ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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最初に言っておきます。

今回の話を読んでる最中にあるものを想像しても、私は一切責任を持ちません!(笑)


第十話

 シスターが治療した子供と母親を見付けた俺は、さり気なく声を掛けて二人が振り向いた瞬間、即座に記憶操作の暗示を使った。シスターの存在と神器(セイクリッド・ギア)を使った治癒の力を忘れさせる為に。そして暗示を掛けられた二人は何事も無かったかのように帰ったのを確認した。

 

 本来、神器(セイクリッド・ギア)の力は裏事情を全く知らない一般人には知られてはいけない物。当然神器(セイクリッド・ギア)の事を理解してる者達も、俺みたく目撃した一般人の記憶を消去させる。これは裏事情に精通してる者ならではの共通な暗黙の掟と言って良いだろう。

 

 だが今回、あのシスターはよりにもよって神器(セイクリッド・ギア)の事を知らない一般人に力を見せて治癒したどころか、記憶の消去も一切やらなかった。それ故、俺が動いたって訳だ。もしあの力を他の一般人に知られでもしたら、色々と大変な事になるからな。

 

 助けたい気持ちは分からんでも無いが、せめて記憶操作だけでもして欲しかったよ。まぁあの子は見た感じ、神器(セイクリッド・ギア)以外の力が無かったから仕方ないかもしれない。

 

 記憶操作の(すべ)を持たせてないと言う事は、恐らく彼女は象徴的な存在として扱われていたんだろうな。『聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)』なんて言う希少な神器(セイクリッド・ギア)を教会側が利用しない訳が無い。

 

 しかし解せないな。あのシスターが象徴的な存在なら、何故あの子はこの駒王町にいるんだろうか。普通に考えれば、教会は希少な存在を手厚く保護してそう簡単に手放さない筈なんだが……。

 

 あ、そう言えばローズ店長の情報だと、確かあの子は堕天使側に所属してるって言ってたな。何故教会にいる筈のシスターが堕天使側にいるのかは………大体想像付くが、今度彼女に会う機会があれば確認の為に聞いてみるとしよう。

 

「っと、おお此処だ此処だ」

 

 目的の店――オカマバーに着いた俺は「CLOSE」の札が掛けられてるドアを開けて中に入る。

 

「あらごめんなさぁい、生憎だけど今はまだ営業時間外……ってリューセーちゃんじゃない」

 

「おはようございます」

 

 中には店の準備をしてると思われる巨漢のオカマ――ローズ店長が俺を見て意外そうな顔をしながらコッチに来た。

 

 因みにこの人の今の格好は、この前のようなメイド服じゃなく上はTシャツ、下はズボンと言う普通の格好だ。本人曰く、「勝負服は仕事と出かけ用に着る」だそうだ。

 

「どうしたのぉ? こんな朝早くに来ちゃって。貴方、学校はどうしたの? もう登校時間過ぎてるわよ」

 

「ちょっと訳ありで此処に来たんですよ。勿論遅刻は承知の上で」

 

「珍しいわね。いつもは放課後に来てる貴方がそうまでして来るなんて……それで、何を訊きたいのかしら?」

 

 察してくれたローズ店長は、俺の行動を咎めず本題に入ろうとする。 

 

 この人は俺が訳ありの場合だと、ちゃんと話を聞いてくれるからな。

 

「先日貴方が迎えた堕天使のドーナシークに用がありまして。ローズ店長が仰ってたシスターの件で」

 

「っ! もしかしてリューセーちゃん、見つけたの?」

 

「ええ。今朝偶然会いまして、今は弟のイッセーが教会へ案内してますよ。俺は俺で確認したい事がありまして」

 

「分かったわ、ちょっと待ってて。新人のドーナシークちゃ~ん、ちょっと良いかしら~!?」

 

 ローズ店長が視線を奥へ向け、少し大きめな声を出して呼ぶと――

 

「はぁ~い、お呼びですか~? ローズお姉さま~♪」

 

「…………………」

 

 奥からピチピチのミニスカメイド服を来た気味の悪い堕天使――ドーナシークが現れた。

 

