前回までのあらすじをここに記そうと思う。
僕と箒さんが2人暮らし(監視付き)をして2年が経った。剣道の新人戦で優勝し、その後に控える全国大会に向けて互いに切磋琢磨していた。ある日に箒さんの提案で模擬戦をする事になったが、その後家に帰ると箒さんははぶてて当番をほっぽりだす始末で、僕がする事になった。そしてその夜僕が部屋で寝ていると部屋に箒さんが静かに侵入……僕が起きている事に気付かずに自分が取ってしまった態度を反省した。その後箒さんは僕の布団の中に入り、僕に抱きついて寝る。翌日になり、朝食前は昨日の雰囲気が残ったまま気まずい状態になってしまったが、朝食後に箒さんが僕に、学校終わりに伝えたい事があると言い、そこから上機嫌になった箒さんは、ほとんど見ることの無いとびきりの笑顔とテンションで僕と一緒に学校に登校。そして学校が終わって箒さんは一足先に家に帰り、僕も部活が終わった後すぐ帰路についた……はずだったんだけど……。
「さぁ、篠ノ之束の居場所を教えてもらおうか?」
本当に……本当になんでこんな状況になったんだろう……。
ー監禁生活1日目ー
僕が家に続く道を歩いていると、後ろから突然誰かに襲われてしまった。どうやら鉄パイプか何かで頭を殴られ気絶してしまったらしい。今も頭がガンガンしているから多分そうなんだろう。そして僕の今の状況は、椅子に縛り付けられている状態だ。足元、胴部、手首を紐で何重にも巻かれてあり、簡単には解けそうに無い。
「さぁ、篠ノ之束の居場所を吐くんだ。すぐ吐いてくれたなら、痛い事はせずにお家に返してあげるよ?」
いや、それは嘘だな。吐いたところで僕の事を殺すだろう。そんな事は見え見えだ。
「僕は束さんの居場所なんて知らない。何しろ僕と束さんは姓が違うからね」
「そんな事は無いはずだよね? だって君は5年間篠ノ之家の養子として迎えられていたんだから」
ほぅ、そんな事も知っているのか。どこで調べたらか知らないけれど、でも知らないものは知らないからな。
「確かに僕は養子として篠ノ之家の養子として迎えられたりはしたよ。だけど、だからと言って僕が束さんの居場所を知るなんてできるわけが無い。今もどこにいるか分からないからね。さぁ、もう言う事は言った。だから解いてくれないかな?」
「テメェふざけんじゃねぇ‼︎」
僕がそう要求した途端、筋肉質な男が僕の顔を思いっきり蹴って来た。僕は避ける術もなく蹴られたわけだけど、痛くもないしなんて事はない。そもそも意思のこもってないものなんて僕には通じない。
「コイツッ‼︎」
僕が睨んだ事に腹が立ったのか、筋肉質な男は僕を好き勝手に殴ったり蹴ったりした。そして最終的には鉄パイプで僕の体を殴る始末だった。流石に鉄パイプは痛く感じた。まぁ連れ去られた時は無防備だったから簡単に意識を持っていかれたけど、“意識”さえしていればただ痛いぐらいにしか感じない。まぁ……じきにこの痛さにも慣れるだろうね。それから数分間は鉄パイプに殴られ続けた。そのために皮膚が切れて所々から血が出ているけど……もうこの痛みには慣れてしまったよ。
「ハァ……ハァ……コイツ……な「君が次に言うセリフは、コイツ……なんで意識を保っていられる? だね」んで意識を保っていられる? はっ⁉︎」
「そんなの簡単さ。僕が意識しているからだよ。それに、君の暴力にはもう慣れてしまった。もう鉄パイプでは僕を傷付ける事なんて出来ない」
「な、生意気な‼︎」
そして今度は鉄パイプを僕の頭目掛けて力一杯振りかぶってくる。そして……。
ガッ‼︎
辺りに、僕の頭に鉄パイプが当たった音が響いた。だがただそれだけだった。その証拠に、鉄パイプを振りかぶった男の顔は驚きに満ちていた。何故ならその鉄パイプが曲がっていたからである。僕は何もしていない。ただ目の前の男が鉄パイプで僕に殴っただけだ。全く……だから傷付ける事は出来ないと言ったのに……。
「こ、コイツ……「次に言うセリフは、コイツ……化け物か? だね」化け物か? はっ⁉︎」
「だから言っただろう? それでは僕に傷1つつける事は出来ないって」
「ふむ……確かにそのようだね。ならこれならどうかな?」
