遊戯王~Truth of Satellite~   作:鬼柳高原

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*今回からモンスター名と技名の括弧を《》で統一しました。 ご了承ください。


第16話 襲撃 ~美女と竜~

「お疲れ様! いや~いいデータが取れたよ!」

 

遊伸達はマイルの依頼によるデータ取りの為のテストを終えたところであった。

時刻は既に真夜中である。

 

「…はぁ~……やっと終わった!! こんなに長引くとは思ってなかったぞ! そんなに取るデータがあったのかよ…」

 

鋼貴が背筋を伸ばしながら言う。

 

「あるさそりゃ! デュエルの奥深さは決闘者である君達の方がよく解っていると思うが?」

 

マイルが笑いながら返す。

 

「ふわぁ……ホントに長かったね……もう殆どの研究員さんが帰っちゃってるよ」

 

空が欠伸をしながら部屋から暗い廊下を見渡す。

 

「それじゃあ僕達も燃次達に声掛けて帰ろうか。 マイルさん、今日は貴重な体験をありがとうございました」

 

「こっちこそありがとう! 報酬はちゃんと振り込んでおくよ!」

 

 

 

 

全員が部屋を出たと同時刻、燃次と冷次はサボっていたセキュリティと揉めていた。

 

「やい! 俺達が真面目にやってるのに、こんなとこで寝てんなんてどういうつもりだ!」

 

「うるせーガキども! …ったく、出世出来ないから給料上がらないし、こんなとこで警備員なんてやらされるし、本当に散々だ! これがサボらずにいられるか!!」

 

「とんだ税金泥棒だ、金返せ」

 

この時、夜の静寂を引き裂くような大きな音がなる。

ガラスが割られた音だ。

3人が一斉に音の方向に振り向く。

 

「「な、何だぁ!?」」

 

セキュリティと燃次が驚きの声を上げる。

音がなったのはすぐ近く、燃次達の側の窓だったからだ。

そこから数人、覆面を被った男が入ってくる。

男達は決闘盤を構え、言う。

 

「デュエルモード、強制発動」

 

 

 

同じ頃、遊伸達も同じ様に窓を割って入り込んできた男達と対峙していた。

 

「な、何だね君達は!? どうやって入ってきたんだ!? どうして警報が鳴らなかったんだ!? ライセンス認証しないで敷地内に入ってくると鳴る筈なのに!?」

 

マイルは突然の出来事に大分うろたえている。

 

「マイルさん下がって! いきなり何なんだ…」

 

遊伸達はマイルを庇うように前に立つ。

男達は3人、それぞれ決闘盤を腕に装着している。

 

「お、こりゃあいいぜ! 決闘盤つけてらぁ! これなら拘束装置で…」

 

鋼貴が決闘盤を展開しようとした時、男達がそれよりも先に決闘盤を展開させる。

 

「デュエルモード、強制発動」

 

「何!?」

 

遊伸達の決闘盤が勝手に起動し、展開される。

 

「ど、どういうことだ!? 何でこいつらが拘束装置なんて持ってんだ!?」

 

「そ、そんなこと言ってる場合じゃないよ!? とにかくデュエルしなきゃ!」

 

空がそう言うと3人はそれぞれデュエルを始める。

 

「「「デュエル!!!」」」

 

 

   ・

   ・ 

   ・

 

「くそ! 何なんだこいつら!」

 

デュエルに勝利した3人。

相手は拘束装置によって気絶している。

相手の方が先に拘束装置を起動させていたが、こちらが後から発動させても問題は無い。

デュエルの勝者の拘束装置が起動し、敗者にダメージを負わせるのである。

 

「マイルさん、心当たりはありませんか?」

 

遊伸がマイルに聞く。

 

「いや、カードを盗みにこそこそ入ってくる輩は結構いるけど……警報も鳴らさず、こんなに堂々と入ってきた泥棒は初めてだよ……いや? そもそも泥棒なのか?」

 

「…とにかく、燃次達や他の皆さんが心配です! 行きましょう!」

 

遊伸がそう言うと全員で他の場所へ急いだ。

 

 

   ・

   ・ 

   ・

 

 

遊伸達が研究所のエントランスに着くと、やはり遊伸達と同じ様に警備のセキュリティが覆面の男達とデュエルを行っていた。

しかしよく見るとその中には驚くべき光景があった。

 

「ど、どうしてセキュリティ同士で戦っているんだ!?」

 

そう、遊伸達の前にはセキュリティ隊員の制服を着た者同士がデュエルしているのが見えるのだ。

 

「…読めたよ、セキュリティさん達に強盗達の内通者がいたんだね。 警報装置が止められていたのも頷けるよ」

 

「成る程なぁ、あんなグラサン付いたヘルメット被って見分けが付きにくい上、怠惰な連中の集まりだ、そりゃ潜り込むのが楽だったろうぜ」

 

マイルと鋼貴がそう推理する。

 

「マイルさん、強盗達の狙いが何なのか見当は付きませんか?」

 

遊伸がマイルに聞く。

 

