ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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いつもより早く書けましたが、今回はいつもより少し短いです。


第十八話

「そ、そんな……。レイナーレ様やフリード神父がそのような……」

 

「残念ながら事実だ。奴の仲間に全部聞いたから間違いないよ。因みにあのはぐれ悪魔祓い(エクソシスト)もな」

 

 自分の部屋に転送した俺は、アルジェントに全てを話した。途方に暮れていたところをレイナーレに拾われた理由、この町に連れてこられた目的。そして理解してなかったと思われる、堕天使側にいるはぐれ悪魔祓い(エクソシスト)の存在を。

 

 それ等を聞いて信じられないようにショックを受けているアルジェントだったが、少しずつ納得するような顔をしていた。特にはぐれ悪魔祓いのことを。

 

 はぐれ悪魔祓いは堕天使の加護を得ているが、正規の悪魔祓いとは違って、悪魔を倒す事に生き甲斐や悦楽を覚えてしまった外道な輩と堕ちてしまった存在。あの少年神父が良い例だ。

 

 恐らくアルジェントは、あの少年神父の外道な行いを見てしまった為に俺の説明に納得したんだろう。もし見てなければ、この純真なシスターは「そんな筈ありません!」と力強く否定してると思うから。

 

「取り敢えず俺からの説明は以上だ。さて、どうするアルジェントさん? 俺は決して嘘は言ってないけど、信じる信じないかは君に任せる。もし信じられないなら、今すぐにこの部屋から出て行っても構わないよ。止めはしないから」

 

「え……?」

 

「ちょっ、ちょっと待て兄貴! 何でそんなこと言うんだよ!? ってかアーシアを保護するつったのは兄貴だろうが!」

 

 さっきまで黙って聞いていたイッセーが急に割り込んでくる。

 

「確かにそうだが、最終的な判断を下すのはあくまで彼女だ」

 

「けどだからって――」

 

「じゃあ訊くが、いくら奴の目的を阻止する為だからと言って、お前は教会に戻りたがる彼女を無理矢理此処に監禁させるか? 父さんや母さんに内緒で」

 

「そ、それは……」

 

 何か思い入れがあるアルジェントにイッセーは絶対にそんな馬鹿な事はしないと思って訊いてみたが、思った通りの反応をしていた。

 

 いくら人道的な行為と言っても、相手の有無を言わせずに強制させるのは逆に非人道的になってしまう。イッセーはそれを分かっているから言い淀んでいるって事だ。

 

 尤もアルジェントをこのまま教会に帰しても、レイナーレがやろうとする神器(セイクリッド・ギア)引き抜きの儀式は絶対に阻止させて貰うが。

 

「っと、話の腰を折ってすまなかったなアルジェントさん。んで、返答は?」

 

「………………」

 

 黙ったイッセーからアルジェントに視線を移しながら問うと、彼女は考える仕草をする。

 

 そして考えてから数分が経つと――

 

「……その、本当に私が此処に居ても宜しいんですか? ご迷惑になりませんか?」

 

「「全然」」

 

 彼女の確認に俺とイッセーは揃って顔を笑みを浮かべてハモりながら言った。

 

 

 

――――――――――――――

 

 

 

「さて兵藤君、昨夜の事についてだけど」

 

「あのさぁ、そう言う話は別に放課後でも良いと思うんだが?」

 

 翌日の昼。

 

 午前の授業を終えて昼休みになったので、俺は昼飯を購買で何か買おうと教室から出た直後、グレモリーが目の前に現れた。しかも昨日と同じく待ち伏せしてたような感じで。

 

 そしてグレモリーの登場と俺に話し掛けて来た事によって、教室にいるクラスメイト達が昨日と同じく再び騒ぎ立てたのは言うまでもない。

 

 因みに今朝学校に来た際、クラスメイトの殆どが一斉に俺に詰め寄って質問してきた。主にグレモリーと姫島の関係と、部室で一体何を話していたのかと。一応差し障りのない返答でのらりくらりと躱したがな。

 

 んで、今俺はグレモリーに部室へと連れられてる。此処には俺とグレモリーだけじゃなく、グレモリー眷属の姫島、塔城、そして木場も一緒にいた。昼休みなのに仕事熱心な事で。

 

「貴方や弟君には小猫を助けてくれたから、こっちとしてはお礼が言いたかったのよ」

 

「……兵藤先輩、昨日は本当にありがとうございました」

 

 グレモリーの近くにいた塔城が感謝の意を込めて俺にペコリと頭を下げてきた。

 

「……お二人がいなかったら、私は今頃死んでいたかもしれません」

 

「どういたしまして。まぁ、実質助けたのは弟のイッセーだけどな」

 

「ならその弟君はどうしたの? 彼にもお礼を言いたかったんだけど、今日は学校を休んでいるみたいね」

 

 耳が早い事で。まぁ恐らくイッセーを部室に連れてく為に使いを寄越したところ、休んでいるのを知った木場がグレモリーに報告したんだろうけど。

 

 その証拠にチラッとグレモリーの背後に控えてる木場の方を見ると、すぐに目を逸らされた。分かりやすい反応ありがとさん。

 

 イッセーが学校を休んでいるのは、現在保護しているアルジェントの護衛を兼ねて町の案内をさせているからだ。

 

 アルジェントを外に出歩かせるより家に居させた方が良いんじゃないかと思われるだろうが、まだレイナーレを倒してないので、下手に家に居させたら襲撃されて無関係な両親にも被害が及んでしまう。

 

 それを防ぐ為に敢えて外に出歩かせ、もしレイナーレがアルジェントを取り返そうと強襲したらイッセーに対処させる、と言うシナリオにした。当然イッセーは了承済みだ。まぁアイツの事だから今頃、護衛や案内を其方退けでアルジェントとのデートを楽しんでいると思うが。尤も、いくらイッセーが油断してるとは言っても、レイナーレ程度に遅れは取らないので大して心配は無い。

