京-Kyo- 仮面ライダーディケイド      作:アマガキ

4 / 4
いかにして彼は斃れたのか?


※今回は優希がお仕事モードなので敬語です。
違和感についてはご了承ください。


第四話 危機

東京のどこか裏路地

未確認生命体と呼ばれる者、グロンギがあらたに行動を開始していた。

 

その男は女性的な服装をしていた。

一言でいえばオカマだった。

その反対側から近づいていくのは一人のOLのような服装をした女性。

そしてオカマは向かい合ったOLに近づき、抱き寄せた。

あまりに急なことだったのでその女性は戸惑う。

オカマはそのまま女性に接吻をした。

室外機の機械音だけが裏路地に響いていた。

そしてOLは倒れた。

「バギング・ドググ・ビング」

そういい、男は腕のそろばんのようなものを動かす。

 

 

 

 ◆ ◆

 

 

 

「しっかしあんたたちもいつまでそうしてれば、いいのかしらね?」

「さあ、わかりません」

「世界を繋ぐっていったいどうすればいいんでしょう?」

京太郎たちがこの世界に来てからすでに数日が立っていた。

今京太郎と咲と和は憧の研究室でのんびりしていた。

ちなみに優希は買い物である。

「そういや今日は大人の京ちゃんはどうしたんですか?」

疑問に思った咲が聞く。彼女たちの印象ではこの世界の『京太郎』はここに入り浸っている人だった。

「あいつ今日はバイトよ。冒険してないときはいつもバイトしてる店があんのよ」

「へえ、どんなところですか?」

「カレーとコーヒーのおいしい喫茶店よ」

「長野には帰ってないんですかね?」

ふと疑問に思ったことを京太郎は尋ねる。

「ちゃんと日本に帰ってくるたびに一度は帰省してるみたいよ」

「そうなんですか」

「あとバイト先の近所の子供になつかれてるのよ」

「へー」「こっちの京ちゃんも面倒見がいいんですね」

「そういうことよ、おっと電話ね」

そこで電話が鳴ったので憧は受話器を取る。

「もしもし」

『うちや、セーラや』

「京太郎なら今いないわよ?」

『そうやない。今ちょっと時間あるか?』

憧の言葉にセーラは答える。

「あるけど、何?」

『例の飛行体について聞きたいんや』

「ああ、あれね」

『フナQの解析もうまく言ってないみたいでなあ」

「こっちでもあれに関しての新しい情報なんてないわよ?名前がわかったくらいよ」

『名前?』

「ゴウラムっていうみたいよ」

『ゴウラム?』

「それだけね」

『そうか、またなんかわかったら連絡頼むわ』

そういってセーラは電話を切った。

「ゴウラムって?」

「最近現れた飛行体よ」

そういって憧はパソコンの画像を出す。

「これがゴウラムですか」

「そう。京太郎のバイクと合体したのよ。古代文字によると馬の鎧らしいわ」

「馬?」

「要するに乗り物ってことだと思うわよ」

そういって合体した画像を出す。

「でもこれどうなるんですか?」

「重たくなりそうですね」

「案外、速くなるとか?」

三人は自由に意見を言う。

「京太郎はこれで第二十四号を倒しているのよ」

「え?」「どうやって?」「引いたとか?」

「二十四号はトラックに乗って人をおそっってたのよ」

「怪人がトラックに……」

「で、それにぶち当たってトラックごと倒したのよ」

「めちゃくちゃですね」

「まあそんなこともあったのよ」

 

 

 

 ◆ ◆

 

 

 

東京都内 どこかの公園

子供たちを前にして、『京太郎』はドラム缶などをたたいていた。

「どうだ!」

一曲『京太郎』が演奏し終えると子供たちが湧く。

「これがストンプだ」

「すごーいきょうたろう!」「もっともっと!」

『京太郎』は日本でバイトしているときはこの公園の近くの喫茶店に働いており、良くこの公園で遊んでいる子供の相手もしているのでここで遊ぶ子供にはなつかれていた。

「そうかすごいかー」

日々未確認と戦っている京太郎にはこれは一つの癒しでもあった。

そんな『京太郎』の耳に機械音が届いた。

「ちょっと待っててくれ電話だ」

そう断りを入れ京太郎は電話に出る。

「はい、もしもし須賀です」

『京太郎、未確認生命体第二十七号が新宿四谷に現れた。』

「……そうですか、分かりましたすぐ向かいます」

そう答え京太郎は電話を切る。

「悪いな、急用ができちゃった」

「ええー、きょータローやってよ」「えー」「もう行っちゃうのー?」「そんなー」

京太郎の言葉に不満を言う子供たちだった。

「また今度な」

「やくそくだよー」「絶対だよー」「はやくねー」

「おう!それと未確認が出たらしいって、さっさと帰るんだぞ」

「「「「「はーい」」」」」

その返事を聞き取り、『京太郎』はバイクに乗った。

 