「……この強盗達がどこまで知ってて、何を狙ってるかは分からないけど、おそらく地下3階、第3カード保管室……極秘開発中のカードを保管して置く場所だ、あそこのカードを盗られる訳には! い、行こう! 奴らが見つける前に!」

 

「ま、待ってくださいマイルさん!」

 

マイルは慌てて走り出し、遊伸達は後を追う。

 

 

   ・

   ・ 

   ・

 

 

「何だこりゃ…」

 

エレベーターは既に壊されていて止まってた為、非常階段で降りようとした遊伸達。

そこで鋼貴が奇妙な光景を見つける。

階段の途中途中にセキュリティが倒れているのである。

 

「遅かったか…?」

 

「いや、地下に続くのはここだけだ! まだ強盗が下にいるかも知れない!」

 

「でもこれだけのセキュリティを倒すなんて、この下の強盗きっと凄く強いよ! 皆気を付けて行こう!」

 

空の言葉に全員が頷き、下へと進んでいく。

地下3階に到着すると、目の前に大きな扉が見えた。

扉の鍵は無残にも壊されている。

 

「くそっ! だが袋の鼠だぜ! いくぞ皆!」

 

鋼貴がそう言うと扉を開けて突入する。

 

「おらぁ! 大人しく…!?」

 

「こ、鋼貴! 遊伸達も!」

 

「あら、随分と早い援軍が来てしまったわね」

 

保管庫の中にいたのは4人、1人は仰向けに倒れているセキュリティ。

もう2人はその後方にいて気を失っている冷次とその肩を抱えている燃次。

そして最後の1人は―――昼間に出会った光円寺 陽子であった。

 

「それにしても随分と勉強熱心ね坊や達、こんな所にまで社会見学?」

 

「ど、どうして光円寺さんが?」

 

鋼貴が面喰っていると燃次が叫ぶ。

 

「騙されるな! そいつが親玉だ!」

 

「な、何だって!? どういう事だ燃次!」

 

燃次はここまでの経緯を話す。

燃次達は先程の強盗達をセキュリティ隊員と共に退けた後、遊伸達を探していたらしい。

そこで非常階段に辿り着いた時、下の階に強盗達が下へ向かうのを見つけた為、後を追った。

その途中で冷次がやられてしまったが、怠惰とは言え流石はセキュリティ隊員、次々と強盗を倒して進んで行き、この保管庫で光円寺と相対し、デュエルとなったのである。

 

「だけどこの女滅茶苦茶強くて……ご覧の有様だ」

 

燃次は倒れているセキュリティ隊員を指差す。

 

「そ、そんな……光円寺君がこの強盗の首謀者だったなんて…」

 

マイルが驚きと悲しみが混ざった顔でそう言っても、光円寺は涼しい顔をしている。

 

「それにしても予想外だったわね、こんなに早く来るなんて、おかげで大分遅れてしまいそうだわ」

 

その割に光円寺は大分余裕そうである。

 

「それに目的の物も無かったし、残念ね」

 

「どうしてこんな事を! 何が目的だ!」

 

「それを坊や達に教える義理は無いわね。 …私も忙しいからあまり遊んであげられないの、そこを通して貰えるかしら?」

 

「こっちだってそんな義理ねぇよ! タダで帰れると思うな!」

 

鋼貴の言葉に光円寺は不思議そうな顔をする。

 

「あら、昼間はあんなに親しげにしてくれたのに…」

 

「そりゃ美人だったからな、俺的にアンタは見た目だけなら真ん中ストライクだったよ! だがな……強盗する性悪女っつー変化球投げられたら完全にボールなんだよ! 覚悟しな!」

 

鋼貴が決闘盤を構えると遊伸と空も決闘盤を構える。

 

「そう……残念ね、デュエルモード強制発動」

 

光円寺が拘束装置を起動させると遊伸の決闘盤が反応する。

光円寺が相手を指定しなかった為、無作為に選ばれたようだ。

 

「そっちが拘束装置使おうが割り込んじまえば同じだぜ! バトルロイヤルモード起動!」

 

鋼貴が決闘盤の拘束装置を起動する。

しかし遊伸と光円寺のデュエルに割り込めず、表示にはエラーの文字が表れているだけであった。

 

「な、何でだ!? こんな時に故障か!?」

 

「違うよ鋼貴! 多分これはあの人の力のせいよ!」

 

空が光円寺を指差す。

 

「ふふ、お嬢ちゃんご名答。 少しサイコ・デュエルの力を使ってね、あなた達の拘束装置の通信信号を遮断させてもらったわ。 …それにレディに大勢で掛かるなんて野蛮じゃなくて?」

 

「くそ! そんな事も出来るのかよ……」

 

鋼貴が苦い顔をしてそう言うと、遊伸が前に進み出る。

 

「しょうがないよ、僕だけで戦う」

 

「…分かった、遊伸やっちまえ! お前が一番強いんだ、そう簡単に負けはしねぇ!」

 

「遊伸気をつけてね!」

 

鋼貴と空が遊伸にそう言うと光円寺は意外そうな顔をする。

 

「その坊やが一番強いの? …ならその坊やを倒せば大人しく通してくれるわね?」

 

「そう簡単にはやられたりしないぞ!」

 

