遊戯王~Truth of Satellite~   作:鬼柳高原

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*効果ミスがあったので修正しました。


第45話 人形 ~傀儡の真紅眼~

高尾と空が決闘場を発つのと同時刻  鋼貴

 

「うおぉーーー!!!」

 

鋼貴はグレイグ達同様、瓦礫の山を乗り越えながら、西南への道を一直線に進んでいた。

高尾同様、シティ育ちの鋼貴、南側という悪条件の中、瓦礫の山に苦戦していた。

 

「おお! あれだ!」

 

だが持ち前の根性でのごり押しで進み、何とか遅れをとらずに到着した。

若さと道の差が出たのか、場慣れしたグレイグよりも早い。

 

「まったくよー! もうちょっと片付けておけってんだ! よし、行くぞ!」

 

鋼貴は他のメンバーとは違い、PDAを確認しないでドームへと入っていく。

単に確認を忘れているだけなのかもしれない。

 

 

* * *

 

 

西南の決闘場  ドーム内

 

「な、何だ? 何かの儀式か?」

 

鋼貴がドーム内に入ると、ドーム内にライトが点いておらず、決闘場に少し離れた位置に篝火が点けられている。

 

「まあいいや、よし! 俺の相手はどいつだ……!?」

 

鋼貴は自分も目線の先に立っている人物を見て驚く。

 

「やあ、君が僕の相手か」

 

その相手は暢気な声を出す。

 

「いや、お前……こんなとこでまた何やってんだよ桐原!?」

 

そう、待ち構えていたのは第2の試練で遊伸に倒されたはずの桐原であった。

 

「お前……うぇ!?」

 

鋼貴が桐原の近くに寄ると、桐原の目は明らかに様子がおかしい。

口は半開き、体には力が入っていない様に見える。

まるで”人形”の様な様子に、鋼貴は後ずさる。

 

「ど、どうしちまったんだ桐原の奴……いや、元から変な奴だったけどよ!」

 

「どうもこんにちは」

 

桐原は行儀よく頭を下げる。

その様子もまるで”人形”の様だ。

 

「僕は桐原君じゃないよ、これは彼に似せた”人形”、腹話術みたいなもので会話しているんだよ」

 

「マジかよ!? そっくりってレベルじゃねーぞ!? …あ! よく見たら糸ついてらぁ!」

 

鋼貴が桐原人形を指差す。

よく見ると天井にある足場から糸で操っている。

天井はかなり高い上、このドームの明かりはライトではなく篝火となっているので天井付近は暗く、誰が操っているのか分からない。

 

「僕は……そうだね、”DM(ドール・マスター)”とでも呼んでよ」

 

「DMぁ? …まあいいや、で、お前が俺の相手なのか?」

 

鋼貴が天井を見上げながらそう言う。

 

「そうだよ、決闘場に立つのはこの人形だけどね」

 

人形が左腕を上げると、その腕には決闘盤が装着されていた。

 

「…何で人形で……ホントにこいつで出来んのかよ……カードとかどうやって確認するんだ?」

 

「目にカメラが付いてるから問題ないよ」

 

桐原人形が自分の目を指差す。

 

「…そうかい、じゃ今一番の疑問、何で桐原の人形なんだ?」

 

鋼貴が人形の額を突く。

 

「それはね、僕は主に人材収集と精神操作を担当してるんだけどね―――」

 

「ちょっと待て! 今何て言った?」

 

鋼貴がDMの言葉を遮る。

 

「僕が担当したのは人材収集と精神操作、僕はそういうのが得意なのさ、第2の試練で見ただろ? ああいう感情を眠らせるとかは僕がやったんだよ」 

 

「…そうか、だったら俺はお前を許す訳にはいかねぇ! ぶっ倒してとっ捕まえてやる!」

 

鋼貴は怒りを顕にして握り拳を桐原人形の目の前に突き出す。

 

「おー、やる気だね、まあ僕も負けるつもりはないけどね……あ、桐原君の話だったね。 人材収集も僕が担当、って言ったろ? 桐原君を勧誘したのは僕さ、いい”心の闇”を持ってたからね、それが縁で人形を―――」

 

この瞬間、鋼貴の拳が桐原人形の頭を掠める。

 

「危ないなぁ、当たってたらカメラ壊れちゃうよ」

 

「話は終わりだ! テメェは俺が必ずぶっ倒す! 準備しろ!」

 

そう言って鋼貴は決闘場に立ち、決闘盤を展開する。

 

「まあそう慌てないでよ、説明しなきゃならない事だってあるんだから、よく聞いてね」

 

DMは第3の試練での決闘場の仕組みについて説明する。

 

「ああ解った! テメェを倒すから関係ないけどな!」

 

「解ってくれたならそれでいいよ、じゃ始めようか」

 

