遊戯王~Truth of Satellite~ 作:鬼柳高原
とてつもないミスがあったので修正しました!
前回から一週間後 シティ内陸部 治安維持局
遊伸達7人は鋼牙に連れられ、治安維持局のとある一室に通されていた。
「おおグレイグ! 久しいな!」
「長官殿こそ、ご壮健の様で」
グレイグが目の前の机に座っている人物と笑い合う。
この人物こそがネオ童実野シティ治安維持局長官にして、鋼牙と鋼貴の父親である藤堂長官である。
「おお鋼貴! お前はまったく家に帰らんで……母さんも心配しているぞ」
「親父も兄貴も会う度同じ事言いやがって……年末には帰ってんだからいいだろ……」
鋼貴は少し鬱陶しそうに顔を背ける。
「まったくお前は……」
鋼牙はやれやれ、といった様な身振りをする。
「あれ? マイルさん! どうしてここに?」
遊伸が藤堂長官の横に立っているマイルの姿を見つける。
「やあ遊伸君達、話は聞いているよ、私はデュエル研究家として、今回の話のアドバイザーとして同席させて貰うよ」
「マイルさん……すいません、ナンバーズ……取り返す事が出来ませんでした……」
遊伸はマイルに頭を下げる。
「いや、こちらこそ申し訳ない……私が軽率だったんだ、それにあの107番のせいで君達に怪我をさせてしまった……本当にすまない」
マイルも遊伸達に対して頭を下げ返す。
「さて、それではまず聞かせてくれ、どうして君達が”あの者達”を知っていて、”あのカード”の事も知っていたのか?」
藤堂長官が尋ねると、遊伸達は今までの事を全て話す。
「……何と……」
藤堂長官は遊伸達が話した事実に驚きを隠せない様子。
「くそっ! 同名で他人の空似だと信じたかったが……やはりあの男はテオドール・ハイドフェルドか…!」
「兄貴はテオドールの事詳しいのか?」
鋼貴はテオドールについて鋼牙に尋ねる。
「…俺が本格的にデュエルへの情熱を持ち始めた時期に決闘王になったからな、その時や引退の時……友人間での話題は尽きなかったぞ、憧れだってあった、12年前に消えて……そして現れたと思ったらこれだ…」
鋼牙は悔しそうに拳を握る。
憧れていたテオドールに裏切られた気分なのであろう。
「うーむ……闇のカードはともかく、その”ファントム・オブ・カオス”何て物を奴らはどうやって……いや、それより長官! そんなカードがセキュリティにあるのなら、何故私にご相談なされなかったのですか?」
「…」
マイルのその言葉への返答は、その静寂が答えていた。
「…解りました、信用ならないですよね、私の口は……」
「すまないな、だが君の優秀さには疑いは無いよ、だからこそ、君は今ここに呼ばれているんだ……よし、それでは今度はこちらの番だな、全てを話そう」
藤堂長官は事の経緯を話始める。
最初にファントム・オブ・カオスが現れたのは1年前、ランディによるアーノルドの殺人事件が最初だという。
鋼牙が遊伸達がダイモン・エリアで取り付けた発信機をアーノルドの弟、ユアンから受け取り、ランディを捜索、約一月前に見つけ出し倒した時の事である。
「俺はあの時、ランディとお前達の言う”闇のデュエル”を行い、勝利した……そしてその時、奴らが現れたのだ…!」
…
……
…………
………………
……………………
サテライト とある荒廃地
「サイバー・エンド・ドラゴンで攻撃!!! 《エターナル・エヴォリューション・バースト》!!!」
「ぐぎゃぁぁぁ!!!」
ランディ LP:3300→0
ソリッドビジョンが消え、デュエル終了のアラームが鳴った。
ランディは拘束装置の機能と”闇のデュエル”により倒れる。
「か、勝った……だがしかし、今のデュエルは何だ? それにあのカード……」
鋼牙はランディに近づき、モンスターゾーンに置かれたファントム・オブ・カオスを取る。
ファントム・オブ・カオスは強い”心の闇”を持った人間に憑依する。
鋼牙が手に取っても鋼牙が憑依される事はなかった。
しかし―――
「(!? 何だこれは……じ、自分の中から……な、何かが込み上げてくる!?)」
タタカイヲ……
「!?」
タタカイヲモトメロ……
「(な、何だこの声は!?)」
ジャクシャヲホウムリ……オノガチカラヲシメセ……
鋼牙がとっさにファントム・オブ・カオスを手放すと、声は聞こえなくなる。
「(どうなっているんだ! これは一体何なんだ!)」
鋼牙は直接触れない様に布を取り出し、ファントム・オブ・カオスを包む。
その時、後ろから女の声が聞こえた。
「あら? とうとう倒されちゃったわね、この一年間誰も倒せなかったのに」
「でも姉さん、前までの対象は1年なんて持たなかったわよ、流石に人を選ぶようになってきたわ、実験成功、より強い”心の闇”を選ぶ習性がある、ってとこね」
「!? 誰だ!」
鋼牙が振り向くと、そこには男女2人ずつ、計4人が立っていた。
それはアルカディア・ムーブメントの面々。
中央にはテオドール、その左には夜霧、右には光円寺姉妹であった。
「そこの貴様、そのカードを置いてここから立ち去れ! 命が惜しければな!」
夜霧が鋼牙に向かって警告する。
「貴様こそ! ここは今封鎖中だ! 勝手に入ってくるな! …もしや貴様ら、ランディの関係者、またはランディがこうなった原因か!」
鋼貴が倒れているランディを指差す。
「貴様には関係ない! そのカードを置いてとっとと去れ! さもなければ……」
夜霧は決闘盤を構える。
「このカードは重要な証拠品だ、渡すわけにはいかん! 逆に貴様等を捕まえて、このカードについて吐かせてやる!」
「やってみるがいい! 行くぞ!」
「待て夜霧、止めろ」
鋼牙と夜霧がデュエルを始めようとすると、テオドールがそれを止める。
「な、何故です!」