 

「デュエル!!!」

「ふふ……デュエル」

 

 

先攻 遊伸

 

「僕のターン! ドロー!」

 

遊伸 手札:5+1

 

「遊伸気をつけろ! あいつにはとんでもねえドラゴンがいるぞ!」

 

燃次が後ろからそう叫ぶ。

 

「とんでもないドラゴン?」

 

「あら、人のカードをばらすなんてマナーの悪い坊やね」

 

そう言いながらも余裕そうな光円寺。

 

「(一体何だ? ドラゴン族のデッキか?)僕はモンスターをセット、カードを伏せてターンエンド!」

 

LP:8000

手札:4

モンスター

・セット

魔法・罠

・セット

 

「ねえ、そのドラゴンって何なの?」

 

空が燃次に聞く。

 

「とにかくすげぇドラゴンだ、見れば解る。 …出て来てほしくないけどな」

 

燃次はさっき光円寺に言われたことを気にしているのか詳しく話そうとしない。

それを態度から感じ取った空はそれ以上聞かなかった。

 

「私のターン、ドロー」

 

光円寺 手札:5+1

 

「そうね……私は手札から魔法カード《手札抹殺》を発動、お互いの手札を全て捨て、デッキから捨てた枚数分のカードをドローする」

 

「す、全て…?」

 

「そう、全部」

 

光円寺は顔に笑みを浮かべながら言う。

 

「…僕の手札は4枚、4枚捨てて4枚ドロー」

 

遊伸 手札:0+4

 

捨てたカード

X-セイバー アナペレラ

X-セイバー ガラハド

サルベージ・ウォリアー

貪欲な壷

 

「私は5枚、5枚捨てて5枚ドロー」

 

光円寺 手札:0+5

 

捨てたカード

イービル・ソーン

返り咲く薔薇の大輪

スプリット・D・ローズ

イービル・ソーン

バイオレット・ウィッチ

 

「一度に5枚も!? そんなに手札が悪かったのかな……墓地肥やしの可能性もあるけど…」

 

「くそ! 何を捨てたんだ!」

 

空と鋼貴がもどかしそうにする。

決闘盤の観戦機能を使えば捨てたカードの確認が出来るが、決闘盤の通信自体を遮断されているため、遊伸以外がそれを知ることが出来ない。

 

「私はチューナーモンスター《夜薔薇の騎士(ナイトローズナイト)》を召喚」

 

場にマントと黒い薔薇の花弁の様な鎧を纏った少年が現れる。

手に剣を持ち、遊伸を剣先で指し示す様に構える。

 

ATK:1000

 

「《夜薔薇の騎士(ナイトローズナイト)》の効果を発動、召喚に成功した時、手札からレベル4以下の植物族モンスター1体を特殊召喚する事ができる……私は手札から《キラー・トマト》を特殊召喚するわ」

 

夜薔薇の騎士が剣先で隣を指し示すとそこに巨大なトマトが現れる。

そのトマトにはハロウィンのカボチャを思い起こさせる顔があり、遊伸に向かって嘲笑う。

 

ATK:1400

 

「いくわよ……レベル4《キラー・トマト》に、レベル3《夜薔薇の騎士(ナイトローズナイト)》をチューニング」

 

夜薔薇の騎士が3つの光輪へと姿を変え、キラー・トマトを囲み、4つの光、そして光の柱へと変える。

 

「冷たい炎が世界の全てを包み込む……漆黒の華よ、開け!」

 

「や、やべぇ!? 遊伸来るぞ!!」

 

燃次が叫ぶ。

 

「シンクロ召喚!咲き乱れよ、《ブラック・ローズ・ドラゴン》!」

 

光の柱から巨大な黒薔薇を模した竜が現れる。

花弁の様な羽は濃い赤色で体から翼までほぼ全身を覆っている。

体自体は黒く、花弁から黒い首と脚、茨の鞭の様な尾が4本見える。

その竜は金色の眼で遊伸を睨みつけると咆哮を上げる。

その眼と咆哮に遊伸は思わず竦み上がってしまう。

 

ATK:2400

 

「(な、何だ……この感じ……こんなの今まで感じたことない威圧感だ…)」

 

「あら、怖がらせちゃったかしら? ふふ…」

 

「こ、こいつが燃次が言ってたドラゴンか!?」

 

鋼貴が燃次にそう言って振り向くが、燃次は不思議そうな顔をしている。

 

「あ、あれ…?」

 

「どうしたの? あれじゃないの?」

 

空に聞かれてはっと我に返る燃次。

 

「い、いやあれで間違いないんだけど…(どうして効果を使わないんだ…? あのとんでもねぇ効果…)」

 

燃次の疑問に思うがデュエルは続く。

 

「いくわよ坊や、 ブラック・ローズ・ドラゴンの効果発動、1ターンに1度、自分の墓地の植物族モンスター1体をゲームから除外することで相手の場に守備表示で存在するモンスター1体を選択して攻撃表示にし、エンドフェイズ時までその攻撃力を0にする」

 

「な!?」

 

「私は墓地から《イービル・ソーン》を除外してそのセットモンスターを攻撃表示に、そして攻撃力を0にするわ……《ローズ・リストリクション》」

 

