルトに入れる。

≪ATTACK RIDE ILLUSION≫

カードの発動により、京太郎の両隣りにそれぞれ分身が現れた。

その分身の攻撃によってディケイドはガドラから解放される。

「ズゲダ?!ゾグギグ・ボドザ?!」

「はぁ……、やばかった。けど、今度はこっちの番だ」

そして三人がかりでガドラにかわるがわる切りかかる。

三対一を強いられるガドラは次第に劣勢になっていく。

≪ATTACK RIDE BLAST≫

隙を見てカードを使った分身の一体の連続射撃がガドラの動きを止める。

≪ATTACK RIDE SLASH≫

さらにもう一体の分身もカードを使い痛烈な一撃を加える。

「これでとどめだ」

≪FINAL ATTACKRIDE DE DE DECADE!≫

カードのようなオーラを潜り抜けたディケイドの蹴りが炸裂した。

その一撃を受けガドラは爆散した。

 

 

 

 

 

 

「なんとかなったか……」

戦いを終えたディケイドは一息ついていた。

 

「変身!」

 

いきなり聞こえたその声に振り向くとそこには赤い戦士クウガが立っていた。

 

 

 

そして二人の視線が交錯した。

 




次回の京-Kyo- 仮面ライダーディケイドは

       「やっぱり京太郎のタコスは最高だじぇ」

       「ちょっとこいつの体検査してください」

       「ちょっと頼みたいことがあるんや」

       「とりあえずこいつ交通ルール叩き込んだほうがよくない?」

       『MITY』

    第三話『解明』 十四の世界を巡り全てをつなげ


Q&Aあるいは小ネタ
 
 Q、この世界の咲さんは何をしていますか?
 A、麻雀プロとして日々テルテルやあわあわと戦っています。

 Q、この世界ののどっちは何をしていますか?
 A、弁護士としてバリバリ働いています。

 Q、クウガの世界の時間軸
 A、咲原作の大体十一年後、つまりアコチャーは二十六歳。

サブタイトル『空我』
仮面ライダークウガ第48話サブタイトルに同じ。
原作では最終回の一話前、クウガとダグバの最終決戦、あの有名な人間の姿での殴り合いがあった回。


次回までの宿題的なもの みんなで考えよう。

問一、クウガは誰か?
問二、第四号を助ける刑事は誰か?
問三、科警研の研究者は誰か?
問四、仮面ライダーの主治医は誰か?


後書き:グロンギ語は調べれば出るのでありがたいですね。
    ちゃんとキャラがあってるか心配ですが、違和感があれば理由をつけて指摘し
    てくださるとありがたいです。
    あと、参考にしたいので感想とかは書いていただけると嬉しいです。
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