「一つ面白い事を思いついたのでな……アレはくれてやろう」
「あら、どうして王様?」
陽子がテオドールに尋ねる。
「ただの気紛れだ……そうだな、これも実験としよう、この”政府の犬”共に渡す事で何か起こるか……案外残りの2枚も奴らに群がってくるかもしれん、その時に”返して”貰えばいい」
「…ご命令とあらば」
夜霧はテオドールに礼をする。
「面白そうね、賭けてみる姉さん?」
「なら私は何かが起こるにブラック・ローズを賭けるわ」
「やだ、姉さんが強気だわ、こういう時って大抵当てるのよね、姉さん……降りるわ」
光円寺姉妹は面白そうに二人で話をしている。
「貴様等一体何の話をしている!!」
「受け取れ」
鋼貴が怒鳴ると、テオドールが懐から黒いガラスを取り出し、鋼牙に投げ、鋼牙はそれを受け止める。
「それをそのカードに押し当てるがいい、中にカードが吸収される……早くそうしなければそのカードが回復し、再び”心の闇”を求めてその場から去るぞ」
「何を馬鹿な事を…!」
鋼牙はテオドールを睨んでいたが、テオドールは不敵に笑ったままである。
「…いいだろう! 乗ってやる!」
鋼牙は布からファントム・オブ・カオスを取り出し、ガラスを押し当てると、ファントム・オブ・カオスはガラスの中に取り込まれる。
「本当に中に……」
「それではまた会おう、そのカードを暫く預けておくぞ……そうだ、予備を置いていってやろう、それではな」
テオドールは2枚のガラスを地面に置くと、その場を去ろうとする。
「ま、待て! 逃がしはせん! デュエルモード強制発動!」
鋼牙が拘束装置を発動させるが、すぐに通信を遮断されてしまう、サイコ・デュエルの力だ。
「く、くそ!」
鋼牙は意地でも逃がすまいと、テオドールを追うように駆け出す。
「政府の犬が! 勘違いするなよ! お前が見逃されたのだ!」
そう言って夜霧が煙幕玉を投げると辺りが煙に包まれる。
「く、くそ! 逃げるな! 俺とデュエルしろぉーーー!!!」
鋼牙の叫びも虚しく、テオドール達は姿を消してしまった。
……………………
………………
…………
……
…
「……そして奴らの言う通り、他のファントム・オブ・カオスはすぐに現れた」
「…正兄の時の事ですか?」
遊伸が鋼牙にそう聞くが、鋼牙は頭を振る。
「いや、もっと前だ。 …それはセキュリティ本部内で起きた」
鋼牙によると、セキュリティ内で隊員同士でしかも拘束装置を使ったデュエルの喧嘩をしていると報告を受け、隊長の鋼牙がそれを止める為その場に駆けつけると、既にデュエルは終わったところであった。
しかしよく見ると様子がおかしい、負けて倒れている隊員を、デュエルを見ていた他の隊員が幾ら呼んでも揺すっても、ピクリとも動かない。
勝った隊員はそれを見て高笑いをしている。
そしてまだ場に置かれたままの”あのカード”―――
―――それを見た瞬間、鋼牙は拘束装置を起動させていた。
「……あの時は憑依される条件が分からなかったが、今思えば、まさかセキュリティ内の者があのカードに憑依されるとは……部下の心情を把握していなかった俺の落ち度か……」
鋼牙は腰に手を当てて項垂れ、首を振る。
「それが2枚目で……正兄の時が3枚目ですか」
「ああ、あの事件が起き、話を聞いた時は確信した、間違いなく”ファントム・オブ・カオス”だと……生死に関わる程の事件だ……だからセキュリティ内ではファントム・オブ・カオスの事を秘匿し、実力のあるサイバー所持者のみにファントム・オブ・カオスの事を話し、捜査を進めた。 …後の結果はお前達も知っての通りだ」
その事件でファントム・オブ・カオスに憑依された犯人は暴走し、セキュリティ本部に乗り込むとその場で鋼牙によって倒された、この事は遊伸達も前に聞いていた。
「…無事捕まえられたのはよかったが、テオドールの予想通りになってしまったのが不気味でな……素直に喜べ無かったよ」
「成る程、あの時浮かない顔をしていたのはそのせいだったんですね」
遊伸は納得した様に頷くが、鋼貴は違う様で、鋼牙にその事を問いかける。
「兄貴、兄貴はどうしてランディに一人で挑んだんだ? 危険だろ! その時兄貴は一人だったのか?」
「ああ、別に俺は一人で挑もうとしていた訳ではない、他の隊員はランディのいた地区の周りを封鎖させ、見晴らせていたんだ。 そして俺が追い込み、全員で捕まえる、という計画だった……俺も一騎打ちをしたいという気持ちはあったが、危険だと他の隊員に止められてな」
「でも結局一騎打ちじゃねーか!」
「鋼貴、”闇のデュエル”が拘束装置の様に相手を強制的にデュエルさせる事を忘れたか?」
「あ……そうか、それで戦わなきゃならなかったのか」
鋼貴はやっと納得した。
「…さて、これが我々の知る情報だ、と言っても君達の物に比べると、もう殆どが出揃った物だったがな……何か質問はあるかね?」
藤堂長官がそう言うと、燃次が手を挙げる。
「まあ……大体解ったんだけど、その”ファントム・オブ・カオス”の事がごちゃごちゃしてて……」
「確かに情報が多くて解り難いな、よし、一つずつ整理するぞ、”ファントム・オブ・カオス”についてまず一つ目! 遊伸!」
グレイグが手を叩くと、遊伸を指名する。
「”ファントム・オブ・カオス”は負の感情、テオドール達が言う”心の闇”が強い人に憑依します」
「よし、次二つ目! 鋼貴!」
「俺? あーと……取り憑かれた奴は……何て言うか……ハイ、めちゃくちゃハイテンションになって奇声を上げる……で、いいよな?」
鋼貴が後ろにいる高尾に聞くと、「まあ、興奮状態だな」と高尾が返す。
「よし次三つ目! 空!」
「取り憑かれた人は普段よりも強くなる! ランディは決闘王のアーノルドに勝っちゃったし、ブラックファイアの人達はセキュリティに勝っちゃったしね!」