 スーツを着てダンディーな顔をしていた男が、メイド服を着てると同時に気持ち悪い化粧をしてる為、とても先日の堕天使だとは思えない惨めな姿だった。

 

 その姿を見た思わず笑いそうになってしまったのは、俺だけの秘密だ。

 

 後でイッセーにこの堕天使の今の姿を写メで送ってやろう。一応イッセーはコイツに襲われたからな。末路ぐらいは教えてやらないと。

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 昼休み。

 

 俺は携帯を使ってイッセーを屋上に呼び出していた。

 

「おい兄貴! なんつーもん見せやがんだ! 『堕天使の末路』なんて訳の分からんタイトルで写メ送りやがって! 危うく吐きかけたぞ!」

 

「一応お前を襲ってきた堕天使だから、末路を教えてやろうかと」

 

「んな情報いらねぇよ! 知りたくなかったわ! つーか偶々俺と一緒に見た松田や元浜なんか、あのオッサン堕天使の余りのキモさに速攻でトイレ行ってマジでゲロ吐いてたぞ」

 

「おやおや、あの二人には刺激が強過ぎたか」

 

「強過ぎとかのレベルじゃねぇよ、アレは。俺はローズさんのお蔭で多少耐性があったから良いが、松田と元浜にそんなモン一切無ぇから吐くのは当然だろうが。ってかアイツ等、ゲロ吐きまくった後はゲッソリして完全無気力状態になってんだからな」

 

「あらら、そりゃ悪い事をしちまったな。アイツ等には後日何かお詫びの品でも送っとくか」

 

「是非ともそうしてくれ。ってか俺にも何かお詫びしてくれよ。こう見えて俺も相当な精神的ダメージ食らってんだからさ」

 

「それじゃあ……今朝お前が教会に案内したシスターのアーシア・アルジェントを見つけたら、我が家に保護して一緒に暮らせるよう父さんと母さんを説得するよ」

 

「アーシアを!? マジで!? うひょ~~!! あの子が家に………ん? おいちょっと待て、何で兄貴がシスターの名前知ってるんだ? 俺、教会に着いた後に教えてもらったんだが。あとなんで彼女を家に保護すんだ?」

 

「それは後で教えるよ。んで、その子を保護した後は、お前が行った教会へ挨拶しに行くぞ。そこにお前を襲った女堕天使がいるからな」

 

「あの教会に夕麻ちゃんが!?」

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 放課後。

 

 帰りのHR(ホームルーム)を終えた俺は速攻で帰ろうとしていた。

 

「さてと、アイツが来る前に退散退散っと」

 

 理由は当然、グレモリーの使いに接触されない為だ。別に会っても問題無いが、アーシア・アルジェントの件があるので今は勘弁したい。故に俺は早く帰ろうとしている。

 

 昼休みでイッセーにも早く帰るように言っといてあるから、俺と同じくすぐ帰ろうとしている筈だ。

 

「よし、これで」

 

 帰る準備を終え、鞄を持ち教室から出る為にドアノブに触れようとする瞬間――

 

 

 ガチャッ

 

 

「ごきげんよう、兵藤君。まだ教室にいてくれて良かったわ」

 

「あらあら、うふふ。何かお急ぎでしたか?」

 

「…………………」

 

 教室の扉が勝手に開き、更にはリアス・グレモリーと姫島朱乃が逃がさないと言わんばかりに立ち塞がっていた。

 

 おい、お前ら一体いつからそこにいた? 帰りのHR(ホームルーム)終わったばかりだってのに、何でもう此処にいるんだよ。

 

 余りの行動の早さに少し呆れてる俺の背後で、教室にいるクラスメイト達が一斉に騒ぎ立てていたが、グレモリーと姫島は大して気にして無い様子。

 

 更には――

 

「兵藤君、ちょっと貴方とお話があるから、私たちと一緒に部室へ来て貰えるかしら?」

 

「大事なお話があるんですの、うふふ」

 

 二人が(クラスメイト達にとって)とんでもない発言をした事により――

 