ブラック・ローズ・ドラゴンの前に花と棘の付いた実を付けた植物が現れると、ブラック・ローズ・ドラゴンはそれを食らう。

そしてブラック・ローズ・ドラゴンの眼が光ると遊伸の場のセットモンスター、《X-セイバー パシウル》が現れ、立ち上がる。

 

ATK:100→0

 

「何だそりゃ!? そんなのありかよ!」

 

「これが燃次が言ってた凄いの意味だったの!?」

 

空が燃次に勢いよく振り向くが、燃次はまだ難しい顔をしている。

 

「いや……これもすげぇけど……これじゃねぇ…」

 

「何だよ! これ以上にどんな能力があるってんだよ!」

 

鋼貴の問いに燃次が答えを言う間も無く、ブラック・ローズ・ドラゴンの攻撃が始まる。

 

「ふふ…バトル、ブラック・ローズ・ドラゴンで攻撃……《ブラック・ローズ・フレア》」

 

ブラック・ローズ・ドラゴンがパシウルに向かって黒い火炎を吐き出す。

火炎はパシウルを突き抜け、遊伸を襲う。

 

「うわぁぁぁぁーーー!!!」

 

遊伸 LP:8000→5600

 

遊伸の絶叫が保管庫内に響く。

 

「くそっ! これじゃ直接攻撃と変わらないぜ!」

 

「まって!? 遊伸の様子が変だよ!?」

 

空が遊伸を見ると慌てて叫ぶ。

遊伸は火炎を受けた後、両手両膝を床につき、苦しそうに息を荒くしている。

 

「よく耐えたわね坊や、サイコ・デュエルで初めてデュエルした人は大抵すぐ気絶するのに」

 

この言葉で鋼貴達は思い出す。

昼間の研究室でのこと。

光円寺がサイコ・デュエリストであることを。

 

「ゆ、遊伸大丈夫か!?」

 

「遊伸! しっかりして!」

 

鋼貴と空が遊伸に向かって叫ぶ。

 

「私はカードを伏せてターンエンド」

 

LP:8000

手札:2

モンスター

・ブラック・ローズ・ドラゴン

魔法・罠

・セット

 

「ぐっ……うう…」

 

遊伸がようやく立ち上がる。

 

「坊や、これで解ったでしょ? サイコ・デュエリストの力が……今ならサレンダーさせてあげるわ、拘束装置も切ってあげる。 その代わりあなた達は私をこのまま通しなさい、このまま痛い目を見るよりかはいいと思うけど?」

 

「ふざけんな!! 誰がそんな―――」

 

「遊伸!! サレンダーして!!」

 

鋼貴が言い返そうとするのを空が遮り、遊伸にサレンダーを促す。

 

「な!? どうしてだよ空! みすみす逃がすなんて…」

 

「サイコ・デュエルは危険なの! 鋼貴だって見たでしょ! このまま遊伸がさっきみたいな攻撃を受けずに勝てるなんて保障は無いじゃない! 今回は怪我人も出たけど、何も盗まれてない! だから逃がしたっていいじゃない! お願い遊伸! 危ないよ! ここは引いて!!」

 

空が必死に叫ぶ。

遊伸は空に振り向く。

 

「ありがとう、空……でも、僕も決闘者なんだ! 勝負から逃げたくない……諦めたくない! それに、ここでこの人を逃がしたらまた別の所で同じ事を繰り返すかも知れない! そんな事……させる訳にはいかない!! 僕のターン! ドロー!」

 

遊伸 手札:4+1

 

「遊伸…」

 

「…強情な坊やね、そこのお嬢ちゃんの言う事を素直に聞けばいいのに…」

 

「まだ僕のLPは半分以上ある! 手札だって! 勝負はここからだ!」

 

遊伸はそう言うと伏せカードを発動する。

 

「罠カード《ガトムズの緊急指令》を発動! 場に「X-セイバー」と名のついたモンスターが表側表示で存在する場合、墓地に存在する《X-セイバー》と名のついたモンスター2体を選択して自分の場に特殊召喚する! 僕は墓地の《X-セイバー アナペレラ》と《X-セイバー ガラハド》を特殊召喚!」

 

場にアナペレラとガラハドが現れる。

2人は目の前の巨大な竜を睨みつけ構える。

 

ATK:1800

ATK:1800

 

「いくぞ! レベル4《X-セイバー ガラハド》に、レベル2《X-セイバー パシウル》をチューニング!」

 

パシウルが2つの光輪へと姿を変え、ガラハドを囲み、4つの光、そして光の柱へと変える。

 

「大地より生まれ出でし騎士よ! 大地を駆け、己の敵を貫け! シンクロ召喚! 《大地の騎士ガイアナイト》!」

 

光の柱から駆け出してくるのは大地の騎士ガイアナイト。

遊伸の前で止まるとランスを構え、ブラック・ローズ・ドラゴンを見据える。

 

ATK:2600

 