空は自信有り気に指を3本立てている。
「そうだな、次四つ目! 高尾!」
「じゃあ重要な物を……”ファントム・オブ・カオス”は”闇のデュエル”という特殊なデュエルを行い、デュエルをし、敗北した相手を死に至らせる」
高尾は重要な内容だけに真剣な顔付きで答える。
「おう、お前等絶対に負けるんじゃないぞ、次五つ目! 燃次!」
「え!? え~と……まだあったっけ?」
「あるぞ幾つか」
「え~!?」
困っている燃次を見かねた冷次が手を挙げる。
「グレイグさん、俺達は二人で一人の扱いなんで、これも二人で一人にしてください」
「…まあいいだろう、冷次、言ってみろ」
冷次は頭を下げ、少しだけ思い出そうと考えてから答える。
「同じ様な”心の闇”を持つ人間は1枚の”ファントム・オブ・カオス”で同時に操れる、でもその代わりダメージが弱くなって四つ目の心配がない、ってところだったかな。 燃次の分まで言うのだったら、”ファントム・オブ・カオス”は7枚ある、以上」
「助かったぜ冷次! 恥掻かなくてすんだぜ!」
「いや、結局お前は答えられてないから恥は掻いてるぞ」
「よし五、六と来て次七つ目! 鋼牙さん頼んだぜ!」
鋼牙も冷次と同様に少し考えている様子。
しかしこれは思い出そうとしているというよりも、本当に間違えがないか、そう自分に問いかけている、という感じであった。
「これはテオドールの発言から俺が推測、そして感じた事だが、”ファントム・オブ・カオス”は自身の意志を持っている、そして大きな”心の闇”を持つ人間を探し出し、憑依する……あの時聞こえた声は”ファントム・オブ・カオス”のものだ、間違いない……」
鋼牙はその時の感覚を思い出し、顔を歪める。
「よし、で、俺で最後だ、テオドール曰く、”ファントム・オブ・カオス”は欠片に過ぎず、もっとデケェ何かがある、それを使って世界征服、だったな遊伸」
「はあ……まあ大体そうです」
グレイグの簡単で適当な要約に少し気が抜ける遊伸。
「よし、こんなもんだ、他に何かあるか?」
グレイグの問いに答える者はいない。
「マイルさんはどうだ?」
「私も大丈夫です、解りました……私は役に立ちませんでしたなぁ……」
マイルはがくりと肩を落とす。
「よろしい、ならば6日後の朝、再びここに集まって貰おう。 それまで各自万全の準備をお願いします。 尚、燃次君は今の八つの事を全部覚えて来るように、マイル所長は口を硬くする様に」
「ええ~~~!?」
「長官、心配はいりません! こう見えても私、本当に大事な事は洩らしたりはしません!」
二人の反応と言葉を聞いて一同は笑う。
こうして解散ムードとなった時、鋼貴が鋼牙の前に出る。
「兄貴!」
「どうした鋼貴?」
「俺と……俺とデュエルしてくれ!」
突然の鋼貴のデュエルの申し込みに皆が鋼貴に振り向く。
その中で遊伸は鋼貴の行動を理解している様であった。
「(鋼貴……戦いに行く前に”決着”をつけるんだね)」
「どうした突然、挑まれたからには受けるが……何か理由でもあるのか?」
鋼牙が鋼貴に尋ねる。
「俺は……何だかんだ言って、兄貴を尊敬してるよ、この世で2番目に尊敬してる……何時でも俺の”目標”だった! だから戦いに行く前にここで試してみたいんだ! 俺の今の力が兄貴に通じるか、いや、兄貴に勝てるのか! いや! 兄貴に勝つんだ!! 勝負だ兄貴!!」
鋼貴の言葉に鋼牙は笑みを浮かべる。
「…言うようになったな鋼貴、いいだろう! この真剣勝負! 兄としてではなく一人の決闘者として受けてやろう! 来い! 表に出るぞ!」
・
・
・
シティ内陸部 治安維持局前広場
遊伸達は外の広場へと出ると、鋼貴と鋼牙がお互いに距離を取り向き合う。
「いやあ、息子達のデュエルを見るのは久しぶりだ」
藤堂長官もこのデュエルを見る為に出てきていた。
「遊伸、鋼貴は鋼牙さんに勝てる?」
空が遊伸に聞くと、遊伸は真剣な顔で答える。
「…鋼牙さんは本当に強い、でも鋼貴だって鋼牙さんに勝つ為にこの日まで頑張ってきた……だから僕は鋼貴を信じるよ」
遊伸は真っ直ぐ鋼貴を見据える。
「鋼貴よ、一つ聞かせてくれ、お前は俺を2番目に尊敬していると言ったが、1番は誰だ?」
「あいつだ、あいつという存在がいなければ、俺は今ここに立っていない」
鋼貴は鋼牙の問いに対して、遊伸を指差す。
「成る程、兄として悔しいが……納得だ」
「(あの二人より下か……私は一体何番なんだろうか……)」
「どうしました長官?」
思い悩む藤堂長官にグレイグが声を掛ける。
決闘場の二人は準備を終え、決闘盤を構え、叫ぶ。
「「デュエル!!!」」
先攻 鋼貴
「俺のターン! ドロー!」
鋼貴 手札:5+1
「さあ最初から行くぜ! 俺は魔法カード《ワン・フォー・ワン》を発動! 手札のモンスターを1体墓地に送り、手札またはデッキからレベル1モンスターを特殊召喚するぜ! 俺はデッキから《チューニング・サポーター》を特殊召喚するぜ!」
墓地に送ったモンスター
パーフェクト機械王
鋼貴の場にチューニング・サポーターが現れる。
ATK:100
「そしてチューナーモンスター《ブライ・シンクロン》を召喚!」
続けて鋼貴の場にブライ・シンクロンが現れる。
ATK:1500
「レベル1《チューニング・サポーター》に、レベル4《ブライ・シンクロン》をチューニング!」
ブライ・シンクロンが4つの光輪へと変わり、チューニング・サポーターを囲う。
そして光輪がチューニング・サポーターを1つの光、そして光の柱へと変える。
「偉大な技術の結晶よ! 正義の名の下に、破滅の光を根絶やせ! シンクロ召喚! 殲滅しろ! 《