 

 

 

 

新宿区 どこかの路地

裏路地に接した道路でメガネをかけたサラリーマンが電話をかけていた。

「それでは納品のほうは明日ということで、」

「よろしくお願いします」

商談がまとまり、男性はホクホク顔だった。

「こちらこそよろしく」

そんなサラリーマンにオカマのような男が近づいてきた。

そしてサラリーマンの男をいきなり抱き寄せようとする。

「な、なんなんだ君は?!」

慌ててサラリーマンは抵抗する、当然だ、男にそんなことをされても気持ち悪いだけだ。

「なにするんだ?!」

しかし抵抗むなしくサラリーマンはオカマに接吻されてしまった。

「あああああああああああああああ!」

 

その悲鳴を聞いたものがいた。

『須賀京太郎』だ。

彼はあわててバイクを止めるとサラリーマンが一人倒れているのを見つけた。

「大丈夫ですか?!」

かけよるもすでに息絶えていた。

「くそっ!」

間に合わなかったと悔しがる『京太郎』に後ろからオカマが迫る。

『京太郎』に近づき、抱き寄せようとした。

しかし直前で気付いた京太郎に投げ飛ばされた。

そしてその際に怪人の正体を現した。

「未確認?!」

「ゴラゲゼ・バギング・ドググ・ドドグ・ビンレザ」

「変身!」

「クウガ?!」

その変身に怪人メ・ギノガ・デはひるむ

ひるんだギノガにクウガは拳をふるう。

続けて蹴りを決める。

その連続攻撃にさらにギノガはひるむ。

ひるんだギノガをさらにクウガが攻撃し続ける。

そのまま果敢な攻撃でギノガ・デを追い詰めていく。

クウガの攻撃にギノガは防戦一方だった。

手ごたえがないなと感じながらもクウガは攻撃の手を緩めない。

 

しかし敗北したのはクウガだった。

 

一瞬の隙だった、それも隙ともいえないようなものだった。

その瞬間、ギノガはクウガに口づけを行った。

「グゥ………」

それを受けた瞬間クウガは不完全形態たる白の姿に変わった。

さらには変身が解除されてしまった。

「ドブン・バヂザ」

何事か言い捨てて、ギノガは逃げ去った。

あとは激痛にさいなまれる『京太郎』ばかりが残った。

「ガァッ?!グゥ、ガ、グガァ、アア、アア」

その激痛に『京太郎』はもだえ苦しみ、やがて意識を失った。

 

 

「京太郎!こんなのあかんぞ!しっかりせえや!」

数分後、セーラは現場で青い顔をして倒れている京太郎を発見し悲鳴を上げることになった。

 

 

 

 

『はい新子です』

「江口セーラや」

『江口さん?さっき電話したばっかりじゃ?』

追数時間前に電話したばかりのセーラからの電話に憧は驚く

「京太郎が倒れた」

『え?!あいつが?!』

衝撃の事態に憧は動揺を隠せない。

「今から関東医大の憩のとこに搬送させるから、報告せなあかんと思ってな。俺はこのまま現場の捜査をしないかんくってな」

『わかったわ』

「それと……」

 

受話器を取ってから真面目な感じになった憧を見て京太郎たちは心配していた

しばらくすると受話器を京太郎にさしだしてきた。

「ちょっとあんたに電話変わるようにって江口さんが」

「どうしたんですか?」

「京太郎が倒れたって……」

「クウガがやられたんですか?!」

事態に京太郎たちも驚く。

「詳しいことは江口さんに聞いて」

そういわれて京太郎は受話器を取った。

 

『第二十七号……』

「そうや」

この世界の自分を倒した相手。

『とりあえずあいつが復帰するまではお前しか未確認を倒せん』

そういわれて京太郎は自身も気付かぬうちに不安を感じた。

『高校生のお前にこんなこと言いたかないけど、頼んでええか?』

「ええ、やりますよ」

ギュッと拳を握りしめ京太郎が答える。

答えた後に京太郎は自分の肩が重くなったような感覚を覚えた。

 

 

 

 

京太郎と話した後、セーラはさらに別の人間に電話をかけていた。

『江口さんですかー?』

「憩、今どうしとる?!」

『今日は休みなんでショッピングですー』

「今すぐ病院に戻ってくれ」

『なんかあったんですか?』

「京太郎が倒れた!」

『京太郎君が?!』

「そうや、関東医大に搬送させたから頼むで」

 