DMが操る桐原人形が決闘盤を構える。

 

「(こいつさえいなけりゃ桐原はあんな馬鹿な真似はしなかったんだ! ぜってぇ許さねぇぞ!)」

 

 

「デュエル!!!」

 

「デュエル」

 

 

先攻 鋼貴

 

「俺のターン! ドロー!」

 

鋼貴 手札:5+1

 

「《レッド・ガジェット》を召喚!」

 

鋼貴の場に赤い歯車、レッド・ガジェットが現れる。

 

ATK:1300

 

「レッド・ガジェットの効果発動! 召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから《イエロー・ガジェット》を手札に加える事が出来る!」

 

鋼貴 手札:5+1

 

「さらに魔法カード《二重召喚(デュアルサモン)》を発動! このターンもう一度通常召喚が出来る! 俺は今手札に加えた《イエロー・ガジェット》を召喚!」

 

続けて現れたのは黄色い歯車、イエロー・ガジェット。

 

ATK:1200

 

「イエロー・ガジェットの効果発動! 召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから《グリーン・ガジェット》を手札に加える事が出来る!」

 

鋼貴 手札:4+1

 

「行くぜ!  レベル4の《レッド・ガジェット》と《イエロー・ガジェット》をオーバーレイ! 2体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」

 

レッド・ガジェットとイエロー・ガジェットがオレンジ色の光球に変わり、地面に現れた穴に吸い込まれ、赤い閃光を放つ。

 

「エクシーズ召喚! 来い! 《ギアギガント X》!」

 

穴から赤い閃光が放たれると、ギアギガント Xが全身の歯車を回転させ、現れる。

 

ATK:2300

 

「ギアギガント Xの効果発動! 1ターンに1度、オーバーレイ・ユニットを1つ取り除いて自分のデッキ・墓地からレベル4以下の機械族1体を選んで手札に加える! 俺はデッキから《マシンナーズ・ギアフレーム》を手札に!」

 

取り除いたユニット:レッド・ガジェット

 

鋼貴 手札:5+1

 

「カードを2枚伏せてターンエンド!」

 

LP:8000

手札:4

モンスター

・ギアギガント X

(オーバーレイ・ユニット:イエロー・ガジェット)

魔法・罠

・セット

・セット

 

「僕のターン、ドロー!」

 

DM 手札:5+1

 

「(桐原人形……まさかデッキもドラゴン族とか……だったら戦いやすいんだけどな)」

 

鋼貴はDMの戦術を予想する。

鋼貴と桐原はアカデミアの同級生である。

お互いアカデミア時代からずっと同じタイプのデッキを使ってきた。

鋼貴は桐原のドラゴン族をよく知っている。

攻略する自信はあった。

 

「デッキも桐原君と同じ、そう考えてる?」

 

「!? (やべ! ポーカーフェイスが……)」

 

鋼貴は突然、そして何気なく考えを当てられた為、思わず動揺してしまった。

 

「やっぱりそう思った? …んーまあ半分正解かな」

 

「何!?」

 

鋼貴は自身の予想が当たった事に驚き、そして”半分”という言葉が気になった。

 

「このデッキはね、桐原君自身のデッキに僕が手を加えた物だよ、僕も第2の試練を見てたんだ。 僕はその時纏まったデッキを持ってなかったんだよね、だから桐原君が負けた後に拝借したんだよ」

 

「!? テメェ! 桐原とはいえ人のデッキを!」

 

デッキは決闘者の”魂”、それを盗み、勝手に弄る事は”決闘者の仁義”に反する事である。

 

「いいじゃないか、君は彼と知り合いみたいだし、戦い易いだろ?」

 

「だからって他人のデッキを奪っていい訳ねぇだろ! 大体何でデッキ用意してないんだよ!」

 

鋼貴は怒りながら最もな事を聞く。

 

「前にセキュリティを襲撃したんだけど、その時にメインデッキ落としちゃったんだよね、回収してる時間なかったし、僕は第2の試練の相手の準備とか、自分の仕事が忙しかったから、適当な人のカードで埋め合わせる事にしたんだよ」

 

DMはあっけらかんと答える。

自分のカードに対する”思い”を微塵にも感じられない。

 

「…俺はテメェがデュエルする事だって認めねぇ! 必ずテメェをとっ捕まえてやる!」

 

怒りに震える鋼貴。

鋼貴はDMにデュエルモンスターズ自体を否定されたように感じた。

 

「おお怖い……でもまったく桐原君のデッキと同じだとは思わない方がいいけどね、これとか」

 

DMは手札からカードを1枚取り出す。

 

「フィールド魔法《アンデットワールド》を発動」

 

DMがフィールド魔法を発動すると、辺りが一変する。

その風景はまさに”地獄”。

おどろおどろしい雰囲気は勿論、辺りには人骨が散乱しており、さらには血だろうか、赤い液体の池まである。

 