光の柱からA・O・J カタストルが現れた。
その姿は四本脚の起動兵器、コアの様な球体が頭部についており、その脚は馬の様にも虫の様にも見える。
ATK:2200
「あ! 板垣君とのデュエルで出そうとしてたシンクロモンスターだね」
空がカタストルを見ながら遊伸に声を掛ける。
「ああ、鋼貴がピンチの時に出そうとしていたモンスターだ、多分あのモンスターは強力な効果を持っている(そしてそれを初手に出す、鋼貴は本気だ!)」
「まずはチューニング・サポーターの効果発動だ! シンクロ素材として墓地に送られた場合、1枚ドローする!」
鋼貴 手札:3+1
「そしてブライ・シンクロンの効果! こいつをシンクロ素材にしたシンクロモンスターをエンドフェイズまで攻撃力を600上げて効果を無効にする……が、先攻だからほぼ無意味だな」
ATK:2200→2800
「俺はカードを2枚伏せターンエンド!」
ATK:2800→2200
LP:8000
手札:2
モンスター
・A・O・J カタストル
魔法・罠
・セット
・セット
「俺のターン! ドロー!」
鋼牙 手札:5+1
「さあ鋼牙さんのターン、俺はデュエルを見るのは初めてだが、鋼貴から色々聞いている。 あのカタストルを力押しで突破するのは鋼牙さんのデッキでは無理だ、さあどうするか?」
高尾は緊張した顔付きで鋼牙を見る。
鋼貴がシンクロ召喚したモンスター、A・O・J カタストル。
闇属性以外の場に表側表示で存在するモンスターと戦闘を行う場合、ダメージ計算を行わず、そのモンスターを破壊するというモンスター。
鋼牙の《サイバー》は殆どが光属性である。
攻撃で倒す事は難しい。
「鋼貴……その程度で俺を止められると思うな!!」
「…!」
「(鋼牙さん、デュエルする姿勢になった)」
遊伸は自分が戦った時の事を思い出す。
「鋼貴、お前も知っているな! 《サイバー・ドラゴン》は相手の場のみにモンスターが存在する時に特殊召喚する事が出来る! 来い! 《サイバー・ドラゴン》!」
鋼牙の場に機械龍、サイバー・ドラゴンが現れる。
その長い体をうねらせ、咆哮する。
ATK:2100
「! サイバー・ドラゴン自体にもこんな効果があったのか!?」
遊伸は驚く、やはり一度デュエルした位では相手の全てを知ることは出来ない、そう強く思った。
「続けて《アーマード・サイバーン》を召喚!」
鋼牙の場に戦闘機の様な機械翼竜が現れる。
ATK:0
「このモンスターはユニオンモンスター、場のサイバー・ドラゴン及びサイバー・ドラゴンの融合体のみに装備する事が出来る! 《アーマード・サイバーン》を《サイバー・ドラゴン》に装備!」
アーマード・サイバーンがサイバー・ドラゴンの背後から取り付き、変形すると、2砲門の砲台となる。
「(ユニオンモンスターを盾にして突っ込む気か! だがサイバー・ドラゴンの攻撃力じゃ…)」
ユニオンモンスターとは装備カードとなり、装備モンスターを破壊から守る共通効果がある鋼貴も多様するカード群である。
その効果を使用すればカタストルの効果をすり抜ける事が出来るが、サイバー・ドラゴンの攻撃力はカタストルより低い、攻撃したら効果破壊を防いだところで待っているのは戦闘破壊である。
「(…つー事は強化だ! きやがれ! 伏せカードは《収縮》だ! 返り討ちにしてやる!)」
収縮とは対象モンスターの攻撃力を半分にする速攻魔法である。
これならサイバー・ドラゴンの攻撃力を倍にしようが返り討ちに出来る。
だが鋼牙はそれで防げるほど甘くはなかった。
「装備されたアーマード・サイバーンの効果発動! 装備モンスターの攻撃力を1000下げて場にに表側表示で存在するモンスター1体を破壊出来る! 《
サイバー・ドラゴンが背中のアーマード・サイバーンの砲身をカタストルに向けると、砲撃を放つ。
ATK:2100→1100
砲撃がカタストルに命中すると、カタストルを粉砕する。
「マ、マジかよ……」
「バトル! サイバー・ドラゴンで直接攻撃! 《エヴォリューション・バースト》!」
サイバー・ドラゴンが放った光線が鋼貴に命中する。
「ぐう……」
鋼貴 LP:8000→6900
「俺はカードを2枚伏せターンエンド……鋼貴、気を抜くなよ、抜けば俺がお前のLPを一気に削り取る!」
LP:8000
手札:2
モンスター
・サイバー・ドラゴン
魔法・罠
・セット
・セット
・アーマード・サイバーン(サイバー・ドラゴン)
「解ってらぁ! 俺のターン! ドロー!」
鋼貴 手札:2+1
「俺は《マシンナーズ・ギアフレーム》を召喚!」
鋼貴の場にマシンナーズ・ギアフレームが現れる。
現れた瞬間、眼を光らせ、起動音を鳴らす。
ATK:1800
「ギアフレームの効果発動! 召喚に成功した時、自分のデッキから《マシンナーズ・ギアフレーム》以外の《マシンナーズ》と名のついたモンスター1体を手札に加える事が出来る! 俺は《マシンナーズ・フォートレス》を手札に!」
鋼貴 手札:2+1
「さらに手札から《マシンナーズ・フォートレス》の効果発動! 合計レベル8になるように機械族を捨てて手札、または墓地から特殊召喚する! 《マシンナーズ・ディフェンダー》と《マシンナーズ・フォートレス》を捨てて、墓地から《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚!」
鋼貴の場にエースモンスター、マシンナーズ・フォートレスが現れる。
その青いボディを輝かせ、キャノン砲を構える。
ATK:2500
「そして手札から永続魔法《
ギアフレームがアームからビームを放つと、サイバー・ドラゴンに命中するが、破壊されたのはアーマード・サイバーン。