 

 

 

 

京太郎はマシンディケイダーを走らせながら考えていた。

この世界の自分が死にかかっているということに。

ふとしたことで自分も死ぬかもしれぬということを。

京太郎はもとの世界での三度の戦い、未確認との戦い、謎のライダーとの戦い。

いずれも苦戦することはあれど命の危機に瀕したことはなかった。

故に今は考えていた。自分も死ぬかもしれないということを。

あの日見た未確認に襲われた人たちのように………

 

 

 

 

 

「遅れてすみませんセーラ先輩」

「来たか優希」

連絡を終え調査をしていたセーラのもとに優希がやってきた。

「これを科警研に持ってってもらえるか?」

「なんですか?」

そういって人にセーラが渡そうとしていたのはメガネだった。

「ごく細かい粒子か何かがついてるから、もしかしたらと思ってな」

「ならこれは私が持っていきます」

「ほな頼むで」

 

 

 

 

 

マシンディケイダーを駆り京太郎は第二十七号を探していた。

依然、足取りがつかめず、不幸にも京太郎も遭遇することはなかった。

そのころに焦りながらも心のどこかで安心している自分がいることに京太郎はきづいていなかった。

すでに事件発生から八時間余りが経とうとしていた。

 

 

 

 

 

科警研

「船久保さんいらっしゃいますか?」

「例のぶつやな」

『優希』が入ると、待っていた浩子がさっさと渡せとばかりに手を出す。

「よろしくお願いします」

「こないだは何もわからんかったけど今回はちゃちゃっと解析したるわ」

そういってさっそく解析に取り掛かった。

 

 

 

 

 

関東医大病院

「予断を許さない状況やけど希望はすてんといてな」

憧、和、優希に憩はそう話す。

「と、電話みたいや。失礼します」

 

「江口さんですかー、憩ですー」

『検査は終わったか?』

「ええ、二十七号の犠牲者の解剖結果を聞きましたか?」

『聞いとらんな』

「特定不明の毒素のせいで全員内臓が腐食してボロボロなんです。中には現場から運ぶ途中で死体が崩れた例もあります」

『まさか京太郎も?!』

その話を聞きセーラは血相を変える。

「いいえー。そこは多分例の石の力と思いますけど白血球の数が普通の二十倍にまで増えて毒素に対抗してます。やから体内の腐食は免れてますー。」

『そうか』

電話越しに系に聞こえたセーラの声には安堵の色があった。

「とはいってもおなかの中の石も相当消耗してるみたいです。今までもつかれてると変化することはあったけど、それが回復するようすは見えません」

『京太郎はたすかんのか?』

「楽観はできません。今うちに言えるのはそれだけですー」

『・・・・・・』

「どうしました?」

『京太郎に伝えといてくれ、おれは待っとるて』

そうセーラは憩に頼むのだった。

 

憩がもとの部屋に戻ると憧、和、咲は帰る準備をしていた。

「いったいどうしたん?」

「私、研究室に戻ります。京太郎のおなかの石について碑文の中にヒントがあると思うんです。私にできることをやります」

憩の質問そう答えて憧は準備を終わらせる。

「そういえば京太郎君のポケットに手作りのお守りがあったんや」

「お守り?」

「そうそう」

憩は最後にと先ほど気が付いた話をする。

「たぶん仲のいい子供たちに作ってもらったっていうものですね……」

「子供の信頼を裏切るような子じゃないですよー京太郎君は」

「そうですね」

その言葉に憧は笑う。

「私たちももちろん手伝いますよ」「がんばります」

「和は助かるけど、咲はドジしないでね」

「し、しませんよ」

「どうだか」

「まあがんばってね」

「そちらもお願いします」

そういって憧たちは病院を出た。

 

 

 

 

憩との電話を終えたセーラには『優希』からの電話がかかっていた。

『メガネについていた粒子の解析結果出ました』

「どうやった?!」

『きわめて毒素の強い胞子です』

「胞子?」

意外な答えにセーラは首をかしげる

『敵はキノコの能力を持った未確認だと思います』

「そういうことか」

相手がキノコの化け物だということでセーラは納得する。

『浩子さんの話だとその胞子は35度から40度の間からしか生きられないそうです』

「35℃から40℃……」

そうつぶやくセーラはあるものが目に入った。

「分かったで」

『何がですか?』

「エアコンの換気扇や。二十六号は換気扇の近くでしか人を襲ってないんや」

『じゃあしらみつぶしに探せば・・・』

「そういうことや」

 

