ソフィア「君が噂の魔眼使いだね!」ビシッ
八幡「いえ人違いです」キパッ
ソフィア「……」
八幡「……」スタスタスタスタ…
ソフィア「………………
八幡「痛いッ!? なんでシャーペン投げてくんの……!?」
ソフィア「フッ。流石にその程度では大したダメージにならないようだね」
八幡「いや痛かったよ? 背中だからよかったけど、顔とか当たったら危ないからね?」
ソフィア「けど……魔牙突滅‐覇炎式ならどうかなッ」ジャキ
八幡「いや赤ペンに変わっただけじゃねぇか。お前それ、ワイシャツにインクとか付いたらクリーニング代請求するからな」
ソフィア「………………ま、まぁ今日の所はこのぐらいにしておこうか」
八幡(……どうやら金はあんま持ってないらしい)
ソフィア「そういえば名前がまだだったね。私はソフィ――」
八幡「あ、結構ですこれから先も特に関わりたいとは思わないんでそれじゃさよならまた会わないようにしましょう」スタスタスタ
――ガシッ
ソフィア「わたしはソフィアリングエスピィサターンナナセェエエエエ!!」ズルズルズルズル
八幡「ええい離せお前みたいなのはもう十分間に合ってんだよ……!」
モリサマー(え? だ……誰あれ……?)コソコソ
…………………………
…………
…
雪乃「さて、イベントのアイデア出しなのだけれど……先ずは、その…………ブレインストーミングから始めようと思うのだけど……どう、かしら……?」
いろは「……」
眉間に皺を寄せ、非常に言い難そうに紡がれた雪ノ下の言葉に、一色があからさまに「何言ってんのこの人」的表情を雪ノ下に向けた。
勇太「ブレイン?」
七宮「精神攻撃系かな?」
六花「ありうる」ウンウン
うん、そうだね。割とその認識は正しいかな!
高い意識力の持ち主が操れば、神話生物並にSAN値をゴリゴリ削ってくるまである。
いろは「あの、雪ノ下先輩…………正気ですか?」
雪乃「言いたいことは非常によく分かるわ、一色さん……。私自身、ここまで自分の判断を懐疑的に思うのは初めてよ……。けれど、企画を考える上での取っ掛かりとしては、ブレインストーミングと言うのは確かに有効なのよ……」
いろは「まぁそうなのかもしれませんけどぉー…………」ゲンナリ
誠「ていうかその……ブレーン……ストーミング? ってなんだ?」
雪乃「ブレインストーミング。集団でアイデアを出し合うことを主題とした、会議方式の一つよ。ブレインストーミングを行う際には、これから言う四原則を守ってもらう必要があるわ」
そう言って立ち上がり、雪ノ下はホワイトボードのペンを手に取った。
今更気づいたけど、アレどこから持ってきたんだろう。まぁ、平塚先生にでも頼んだのだろうが。
雪乃「一つ目。判断・結論を出さないこと。これは自由なアイデア抽出を阻害しないためのルールね。どのアイデアが良いかどうか、実現可能かどうかなどを考えるのは、次の段階の話で、ブレインストーミング内ではその手の意見はタブーとされるわ。
二つ目。自由奔放な考えを歓迎すること。一つ目のルールにも関わってくることだけれど、実現性の有無などは考えず、とにかく斬新でユニークなアイデアを出すことが重要視されるわ。
三つ目。質よりも量を重視すること。様々な角度から多くのアイデアを出すことを意識して頂戴。極端な話、つまらないと思うようなアイデアでもいいわ。そのアイデアから逆転の発想をすることで、面白いアイデアが生み出されることだってあるのだから。
最後、四つ目。アイデアを結合し、発展させること。別々のアイデアをくっ付けたり、一部を変化させることで、新たなアイデアを生み出すことが推奨させるわ。要は、他人のアイデアに便乗しなさいということね」
スラスラと解説を語りながら、ホワイトボードに要点をまとめていく。
さすがユキペディアさん。まるで本家ウィキペディアからコピペしてきたかのようなわかりやすさである。
雪乃「概要としてはこんなところね……。理解できたかしら?」
誠「まぁ……なんとなくは……」
六花「大丈夫だ。問題ない」
眼帯娘が非常に不安をあおる返答をした。
雪ノ下も同様の思いを抱いたのだろう。非常に疑わしげな目を向けているが……。
六花「つまり、手数重視のコンボゲーだから取り敢えずレバガチャプレイして、ゲージが溜まったら即ブッぱしろということだろう」
ヤベェ、なんだこの要約超わかりやすい。え、なにこの子、実は割と頭いいの?
雪乃「れ、ればがちゃ? ぶっぱ……?」
勇太「おお、なるほど!! すげぇ良く分った!」
誠「あーそういうことかー! それなら出来そうだわー」
戸惑う雪ノ下をよそに、男連中二人も納得の声を上げる。
いかん、こうなるともう『ブレインストーミング』が格ゲーの名前にしか聞こえてこない。
ラスボスは多分、巨大化した玉縄が手だけをヌルヌル動かして攻撃してくるのだろう。やだ何それトラウマになりそう。
雪乃「ま、まぁいでしょう……理解できたのなら、早速始めましょうか。議題はシンプルに、お祭りのイベント内容について――」
七宮「ハイ!!」ビシィッ
雪乃「…………ど、どうぞ?」
七宮「これから皆さんには殺し合いをしてもらいます」
雪乃「」
結衣「」
いろは「」
わぁー、のっけから良いジャブ打って――いやジャブどころじゃねぇなこれ。シャイニングウィザード並の大技だわ。
勇太「あ、いや! た、多分、騎馬戦とか! そういう感じの合戦イベントって言いたいんだと思うぞ!!」アセアセッ
雪乃「な、なるほど……。亀の最後である野盗との戦いになぞらえたイベントであれば、理解できるわね……」
結衣「て、テレビでも、『戦闘中』とか『逃走中』とか、そういうゲーム感覚の番組あるしね!」
六花「まさか、万能の願望器である聖杯をめぐるバトルロワイヤルがこの千葉の地で――!?」
勇太「そ、そうだな! 景品とかあると盛り上がるよな!」
いろは「…………」チラ…チラ…
やめろ一色、こっちを見るな。残念だが俺は手助けできん。
…………よかった、俺そっちのグループじゃなくて。
七宮「如何にも。己の力の全てを賭し、サーヴァントとともに戦場を駆けるのだ!」
雪乃「さ、サーヴァント? ぺ、ペアでゲームに参加するということかしら……?」
結衣「あ! く、クジ引きでペア決めとか、楽しそうだよね!」
すごいなー。雪ノ下も由比ヶ浜も、とってもよくがんばっているなとおもいました(小並感)
六花「しかしそれだけの数の令呪をどうやって――まさか、疑似令呪である偽臣の書を量産するということか!? しかしあれは一度きりの使い捨て――となれば戦いのカギを握るのは、それの奪い合い!」
七宮「まさに愉悦!(訳:それある!)」
勇太「ええっと……は、鉢巻とか、そういうのを奪い合うって……感じかな……?」
六花「切り札となる宝具は――」
雪乃「…………」
七宮「本来の七種以外にも新たなクラスを用意して――」
結衣「…………」
六花「イレギュラーエネミーである二十七祖の参戦――」
いろは「…………」
七宮「真祖ふ○っしーも隠しキャラに――」
勇太「…………」
その後――
いい加減限界に達した雪ノ下が、『