『な、何ぃぃぃぃぃぃいいいいいいいいい~~~~~~~~!!!!????』

 

『ええぇぇぇぇぇ~~~~!!!???』

 

 背後にいるクラスメイト全員が絶叫した。お前ら五月蝿いっての。

 

「どどど、どう言うことだ!? な、何故また兵藤が!?」

 

「こ、今度はリアス様だけでなく、朱乃お姉様まで!?」

 

「何故だ~~~!!?? 何故兵藤が~~!!??」

 

 グレモリーと姫島が俺を指名した事により何故か絶望してるクラスメイト男子達。

 

「な、何でリアス様たちが兵藤君と!?」

 

「男子に一切興味の無いお二人が何故!?」

 

「きぃぃぃぃ~~~!! 兵藤君のくせに生意気よ~~~!!」

 

 あとグレモリーと姫島が俺を指名した事により何故か嫉妬してるクラスメイト女子達。

 

 阿鼻叫喚とも言える教室の光景に、グレモリーと姫島は呆れたように溜息を吐いている。

 

「……どうして私が兵藤君に話しかけただけで、ここまで騒ぎ立てるのかしら?」

 

「さぁ? 兵藤君のクラスの方々は大変元気ですわね」

 

 アンタら他人事のように言わないでくれ。

 

 ってか少しは自覚して欲しい。アンタ等は駒王学園のトップアイドルなんだから、後ろの連中が騒ぎ立てるのは無理ねぇんだっつーの。

 

 まぁそれはそうと、この二人が俺を指名する理由はもう分かっている。昨夜の廃屋の件を問い質す為、帰ろうとする俺を逃がさないよう教室前の廊下で待ち伏せしてたんだろう。

 

「え、えっとぉ、お二人からのお誘いは大変嬉しいんだけど、俺今ちょっと急いでて……」

 

 急いでいるのは本当だ。あのシスターを見つけて保護する為に。

 

「大丈夫よ。そんなに時間は取らせないから」

 

「ええ、すぐに済みますから。うふふ」

 

 だが二人はさせないと言わんばかりに、揃ってそれぞれ片手で俺の肩に手を置く。

 

 グレモリーと姫島が俺に触れてきた事に、またもや騒ぎ立てるクラスメイト達だが無視だ。

 

 どうやらそう簡単に俺を逃がしてくれる気は無さそうだな。今すぐに振り払って逃げたいところだが、例えそうやっても後日また同じ事をしてくるのが目に見えてる。

 

 更には後ろにいるクラスメイト達が喧しいから、明日もこんな状態になったら暫く居た堪れない日々を送る事になってしまう。

 

 イッセーには悪いが、アイツ一人でシスターの捜索と保護を頼むしか――

 

「ああ、あと貴方の弟君も部室に来るよう使いを寄越してあるわよ」

 

「貴方たちご兄弟には色々とお聞きしたい事がありますので」

 

 ――くそっ。やっぱりイッセーの方にも先手を打ってたか。

 

 どうやらこれは諦めて行った方が良さそうだな。

 

 あ、そう言えばイッセーに寄越した使いって誰なんだ? 消去法に考えて、木場か塔城だと思うんだが……出来れば塔城が使いでありますように。アイツはイケメンの木場を嫌ってるからな。

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

~リューセーがリアスと朱乃に捕まってる頃~

 

 

「や。ちょっと良いかな?」

 

 帰ろうとする俺に訪ねてくる男子を見た。

 

 いま俺の目の前にいるのは、この学校一のイケメン王子、木場祐斗だった。

 

 何でよりにもよって、こんなイケメンに声を掛けられなきゃいけねぇんだよ。

 

 このイケメン王子の登場で、教室には黄色い歓声が沸いてる。すっげぇうぜぇ。

 

「で、何のご用ですかね。俺これから用事あるんですけど」

 

 暗に分かったならさっさと帰れと伝える俺だが、木場は変わらずスマイルで続けてくる。

 

「少しばかり話がしたいんだ。君のお兄さん――兵藤先輩と一緒にね」

 

「っ!」

 