 

 

 ◆ ◆

 

 

 

翌朝

警察はしらみつぶしにギノガを追っていた。

「各自マスクの着用と、特殊ガス弾の装填を確認」

セーラの言葉に警官隊が従う。

「散開して第二十六号の追跡する」

「「「「了解!」」」」

その言葉に警官隊が行動を開始した。

 

どれだけ立っただろうか

裏路地を走り、警官隊は第二十七号を探していた。

その最後尾に『優希』はいた。最後尾故にギノガに狙われた。

曲がり角を最後に曲がった直後後ろから引っ張られた。

 

うめき声をあげようとする優希だったが口を手でふさがれ声が出ない。

その口にギノガが接吻しようとする。

その瞬間ギノガの背中に衝撃が入った。

「ガッ?!」

未確認を撃ったのはセーラだった。

「危なかったな」

「セーラ先輩!」

『優希』はあわてて未確認との距離をとる。

「で、助けもきたみたいや」

さらに激しい銃撃がギノガを襲った。

「大丈夫ですか」

ディケイドが現れた。

「二十六号?!ってことは!」

「そうやちっこい京太郎や」

助けが来たことに優希は安堵の表情を見せる。

「あいつに距離を詰められんな、毒を食らうぞ」

「はいっ!」

上ずった声で京太郎は応える。

そして指示に従い銃撃に徹する。

しかしその手が震えているのにセーラはきづいた。

そのせいで、銃弾があまり当たらずギノガは距離を詰めつつあった。

「来るなー!」

距離を埋められた京太郎はがむしゃらに銃を撃つ。

その一撃を受けてなお近づかんとするギノガに京太郎の恐怖は増大する。

「うわあああああああああああ!」

≪ATTACK RIDE BLAST≫

カードの力を得て、さらに激しくなった銃撃がギノガを弾き飛ばす。

「覚えていろ……」

「はあ、はあ……」

「大丈夫かちっこい京太郎?」

「ええ、まあ」

「なんやお前、震えとるやん」

「大丈夫ですよ……」

大きく息を吐いて不安を隠すように京太郎は言った。

「次こそは勝ちます」

 

 

 

未確認生命体第二十七号出現からすでに二十四時間がたとうとしていた。

 




次回の京-Kyo- 仮面ライダーディケイドは
      
       ≪ATTACK RIDE SLASH≫

       「ギノガは討たれるほど強くなる」

       「あいつはなんだかんだ言って大事なとこで人の期待を裏切ったことは
        ないわ」

       「もう俺しか戦えないんだぞ」
    
       「ディケイド、合わせろ」       

    第五話『復活』 十四の世界を巡り全てをつなげ



クウガの世界の人々2 
・『片岡優希』 警察官。亀山、杉田さん、桜井さんが混ざった感じのポジション。
        タコスを食べると頭の回転が速くなるタコス刑事(デカ)

・『荒川憩』  医師。椿さんのポジション。
        荒川病院を継ぐ前の修行として関東医大で働いてる。
       
・『船久保浩子』科警研所属。榎田さんのポジション。
        分析・情報集めが趣味で気が付いたら研究者になっていた人。
        叔母からは麻雀どうしたんやと言われる始末。


Q&Aあるいは小ネタ、感想に下さった質問なども応える予定。

Q.この世界はリイマジネーションじゃないのか?
A.原作仕様です。つまり龍騎やファイズは胃にきつめの世界です。

Q.この世界の京太郎は何で冒険家やっているの?
A.咲たちの麻雀で世界って広いなと思い。いろいろな世界の広さを見たいなと思って
  いた時に神崎先生ポジの人に勧められたから。

Q.2000の技はありますか?
A.2000ほどではありませんが結構な数の技があります。

サブタイトル『危機』
ゴ集団最強怪人、ゴ・ガドル・バが行動を開始した回のサブタイトル。
なおクウガ終盤の回ゆえほとんど戦闘はなかった。


後書き 二週間以内と言いながら一日遅れました。
    ご意見・ご感想・ご質問などお待ちしています。
    今後の参考になりますのでよろしくお願いします。
    まただれだれの出番はあるのかなどでもいいのでどうかよろしくお願いしま 
    す。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。

評価する
一言
0文字 一言(任意:500文字まで)
※目安 0:10の真逆 5:普通 10:(このサイトで)これ以上素晴らしい作品とは出会えない。
※評価値0,10は一言の入力が必須です。また、それぞれ11個以上は投票できません。
評価する前に 評価する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。