「な、何だコリャ!? 桐原のデッキにはこんなもん……」

 

「半分違うって言ったろ? 自分の場を見てごらん」

 

「!? ギアギガント!?」

 

何とギアギガント Xが腐食し始めているのである。

しかしギアギガント X自体は平然としており、何事も無さそうな様子をしている。

 

「アンデットワールドの効果、このカードが場に存在する限り、場と墓地に存在する全てのモンスターをアンデット族として扱うよ」

 

「何だと!?」

 

鋼貴のデッキは全てが機械族、それを利用した戦術が多い。

現に伏せているカードの1枚はリミッター解除、機械族の攻撃力を倍にするカードである。

 

「(モンスターだけじゃなく伏せカードまで”腐っ”ちまった……)」

 

「そしてもう一つ、このカードが場に存在する限りアンデット族以外のモンスターのアドバンス召喚をする事は出来ないよ」

 

「何!?」

 

鋼貴の手札

???

パーフェクト機械王

グリーン・ガジェット

マシンナーズ・ギアフレーム

 

「(手札の上級モンスターまで…!)」

 

「それじゃあ続けよう、僕はモンスターをセット、そして永続魔法《フィールドバリア》を発動、このカードが場にある限り、フィールド魔法を発動出来ないし破壊も出来ないよ、ターンエンド」

 

LP:8000

手札:3

モンスター

・セット

魔法・罠

・フィールドバリア

フィールド

・アンデットワールド

 

「(くそ! アンデットワールドの破壊は諦めた方がよさそうだな……) 俺のターン! ドロー!」

 

鋼貴 手札:4+1

 

「俺はギアギガント Xの効果発動! デッキは影響を受けてねぇ! デッキから《マシンナーズ・スナイパー》を手札に!」

 

鋼貴 手札:5+1

 

「《マシンナーズ・ギアフレーム》を召喚!」

 

鋼貴の場にマシンナーズ・ギアフレームが現れる。

場に現れたギアフレームはすぐに腐食が始まり、ボロボロになってしまう。

 

ATK:1800

 

「ギアフレームの効果発動! 召喚に成功した時、自分のデッキから《マシンナーズ・ギアフレーム》以外の《マシンナーズ》と名のついたモンスター1体を手札に加える事が出来る! 俺は《マシンナーズ・フォートレス》を手札に!」

 

鋼貴 手札:5+1

 

「そして手札から《マシンナーズ・フォートレス》の効果発動! 合計レベル8になるように機械族を捨てて手札、または墓地から特殊召喚する! レベル8の《パーフェクト機械王》を捨てて、手札から《マシンナーズ・フォートレス》を特殊召喚!」

 

鋼貴の場に鋼貴のエースモンスター、マシンナーズ・フォートレスが現れる。

その青いボディは腐食し、無残な姿へと変わる。

 

ATK:2500

 

「ちくしょう……俺のマシン達が……許さねぇぞ! バトル! ギアギガント Xでセットモンスターを攻撃! 《ギガント・ナックル》!」

 

セットモンスター:ピラミッド・タートル DEF:1400

 

ギアギガント Xはボロボロの体を無理やり動かし、セットモンスター、ピラミッド・タートルを破壊する。

 

「ピラミッド・タートルの効果を発動、戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、自分のデッキから守備力2000以下のアンデット族1体を自分の場に特殊召喚する事が出来る、同じ《ピラミッド・タートル》を特殊召喚するよ」

 

DMの場に名前の通りピラミッドを背負った亀が現れる。

 

DEF:1400

 

「くそ! リクルーターか! ならギアフレームで攻撃! 《マシンナーズ・ショット》!」

 

ギアフレームが何とか右腕を構え、レーザーを撃つと、ピラミッド・タートルを撃ち抜く。

 

「ピラミッド・タートルの効果発動、もう一回《ピラミッド・タートル》を特殊召喚するよ」

 

DEF:1400

 

「俺はこれでバトルを終了だ!」

 

鋼貴はマシンナーズ・フォートレスが攻撃出来るのにも関わらず、攻撃をしなかった。

最後の攻撃モンスターであるマシンナーズ・フォートレスが攻撃した後、ピラミッド・タートルの効果でキーカードを呼ばれると対処が出来ないからである。

 

「(次で攻め落とす!) カードを伏せてターンエンド!」

 

LP:8000

手札:3

モンスター

・ギアギガント X

・マシンナーズ・ギアフレーム

・マシンナーズ・フォートレス

魔法・罠

・セット(リミッター解除)

・セット

・セット

 

「僕のターン、ドロー!」

 

DM 手札:3+1

 

「今度はこっちの番だよ、このカードはアンデット族1体をリリースしてアドバンス召喚出来る、ピラミッド・タートルをリリースして《真紅眼の不死竜(レッドアイズ・アンデットドラゴン)》をアドバンス召喚」