「アーマード・サイバーンのユニオン効果によりサイバー・ドラゴンの代わりに装備されたこのカードを破壊する! そしてアーマード・サイバーンが破壊された為、アーマード・サイバーンによって下がっていた攻撃力は元に戻る!」
鋼牙 LP:8000→7300
ATK:1100→2100
「問題ねぇ! フォートレスでサイバー・ドラゴンを攻撃! 《マシンナーズ・キャノン》!」
フォートレスが砲身からエネルギー波をサイバー・ドラゴンに向けて放つ。
「永続罠《サイバネティック・ヒドゥン・テクノロジー》を発動! 相手の攻撃宣言時に自分の場に表側表示で存在する《サイバー・ドラゴン》及び《サイバー・ドラゴン》の融合体1体を墓地に送る事で相手の攻撃モンスター1体を破壊する! 《サイバー・ドラゴン》を墓地へ送り、《マシンナーズ・フォートレス》を破壊する!」
サイバー・ドラゴンが砲撃をかわし、マシンナーズ・フォートレスに飛び付くと、サイバー・ドラゴンが起爆、共に爆散する。
「フォ、フォートレス!? くそっ! ターンエンド!」
LP:6900
手札:0
モンスター
・マシンナーズ・ギアフレーム
魔法・罠
・セット
・セット
・機甲部隊の最前線
「俺のターン! ドロー!」
鋼牙 手札:2+1
「俺は《サイバー・ドラゴン・ツヴァイ》を召喚!」
鋼牙の場にサイバー・ドラゴンの後継機、サイバー・ドラゴン・ツヴァイが現れる。
ATK:1500
「サイバー・ドラゴン・ツヴァイの効果発動! 手札の魔法カードを相手に見せる事で、エンドフェイズ時まで《サイバー・ドラゴン》として扱う事が出来る! 俺が見せる魔法はこれだ!」
見せたカード
パワー・ボンド
「!? パ、パワー・ボンド……」
「このカードの力はお前も知っているな? さあ受けてみろ! 魔法カード《パワー・ボンド》を発動! このカードは機械族融合モンスター専用の融合カードだ! 俺は手札の《サイバー・ドラゴン》と、《
鋼牙の場に歪みが生じ、現れたサイバー・ドラゴンと
その大きさ、威圧感はサイバー・エンド・ドラゴンに劣るが、それでも十分過ぎる程の”脅威”を感じさせる機械龍である。
ATK:2800
「サ、サイバー・ドラゴンは2体だけでも融合する事が出来るのか!?」
遊伸は驚きの声を上げる。
「パワー・ボンドの効果! このカードで融合召喚した融合モンスターの攻撃力は元々の攻撃力分アップする! よってサイバー・ツイン・ドラゴンの攻撃力は―――」
ATK:2800→5600
「サ、サイバー・エンド・ドラゴンを上回った!?」
そして遊伸は想像する、もしパワー・ボンドが自分とのデュエルの時に鋼牙の手札にあったら、あれ以上の攻撃力となったサイバー・エンド・ドラゴンを相手にしなければならなかったであろう。
「(そうだったら僕は鋼牙さんに勝てたか…? …やっぱり鋼牙さんは強い、だけど……デュエルは最後まで分からない! 鋼貴、諦めては駄目だよ!)」
遊伸は歯を食いしばる鋼貴を見ながらそう思った。
「行くぞ! バトル! サイバー・ツイン・ドラゴンでマシンナーズ・ギアフレームを攻撃! 《エヴォリューション・ツイン・バースト》!!」
サイバー・ツイン・ドラゴンの右の頭が口から光線を放つと、マシンナーズ・ギアフレームを撃ち抜き、爆散させる。
「うおぉぉ!! …ぐっ、機甲部隊の最前線の効果発動! 1ターンに1度、機械族が戦闘によって破壊され自分の墓地へ送られた時、その機械族より攻撃力の低い同じ属性の機械族1体を自分のデッキから特殊召喚する事が出来る! 俺は《カード・ガンナー》を守備表示で特殊召喚!」
鋼貴 LP:6900→3100
マシンナーズ・ギアフレームが爆発して出来た煙の中からカード・ガンナーが現れる。
DEF:400
「サイバー・ツイン・ドラゴンのモンスター効果! 1ターンに2度攻撃を行う事が出来る! 2度目の攻撃! 《エヴォリューション・ツイン・バースト》!!」
今度は左の頭が光線を放つと、マシンナーズ・ギアフレームと同じ様にカード・ガンナーを撃ち抜く。
「ぐう! カードガンナーの効果発動! 破壊され墓地に送られた時、カードを1枚ドローする!」
鋼貴 手札:0+1
「俺はこれでターンエンド! ここでパワー・ボンドの効果、俺は融合召喚したモンスターの元々の攻撃力分ダメージを受ける……これでターンエンドだ!」
鋼牙 LP:7300→4500
LP:4500
手札:0
モンスター
・サイバー・ドラゴン
魔法・罠
・セット
・サイバネティック・ヒドゥン・テクノロジー
「(流石兄貴だ……やっぱり一筋縄じゃいかねぇ……だが俺は諦めねぇ! 俺は勝つんだ!) 俺のターン! ドロー!」
鋼貴 手札:1+1
「! 来たぜ! 俺は魔法カード《死者蘇生》を発動! 俺は墓地から《パーフェクト機械王》を特殊召喚!」
鋼貴の場にパーフェクト機械王が現れる。
サイバー・ツイン・ドラゴンと対峙すると、眼を光らせ、戦闘体勢へと移行する。
ATK:2700
「パーフェクト機械王の効果! こいつ以外の場の機械族1体につき500ポイント攻撃力をアップする! 場には《サイバー・ツイン・ドラゴン》が1体! よって攻撃力は―――」
ATK:2700→3200
「だがそれだけではサイバー・ツイン・ドラゴンを倒す事は出来ん!」
「バトル! パーフェクト機械王でサイバー・ツイン・ドラゴンを攻撃!」
「(これは……) サイバネティック・ヒドゥン・テクノロジーの効果発動! 《サイバー・ツイン・ドラゴン》を墓地に送り、《パーフェクト機械王》を破壊する!」
サイバー・ツイン・ドラゴンがパーフェクト機械王に飛びつき、体と2本の首で巻きつくと、先程のサイバー・ドラゴンの様に起爆し、パーフェクト機械王諸共爆散する。