「さらに魔法カード《武闘円舞(バトルワルツ)》を発動! 自分の場に表側表示で存在するシンクロモンスター1体を選択、そのモンスターと同じ種族・属性・レベル・攻撃力・守備力を持つ《ワルツトークン》1体を自分の場に特殊召喚する! 対象はガイアナイト!」

 

武闘円舞のカードからガイアナイトと同じ形をしたトークンが現れる。

ただ形だけで色は影の様に真っ黒である。

 

ATK:2600

 

「そしてアナペレラをリリース! 《総剣司令 ガトムズ》をアドバンス召喚!」

 

場のアナペレラが消えるとそこにX-セイバーの司令官、 総剣司令 ガトムズが現れる。

手に持った大剣を振るい、ブラック・ローズ・ドラゴンに向かって構える。

 

ATK:2100

 

「バトル!  ワルツトークンでブラック・ローズ・ドラゴンを攻撃!」

 

ガイアナイトの形をしたワルツトークンがブラック・ローズ・ドラゴンに向かって突進する。

 

「…随分と沢山出して来たわね、でも無駄よ、罠カード《和睦の使者》を発動、このカードを発動したターン、相手モンスターから受ける 全ての戦闘ダメージは0になり、このターン自分のモンスターは戦闘では破壊されない」

 

ワルツトークンが突然現れた光の障壁に弾かれる。

 

「くっ…そんな…」

 

「ふふ……焦っちゃ駄目よ、坊や」

 

光円寺が妖艶に笑う。

 

「遊伸! 悔しいかもしれないけどその人の言う通りよ! 勝ちを急いでる! 落ち着いて!」

 

空が遊伸にそう言う。

相手は未知のサイコ・デュエリスト、そして攻撃を受けるたびに体に走る激痛、遊伸に焦りと恐怖を植え付けるには十分な要素であった。

まだ相手の手の内を読みきってない状態で大型モンスターを一度に3体も並べ、一気にLPを削りにいこうとした事からも、焦っている事が遊伸から窺える。

 

「(空の言う通りだ……焦るな……カードを信じるんだ…)…僕はカードを2枚伏せてターンエンド」

 

LP:5600

手札:1

モンスター

・大地の騎士ガイアナイト

・ワルツトークン

・総剣司令 ガトムズ

魔法・罠

・セット

・セット

 

 

「私のターン、ドロー」

 

光円寺 手札:2+1

 

「ふふふ……私は魔法カード《シンクロキャンセル》を発動、場に表側表示で存在するシンクロモンスター1体を選択してエクストラデッキに戻す。 さらにエクストラデッキに戻したそのモンスターのシンクロ召喚に使用したシンクロ素材モンスター一組が自分の墓地に揃っていれば、 その一組を自分の場に特殊召喚できる……私はブラック・ローズ・ドラゴンを選択、シンクロ素材の《キラー・トマト》と《夜薔薇の騎士(ナイトローズナイト)》を場に特殊召喚するわ」

 

場のブラック・ローズ・ドラゴンが消えると場に再びキラー・トマトと夜薔薇の騎士が現れる。

 

キラー・トマト  ATK:1400

夜薔薇の騎士 ATK:1000

 

「自分のモンスターを分離…?」

 

「何してんだ? そこは普通遊伸のガイアナイトだろ?」

 

遊伸と鋼貴が光円寺の行動を不思議に思ったのは《シンクロキャンセル》がシンクロモンスターに対して有効な除去手段だからである。

《シンクロキャンセル》は相手のシンクロモンスターにも使うことができ、その場合相手のシンクロモンスターがエクストラデッキに戻っても、その効果により”自分の墓地”に存在しない相手の素材モンスターが相手の場に戻ることが無いからである。

 

「そうとは限らないよ、別のシンクロモンスターに切り替えるのかもしれないし、もしかしたらアドバンス召喚かもしれないよ」

 

空が鋼貴の考えの穴を指摘する。

 

「……あれでも十分強力だと思うがな、あれ以上がいるなんて考えたくないぜ」

 

「!……ヤバイ! 遊伸気を付けろ! 来るぞ!」

 

燃次が遊伸に向かって叫ぶ。

今度の燃次の顔には何か確信めいたものがある。

 

「燃次、今度は何だよ?」

 

「来る! 間違いなくさっきのドラゴンが!」

 

「わざわざ分離させたのにまた同じの出すのかよ…」

 

鋼貴が呆れたように言うと光円寺が笑う。

 

「ふふ……バンダナの坊や、正解よ。  レベル4《キラー・トマト》に、レベル3《夜薔薇の騎士(ナイトローズナイト)》をチューニング」

 

「シンクロ召喚! 現れなさい、《ブラック・ローズ・ドラゴン》!」

 

「な、何!? マジかよ!?」

 

鋼貴が驚いていると再びブラック・ローズ・ドラゴンが姿を現す。

 

ATK:2400

 

「こ、こんな事して何が…」

 

遊伸が再び現れたブラック・ローズ・ドラゴンを見上げると、何か異変を感じ取る。

 

「何だ? 風が…」

 

ブラック・ローズ・ドラゴンが翼を閉じ、周りに風が吹き始めた。

その風の中に薔薇の花弁が混じっている。

 