 

ピラミッド・タートルが消滅すると、その場に真紅眼の闇竜が現れる―――が、その片目は潰れており、邪悪ながらも、黒く美しかった体がボロボロになってしまっている。

 

ATK:2400

 

鋼貴はその姿を見て驚愕する。

 

「こいつは!? 桐原が使っていた”大いなる力”の……!? しかもあの姿はこのフィールド魔法のせいじゃねぇ!? 一体どうなってんだ!?」

 

「実はね、2枚目の方は消えちゃってたんだけど、1枚目の方は残っててね、僕がデッキに手を加えたらこんな風に変化したんだ、一体どうなってるんだろうね?」

 

桐原人形が首を傾げる。

 

「それじゃあバトル、真紅眼の不死竜でギアギガント Xを攻撃、《黒炎葬弾》!」

 

真紅眼の不死竜がギアギガント Xに火球を放つと、ギアギガント Xはバラバラに吹き飛ぶ。

 

「うおぉ! …くそ!  ギアギガントが…(今”闇のデュエル”のダメージが……奴のせいか)」

 

鋼貴 LP:8000→7900

 

「ここで真紅眼の不死竜の効果発動、戦闘によってアンデット族を破壊し墓地へ送った時、そのモンスターを自分の場に特殊召喚する事が出来る、《ギアギガント X》を僕の場に特殊召喚」

 

「何だと!?」

 

真紅眼の不死竜の体から青い炎が噴出し、人型に形を作ると、バラバラになったはずのギアギガント Xの残骸が青い炎に引き寄せられ、鎧の様に人型の青い炎にくっつくと、見事ギアギガント Xの様になる。

 

ATK:2300

 

「ギアギガント Xでマシンナーズ・ギアフレームに攻撃」

 

ギアギガント Xを纏っている青い炎がギアフレームを粉砕する。

 

「うおぉ! マジかよ…!」

 

鋼貴 LP:7900→7400

 

「僕はカードを伏せてターンエンド」

 

LP:8000

手札:2

モンスター

・真紅眼の不死竜

・ギアギガント X

魔法・罠

・フィールドバリア

・セット

フィールド

・アンデットワールド

 

「俺のターン! ドロー!」

 

鋼貴 手札:3+1

 

「俺は《グリーン・ガジェット》を召喚!」

 

鋼貴の場に緑の歯車、グリーン・ガジェットが現れるが、アンデットワールドにより腐食が始まってしまう。

 

ATK:1400

 

「グリーン・ガジェットの効果発動! 召喚・特殊召喚に成功した時、デッキから《レッド・ガジェット》を手札に加える事が出来る!」

 

鋼貴 手札:3+1

 

「ここで永続罠《血の代償》を発動! 自分のメインフェイズ時及び相手のバトルフェイズのみ発動出来る! 500LPを払う毎に、俺は何度でもモンスターを通常召喚出来る! 俺はLPを500払い《レッド・ガジェット》を召喚!」

 

鋼貴 LP:7400→6900

 

鋼貴の場にレッド・ガジェットが現れ、腐食する。

 

ATK:1300

 

「そしてレッド・ガジェットの効果発動! 《イエロー・ガジェット》を手札に!」

 

鋼貴 手札:3+1

 

以降、鋼貴はこれを2回繰り返す。

 

鋼貴 LP:6900→6400→5900

 

鋼貴の場

マシンナーズ・フォートレス

グリーン・ガジェット

レッド・ガジェット

イエロー・ガジェット

グリーン・ガジェット

 

鋼貴 手札:3+1(レッド・ガジェット)

 

「行くぞ! レベル4の《グリーン・ガジェット》、《レッド・ガジェット》、《イエロー・ガジェット》をオーバーレイ! 3体のモンスターでオーバーレイ・ネットワークを構築!」

 

レッド・ガジェット 、イエロー・ガジェット、グリーン・ガジェットの3体がオレンジ色の光に変わり、地面に現れた穴に吸い込まれる。

 

その穴から金色の閃光が放たれ、一体のモンスター・エクシーズが現れる。

 

「エクシーズ召喚! 無慈悲な法の番人! 《No.16 色の支配者ショック・ルーラー》!!」

 

現れたのは鋼貴の2体のナンバーズの内1体、色の支配者ショック・ルーラーである。

アンデットワールドの影響で体の至る所が腐敗してきている。

 

ATK:2300

 

鋼貴はこの後さらに血の代償をさらに2回発動し、ガジェットを召喚する。

 

鋼貴 LP:5900→5400→4900

 

鋼貴の場

マシンナーズ・フォートレス ATK:2500

グリーン・ガジェット ATK:1400

No.16 色の支配者ショック・ルーラー ATK:2300

レッド・ガジェット ATK:1300

イエロー・ガジェット ATK:1200

 

