遊戯王~Truth of Satellite~   作:鬼柳高原

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第3話 欠点 ~マーシャル・レッドと機甲部隊~

10年前…

 

 

「お父さん! デュエル!」

 

遊伸はシートを広げ、自分のデッキを置く。

 

「懲りずに挑むか小僧、それじゃあ行くぞ俺のターン」

 

驚くべき速さでデッキセット、5枚引き、先行宣言をする。

 

「ええ!? ずるいよお父さん!!」

 

「何を言う、先攻後攻は速い者勝ちだぞ、この世界じゃない所では皆こうしている」

 

「ずるいずるい!」

 

「大人はな、ずるいんだよ」

 

 

   ・

   ・

   ・

 

 

「負けちゃった…」

 

「勝っちゃった」

 

「お父さんが勝つのは当たり前だよ、強いカードいっぱい持ってるもん、強いよ、X-セイバー」

 

「違うな」

 

「じゃあ何なの? ズル?」

 

「ズルじゃない、俺がこいつらを信じてデュエルしているからだ」

 

そういって場を指差す。

 

「 X-セイバーを? 僕も自分のカード信じれば強くなれるの?」

 

「…デュエルをし続ければ、その内解るようになるさ」

 

「そうなんだ…でもやっぱりお父さんのみたいな強くてカッコイイモンスター欲しいな~」

 

「それじゃあ、これをやろう」

 

デュエルシートに攻撃表示で置いてあったカードを、遊伸に渡す。

 

「! スターダスト・ドラゴンだ!! くれるの!?」

 

「ああ、その代わり、一つだけ約束だ」

 

「約束?」

 

「遊伸、誰よりも強い「決闘者」になれ。 俺よりもな」

 

「決闘者? うん! わかった! 約束するよ! それじゃあもう一回やろう! 僕のター…」

 

「おっと」

 

時計を見上げ、立ち上がる。

 

「時間だ、仕事に行ってくる」

 

「ええ!? もうお仕事!? まだ僕勝ってないよ! やろう!」

 

「…俺にしか出来ない仕事なんだ、俺がやらないと皆が困ってしまう、解ってくれ、遊伸」

 

「うん…ねえお父さん、今度はいつ帰って来れるの?」

 

「…今回は少し長引きそうだ、だがこれが終われば俺の仕事は終わりだ」

 

「本当!?」

 

「ああ、だから出来るだけ早く終わらせて…」

 

 

 

 

 

帰ってくるよ。

 

 

 

 

……………………………………………………………………………………

………………………………………………………………

…………………………………………

……………………………

……………………

……………

……

 

現在  

シティ内陸部  アパート  遊伸の部屋  

 

 

「(あれから10年か…)」

 

あれ以来、遊伸の父は帰って来なかった。

数ヵ月後、その代わりに家に来たのは仕事先で父が亡くなったことを知らせる手紙と、父が使っていたデッキだった。

遊伸のデッキは父の形見なのである。

 

「(父さん…僕は「決闘者」になったよ…あの約束はまだ覚えてる…まだまだ道は長いけど、必ず、誰よりも強くなってみせるよ)」

 

「さて…」

 

遊伸は支度を終えてアパートを後にする

 

 

* * *

 

 

シティ内陸部  マーシャル・レッド事務所  

 

 

「ほら、出来たぞ」

 

「ありがとうございます! 助かりました!」

 

この初老の男、ロートンはマーシャル・レッドに所属する技術者である。

昔は決闘者であったが、仕事での怪我が原因で今は引退している。

治安維持局からの誘いがある程の優秀な技術者でもあるのだが、未練があるのか未だにマーシャル・レッドに在籍している。

 

先程、ロートンが遊伸の決闘盤に拘束装置を取り付ける作業が終了したところであった。

 

「拘束装置付けたからってデュエルが強くなるわけじゃないんだ、油断していると俺の様になるからな、気を付けろよ」

 

「はい!」

 

「これでようやくお前も立派な決闘者だな!」

 

「鋼貴もありがとう! 決闘盤と拘束装置のお金出して貰っちゃって…」

 

「これでもそれなりに蓄えは有るからな、 出世払いで返してくれりゃいいよ」

 

「約束するよ」

 

「道具一式揃ってるならこちらも文句無い、キッチリ働いて貰うからな」

 

グレイグが資料に目をやりながら言う。

 