「うおっ! …何だ、随分あっさりサイバー・ツインを手放すじゃねーか兄貴、攻撃力はこっちの方が下だぜ?」
「その手には乗らん、俺も機械族使いだ、今の状況で機械族が攻撃を仕掛けてくるとしたら、まず警戒するのは《リミッター解除》だ、違うとしても攻撃力変動系のカードには違いない……鋼貴、この俺は簡単に騙せはしないぞ!」
「(へっ……バレバレかよ) だが兄貴のモンスターがいなくなったぜ! 俺はカードを伏せターンエンド!」
LP:3100
手札:0
モンスター
・無し
魔法・罠
・セット
・セット
・機甲部隊の最前線
・セット
「それはお前も同じ事! 俺のターン! ドロー!」
鋼牙 手札:0+1
「俺は《カードカー・D》を召喚!」
鋼牙の場にカードの様に薄い自動車が現れる。
ATK:800
「カードカー・Dの効果発動! メインフェイズ1にこのカードをリリースし、カードを2枚ドロー! そしてこのターンを終了する!」
鋼牙 手札:0+2
LP:4500
手札:2
モンスター
・無し
魔法・罠
・セット
・サイバネティック・ヒドゥン・テクノロジー
「(よし! 兄貴には手が無い! 今の内に攻めてペースを掴む!) 俺のターン! ドロー!」
鋼貴 手札:0+1
「俺は永続罠《リビングデットの呼び声》を発動! 墓地から《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚するぜ!」
鋼貴の場に再びマシンナーズ・フォートレスが現れる。
ATK:2500
「パーフェクト機械王の方が攻撃力は上だが、効果と信頼を取ってこいつで行くぜ! バトル! フォートレスで直接攻撃! 《マシンナーズ・キャノン》!!」
フォートレスの砲撃が鋼牙を撃ち抜く。
「ぐおおお!!!」
鋼牙 LP:4500→2000
「カードを伏せてターンエンド!」
LP:3100
手札:0
モンスター
・マシンナーズ・フォートレス
魔法・罠
・セット
・セット
・機甲部隊の最前線
・リビングデットの呼び声(マシンナーズ・フォートレス)
・セット
「よし! 鋼貴が優勢だよ! 鋼牙さんの引くカード次第だけど、これはもしかしたら鋼貴勝てるかもよ遊伸!」
「…うん」
空が遊伸にそう言うと、遊伸は頷きはしたが、顔には緊張が残っている。
「(流石は鋼貴、鋼牙さんを追い詰めた。 だけど鋼牙さんは本当に強い人だ……僕の時にはたったの1枚のカードで戦況を覆された事がある……鋼貴、最後まで気を抜いちゃ駄目だよ)」
「俺のターン! ドロー!」
鋼牙 手札:2+1
「(ちっ…! この手札では鋼貴のマシンナーズ・フォートレスを突破するのは難しいか……本当に強くなったな、鋼貴…)」
鋼牙がそう考えていると鋼貴が声をかける。
「兄貴! 遊伸から聞いているぞ! 兄貴には封印しているスゲーカードがあるんだろ! それを使ってくれ!」
「…何?」
「(鋼貴…!? …そうか、君は”本気”で鋼牙さんに勝ちたいんだな……)」
遊伸は鋼貴の気持ちを理解する。
「兄貴! 兄貴はそのカードは普段使わないと誓っている事は知っている! だけど遊伸とデュエルした時には勝利する為に使った、そうだろ! つまり兄貴は遊伸に対して”本気の本気”だったって事だ! …俺は遊伸におよばねぇかもしれねぇ……でも! 俺は戦いたいんだ! ”本気の本気”な兄貴に! そして……勝ちたいんだ! 頼む! 兄貴!!!」
鋼貴が叫ぶと、鋼牙は笑う。
「…鋼貴、お前は本当に強くなった……そんな風に考えていたとは……いいだろう! 鋼貴! 俺はお前に勝つ為に今一度封印を解こう! さあ、勝負だ! 藤堂 鋼貴!」
「おう!!!」
「俺は《サイバー・ドラゴン》を特殊召喚!」
鋼牙の場にサイバー・ドラゴンが現れる。
これで3体、全てのサイバー・ドラゴンが使われた。
ATK:2100
「そして《サイバー・ヴァリー》を召喚!」
鋼牙の場にサイバー・ヴァリーが現れる。
ATK:0
「そして魔法カード《機械複製術》を発動! 攻撃力500以下の機械族が場にいる時、その機械族と同名のモンスターをデッキから2体まで特殊召喚する! 来い! 2体の《サイバー・ヴァリー》!」
鋼牙の場に2体のサイバー・ヴァリーが現れる。
ATK:0
ATK:0
「さあ……行くぞ鋼貴! 《サイバー・ドラゴン》、《サイバー・ヴァリー》3体、そして……お前の《マシンナーズ・フォートレス》を融合!!!」
「な……何だって!?」
鋼牙が宣言した瞬間、場にいる全ての機械族が現れた歪みに吸い込まれ、一つとなっていく。
「そんなまさか!? 《融合》のカードが必要ないだけでなく、相手のモンスターまで融合素材に出来るのか!?」
遊伸は驚愕し、確信する。
これが”暴力”という表現の本当の意味であると。
「さあ現れよ! 禁断の融合機械龍《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》!!!」
歪みから現れた禁じられた機械龍、 キメラテック・フォートレス・ドラゴン。
遊伸の時と同様に、4つの円盤の数珠繋ぎ、その円盤から機械龍の頭が顔出している。
「キメラテック・フォートレス・ドラゴンの攻撃力は融合素材の数×1000ポイントとなる、よって攻撃力は……」
ATK:5000
「あわわわ! 鋼貴のモンスターが食われちまった!」
「こ、こんなモンスターが存在するのか……」
「お、俺のVWXYZも融合の要らない融合モンスターだが……これは明らかに異質だ……」
燃次と冷次、そして高尾はまさかの展開に動揺している。
「話の通り、すげぇの出てきたな……流石の俺でも驚いたぜ、”闇のカード”っつっても通用するなこれは」