さっきまで黙っていた白衣の男がポケットから注射器を取り出した。中には薄緑色の液体が入っていた。
(それは……まさか‼︎)
「どうやら君もこれが何か分かっているようだね? そう、これは自白剤という奴だよ。さて、これを注射した時に君はまだ今の状況を保っていられるかな?」
そして僕の首元にその注射器を指して、中に入っているであろう薬物を注入した。しかし……。
(それは全くもって役に立たないよ。確かに自白剤には、大脳上皮を麻痺させ、意識を朦朧とした状態にすることができる。そして質問にも機械的に答えさせる事が可能だけど、それはあくまでその事を知っている場合だ。例え知っている場合でも、記憶の欠如や齟齬が生じた場合には全く役に立たない。それに……
自白剤を僕に注入する事は逆効果だよ)
自白剤の成分に主に使われるのは、アトロピンと呼ばれる成分だ。ベラドンナという物に含まれていて、自白剤の原料にもなっている。中枢抑制作用を持っていて、注入された本人の意識を朦朧にさせる。だがこれは本当の最終手段でしか使う事は滅多にない。何故ならさっきも言った通り、記憶になかったり記憶の齟齬が生じる……さらには妄想などで、信憑性の低い証言しか取る事が出来ないからである。まぁどちらにしろ僕にはそんな効果なんてでない。寧ろそれとは違う効果がでるね。
だけどなんで僕がそんな事を言い切れるのか不思議に思うよね? だからその種明しもしておこう。
自白剤が効かない理由……それは、僕が人工的に特殊に造られた存在だからだ。覚えているかな? 僕がどうやって生まれたか……そう、僕は他の様々な生物の遺伝子をごちゃ混ぜに組み合わせて造られたんだ。そしてその資料も、僕を7年間育ててくれた両親が研究所から持ち出していた。僕はその研究所の資料を、両親が他界した時に遺産として受け継いだ。一応その時には字を読めたから、その資料に目を通してみたんだ。するとそこには、DNAに使われた生物の一覧が載ってあった。それは数百種類にも及んでいた。これを見た時、よくもこんな馬鹿な計画を思い付いたなと呆れたぐらいだ。
でも他にも記されてあった事がある。それは、その遺伝子……つまり、僕に組み込まれた動物のDNAを、どうしたら体に特徴を表す事ができるかについてだ。分かりにくいようだったらこう言い換えよう。僕の体の一部、もしくは体全体を、生物の体に一時的に作り変えるにはどうすれば良いか? ということだ。その方法として載っていたのが、薬物の注入だ。そして薬物の欄には、その薬物を注入することによってどのような効果……つまり、僕の体にどの生物の体が現れるのか、と言うのが書かれてあった。そしてその欄の最後に、どの生物も可と書かれた欄があった。その薬物名には……。
(その薬物の名はアトロピン……君達が僕に注入した成分だよ)
全く無知は怖いものだね。まさか自分達を有利にさせようと取った行動が、相手にとって好都合の物だったなんて。それに僕は前の体で嫌という程自分の体を他の生物に作り変えている。だからコツも既に分かるし、今すぐ変われと言われれば変わることができる。だけど今ではない。今はまだこの事を知らせる必要はない。
「もうそろそろ自白剤の成分が体に染み渡った頃だろう。さぁ、答えてもらおうか。今篠ノ之束がどこにいるのかをね」
「ふぅ……全くもって学習能力のない人達だ。さっきからも言ってる通り、僕は束さんの居場所なんて知らない」
「なっ⁉︎ コイツ自白剤を打たれても全く変わってないだと⁉︎」
「ふむ……どうやらあの量では足りなかったみたいだね。今日の所はこれぐらいにしておこう。明日も楽しみにしていたまえ」
そう言って白衣を着た研究者らしき人と筋肉質の男はこの部屋から出て行った。
(さて……アトロピンを注入されたから後は自由に他の動物の性質を使える訳だけど……そんな事をしたら後々厄介だろうね。それに監視カメラもあるみたいだから、下手に動くより今は大人しくしておこう。それより……)
「箒さんの約束……守れなかったな……」
僕にはこの簡単な約束ができそうにない事の方が問題であり、後悔だった。
ー監禁生活2日目ー