「で、グレイグ、今日は依頼、どうなんだ?」

 

「残念ながらまだ無い。 請け負っていたのも、お前が失敗したから解消されてしまった」

 

「失敗したのは俺だけのせいじゃねえよ…」

 

「(昨日のことか…あの男を取り逃がしたから依頼主さんに「他に頼む」って言われちゃったんだよな)」

 

遊伸は少し責任を感じる。

 

「だから鋼貴、今日は依頼が来るまで遊伸にシティを案内してやれ。 仕事中に迷ったなんて洒落にならんからな」

 

「俺もそうしようと思ってたとこだよ、じゃ! 遊伸行くぞ!」

 

 

 

* * *

 

 

 

「それじゃまず沿岸部に行くぞ、いい所があるんだ」

 

出発かと思いきや、鋼貴は思い出したように振り向く。

 

「あ、後何か聞きたいこととかあるか? 到着まで答えてやるよ」

 

遊伸は言葉に甘え、幾つか質問する。

 

「デュエルチームの僕が言うのもなんだけど、昨日のこと依頼主さんはマーシャル・レッドに依頼してたよね? どうしてセキュリティに頼まないのかな? セキュリティに任せた方がお金も掛からないと思うんだけど」

 

セキュリティとは、この都市を管理・統括している「治安維持局」直属の公安組織、所謂「警察」である。

 

「セキュリティは基本、犯行の確証が無いと事件が起こってからにしか動かないんだ、昨日の依頼を頼んでもやるとしたら見回りの強化位さ! 怠惰だよな、ま、そのおかげで俺達は仕事出来るんだけどな!」

 

「そうなんだ」

 

遊伸は納得する。

 

「じゃあもう一つ、たしか面接の時にグレイグさんが 「うちのチームは俺を除いてたったの3人」って言ってたけど、残りの一人って誰なの?」

 

「ああ、空か」

 

「空?」

 

遊伸は上を見上げる。

 

「そういえば最近見ないな、サボりか? まあそのうち会えるよ」

 

 

 

* * *

 

 

 

「ここは…」

 

やってきたのは、広い競技場の様な場所。

地面にはテニスコート程の大きさで描かれた長方形が幾つも並んでいる。

それぞれの長方形の上で、ちらほらデュエルを行っているのが見える。

 

「ここは「デュエルスペース」だ。デュエルやってんのが見えるだろ? その為の施設だよ。ここは一般に自由開放してるから何時でも使えるぞ」

 

「デュエルなら何処でも出来るんじゃないの?」

 

「…一応街中だからな、そこらでやってると苦情がくんだよ…だから非常な時以外は、ここか公園使うようにな」

 

「なるほど…」

 

 

 

 

 

シティ沿岸部  デュエルスペース  

 

遊伸と鋼貴は一番近くの決闘場(デュエルリング)に移動する。

 

「よし、せっかく来たんだ、まず俺と一戦しようぜ、良いよな?」

 

遊伸は首を縦に振る。

 

「面接の時できなかったから楽しみだよ」

 

お互い位置に着き、決闘盤を展開する。

 

 

 

「「デュエル!!!」」

 

 

 

電子音が鳴ったのは遊伸の決闘盤。

 

「僕のターン! ドロー!」

 

遊伸 手札:5+1

 

「僕はモンスターをセット! カードを一枚伏せてターンエンド!」

 

フィールド

 

― ― S ― ―  

― ― S ― ―

LP:8000

手札:4

 

・セットモンスター

 

・伏せ

 

 

「俺のターン! ドロー!」

 

鋼貴 手札:5+1

 

「遊伸、わりぃけど本気で行くぜ! 俺は「マシンナーズ・ギアフレーム」を召喚!」

 

鋼貴の場にオレンジ色のロボットが現れる。

 

ATK:1800

 

「機械族…!」

 

「おうよ! 昨日の奴と一緒にすんなよ! 「マシンナーズ・ギアフレーム」 効果発動!召喚成功時に、こいつ以外のマシンナーズと名のつくモンスター一体を手札に加える! 俺は「マシンナーズ・フォートレス」を手札に加えるぜ!」

 

鋼貴 手札:5+1

 

「そして俺は手札から「マシンナーズ・フォートレス」の効果発動! 手札の機械族をレベル合計8以上になるように捨てて手札、墓地から特殊召喚することができる! 俺はこいつ自身と「マシンナーズ・ピースキーパー」を捨て、墓地から特殊召喚! 来い!「マシンナーズ・フォートレス」!」