鋼貴 手札:3+1(グリーン・ガジェット)

 

「ショック・ルーラー効果発動! 1ターンに1度、このカードのオーバーレイ・ユニットを1つ取り除き、 カードの種類を宣言する! 次の相手ターン終了時まで、宣言した種類のカードをお互いに発動できない! 俺は”罠”を宣言!」

 

取り除いたカード:イエロー・ガジェット

 

鋼貴が宣言すると、ショック・ルーラーが辺りを漂っていたユニットを一つ取り込むと体色が赤くなる。

 

「バトル! マシンナーズ・フォートレスで真紅眼の不死竜を攻撃! 《マシンナーズ・キャノン》!」

 

マシンナーズ・フォートレスがボロボロな砲身を真紅眼の不死竜へ向け、砲撃すると真紅眼の不死竜を吹き飛ばす。

 

「むう…(罠さえ使えたらな……)」

 

DM LP:8000→7900

 

どうやらDMは罠でマシンナーズ・フォートレスを返り討ちにしようと考えていた様だ。

鋼貴は攻めるチャンスだと考え、攻撃を仕掛ける。

 

「ショック・ルーラーでギアギガント Xを攻撃! 《ジャッジメント・アタック》!」

 

ショック・ルーラーが浮かび上がると、そのままギアギガント Xに体当たりし、ぶつかった瞬間、両者とも体が崩れ落ち、消滅する。

 

「くらえ! ガジェット達で一斉攻撃!」

 

鋼貴の場のガジェット達が緑、赤、黄の順にDMに跳び掛かる。

 

「これは痛いね」

 

DM LP:7900→6500→5200→4000

 

「ターンエンド!」

 

LP:4900

手札:4

モンスター

・マシンナーズ・フォートレス

・グリーン・ガジェット

・レッド・ガジェット

・イエロー・ガジェット

魔法・罠

・セット(リミッター解除)

・セット

・血の代償

 

「僕のターン、ドロー!」

 

DM 手札:2+1

 

「僕は永続魔法《デーモンの宣告》を発動」

 

「グレイグも使ってたカードじゃねぇか、運頼みでもする気か?」

 

「そうだねぇ、してみようか。 デーモンの宣告、効果発動、1ターンに1度だけ、500LPを払い カード名を宣言、自分のデッキの一番上のカードを捲り、 宣言したカードだった場合手札に加えるよ。 そうだねぇ……《アレキサンドライドラゴン》」

 

DM LP:4000→3500

 

捲ったカード

アレキサンドライドラゴン

 

「げっ!?」

 

「おお、当たったね、流石3積み、手札に加えるよ」

 

DM 手札:2+1

 

「そして召喚」

 

DMの場にアレキサンドライドラゴンが現れる。

輝いていた宝石は曇り、肉が腐り始める。

 

ATK:2000

 

「僕は魔法カード《二重召喚(デュアルサモン)》を発動、君も使ってたから解るよね? チューナーモンスター《ゾンビキャリア》を召喚」

 

DMの場に、以前空がデュエルした強盗の兄貴分も使用していたアンデット族チューナーが現れる。

 

ATK:400

 

「レベル4《アレキサンドライドラゴン》に、レベル2《ゾンビキャリア》をチューニング」

 

ゾンビキャリアが自身を2つの光輪へと変えると、アレキサンドライドラゴンを囲み、4つの光に変わった途端、それらが黒くなり、漆黒の柱へと変わる。

 

「地獄の帝王よ、朽ち果てたその身を現世に現し、生きとし生けるものに死を与えよ。 シンクロ召喚、死皇帝竜《デスカイザー・ドラゴン》!」

 

漆黒の柱から現れたのは黒い竜。

先程の真紅眼の不死竜の様に、体は腐敗によりボロボロである。

しかし、その姿を見た鋼貴は間近に”死”を感じ、身震いする。

 

ATK:2400

 

「こ、こいつは”闇のカード”!?」

 

「その通り、デスカイザー・ドラゴンの効果発動、特殊召喚に成功した時、相手の墓地のアンデット族1体を選択し、自分の場に攻撃表示で特殊召喚出来るよ。 君の墓地のアンデット族となっている《パーフェクト機械王》を僕の場に特殊召喚」

 

DMの場に腐食してボロボロなパーフェクト機械王が現れる。

もはや”パーフェクト”の欠片も見えない。

 

ATK:2700

 

「また俺のモンスター盗りやがって!」

 

「僕は”人形使い”だからね、操るのは得意だよ。 バトル、 パーフェクト機械王でマシンナーズ・フォートレスを攻撃」

 