「ブラック・ローズ・ドラゴンの2つ目の効果……シンクロ召喚に成功した時、場のカードを全て破壊することが出来る」

 

「な!?」

 

「焦ってカードを展開したのが仇になったわね坊や……さあ、吹き飛びなさい。 《ブラック・ローズ・ガイル》!」

 

ブラック・ローズ・ドラゴンが翼を勢いよく広げると風が一気に広がり、場の全体で吹き荒れる。

その風はブラック・ローズ・ドラゴン自身すら切り刻み、遊伸の場の全てのカードを吹き飛ばし、破壊する。

 

破壊された遊伸のカード

・大地の騎士ガイアナイト

・ワルツトークン

・総剣司令 ガトムズ

・シンクロ・ストライク

・リビングデットの呼び声

 

「そんな……こんな事が……」

 

遊伸は何も無くなった自分の場を見て呆然とする。

さっきまで4枚差もあったフィールドアドバンテージを一気に同等の0枚にされてしまった。

手札のアドバンテージも含めれば上回られてしまっている。

遊伸が呆然とするのも無理は無い、一瞬での逆転であった。

 

「さっきの威勢は何処かしらね? 私は《クリッター》を召喚」

 

遊伸も使用している悪魔、クリッターが現れる。

 

ATK:1000

 

「呆けている場合じゃないわよ? クリッターで直接攻撃」

 

クリッターが遊伸の腹に目掛けて体当たりをする。

呆然としていた遊伸はこれをまともに受けてしまい、倒れて蹲ってしまう。

 

遊伸 LP:5600→4600

 

「がっ…ゲホッ…! ゲホッ……」

 

「「「遊伸!!!」」」

 

鋼貴達が一斉に叫ぶ。

 

「私はこれでターンエンド……坊や、まだやる気かしら?」

 

LP:8000

手札:1

モンスター

・クリッター

魔法・罠

・なし

 

遊伸は嘔吐しそうになるのを堪え、立ち上がる。

 

「まだだ……まだっ……LPは尽きていない……僕のターン…ドロー!」

 

遊伸 手札:1+1

 

「このカードは相手の場にモンスターが存在し、自分の場にはモンスターが存在しない場合、レベル4モンスターとして手札から特殊召喚できる…! 僕は手札から《レベル・ウォリアー》をレベル4扱いで特殊召喚!」

 

場にレベル・ウォリアーが現れる。

胸部と頭にある星のマークが点滅している

 

ATK:300  レベル3→4

 

「そして《X-セイバー ウルズ》を召喚!」

 

続いて場に場にウルズが現れる。

双剣を構え、相手を睨みつける。

 

ATK:1600

 

「LPが……カードがある限り、希望は消えやしない! レベル4の《レベル・ウォリアー》と《X-セイバー ウルズ》をオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!エクシーズ召喚!」

 

2体がそれぞれ黄色、オレンジ色の光に変わり、現れた穴に吸い込まれる。

その穴からは金色の閃光が放たれ、1体の戦士が自らの名前を叫びながら現れる。

 

「夢と希望の戦士! 《No.39 希望皇ホープ》!!」

 

ATK:2500

 

「よし! ナンバーズだ! いけ遊伸!」

 

「(お願いホープ……その力で遊伸を守ってあげて…)」

 

空はホープに向かって手を組み合わせ、祈るようにする。

 

「ナンバーズ……成る程、坊やが一番強いと言うのは、それを受け取ったからかしら?」

 

「元々は僕が貰った訳じゃない、元の持ち主が僕を認めてくれて託してくれた物だ! バトル!  希望皇ホープでクリッターを攻撃! 《ホープ剣・スラッシュ》!」

 

ホープがクリッターに斬りかかり、真っ二つにする。

 

光円寺 LP:8000→6500

 

「クリッターの効果発動、私はデッキから攻撃力1500以下のモンスター、《太陽の神官》を手札に加えるわ」

 

「僕はこれでターンエンド」

 

LP:4600

手札:0

モンスター

・No.39 希望皇ホープ

(オーバーレイ・ユニット:レベル・ウォリアー、X-セイバー ウルズ)

魔法・罠

・なし

 

「私のターン、ドロー」

 

光円寺 手札:2+1

 

「よっしゃあ! あのドラゴンをやり過ごしたんだ! いけるぜ!」

 

燃次の言葉に光円寺が笑う。

 

「ふふふ……バンダナの坊や、残念だけど私の手はブラック・ローズ・ドラゴンだけではないわよ」

 

「な、何だと!」

 

「それじゃあお披露目しようかしら、このカードは相手の場にモンスターが存在し、自分の場にモンスターが存在しない場合、このカードは手札から特殊召喚できる……さっきの坊やの様にね、《太陽の神官》を特殊召喚」

 

場に1人の男が現れる。

肌は色黒く、太陽をあしらった民族衣装を纏い、手には杖を持っている。

神官と言うよりシャーマンに見えるその男は静かに佇んでいる。

 

ATK:1000

 

「そしてチューナーモンスター《赤蟻アスカトル》を召喚」

 

今度は巨大な赤蟻が現れる。

 

ATK:700

 