 

鋼貴の場に青いカラーリングの戦車が現れる。

その戦車は両腕と頭が付いていて、それらが小刻みに動いている。

左右真ん中に三本あるキャタピラで進み出て、停止と同時に頭の左にあるキャノン砲が揺れる。

 

ATK:2500

 

「いきなり最上級モンスターが…!?」

 

「さあ! 行くぜ! ギアフレームでセットモンスターを攻撃! 「マシンナーズ・ショット」!」

 

ギアフレームのアーム射撃口からビームが発射される。

しかしセットされていたモンスターが表となり、姿を現した瞬間、大剣がビームを弾く。

そこには大剣の切先を地に向け、膝を着いて構えている長髪の戦士がいた。

体はボロボロであり、体の多くの部位が機械となってしまっている。

 

DEF:0

 

「僕がセットしたモンスターは「 X-セイバー パシウル」! このモンスターは戦闘では破壊されない!」

 

「おお、やるじゃねーか、ならフォートレスも無駄だな、俺は永続魔法「機甲部隊の最前線(マシンナーズ・フロントライン)」を発動、カードをセットしてターンエンド」

 

フィールド

 

― ― A A ―  

― ― S M ―

LP:8000

手札:2

 

左から

・マシンナーズ・ギアフレーム

・マシンナーズ・フォートレス

 

・伏せ

・機甲部隊の最前線

 

 

 

「(流石はシティの決闘者だ…いきなり強力なモンスターを出してくるなんて、こっちも何とかしなきゃ)僕のターン! ドロー!」

 

遊伸 手札:4+1

 

「僕は「ネクロ・ガードナー」を召喚! いくぞ! レベル3「ネクロ・ガードナー」に、レベル2「 X-セイバー パシウル」をチューニング!」

 

パシウルが地を踏みしめ立ち上がり、声を上げると二つの光輪へと姿を変える。

ネクロ・ガードナーを囲うと三つの光に変え、そのまま光の柱となる。

 

「十の剣に名を連ねし銃士よ! 我が敵を討ち、勝利の号砲を上げよ! シンクロ召喚!荒野の英雄、「 X-セイバー ウェイン」!!」

 

ATK:2100

 

「ウェインの効果発動! 手札から「 X-セイバー ガラハド」を特殊召喚!「セイバーズ・テキサス」!」

 

遊伸の場にウェインとガラハドが並ぶ。

 

「さらに手札からフィールド魔法「セイバー・ヴォ―ルト」を発動!」

 

遊伸がフィールド魔法を発動させると、周りの風景が一変する。

広くて薄暗い地下室の様だ。

遊伸の背後には大きな箱があり、その中心には大剣が突き立ててある。

 

「すごい…周りが…」

 

「すげーよな、ソリッドビジョン。 これ外からじゃ見えないんだぜ。…それにしてもここは何なんだ?」

 

「ここは歴代のX-セイバー達の納骨所だよ、戦死でのメンバーの入れ替わりは頻繁らしくて、ここには今までのメンバー全員が眠っている場所…らしいんだ」

 

「ふーん、そんなとこで戦っていいのか?」

 

「良くはないだろうけど…ここはかつての仲間たちがX-セイバーに力を与えてくれるんだ! セイバーヴォールト、効果発動!」

 

遊伸の背後にある箱に刺さった大剣が光輝く。

 

「このカードがフィールドに存在する限り、X-セイバー達はそのレベル×100ポイント攻撃力がアップし、守備力がダウンする!」

 

X-セイバー ウェイン レベル5 ATK:2100→2600

X-セイバー ガラハド レベル4 ATK:1800→2200

 

「力を与えてくれてるのに何で守備下がってんだ?」

 

鋼貴が尤もな突っ込みを入れる。

 

「やっぱり怒ってるのかも…と、デュエルが進んでないや、いくぞ! ウェインで「マシンナーズ・フォートレス」を攻撃! 「クロス・バレット」!」

 

ウェインの弾丸がフォートレスの装甲を貫く。

 

鋼貴 LP:8000→7900

 

「フォートレスの効果発動! 戦闘で破壊され墓地に送られた場合、相手の場のカード一枚破壊するぜ! 俺はガラハドを破壊! 「マシンナーズ・アサルト・ボム」!」

 