パーフェクト機械王はもはやミサイルを発射する事も出来ず、マシンナーズ・フォートレスに向かって体当たり、そして倒れて押しつぶす。

マシンナーズ・フォートレスは潰される前に爆弾を一つ転がす。

 

「うおっ! …マシンナーズ・フォートレス効果発動! 戦闘によって破壊され墓地へ送られた時、 相手の場に存在するカード1枚を選択して破壊する! 《デスカイザー・ドラゴン》を破壊! 《アサルト・ボム》!」

 

鋼貴 LP:4900→4700

 

「あ」

 

DMが間の抜けた声を出す。

マシンナーズ・フォートレスが転がした爆弾が デスカイザー・ドラゴンの側で爆発し、吹き飛ばす。

 

「第2の試練で使ってなかったから、そんな効果あるなんて知らなかったよ。 デスカイザー・ドラゴンの効果発動、このカードが場から離れた時、デスカイザー・ドラゴンの効果で特殊召喚したモンスターを破壊されるよ」

 

デスカイザー・ドラゴンが吹き飛ぶと、パーフェクト機械王の腐食が一気に進み、跡形も無くなってしまう。

 

「! よし! 追撃を防ごうとデスカイザー・ドラゴンを破壊して正解だったぜ! タナボタだぁ!」

 

鋼貴がガッツポーズをとる。

相手のモンスターが全滅したのだ、鋼貴にとってはこの上ないチャンスであった。

 

「…手札も無いし、ターンエンドかな」

 

LP:3500

手札:0

モンスター

・無し

魔法・罠

・フィールドバリア

・セット

・デーモンの宣告

フィールド

・アンデットワールド

 

「俺のターン! ドロー!」

 

鋼貴 手札:4+1

 

「お前のLPは3500! 俺のガジェット達の攻撃で終わりだ! バトル! グリーン・ガジェットで攻撃だ!」

 

グリーン・ガジェットがDMに跳び掛かる。

鋼貴は勝利を確信したその瞬間―――

 

「罠カード《聖なるバリア-ミラーフォース-》を発動、相手の場に攻撃表示で存在するモンスターを全て破壊するよ」

 

「ミ、ミラーフォースだと!?」

 

グリーン・ガジェットがDMにぶつかる瞬間、光の壁が現れ、グリーン・ガジェットを弾くとその衝撃を拡散、鋼貴のガジェットを全て破壊する。

 

「君がさっきナンバーズで封じてくれたせいで使えなかった罠がここで生きるとはね」

 

「(忘れてたぜ……くそ!) 俺は手札から《マシンナーズ・スナイパー》と《グリーン・ガジェット》、機械族を合計レベル8になるように捨てて《マシンナーズ・フォートレス》を墓地から特殊召喚!」

 

鋼貴の場に再びマシンナーズ・フォートレスが現れる。

場に出た瞬間、やはり腐食してしまう。

 

ATK:2500

 

「モンスターをセット、ターンエンド!」

 

LP:4700

手札:2

モンスター

・マシンナーズ・フォートレス

・セット

魔法・罠

・セット(リミッター解除)

・セット

・血の代償

 

「僕のターン、ドロー!」

 

DM 手札:0+1

 

「おや、いいカードを引いた。 魔法カード《貪欲な壺》を発動、墓地からモンスターを5体デッキに戻してシャッフル、その後2枚ドロー」

 

デッキに戻したカード

ピラミッド・タートル

ピラミッド・タートル

真紅眼の不死竜

アレキサンドライドラゴン

デスカイザー・ドラゴン

 

DM 手札:0+2

 

「魔法カード《おろかな埋葬》を発動、デッキから、《地縛神 Uru(ウル)》を墓地へ、そして魔法カード《死者蘇生》を発動、墓地から、《地縛神 Uru(ウル)》を特殊召喚するよ」

 

DMがそう宣言すると、決闘場に地響きが起こる。

 

「な、何だこの揺れ!?」

 

鋼貴が驚いていると、DMの後方の地面から黒い体に赤いラインの模様が入った巨大な蜘蛛が現れる。

 

ATK:3000

 

「な、何だこいつ!? 闇のカードよりとんでもねぇ”力”だ!?」

 

「これは《地縛神》といってね、まあ”凄い闇のカード”だよ、難しい事は解らないけどね。 バトル……あ、地縛神はモンスターがいても直接攻撃が出来るよ、Uruで直接攻撃、《ヘル・スレッド》!」

 

Uruが鋼貴に向かって大量の蜘蛛の糸を吐き出す。

 

「はぁ!? その攻撃力でそんな効果は無ぇだろうが! 手札から《速攻のかかし》を捨てて効果発動! 相手の直接攻撃を無効にしてバトルフェイズを強制終了だ!」

 

鋼貴の目の前に速攻のかかしが現れると、Uruの糸から鋼貴を守る。

 

「あらら、防がれちゃった、ターンエンド」

 