「失礼だよグレイグ! …でも本当に凄いモンスター……鋼貴、大丈夫かな……ううん! 信じなきゃ!」
グレイグと空は前もって遊伸から話を聞いていたからなのか、他と比べて動揺は少ない。
「こ、これが遊伸の言っていた……兄貴の”本気の本気”か……」
「さあ鋼貴! 受けてみろ! キメラテック・フォートレス・ドラゴンで直接攻撃! 《エヴォリューション・リザルト・アーティレリー》!!!」
五つの首が鋼貴に向かって、一斉に光線を放射する。
「うおお!!! 速攻魔法《収縮》発動!!! キメラテック・フォートレス・ドラゴンの攻撃力をエンドフェイズまで半分にする!!!」
鋼貴が収縮を発動させると、キメラテック・フォートレス・ドラゴンが放った光線が小さくなるが勢いは変わらず、鋼貴に命中する。
ATK:5000→2500
「うおぉぉぉ!!!」
鋼貴 LP:3100→600
「俺はこれでターンエンド! さあ来い鋼貴! 俺を打ち破ってみせろ!」
ATK:2500→5000
LP:2000
手札:0
モンスター
・キメラテック・フォートレス・ドラゴン
魔法・罠
・セット
・サイバネティック・ヒドゥン・テクノロジー
「お、俺のターン! ドロー!」
鋼貴 手札:0+1
「(ここは凌ぐしかねぇ) カードを伏せてターンエンド!」
LP:600
手札:0
モンスター
・無し
魔法・罠
・セット
・機甲部隊の最前線
・リビングデットの呼び声
・セット
・セット
「俺のターン! ドロー!」
鋼牙 手札:0+1
「どうした! もう手が無いのか! ならばこの勝負、俺が貰うぞ! キメラテック・フォートレス・ドラゴンで直接攻撃! 《エヴォリューション・リザルト・アーティレリー》!!!」
再び五つの首が鋼貴に向かって、一斉に光線を放射する。
「罠カード《くず鉄のかかし》を発動! 相手の攻撃を無効にし、こいつを場に再びセットする!」
光線が迫ると鋼貴の前にくず鉄のかかしが現れると、光線を全て掻き消す。
「防いだか、だが何時までも続くと思うな! 俺はターンエンド!」
LP:2000
手札:1
モンスター
・キメラテック・フォートレス・ドラゴン
魔法・罠
・セット
・サイバネティック・ヒドゥン・テクノロジー
「俺のターン! ドロー!」
鋼貴 手札:0+1
「くそぉ…! ターンエンド…」
LP:600
手札:1
モンスター
・無し
魔法・罠
・セット
・機甲部隊の最前線
・リビングデットの呼び声
・セット
・セット(くず鉄のかかし)
「俺のターン! ドロー!」
鋼牙 手札:1+1
「俺は魔法カード《貪欲な壷》を発動! 墓地からモンスターを5体デッキに戻しシャッフル! そして2枚ドロー!」
デッキに戻したカード
サイバー・ドラゴン
サイバー・ドラゴン
サイバー・ドラゴン
サイバー・ドラゴン・ツヴァイ
カードカー・D
鋼牙 手札:1+2
「鋼貴……俺はこれで決着をつけるぞ!」
「!?」
「俺は魔法カード《死者蘇生》を発動! 墓地の《サイバー・ツイン・ドラゴン》を特殊召喚する!」
鋼牙の場にサイバー・ツイン・ドラゴンが再び現れる。
キメラテック・オーバー・ドラゴンと並び、咆哮を上げる。
ATK:2800
「まずい! このままでは鋼貴のLPはゼロだ!」
高尾が叫ぶ。
鋼貴の場にある攻撃を無効にする罠、くず鉄のかかしは罠カードとしての性質上、1ターンに1度しか発動出来ない。
対して鋼牙は3回の攻撃が可能、このままではLPが600しかない鋼貴は鋼牙の攻撃に耐える事が出来ず、敗北する。
「行くぞ! サイバー・ツイン・ドラゴンで直接攻撃! 《エヴォリューション・ツイン・バースト》!!」
サイバー・ツイン・ドラゴンの右首が光線を放つ。
「うおぉぉぉーーー!!! させっかぁーーー!!! 手札から《速攻のかかし》を捨てて効果発動! 攻撃を無効にしてバトルフェイズを強制終了させる!!!」
鋼貴が速攻のかかしの効果を発動させると、鋼牙の機械龍達は動きを止める。
「…俺はターンエンド!」
LP:2000
手札:2
モンスター
・キメラテック・フォートレス・ドラゴン
・サイバー・ツイン・ドラゴン
魔法・罠
・セット
・サイバネティック・ヒドゥン・テクノロジー
「ここに来て死者蘇生……鋼牙さん、何と言う引きだ!」
高尾が驚愕して鋼牙を見る。
「(鋼牙さんも本気だ……本気な鋼牙さんに、デッキが答えたんだ……負けるな鋼貴! 君だって負けていないはずだ!)」
鋼貴の気持ちは鋼牙に劣っていないはず、遊伸はそう強く思い、鋼貴の勝利を信じる。
「(あ、危なかったぜ……まったく…)」
鋼貴は前にいるキメラテック・フォートレス・ドラゴン、そして鋼牙を見る。
「(強ぇ、強ぇよ……正直ここまで渡り合えたのが不思議な位だ、勝てんのか? 俺よぉ)」
鋼貴は遊伸に振り向く。
遊伸は真剣な、そして真っ直ぐな眼で鋼貴を見ていた。
「(おお、眼で言ってやがる……”デュエルは最後まで分からない”ってな……おお、その通りだ!)」
鋼貴は自分のデッキに視線を落とす。
「(俺のデッキよ、この時の為に何回改造してきたか……だが悪いな、これからもまだまだイジると思うぜ……”その次”があるからな!)」
鋼貴は再び遊伸に振り向き、笑みを浮かべる。
「あ、鋼貴が笑った!」
「…ああ! 空、鋼貴は大丈夫だよ! 必ず勝つ!」
遊伸は鋼貴に笑って返すと、鋼貴は再び鋼牙に向き合う。
「兄貴! これが俺のラストターンだ! 行くぜ!」
「来い!!!」
「(頼む! 答えてくれ! 俺のデッキ!) 俺のターン!! ドロー!!!」
鋼貴 手札:0+1
「出し惜しみはもうしねぇ! 罠カード《無謀な欲張り》を発動! この先2ターンドローフェイズをしない代わりに、カードを2枚ドローする!」