 木場から聞き捨てならない単語が出た瞬間、俺は内心驚いた。

 

 そして思い出した。今朝兄貴が『グレモリー達が俺達に接触してくる』って言ってた事を。

 

 それがよりにもよってコイツかよ。来るんだったらこんなイケメン野郎じゃなくて、リアス先輩か姫島先輩、もしくは塔城小猫ちゃんに来て欲しかったぜ。

 

 さてどうするか。正直言ってコイツからのお誘いは遠慮したい。況してや、もし付いて行ったら絶対昨日の事を問い質されると思う。かと言って、下手に断って逃げたとしても、多分また明日同じように誘ってくると思う。

 

「………一応訊くが、もし俺が断ったら?」

 

「それは困るかな。なるべく今日の内にすませておきたいし。仮に断っても、多分また明日来る事になると思うよ」

 

 ちっ。やっぱそうなるか。

 

 仕方ねぇ。多分兄貴の事だから、適当に言って逃げ出してると思うが――

 

「ついでに言うと兵藤先輩は今頃、リアス部長と姫島副部長に声を掛けられて部室へ案内されてるよ」

 

 ――何、だと?

 

 兄貴がリアス先輩と姫島先輩に?

 

 俺はこんなイケメン王子に声を掛けられたってのに、よりにもよってあのクソ兄貴は我が学園のトップアイドルで『二大お姉さま』に案内されてるだと!?

 

 これはいかんな。ちょっと兄貴をぶん殴んねぇといけねぇな。

 

 俺にはあんな目が腐るとも言えるオカマになったオッサン堕天使の写メを見せておいて、クソ兄貴は見目麗しいトップアイドル様達と会って目が潤ってるんだからな。

 

 うん、一発殴ろう。本気と書いてマジで。

 

 因みに俺と一緒にあの写メを見た松田と元浜はHRが終わって早々帰った。今日の放課後に紳士のVIP席に行くと言ってたが、オカマとなったオッサン堕天使の写メを見て完全にその気が無くなってたからな。ご愁傷様。

 

「OKOK、で、話するって何処でだ?」

 

「僕についてきてほしい」

 

 

 イヤァァァ~~~!!

 

 

 木場の発言で女子達が悲鳴をあげた。

 

「そんなぁ! 木場とエロ兵藤が一緒に歩くなんて!」

 

「汚れてしまうわ、木場くん!」

 

「木場くん×エロ兵藤のカップリングなんて許せない!」

 

「いやいや、もしかしたらエロ兵藤×木場くんかも!」

 

「違うわ! エロ兵藤じゃなくて硬派な兵藤先輩×木場くんよ!」

 

 すっげぇ訳のわかんねぇ事をほざいてやがる。

 

 あと最後に言った女子、それ兄貴が聞いたら絶対OHANASHIされると思うぞ。

 

「あー、分かったよ。だったら早く案内してくれ」

 

 了解した俺に、木場は歩き出す。

 

「あ、そう言えばさ」

 

「何だよ?」

 

 突然木場が俺に話しかけてくる。

 

 あんま答えたくねぇんだけどな。俺はイケメンが大嫌いだから。

 

「この前、兵藤先輩から直接聞いたんだけど、君はいつも先輩に訓練してもらってるみたいだね」

 

「それがどうした?」

 

 兄貴の奴、コイツに修行の事を教えたのかよ。余計な事を。

 

「正直、君が先輩の弟なのが羨ましいよ。あんな強い人に訓練してもらってるなんて」

 

「………は?」

 

 えっと……ちょっと言ってる意味が分かんないんですけど。

 

 俺が兄貴の弟だから羨ましいって……俺としては交換して欲しいだけどな。

 

 あのクソ兄貴の所為でいつもいつもヒデェ目に遭ってるし……まぁそれでも、兄貴のお蔭で色々な事が出来てるから何とも言えねぇが。

 

「訳わからねぇこと言ってねぇで、さっさと案内してくれ。こっちは急いでんだからさ」




責任は持たないと言いましたが、気分が悪くなられた読者様がいらっしゃいましたら深くお詫びを申し上げます m(_ _)m
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