機能停止寸前にフォートレスは黒い球体を落とす。

ガラハドの足元まで転がったそれは機能停止と同時に爆発し、ガラハドを吹き飛ばす。

 

「ガラハド!?」

 

「さらに「機甲部隊の最前線」効果発動! 俺は戦闘破壊されたフォートレス未満の攻撃力を持つ同属性の機械族をデッキから特殊召喚する! 来い、チューナーモンスター「ブライ・シンクロン」!」

 

鋼貴の場にマシンナーズとは毛色が違うロボットが現れる。

 

ATK:1500

 

「(フォートレスは倒せたけど、結果的にアドバンテージを失ったのはこっちだ…)一枚カードを伏せてターン終了」

 

 

フィールド(セイバー・ヴォ―ルト)

 

― ― A ― ―  

― ― S S ―

LP:8000

手札:2

 

・X-セイバー ウェイン

 

・伏せ二枚

 

 

「さあ、今度はこっちの番だぜ! ドロー!」

 

鋼貴 手札:2+1

 

「いくぜ! レベル4「マシンナーズ・ギアフレーム」に、レベル4「ブライ・シンクロン」をチューニング!」

 

ブライ・シンクロンだった四つの光輪は、ギアフレームを四つの光、そして柱へと変える。

 

「偉大な技術の結晶よ! 正義の鉄槌を用いて破滅の光の根源を絶て! シンクロ召喚! 光の監視者「A・O・J ライト・ゲイザー」!」

 

鋼貴の場に巨大な円盤の様な物が現れる。

その円盤には上半身らしき物が付いて、その光る目で遊伸を発見する。

その機体の至る所に付けられているサーチライトを遊伸の場に向けた。

 

ATK:2400

 

「ま、眩しい…ここ暗いから余計に…」

 

「悪いが我慢しろ、ライト・ゲイザーのシンクロに使ったブライ・シンクロンの効果発動! こいつを使ってシンクロに成功した時、エンドフェイズまでそのシンクロモンスターの効果を無効にし、攻撃力を600ポイントアップだ!」

 

ATK:2400→3000

 

「攻撃力3000…」

 

「そして俺は手札から「マシンナーズ・スナイパー」を召喚! さらに手札からレベル8「マシンナーズ・カノン」を捨てて「マシンナーズ・フォートレス」を復活!」

 

鋼貴の場にライフルを装備した白いロボットとマシンナーズ・フォートレスが現れる。

 

ATK:1800

ATK:2500

 

「一斉攻撃だ! ライト・ゲイザーでウェインを攻撃! 「ジャスティス・レイ」!」

 

ライト・ゲイザーの腕のサーチライトから閃光が放たれる。

光が命中したウェインは跡形も無く消えてしまった。

 

「ぐっ…」

 

遊伸 LP:8000→7400

 

「続けてフォートレスで直接攻撃! 「マシンナーズ・キャノン」!」

 

フォートレスのキャノン砲が遊伸へと向く。

 

「やらせないぞ! 墓地から「ネクロ・ガードナー」の効果発動! このカードをゲームから除外することで、相手の攻撃を一度だけ無効にできる!」

 

「フォートレスがさっきから攻撃できん…ならスナイパーで攻撃! 「マシンナーズ・ライフル」!」

 

スナイパーがライフルを撃つと、遊伸の額に命中した。

 

「わあ!? …一瞬死んだかと思ったよ…」

 

遊伸 LP:7600→5800

 

「これでターンエンドだ」

 

その瞬間、遊伸の場の伏せカードが開く。

 

「エンドフェイズに罠カード「奇跡の残照」を発動! このターンに戦闘破壊されたウェインを特殊召喚!」

 

遊伸の場にウェインが戻る。

 

ATK:2100→2600

 

 

フィールド

 

― A A A ―  

― ― M S ―

LP:7900

手札:1

 

左から

・ マシンナーズ・スナイパー

・ A・O・J ライト・ゲイザー

・ マシンナーズ・フォートレス

 

・機甲部隊の最前線

・伏せ

 

 

「(何とか…倒さないと…)僕のターン! ドロー!」

 

手札:2+1

 

「よし! 僕はチューナーモンスター「X-セイバー エアベルン」を召喚! レベル5「X-セイバー ウェイン」に、レベル3「X-セイバー エアベルン」をチューニング!」