鋼貴 手札:1+2
「…このカードは相手にだけモンスターが存在する場合、手札から特殊召喚出来る! 来い! チューナーモンスター《アンノウン・シンクロン》!」
鋼貴の場にアンノウン・シンクロンが現れる。
ATK:0
「そして手札から魔法カード《死者転生》を発動! 手札を1枚捨てて、墓地からモンスターを手札に加える! 俺は《チューニング・サポーター》を手札に!」
捨てたカード
マシンナーズ・スナイパー
「そして《チューニング・サポーター》を召喚!」
続いて鋼貴の場にチューニング・サポーターが現れる。
ATK:100
「…兄貴、これが……これが俺の勝利への”切り札”だ! 罠カード《シンクロ・マテリアル》を発動! 相手の場に表側表示で存在するモンスター1体を選択、このターン自分がシンクロ召喚をする場合、選択したモンスターをシンクロ素材にする事が出来る! 俺は《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》を選択!」
「な、何!?」
「行くぞ! レベル1《チューニング・サポーター》と、レベル8《キメラテック・フォートレス・ドラゴン》に、レベル1《アンノウン・シンクロン》をチューニング!」
アンノウン・シンクロンが大きな1つの光輪へと姿を変えると、チューニング・サポーター、 キメラテック・フォートレス・ドラゴンをそれぞれ1つと8つの光、そして光の柱へと変える。
「偉大な技術の結晶よ! 正義の名の下に……全ての光を破滅へ導け! シンクロ召喚! 最終決戦兵器!! 《
光の柱から現れたのは巨大な3砲門の砲台。
中心に一番大きな砲門、両腕の様に残りの2砲門が左右についている。
ATK:3300
「俺はチューニング・サポーターの効果で1枚ドロー」
鋼貴 手札:0+1
「な、何というデュエルだ……鋼牙は鋼貴のモンスターを使い、強力な融合モンスターを召喚したが、鋼貴はその融合モンスターを使って強力なシンクロモンスターを呼び出しおった!」
藤堂長官は息子達のデュエルに心底驚く。
「…鋼貴、見事だ! だがシンクロ・マテリアル! 俺はその存在を知っている! そのカードを使用したターンはバトル・フェイズを行えない! …鋼貴! 自分で言ったはずだ! これがラストターンだと! お前がこのターンで俺を倒せねば俺のサイバー・ツインがお前の切り札を撃ち抜き、この勝負を決する! さあ! どうするつもりだ鋼貴!!!」
「…俺は……俺は勝つ! 俺のカードを信じる! それに攻撃なんて必要ねぇ! 行くぞ! ディサイシブ・アームズ! 効果発動! 相手の場に光属性が存在する場合、1ターンに1度自分の手札を全て墓地へ送る事で、 相手の手札を確認してその中から光属性を全て墓地へ送る! その後、この効果で墓地へ送ったモンスターの攻撃力の合計分のダメージを相手LPに与える! さあ兄貴! 手札を見せろ!」
鋼貴が墓地に送った手札
ガード・ブロック
「お、俺の……俺の手札はッ…」
鋼牙の手札
サイバー・レーザー・ドラゴン ATK:2400
オネスト ATK:1100
「よし!!! 兄貴の手札の光属性は2体! 墓地に送って攻撃力の合計3500ポイントのダメージを与える! これで止めだぁーーー!!! 《スターライト・ジェノサイダー》!!!」
ディサイシブ・アームズがエネルギーを中心の砲門に集中させると、それを一気に鋼牙へと放つ。
「うおぉぉぉーーー!!!」
鋼牙 LP:2000→0
ソリッドビジョンが消え、デュエル終了のアラームが鳴った。
「へへ……勝ったぜ……」
鋼貴はその場に座り込む。
「やったぁーーー!!! 鋼貴! 勝った! 勝ったんだ!」
遊伸が歓声を上げながら鋼貴に走り寄り、体を揺する。
「鋼貴! 遂にやったんだ! 勝ったんだよ鋼貴!」
「おお遊伸……そんなに喜んでくれるとは思わなかったぜ……」
鋼貴は力を出し尽くしたのか、無気力な様子である。
「び、びっくりした~! 遊伸凄い喜んでるね」
空と共に他の面々も寄ってくるが、皆、遊伸の喜びように呆気に取られていた。
「喜ばずにはいられないよ空! 鋼貴は……長年の目標を遂に成し遂げたんだ! 喜ばないでどうするんだい!」
「へへ……ありがとよ遊伸、だがな、まだ全部終わってねぇんだ……お前を倒す事がな」
「…ああ! 僕は何時でも受けてたつよ! 僕も負けないからね!」
そう言って遊伸は腕を差し出すと、鋼貴はそれに掴まり立ち上がる。
「鋼貴」
呼ばれた鋼貴が振り向くと、鋼牙が近づいてきた。
「鋼貴、よくこの俺を倒した、見事だ。 俺は……お前を誇りに思う……今度は俺が挑戦させて貰うからな!」
鋼牙はそう言うとニッ、っと笑う。
「兄貴…」
「鋼牙、鋼貴、見事なデュエルだった」
藤堂長官が二人の側に寄る。
「鋼牙、私達はどうやら鋼貴を子供扱いし過ぎていたようだ、何時の間にか……この様に立派な”決闘者”なっていたとはな」
「前から言ってたじゃねぇか! 子供じゃねー、って!」
ようやく元に戻った鋼貴が藤堂長官に言う。
「ハハハ! すまなかったな! …最初は鋼貴、お前を行かせるのは不安だったのだが……これで安心して任せられる、鋼牙、鋼貴、息子であるお前達を危険な事をさせるのは心苦しいが、お前達にしか出来ない事だ……無事に帰って来るんだぞ。 皆さん、息子達を、特に鋼貴をよろしくお願いします」
「おい親父! 結局子供扱いじゃねーか!」
「ハッハッハ! いやスマン!」
こうして鋼貴は長年の目標、鋼牙に勝利する事を成し遂げた。
この藤堂 鋼貴の挑戦は、6日後に試練に赴く者達に、確かな”希望”と”勇気”を与えたのであった。
オーバーはもうちょっと後に(´・ω・`)