LP:3500

手札:0

モンスター

・地縛神 Uru

魔法・罠

・フィールドバリア

・デーモンの宣告

フィールド

・アンデットワールド

 

「(えらい奴が出て来やがった) 俺のターン! ドロー!」

 

鋼貴 手札:1+1

 

「(よし!) これで終わりにしてやる! 俺は魔法カード《ミニマム・ガッツ》を発動! 自分のモンスター1体をリリースし、相手の表側表示で存在するモンスター1体を選択! 選択したモンスターの攻撃力はエンドフェイズ時まで0になる! 俺はセットモンスター《マシンナーズ・ピースキーパー》をリリースし、《地縛神 Uru》を選択! 攻撃力を0に!」

 

鋼貴のセットモンスターが消滅すると、Uruが脱力した様に胴体を地面につける。

 

ATK:3000→0

 

「行くぜ! バトル! マシンナーズ・フォートレスで攻撃!」

 

鋼貴がそう宣言するが、《地縛神》の能力によりマシンナーズ・フォートレスはUruを攻撃出来ない。

 

「!? おい! 何で攻撃しないんだよ!?」

 

「《地縛神》は攻撃対象に出来ないんだよ、どういう原理でだったっけなぁ……」

 

「マジかよ!? くそ! インチキってレベルじゃねぇぞ! 俺はターンエンド!」

 

鋼貴がターンを終了させると同時にUruが立ち上がる。

 

ATK:0→3000

 

LP:4700

手札:1

モンスター

・マシンナーズ・フォートレス

魔法・罠

・セット(リミッター解除)

・セット

・血の代償

 

「僕のターン、ドロー!」

 

DM 手札:0+1

 

「それじゃあ今度は僕の番、これで終わりにしよう。 手札を1枚デッキトップに戻して墓地から《ゾンビキャリア》を特殊召喚」

 

DMの場に再びゾンビキャリアが現れる。

 

ATK:400

 

「ここで地縛神 Uruの効果発動、1ターンに1度、このカード以外の自分の場のモンスター1体をリリースする事で相手の場に表側表示で存在するモンスター1体を選択し、エンドフェイズ時までコントロールを得る。 《ゾンビキャリア》をリリースして《マシンナーズ・フォートレス》のコントロールを得るよ」

 

Uruがゾンビキャリアを吸収し、糸をマシンナーズ・フォートレスに吐き出すと、糸で絡め取り、DMの場に引きずり込む。

 

「フォートレス!?」

 

「さあバトル、地縛神 Uruで直接攻撃、《ヘル・スレッド》!」

 

Uruが再び鋼貴に向かって大量の糸を吐き出す。

 

「うおぉぉぉ!!! …くっ! 抑えられてんのかよこれ……」

 

鋼貴 LP:4700→1700

 

鋼貴は《地縛神》の攻撃を、何とか立ったままで受けきった。

このデュエルはDM本人ではなく、桐原人形が行っているのでサイコ・デュエルは発生せず、”闇のカード”以外のダメージは通らない。

その為《地縛神》によるダメージは他と比べれば低くなるので、鋼貴へのダメージも少ない。

 

「さあこれで最後、 マシンナーズ・フォートレスで攻撃」

 

Uruが糸でマシンナーズ・フォートレスを操り、鋼貴に向けて砲撃させる。

 

「永続罠《女神の加護》を発動! 俺は3000LP回復する!」

 

鋼貴 LP:1700→4700

 

鋼貴にマシンナーズ・フォートレスの砲撃が直撃する。

 

「うわぁ!」

 

鋼貴 LP:4700→2200

 

「ああ、凌がれちゃった。 まあ次でいいか、念の為デーモンの宣告の効果発動、宣言するカードは《精神操作》、自分で置いたカードだから分かるよ」

 

DM LP:3500→3000

 

「ターンエンド」

 

DMのターンエンドによってマシンナーズ・フォートレスは糸から解放され、鋼貴の場に戻る。

 

LP:3000

手札:1

モンスター

・地縛神 Uru

魔法・罠

・フィールドバリア

・デーモンの宣告

フィールド

・アンデットワールド

 

「(俺はぜってぇ負けねぇ! 決闘者の魂を汚すような野郎に……負けてたまるかよ!) 俺のターン! ドロー!」

 

鋼貴 手札:1+1

 

「俺は魔法カード《貪欲な壺》を発動! 墓地のモンスター5体戻して2枚ドロー!」

 

デッキに戻したカード

グリーン・ガジェット

レッド・ガジェット

イエロー・ガジェット

グリーン・ガジェット

レッド・ガジェット

 

鋼貴 手札:1+2

 

「DM、一つ言ってやる! お前は俺に勝てない! 相手が俺じゃなくても、誰が相手でもお前は勝てねぇよ!」

 