 

 因みに両親にはアルジェントの事をまだ話していない。レイナーレとの決着が付くまで、少しの間は内緒で俺の部屋に泊まらせている。その時には両親に彼女の事を話して、家にホームステイさせるよう説得するつもりだ。納得させるのには少し時間が掛かると思うが、案外アッサリと了承すると思う。特に母さんなんかは時折、「娘がいたらどうなっていたかしら」と呟いていた事があったからな。

 

「昨夜の戦いで怪我でもしたのかしら?」

 

「いいや、ちょっと訳ありで休んでるだけだ」

 

「訳あり、ね。……ひょっとして、あのシスターと何か関係あるのかしら?」

 

「………あのさぁグレモリーさん。アンタはお礼を口実に、本当は昨夜の事を色々訊きたい為に俺を此処に連れてきたのか? 時間が限られた昼休みなんかより、放課後に色々と話すつもりなんだが」

 

「あ、別にそんなつもりじゃ……ごめんなさい。どうも貴方相手だと、つい訊きたくなってしまって」

 

 すぐに取り繕うとするグレモリーだったが、それを止めてすぐに謝罪する。

 

「やれやれ……。まだ依頼を達成してないとは言え、全然信用されてないみたいだな。あ~あ、やっぱ昨夜の内に解決すべきだったか?」

 

「だから悪かったわ。もう、貴方って意外と意地が悪いわね」

 

 態と自分を困らせていると分かったグレモリーが顔を顰めながらジロッと俺を睨んでくる。

 

「ハハッ、褒め言葉として受け取っておくよ。まぁそれはそうとアンタがお礼をしたいって事は、依頼の報酬とは別に塔城小猫を助けた相応の対価を要求しても良い、だろ?」

 

「………どうして分かったの?」

 

 まだ言ってもいないのに、みたいな顔をしてるグレモリー。

 

「大体の予想は付いてた。グレモリー家の悪魔は眷属思いで、加えてアンタは借りを必ず返すタイプだからな。きっと依頼の報酬以外に何かしらの礼をしてくるだろうと思ってたよ」

 

「……そこまで言い当てられると何か釈然としないけど……まぁ良いわ。貴方の言うとおり、小猫を助けてくれたお礼として、私が出来る範囲での対価なら何でも構わないわ。勿論貴方と弟君二人分の対価だから安心して。先に言っとくけど、私の可愛い下僕を頂戴とかは絶対に却下だから」

 

 別にそんな釘を刺すように牽制しなくたって、そんなお願いはしないっての。

 

 と言うか俺がそんな事をする前提で言ってくるんだ? 別にグレモリーの眷属を引き抜こうだなんて微塵も考えてないんだがな。グレモリーは一体何を考えているのか少しばかり分からんな。

 

 けどまぁそれはそれとして、予想していたとは言え、ここまで俺が望んだ展開になってくれてるのは好都合だ。怪我をしていた塔城には悪いが、あの出来事は却って良かったかもしれない。

 

 よし。多分もう木場からアルジェントの事情を聞いてると思うが、グレモリーにアレ(・・)をしてもらうよう頼んでみるか。

 

「じゃあ俺たち兵藤兄弟からの要求として――」

 

「ちょっと待って。まだ弟君に話してもいないのに、彼抜きでそんな勝手に進めちゃって良いの?」

 

 俺が言ってる最中、突然グレモリーが待ったを掛けてくる。

 

 てっきり後からイッセーに教えて、俺の分だけを要求してくると思ってたんだろう。

 

「大丈夫だ。今から俺が言う要求にイッセーは必ず納得する。だからアンタがそんな心配する必要は無いよ」

 

「………なら良いけど。ごめんなさい、話の腰を折っちゃって」

 

「お気になさらず。んで、こっちとしての要求は――」

 

 

 Piriririri! Piriririri!

 

 

 俺が言おうとしてる最中、今度は俺の懐から携帯が鳴り始めた。

 

 しまった。学校に行く前に携帯をマナーモードにするのすっかり忘れてた。授業中に鳴らなくて良かったぁ。

 

 携帯が鳴った事に俺だけじゃなく、グレモリー達もキョトンとして見ている。

 

「ちょっと失礼」

 

 そう言って俺は懐から二つ折りの携帯を取り出すと、電話をして来たのはイッセーからだった。

 

 と言うか何でこの時間帯に電話して来るんだよ。いくら昼休みだからって、学校にいる俺に電話するのはどうかと思うんだが。

 

 後で文句を言おうと思いながら俺は電話に出る為にパカっと携帯を開いて通話ボタンをピッと押し、すぐ耳元に当てる。

 

「何だイッセー。今昼休みだからって――」

 

『兄貴、すまねぇ……!』

 

「――どうした、何が遭った?」

 

 イッセーが非常に苦しそうな声を出しながら謝ってくるので、文句を言おうとしてた俺は内心前言撤回して聞き出そうとする。

 

 俺が真剣な顔となった事に、グレモリー達は怪訝そうに此方を見てくるが一先ず無視させてもらう。

 

『夕麻ちゃんが突然現れて……!』

 

「落ち着け。お前の携帯からミシミシと聞こえるぞ。んで、レイナーレがどうした?」

 

 携帯を握り締めてる音が聞こえて壊れそうな感じがしたので、何とか落ち着かせるように言うと音が無くなる。

 

 そしてイッセーは落ち着いたように告げようとる。

 

『松田と元浜を人質にして、アーシアを攫いやがった……!!』

 

「何だと!?」

 

 予想外な行動を仕出かしたレイナーレの行動に、俺は思わず声を荒げてしまった。

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