またあの研究者と筋肉質の男が僕の目の前に現れた。今度は僕の爪を1枚1枚剥ぎ取っていくようだ。最初は左足の親指からで、それから順々に取られていく。最初は想像以上の痛みに苦悶の表情を覚えたけど、でもそれも意識して段々と慣れていった。それで僕の最後の爪が剥ぎ取られる頃にはもう痛みには慣れてしまっていた。それに対して筋肉質の男は驚いていたようだね。多分頭の中では昨日僕に対して思った事が巡り巡っていると思う。まぁその答えはあながち間違えではないよ。だって僕は人工的に造られたんだから。そして最後にまた自白剤を注入された訳だけど、今度は昨日の倍になっていた。まぁそれでも僕にとっては逆効果だけどね。これには流石に研究者の人も顔を歪めていたよ。
ー監禁生活3日目ー
今日は身体中に電気を通す有線を巻き付けられた。そして研究者の人が手元にあるスイッチを押すと、有線に繋がっている機械が作動し始めた。その後研究者の人が違うボタンを押すと、僕の体に電流が駆け巡る。これは流石に体験したことなかったから、叫び声を上げてしまったけど、でもそれも意識して段々体に慣れさせていった。しかも僕の体に電流をなすという行為は、確かに僕にもダメージが残ってしまうけど、どちらかと言えば逆効果だ。理由は簡単で、意識して慣れてしまえばその痛みは感じなくなってしまうからだ。まぁ強度をあげられると、慣れたとはいえ少し痛みを感じる。でもそれも少しの間だけだね。後は……僕の保有している遺伝子に、電気に関して特性を持つ物があるという事だね。だから僕にとっては自分の体を強化しているという感覚だね。まぁ一般的に言うとズレ過ぎていると僕も思うんだけど……。それで結局僕に電流を流す行為は、その機械が壊れるまで続いた。根くらべで言えば僕の勝ちという事だね。流石に研究者も顔を青くしていたな……という事を覚えているよ。
ー監禁生活?日目ー
もうどれくらい監禁生活を送っているだろうか? 僕ももう数えていない。というより呆れを感じているね。何も話さない相手をこんなにも長く束縛するなんて……僕からすれば、相手が何を考えているかなんて分からないね。まぁあっちもそうだろうけど。さてさて……いつもの人達が来たみたいですよ……。
「さて……君をこうやって監禁して何日か経ったが……君は何も話そうとしないね。それに対して我々はいくら君を傷付けて吐かせようとしても何の効果もない……逆に君が痛みに耐えるだけだと分かった。自白剤を注入しても何の効果も出なかった……後は体に電流を流そうが、爪を剥ぎ取ろうが、さらには君を水槽にぶち込んで呼吸させなくしようが……などなど君に色んな事をして吐かせようとしたが……どうやら全て無駄に終わってしまったようだ」
ようやく気付いたんですか……それは良かったですね。でもそれに気付くのが遅過ぎませんか? 僕はもう最初の状態で諦めて欲しかったんですけどね? それに箒さんとの約束を結果的に破ってしまったものの、君達が1日目で僕を解放してくれたならこんな労力なんていらなかっただろうに……。まぁ、何で僕がここに留まったかというと、箒さんに危害が及ぶのを防ぐためだよ。僕がこちら側にいさえすれば、箒さんには……確かに精神面で負担を負ってしまうだろうけど、それでも君達からは危害を加えられない。だから僕は箒さんとの約束を破ってでもここに残った。
それで? この様子だと僕は用済みなんだろう? なら早く僕をお家に帰しておくれよ。
「だから君には……我々を手こずらせてくれた事の引き替えに今ここで死んでもらおう」
研究者にそう言われながら突きつけられたのは、拳銃だった。それは僕の頭に照準を合わせられていた。
「いくら痛みに慣れてしまう君であろうとも、1発で死んでしまったら元も子もないだろう?」
「なるほど……確かにそうですね。ここらで僕も潮時ですか……本当はまだまだ生きていたかったんですけど……でも僕以外に危害が及ばなければ悔いはないですよ」
「そうかいそうかい……。しかしながらそれは出来ない相談だね」
その一言を聞いた時……僕は最悪の展開を思い浮かべてしまったんだ。
(まさか……まさか⁉︎)