「どうしてだい? 今こんなに差がついてるのに」

 

DMが操る桐原人形がおどけたポーズをとる。

 

「何故ならお前には決闘者としての”魂”が無ぇからだ! 使ってるデッキの半分が他人から奪った物なら尚更だ! いいか、決闘者は決闘者の”魂”があるから学んで強くなる! その証拠を見せてやるぜ! 《キャノン・ソルジャー》を召喚!」

 

鋼貴の場にキャノンを背負った紫のロボットが現れ、アンデットワールドの影響で腐食し始める。

 

ATK:1400

 

「さらに血の代償の効果を発動! 500LP払い、《グリーン・ガジェット》を召喚! そして効果で《レッド・ガジェット》を手札に!」

 

鋼貴 LP:2200→1700

 

「俺は第2の試練で学んだ! 俺の”力押し”だけでは止められると!」

 

鋼貴の第2の試練の相手、罠と闇のカード、”ブラッド・メフィスト”によるロックバーン戦術、この時鋼貴はナンバーズによって助けられたが、ナンバーズでも切り抜けられないような状況があるかもしれない、鋼貴はそう考え、この《キャノン・ソルジャー》をメインデッキに投入した。

 

「行くぜ! キャノン・ソルジャーの効果発動! 自分の場のモンスターを1体リリースする毎に500ポイントのダメージを相手に与える! 《マシンナーズ・フォートレス》と《グリーン・ガジェット》を射出!」

 

キャノン・ソルジャー以外の2体がエネルギー体に変わるとキャノン・ソルジャーのキャノンに吸い込まれ、DMに向かって射出される。

 

「これは……」

 

DM LP:3000→2500→2000

 

「血の代償の効果発動!」

 

これにより鋼貴は場にガジェットを3体通常召喚する。

 

鋼貴 LP:1700→1200→700→200

 

鋼貴の場

キャノン・ソルジャー

レッド・ガジェット

イエロー・ガジェット

グリーン・ガジェット

 

鋼貴 手札:1+1(レッド・ガジェット)

 

「デッキってもんはな、デュエルを重ねて、学んで、それを活かして少しずつ強化していくもんだ! 俺のデッキもそうやって強くしてきた! 俺だけじゃねぇ! ”決闘者”は皆やってる事なんだよ! デッキは決闘者の”魂”だ! それを軽んじて、平気で奪うお前はどうやったって俺達には勝てねぇよ! 止めだ! キャノン・ソルジャー! 全弾発射!」

 

鋼貴が自分の場のモンスター全てをリリースする。

キャノン・ソルジャーがエネルギー体となった3色ガジェットを全て射出した後、自身のエネルギーを全てキャノンから射出する。

 

「あらら、負けちゃった」

 

DM LP:2000→1500→1000→500→0

 

ソリッドビジョンが消え、デュエル終了のアラームが鳴った。

決闘場の桐原人形はダメージによって吹き飛び、バラバラになる。

 

「うげぇ……リアルな出来だっただけに……と、おいコラ! 下りてきやがれ!」

 

鋼貴がDMが桐原人形を操っていた位置に移動し、見上げながら怒鳴る。

 

「え~? 何でさ、カードはあげるけど降りて来いは無理だなぁ。 あ、鍵は”デスカイザー・ドラゴン”だよ、勝手に取っていってね」

 

DMがそう言うと、鋼貴は桐原人形の腕に装着されていた決闘盤の墓地からカードを取り出す。

 

「”デスカイザー・ドラゴン”……おいこれアンデット族じゃねーか! ”鍵”はドラゴン族だろ!」

 

「名前にドラゴンってついてるからいいんだよ、実際それで登録したんだから、ちゃんと開くよ」

 

「まあ開くならいいけどよ……って、話を逸らすな! 下りて来い! 逃げられねぇぞ!」

 

鋼貴が再び怒鳴ると、DMの溜息が上から聞こえてくる。

 

「やれやれ、何をそんなに怒ってるんだい? 君の言う事はよく解らないし、もう僕は行くよ。 負けちゃったからここ(アルカディア・ムーブメント)にはいられないし、さあて、何処に行こうかなぁ―――」

 

DMの声が遠ざかっていく、天井にある足場を移動しているようだ。

 

「こら待ちやがれ! くそ! 何処移動してんだ!?」

 

決闘場からは天井は高くて暗く、まったく様子が見えない。

 

 

「畜生……悔しいが、今は奴を追ってる場合じゃねぇ……」

 

鋼貴は歯を食いしばりながら追うのを諦める。

 

「……さて、あ! そういや皆はどうしてんだ? 全然確認してなかったぜ!」

 

鋼貴はPDAを取り出して確認し―――驚愕する。

 

「……燃次、冷次……兄貴!!!」

 

鋼貴は勢いよくドーム出入口へと駆け出した。

 

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