インフィニット・ストラトス 流星に導かれて   作:橆諳髃

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いつの間にか子供の姿に……
1話 気がつくとそこは……


 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あれからどれくらいの時が経ったのだろう? あの赤い流星は僕を飲み込んだ。結果的に僕は……あれ? いつの間に一人称が“僕”になったんだ? お……何だが前の一人称が言い難いな。それに話し方も変わったような……前は結構乱暴な口調も織り交ぜて話していた筈なのに、今では何故かどちらかというと丁寧口調に近い話し方をしていた。

 

それはそうと、さっきから目の前が真っ白で何が何だか分からないな。それにいくら目を擦ろうとしても手が顔の所に届いてないようだし……。というよりかは、僕よりも強い力が僕を抱きしめているような……そう思った時だった。

 

「あら、この子生まれて間も無いのに手を動かそうとしているわ。パパの方に手を伸ばそうとしているのかしら?」

「いいや、ママの顔を探しているんじゃ無いかな? それともお腹が空いたから母乳でも飲みたくて手を伸ばしているのかもしれないね」

「そう? でもさっき元気に私の母乳を吸っていたのに……この子はもう育ち盛りに入ったのね。将来が楽しみだわ」

 

(……これは……どういう事だろう?)

 

全くもって僕はそう思う。だってさっきから体を動かそうにも自由に動かせないし、それにしゃべる事もできない。それで段々と視界が白から色を持ち始めた。多分だけど、やっと自分の目が光量に慣れたんだと思う。そして自分の見ている景色が明確になった……んだけれども……。

 

「オンギャー‼︎」(なっ、何だここは⁉︎)

 

そこは野外ではなく屋外だった。それも僕が見ているのは真っ白な天井だった。

 

「ほら、やっぱりまだお腹を空かせているんじゃないかな?」

「どうやらその様ね。なら、もっと母乳をあげなきゃね!」

 

僕を今まで抱きかかえていた母親らしき人が、僕の頭を胸の前に誘導する。これは……飲まないとダメなんだろうか?

 

「逢魔くん、沢山飲んで元気で丈夫な子に育つのよ〜」

 

(……飲まざるを得ないな……)

 

僕は観念して母乳を吸った。それで初めて分かったんだ。この人の母乳は優しい味がするという事に……。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

〜7年後〜

 

 

 

 

 

 

あれから7年の歳月が経った。僕は難なく立って歩く事ができ、言葉も話せる様になっていた。親はそれに驚くどころか逆に喜んでいたし、僕としても親がこんなに身近に感じる事ができて嬉しい。因みになんだが、両親の姓は小禄氏姓で、僕がこの体になる前の両親と同じ名字だった。それにこれもなんの因果か分からないけど、僕の名前も同じで逢魔だった。考えても分からなかったから、そんな事はいっかと思って過ごしてきた。

 

それとこれは余談になるけど、本当は僕はこの両親から純粋に生まれた訳ではないらしい。2人とも科学者ではあって、どちらも一目惚れで結婚したらしいけど、どうやら子供はできない体質の様だった。

 

それでその2人が働く研究施設のとある研究者が、実験と称してある計画を打ち立てた。

 

その計画は『人類変革計画』と極秘で呼ばれていた。その計画はおぞましいもので、人のDNAに様々な動物のDNAをごちゃ混ぜに混ぜて人を作ろうという物だった。そして僕はその実験で成功した第1号という事だった。最初の頃は……形にはならず、何度も何度も失敗したと聞いた。それから改良に改良を重ね、誕生したのが僕という訳だ。

 

僕の両親は子供ができず、養子でも構わないから子供を育てたいと言っていたようで、僕の子育てを両親がする事になった。でもその2人は、この計画が危ないものであると気付いて研究所から逃げ出したのだ。最初2人は実験や計画の事なんて全く知らず、寧ろそこ計画とは全く違う物を説明されていたらしい。

 

そして研究所の手が届かない所まで行き、そこで平穏に暮らすようになったのだ。この7年間は、僕にとっても物凄く平穏だった。まぁ両親からは、僕の事について既に説明を受けているし、受け止めてもいる。だってこの状況は、この前までの僕と“全く同じ”状況なのだから。

 

両親はこの事をいつ言おうかと迷っていたようだけど、僕が言葉を理解して話し出した時に、その事を言ってくれた。そして僕はすんなりと理解して今に至る。あの時の両親の驚愕に満ちた顔は心から笑えるものだった。それも何年ぶりかのね。だからその2人との生活が楽しかったんだ。

 

 

 

この“7年間”の間は……。

 

 

 

 

 

 

 

 

ある時、両親が事故で急に他界した。僕1人だけを残してだ。でもその事故は、偶然に起きたものじゃない。意図的にされたものだ。勿論あの研究所が仕組んだ事なんだろう。でもそんなのはどうでも良い。誰が仕組もうとも、そんな事は一切どうでも良い……でも……。

 

(何で僕の両親が……こんなにも優しい人達が……僕の目の前から居なくなってしまうんだ……)

 

そんな事を考えてばかりだった。そして2人の親族は既にいなくて、実質僕を引き取ってくれる人はいない。こうなると僕は預かり施設か、最悪は研究所に連れて行かれるかもしれない。でも今の僕の思考はそんな事ではなく、この7年間優しく接してくれた両親の事だけを思い出していた。それも涙を流しながらだ。

 

辛い事だって事は……経験しているから知っている。でも、僕はまたこんな辛い経験をしないといけないのか? 僕だけじゃないかもしれないけど……それでも……それでも悲しいよ。辛いよ。心が苦しくておかしくなりそうだよ。

 

そうしていた時、ふと声をかけられた。その方向に顔を向けると、僕が住んでいた家の隣に居を構えている人達がいた。その人達の姓は篠ノ之で、道場を営んでいた。

 

でも何で篠ノ之さん達が僕に声をかけたんだろうと思っていると、なんと篠ノ之さんご僕を養子として迎えてくれるという事だった。

 

そこからなんだ。僕の……僕が新しく踏み出す物語が動き出したのは……。

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