「君も気がついたようだね。そう、君の次は君の義理の姉になる篠ノ之箒をターゲットにする予定だよ。勿論話さなければ、君がされた事を彼女にしてしまう事になるがね。それで篠ノ之束の居場所を知る事ができたら、後は用済みだ。すぐさま君のところに連れて行くとしよう。まぁ喋らない場合もそうなるがね。そして篠ノ之束の居場所を知る事ができたなら、今度は篠ノ之束だ。彼女にも死んでもらうとするよ。この女尊男卑を作った代償としてね。だから君は安心して待っているがいいさ。天国で姉弟睦まじく暮らせる事をね」
そうして拳銃の引き金を引く様子がスローモーションに見えた。その時に僕は……。
(僕を殺すのは良い……僕の他に……僕が大切に思っている人達に危害が及ばなければ、僕はここで死んでも構やしない。でも……僕以外の大切な人を傷つけようとするのであれば……
それは万死に値する行為だ……)
研究者が引き金を引く。銃弾はまっすぐ僕の脳天めがけて飛んでくる。そして僕は……銃弾の前に脳天を撃ち抜かれて死んだ。
小禄氏逢魔の死を確認した研究者は拳銃を下げながら。部屋を後にした。その顔には黒い笑みが浮かんでいた。
「やっと死んだか……全くしぶとい奴だった。しかしながらこれで私の気分も晴れたよ。さて、次は篠ノ之箒の番だ。さてさて……どんな声で鳴いてくれるのかな?」
研究者はそんな事を言いながら下卑た笑いを浮かべ、逢魔が死んだ部屋からどんどん遠ざかっていく。しかし……。
ゴッシャーン‼︎
「な、何だ⁉︎」
その音に流石の研究者も驚く。その音は、逢魔を撃ち殺した部屋から聞こえた。
(まっ……まさかそんなはずは⁉︎)
急いでさっきの部屋に戻り扉を開ける。するとそこには……。
「やぁ……さっきぶりだね。地獄の淵から戻って来たよ……」
なんと脳天を撃ち抜かれて死んだはずの逢魔が立っていた。しかも脳の傷は塞がれている。それだけではない。逢魔の体は所々不自然であった。まず腕と足だが……先程よりも若干ではあるが膨れ上がっている。特に腕の先の方は二の腕の倍ぐらいに膨れ上がっている。そして手首からは針のようなものが突き出ていた。そして顔にも、虫が持つような触角が生えていた。
「なっ、なんだ貴様は⁉︎」
「なんだって……それは流石に酷いなぁ。君達が誘拐した小禄氏逢魔本人だよ。それで? そのあとの言葉は化け物、かな? それとも人外かな? まぁどちらにせよ同じではあるけどね。さて、それは一先ず置いとくとして、君がさっき僕に言った言葉……覚えてるかな?」
僕は曇りのない笑顔を研究者に向ける。それに対して研究者は青ざめた表情で僕を見ていた。まぁ当然かな。だって、僕が死んだと思い込んでいたんだから。まぁそれは本当の事で、僕はさっき1回“死んだ”。でもその後はすぐに傷口が再生して生き返った。まぁその要因としては、自白剤として注入されたアトロピンの成分がそうなんだけど、別にアトロピンが無くったってその気になれば傷口は塞ぐことはできるし、死んだとしても生き返ることができる。
では、どうやって生き返ったか? それはある生物が保有している能力が原因だよ。その能力とはプラナリアで、体を切っても再生するし、頭を切っても死なず、逆に頭が2つになる。傷が治ったのはそれが原因で、もはや今の僕は不死の状態だ。まぁ寿命が来たらどうなるかなんて流石に分からないけどね。それはさておき……。
「さっきから黙ったままで分からないなぁ〜。ほら、言ってみなよ。君が僕に言った言葉をさ」
もう1回聞いてみるけど、研究者はどうやらまだ驚きを隠せず、目の前の事が現実であると信じたくないらしい。はぁ……まっ、僕ももうそろそろここを出るところだし、ここに長居する気はない。しかしながら僕の体の事は誰にも知られたくないな。だから僕は決めた。
「君は僕に向かってこう言ったんだ。僕を殺した後は箒さんと束さんを殺すとね。まぁ僕はともかくとして、君達は僕の大切な者にまで手を出そうとしたんだ。だから……
ここで死んだって文句は言わないよね?」
「ひっ、ヒィィッ‼︎」
監禁されていた部屋に、研究者の悲鳴が響いた。そして、その悲鳴は、その施設の隅々にまで響いていた。
side ???