「レベル5《太陽の神官》に、レベル3《赤蟻アスカトル》をチューニング」

 

赤蟻アスカトルが3つの光輪へと姿を変え、太陽の神官を囲み、5つの光、そして光の柱へと変える。

 

「太陽昇りし時、全ての闇を照らし出す……降り注げ、光よ! シンクロ召喚! さあ、現れなさい、《太陽龍インティ》!」

 

光の柱から現れたのは輝く太陽。

だが唯の太陽ではなく、顔面があり、その側面から4つの竜の首が伸びている。

 

ATK:3000

 

「な、何なんだこのモンスターは……」

 

「ふふ……太陽龍インティ、私の一番のお気に入りよ……さあバトル、 太陽龍インティで希望皇ホープを攻撃、《フレイム・オブ・サンライズ》!」

 

インティの4つの龍頭がホープに向かって一斉に炎を吐き出す。

 

「くっ! 希望皇ホープの効果発動! このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除いてモンスターの攻撃を無効にする! 《ムーンバリア》!」

 

取り除いたオーバーレイ・ユニット

レベル・ウォリアー

 

ホープが翼を展開し、前面に構えて障壁とする。

障壁は炎を弾き、攻撃を無効とする。

 

「あら、そんな効果を持ってたのね……それにしてもその効果名といい、攻撃力といい、そのモンスターとインティ、何だか他人だとは思えないわ」

 

「(ムーン……月と太陽だからか?)」

 

「私はカードを伏せてターンエンド」

 

LP:6500

手札:0

モンスター

・太陽龍インティ

魔法・罠

・セット

 

「(このままじゃホープが…) 僕のターン! ドロー!」

 

遊伸 手札:0+1

 

「…僕はこのままターンエンド」

 

LP:4600

手札:1

モンスター

・No.39 希望皇ホープ

(オーバーレイ・ユニット:X-セイバー ウルズ)

魔法・罠

・なし

 

「いいカードが引けなかったの? 急がないとホープがやられちゃうわよ?」

 

「くっ…」

 

遊伸が焦りの顔を見せる。

ホープのムーンバリアはオーバーレイ・ユニット1つと引き換えに攻撃を無効にする能力である。

つまり、ホープの召喚時から基本的に攻撃を防げるのは2回まで、 オーバーレイ・ユニットが無くなってしまうと効果が発動出来ないのである。

さらに遊伸が焦っている理由はこれだけでない。

ホープはオーバーレイ・ユニットが無い状態で攻撃されてしまうと戦闘の前に自身を破壊してしまう能力がある。

このままこの状況を打開出来るカードを引かなければ、あのインティの直接攻撃を受ける事になる。

 

「私のターン、ドロー」

 

光円寺 手札:0+1

 

「バトル、インティで希望皇ホープを攻撃、《フレイム・オブ・サンライズ》!」

 

「ホープの効果発動! 《ムーンバリア》!」

 

再びホープがインティの炎を防ぐ。

 

「ふふ……これで弾切れね、ターンエンド」

 

LP:6500

手札:1

モンスター

・太陽龍インティ

魔法・罠

・セット

 

「(頼む……答えてくれ! 僕のデッキ!)…まだ、希望はある! 僕のターン! ドロー!」

 

遊伸 手札:1+1

 

「!… 僕はカードを伏せてターンエンド」

 

LP:4600

手札:1

モンスター

・No.39 希望皇ホープ

(オーバーレイ・ユニット:なし)

魔法・罠

・セット

 

「私のターン、ドロー」

 

光円寺 手札:1+1

 

「もう手は尽きたのかしら? バトル…」

 

「バトルフェイズに入った瞬間、罠発動! 《シンクロ・イジェクション》! 相手の場に表側表示で存在する シンクロモンスター1体を選択してゲームから除外し、 相手はデッキからカードを1枚ドローする!」

 

「よし! これで2体目のドラゴンも…」

 

鋼貴がガッツポーズを決めるのも束の間、光円寺は伏せカードを発動する。

 

「カウンター罠《魔宮の賄賂》を発動、相手の魔法・罠カードの発動を無効にし破壊する……その代わり、相手はデッキからカードを1枚ドローするわ。 ごめんなさい、ドローよりこの子の方が大事なの」

 

「くっ……1枚ドロー…」

 

遊伸 手札:1+1

 

遊伸の起死回生の罠が外れ、これでホープ、ひいては遊伸を守る物は無くなった。

 

「バトルを続行するわ、インティで希望皇ホープを攻撃!」

 

「…この瞬間、ホープの効果が発動、このカードが希望の光(オーバーレイ・ユニット )の無い状態で攻撃対象に選択された時、 このカードを破壊する」

 

ホープは輝きを失い、消滅する。

 

「成る程……必死になってインティを除去しようとしたのはこれの為ね」

 

「おい! 何であんな効果付けたんだよ!」

 

鋼貴がマイルに詰め寄る。

 

「し、仕方が無かったんだ! ホープは他と比べてダントツで使いやすいナンバーズだったから、何かしらのデメリットエフェクトを付けろって皆が……」

 

「だったらゴールドラットも調節しろぉ!」

 

「そんな事してる場合じゃないよ! 遊伸が…」

 