 

「集いし願いが、新たに輝く星となる。光さす道となれ!シンクロ召喚!飛翔せよ!「スターダスト・ドラゴン」!!」

 

遊伸の場にスターダスト・ドラゴンが現れる。

 

ATK:2500

 

「スターダスト・ドラゴンでライト・ゲイザーを攻撃! 「シューティング・ソニック」!」

 

ライト・ゲイザー

ATK:2400

 

「ちっ! 一歩劣るか…」

 

鋼貴には何も罠は無い様だが、遊伸は追い討ちをかける。

 

「さらに墓地のチューナーモンスター、エアベルンを除外して手札から速攻魔法「イージーチューニング」を発動! 除外したチューナーの攻撃力分、場のモンスター一体の攻撃力をアップする!」

 

エアベルン

ATK:1600

 

スターダスト・ドラゴン

ATK:2500→4100

 

「4000越えだぁ!?」

 

ライト・ゲイザーは シューティング・ソニックを受けてバラバラになって吹き飛ぶ。

 

「ぐお…貰っちまったぜ(闇属性いねぇから最前線も使えねぇ…)」

 

鋼貴 LP7900→6200

 

「よし!(このまま押していけば…)ターンエンド!」

 

フィールド(セイバー・ヴォ―ルト)

 

― ― A ― ―  

― ― S ― ―

LP:5800

手札:1

 

・スターダスト・ドラゴン

 

・伏せ一枚

 

「俺のターン! ドロー!」

 

鋼貴 手札:1+1

 

「…遊伸、このデュエル貰ったぜ!」

 

「!?」

 

「俺は「マシンナーズ・ディフェンダー」を召喚!」

 

場に砲台の様な青いマシンが現れる。

 

ATK:1200

 

「いくぞ! フォートレスで スターダスト・ドラゴンに攻撃! 今度こそ通す!「マシンナーズ・キャノン」!」

 

「(攻撃力に差があるのに…まさか…)「シューティング・ソニック」!」

 

「ダメージステップ! 速攻魔法「リミッター解除」発動! 俺の場の機械族の攻撃力を二倍にする!」

 

フォートレス

ATK:2500→5000

 

スナイパー

ATK:1800→3600

 

ディフェンダー

ATK:1200→2400

 

「二倍!?」

 

フォートレスの限界を超えた一撃に、シューティング・ソニックは掻き消され 、スターダスト・ドラゴンは破壊される。

 

「ううっ…! (残りを受けたら負ける!)」

 

遊伸 LP:5800→4900

 

「いけ! スナイパー! 「マシンナーズ・ライフル」!」

 

遊伸は負けじと罠を発動する。

 

「罠カード「ガード・ブロック」発動!  相手からの戦闘ダメージを0にして、カードを一枚ドローする…」

 

が、鋼貴はその上を行く。

 

「させねぇ! カウンター罠「トラップ・ジャマー」発動! その罠は無効だ!」

 

鋼貴のカウンターによって遊伸の罠が消える。

 

「うわあ!」

 

遊伸 LP:4900→1300

 

「トドメだ! ディフェンダーで直接攻撃!」

 

「…僕の、負けか」

 

遊伸 LP:1300→0

 

「強い…これがシティの決闘者の実力か」

 

鋼貴が決闘盤を収めて遊伸に近づく。

 

「わりぃな、最初にも言ったけど、本気でやらして貰ったぜ。 だけど、そのおかげでお前の欠点、なんとなくだが解ったぜ」

 

「本当!? い…一体どんな欠点が」

 

「それはだな…」

 

「それは…?」

 

 

 

 

 

 

 

「経験不足だな」

 

「え…」

 

遊伸は拍子抜けと同時に、内心少しだけムッとした。

自分だって狭い世界でだが10数年デュエルをやってきている。

経験不足とは心外だ。

 

「あー、数こなしてねぇとは言ってねえよ、ただ俺は論理派じゃねーから…あまり旨く言えねーけど…お前とデュエルしてる時に、「解ってねえ」って気がしてよ、それで思い浮かんだ言葉が「経験不足」だったんだ…もっと旨く言える奴いねーかな」

 

 

あーーー!! 見つけた!! おーーい! こうきーーー! 

 

「うん?」

 

「?」

 

二人が振り向くと、一人の少女がこちらに駆けて来ていた。

 

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