「もぅ……最近は色んな事が積み重なり過ぎて遅くなっちゃったな」
とある上空を人参の形をした少し大きめのロケットが飛翔していた。
「それにしても……おっくん大丈夫かな? 箒ちゃんに被害が及んでないところを見ると、まだ大丈夫そうだけど……」
でも私は心配だよ。最後におっくんと会ったのは2年前のあの時だし、それにその時のおっくんの状態は少し弱ってはいたけど……。
「でもなんでかな? おっくんなら、私が助けに行くまで耐えてくれるって思っちゃうな。おっくんの事はそこまで知ってるつもりじゃないけど……でもなんとなくそう感じちゃうな」
そして人参型のロケットは、とある研究施設の上空にまで差し掛かっていた。すると……。
(ん? あれは……)
研究施設の近くまで来て分かったことがある。それは、施設の外に白衣を着た人や、それ以外の人が山積みになって横たわっているのだ。そして研究施設の入り口にまた目を向けると、そこからボロボロの学生服を纏った男が出てきた。
「あの男の子は……まさか……」
side out
「さて、これで全員かな?」
僕は研究施設の隅々まで歩き回った。勿論人がいるかどうかを確かめるためだ。まぁ、歩き回らなくてもこの研究施設の範囲内で、どこに誰がいるかというのは大体とある能力を使えばわかるんだけどね。それで見つけた人は、見つけ次第気絶させた。後は僕にあったことと、ここで働いていたことの記憶を消すだけだ。これにはコツが少し必要なんだけど、まぁ死なせるような事はしない。何せ僕はそこまで非道な人間であるつもりはこれっぽっちも無いからね。まぁ、僕を拷問していた人達は僕を平気で殺そうとしたけどね。いや、殺したの方が正しいか?
兎も角として、研究施設にいた人達は全て気絶させて、記憶も消した。後はもう僕のような事が起きないようにするだけだ。
「さて、この研究施設を塵も残らず壊したいところだけど……まぁ研究資料とかは全部燃やしたし、データも削除しきったから、それはそれで良いかな」
僕がそう言ってる間に、タイミングよく雲が集まりだした。それも研究施設の上空にね。後は雷を落とすだけだね。研究施設の至る所にガス漏れはさせておいたし……。えっ? どうやって雷を落とすかだって? それはね……こうするんだよ。
僕は指先を雲の方に向けた。そして指先から一定量の電気を流し始める。すると雲の中でも摩擦が活発に起き始めた。見る限りでは僕も見た事が無い程の帯電量だね。それにいつの間にか雲もどす黒くなっていた。そして……。
ガァーーーンッ!
僕も今まで見たことの無い雷が研究施設に落ちた。そしてそこから漏れているガスに引火して研究施設は盛大に爆発した。
「さて……やる事はやったし、これからどうしようか……」
(それにしても、こんな場面は箒さんや束さんに見せることなんてできないな……)
僕がそう思った時だった。
「おっくん?」
唐突に女の人の声がこの場に聞こえた。その声は優しくて、どこまでも透き通るようで、そして僕がいつまでも聞いていたいと、あれから別れて2年の歳月の間、僕が聞きたくて聞きたくてたまらなかったあの声がここで聞こえた。でもそれと同時に……。
(な、なんでこの場でその声が聞こえるんだ⁉︎ まさか……まさか⁉︎)
僕はゆっくりと振り返る。するとそこに……。
「あっ‼︎ やっぱりおっくんだ‼︎ 会いたかったよぉ〜‼︎」
そこに、満面の笑みで僕を見るお姉ちゃんがいた。僕は……さっきの姿を見られてしまったんだ。他人から見たらおぞましいその姿を、見られたくないと思った相手に見られてしまったんだ。
6話書き終わりました……。読者の皆様からすれば、不可解な点が数多くあったと思います。それは私の語彙力及びイメージ力が足りていないのが原因です。また、突然のジョジョネタも戸惑ったのでは無いかと思います。読みにくいと感じた方、申し訳ありません。
前置きはさておき、突然ですがここで解説を書いていこうと思います。
プラナリア
プラナリアとは、よく理科の実験で見かけたりしますね。(私は1回も見た事がありませんが……)
能力としましては、体を傷付けても再生、または増殖します。そのおかげで逢魔は死なずに済みました。
とまぁこん感じです。他にもチラッと能力は出ていましたが、それは後ほど本格的に出た時に紹介しましょう。
それでは……。