「攻撃対象がいなくなったわね、対象を変更、インティで直接攻撃、《フレイム・オブ・サンライズ》!」

 

攻撃が宣言されると遊伸は前屈みになり、両腕で頭を覆う様な体勢で構える。

インティの炎が遊伸に直撃する。

 

「うわぁぁぁぁぁぁー!!! ぐううっ…!」

 

遊伸 LP:4600→1600

 

炎が消えると遊伸は膝をつく。

 

「遊伸!? 大丈夫か!?」

 

「遊伸!? 遊伸しっかりして!」

 

鋼貴と空の声に遊伸はヨロヨロと立ち上がり、答える。

 

「大……丈夫……まだ……LPが…」

 

「もうやめて! もうサレンダーして遊伸! 死んじゃうよぉ…」

 

空はもう泣きそうになっている。

 

「そうだ! もうやめろ遊伸!」

 

鋼貴も続けて遊伸に引くように言う。

 

「…坊や、これが最後よ、引きなさい。 私はここを通してくれればそれでいいの……こんな事で危険を冒すなんて馬鹿らしくなくて?」

 

「…あなたにとって馬鹿らしい事でも……僕にとってデュエルは…いつも真剣なんだ……まだLPがある…まだカードがある…まだ負けてない!」

 

遊伸がそう言うと光円寺が溜息をつく。

 

「私はこれでターンエンド……坊や、あなたは少し現実を知った方がいいわね…」

 

LP:6500

手札:2

モンスター

・太陽龍インティ

魔法・罠

・なし

 

「僕は負けない……だから、答えてくれ! 僕のターン!! ドロー!!!」

 

遊伸 手札:2+1

 

「…! 僕は魔法カード《戦士の生還》を発動! 自分の墓地に存在する戦士族モンスター1体を選択して手札に加える! 僕は《レベル・ウォリアー》を手札に!」

 

遊伸 手札:2+1

 

「そして《レベル・ウォリアー》をレベル4扱いで特殊召喚!」

 

再びレベル・ウォリアーが現れる。

 

ATK:300

 

「さらにチューナーモンスター《復讐の女戦士ローズ》を召喚!」

 

場に1人の女戦士が現れる。

赤い後ろ髪を高い位置で一本に縛り、首には白いマフラー、軽装の鎧に剣を一振り持っている。

強い意志を宿したその眼で相手を見据える。

 

ATK:1600

 

「レベル4《レベル・ウォリアー》に、レベル4《復讐の女戦士ローズ》をチューニング!!」

 

復讐の女戦士ローズだった4つの光輪が、レベル・ウォリアーを4つの光、そして柱と変える。

 

「集いし願いが、新たに輝く星となる。光さす道となれ! シンクロ召喚! 飛翔せよ! 《スターダスト・ドラゴン》!!」

 

光の柱からスターダスト・ドラゴンが現れ、舞い上がる。

 

ATK:2500

 

「そして手札から魔法カード《ミラクルシンクロフュージョン》を発動! 場の《スターダスト・ドラゴン》と墓地の《No.39 希望皇ホープ》をゲームから除外して融合! 融合召喚! 現れろ! 《波動竜騎士 ドラゴエクィテス》!!」

 

場に歪みが現れ、歪みから波紋が広がるとその中心からドラゴエクィテス が現れる。

 

ATK:3200

 

「いけ!  ドラゴエクィテス!! 太陽龍インティを攻撃! 《スパイラル・ジャベリン》!!!」

 

ドラゴエクィテスが槍をインティに投擲する。

槍はインティの顔面に突き刺さる。

 

「これで……インティを…!?」

 

遊伸はインティを倒すのに成功した。

しかし、そのインティの様子がおかしい。

 

「終わりよ、坊や……太陽龍インティの効果発動、このカードが戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、このカードを破壊したモンスターを破壊し、そのモンスターの攻撃力の半分のダメージを相手ライフに与える……《フレイム・オブ・サンダウン》!」

 

インティが突然爆散し、そこから噴出した炎がドラゴエクィテスを襲う。

《ウェーブ・フォース》を発動する間も無くドラゴエクィテスは炎に焼かれ、消滅する。

ドラゴエクィテスを消滅させた炎はさらに勢いを増し、遊伸に襲い掛かる。

 

「うわぁぁぁぁぁぁぁーーーー!!!」

 

遊伸 LP:1600→0

 

「(僕の……負け……)」

 

体がダメージに耐えかねたせいか意識がどんどん遠くなっていくのを感じる遊伸。

薄れていく意識、仲間達の叫び、デュエル終了のアラームの音、そんな中で遊伸は光円寺が遊伸に向けて最後に言った言葉をハッキリと聞いた。

 

 

 

 

坊や

 

 

 

 

これが現実よ。

 

 

 

 




何とかブラック・ローズ・ドラゴン登場回をゴールドシリーズ発売日に間に合わせることが出来ました。 自己満足したぜ…。

廊下など狭いところでデュエルをするとソリッドビジョンがそこに合わせて小さくなります。
遊星とクラークの時みたいな感じです。(決闘盤使ってなかったけど)
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