ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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第二話

 オッス! 俺、兵藤一誠! 両親や兄貴、学校の奴等からは俺の事を「イッセー」って呼んでいる。そして駒王学園で二度目の春を迎える二年生だ!

 

 そして俺は今、猛烈に絶賛ハイテンションMAXだ! 何でかって? それはなぁ……俺に可愛い彼女が出来て、今日の日曜日にその子と初デートなんだ!!

 

 いや~、松田と元浜に教えた時はすっげぇ優越感に浸らせてもらったぜ! アイツ等メッチャ驚いてメッチャ悔しそうな顔してたからな、アハハハハ!!

 

 あ、すいません。俺の心情を見て「コイツ、ウゼェ……」って思う人がいるだろうから、此処からは普通のテンションに戻します。

 

 でも、本当に嬉しかったんだよなぁ~。何せ彼女いない暦=年齢の俺が突然、俺好みの女の子――天野夕麻ちゃんに告白されたから超嬉しかったぜ! 俺の報告に兄貴はメッチャ呆れてたけどな。

 

 まぁ取り敢えず、今日のデートは目一杯楽しまないとな。前々から練ってたプランを決行したかったし。

 

 んで、今俺は待ち合わせ場所にいて夕麻ちゃんが早く来ないかとずっと待っている。三時間前からな。多分彼女持ちの男から見たら呆れられてると思うが、初めてのデートだから念入りに準備しないとダメだ。

 

 その途中で、チラシ配りをしてるお姉さんからチラシを手渡されたけどな。「あなたの願いを叶えます!」って、怪しげな魔法陣が描かれてるオカルトな物を。

 

 このチラシは以前兄貴に見せてもらった事があった。兄貴の話だと、これは悪魔を召喚して願いを叶えてもらう為のチラシだそうだ。最初それを聞いて何かの冗談かと思ったけど、兄貴の修行やら遠征やらで、悪魔・天使・堕天使って言うファンタジーな存在がマジでいる事を知っちゃったからスルー出来なかった。っと、ちょっと話が脱線しかかったが、願いを叶えられるならこのチラシを使おうかと思った。けど兄貴曰く「願いを叶えるとそれ相応の対価が必要になる。因みにお前が叶える願いは寿命や魂が必要になる」、だそうだ。それ聞いた瞬間もう諦めた。だって俺が叶えたい願いは……絶世の美女悪魔や美少女悪魔さん達とハーレムエッチする事だったからな。まぁ取り敢えず貰ったチラシは今捨てにいけないからズボンのポケットに入れちまったよ。

 

 つーか今更だが、何で兄貴がそこまで詳しく知ってんだ? いくら兄貴だからって、俺と同じ人間の筈なのに、どうしてあんなに物知りで滅茶苦茶強いんだか。しかも人外、もしくはバケモノ染みた強さだ。今はもう大して気にしてないけど、もしかして兄貴の前世って神様か魔王様なんじゃないかって何度も思った。それ聞いた兄貴は何故か苦笑いしながらスルーしてたが。つーかホントに何モンなんだろうなぁ、ウチの兄貴様は。

 

「あ、イッセー君!」

 

 おっと、いかんいかん。考え事してる最中に彼女の夕麻ちゃんが来た。今は兄貴より、夕麻ちゃんとのデートを優先しないとな。

 

「ごめんね。待った?」

 

「いや、俺もいま来たところだから」

 

 くぅ~~! 一度言って見たかったんだよなぁ~この台詞! このシーンを松田や元浜に見せてやりてぇ~!

 

 そして俺らは手を繋いで歩き出してデートを始めた。洋服の店に入ったり、小物店でアクセサリーを見てのデートを満喫した。

 

 お昼は高校生らしく安くてお手軽なファミレスだったが、それでも夕麻ちゃんは嫌な顔をしないで美味しそうにチョコパフェを食べてくれた。それ見ただけで俺もう満足です、はい。

 

 とまあ、こう言う若者のデートを痛感したな。今生きてるって事も実感した。

 

 そして夕方になって、どんどんデートの終わりを告げようとしている。それと同時に、夕麻ちゃんから段々嫌な気配を出し始めるようになってる。

 

 だって俺ら今、夕暮れの公園にいるんだよな。町外れにある公園に。しかも今此処は人気(ひとけ)が無くて、俺ら以外誰もいないんだよなぁこれが。

 

 そう思ってると、夕麻ちゃんは俺の手を離れて噴水の前に立つ。

 

「今日は楽しかったね」

 

「ああ、本当に楽しかった」

 

 噴水をバックに微笑む夕麻ちゃんに、俺も微笑みながら言い返す。

 

「ねぇ、イッセー君」

 

「なんだい、夕麻ちゃん」

 

「私達の記念すべき初デートってことで、一つ、私のお願い聞いてくれる」

 

 嫌な気配を出しながらそう言うって事は、すんごく嫌な予感がするんですけど。

 

 でもまぁ取り敢えず聞くだけ聞いてみますか。良いお願いで自分が叶えられる物でありますように、っと祈ってみる。

 

 そう祈ってると夕麻ちゃんは微笑み、はっきりと俺に向かって言った。

 

「死んでくれないかな」

 

 …………………………。

 

 ……………はぁっ。やっぱりそう来ましたか。

 

 嫌な気配丸出しで、あんな事言うんだからもう大体分かってたよ。

 

 でもまぁ、念の為に聞いてみるか。自分の聞き違いかどうかを確認する為に。

 

「えっと、ゴメン、もう一度言ってくれないかな?」

 

 どうか俺の聞き違いでありますように、って小さな淡く儚い願いを――

 

「死んでくれないかな」

 

 打ち砕くかのようにはっきりと言った。しかも笑いながら。

 

 やっぱりそうですよね~。ええ、ええ、分かってましたよ。夕麻ちゃんが人外な存在だって事くらい、俺と兄貴に話しかけて来た時点で既に気付いてましたよ。

 

 でもさぁ、モテない俺としてはやっぱり期待しちゃうんだよなぁ。自分好みの女の子が俺に告白してデートして、そしてある程度清らかなお付き合いをした後は、何処かでラブホテル的なシチュエーションでエッチするかもしれないって。ああ、儚い夢でしたよ。

 

 俺が内心愚痴ってると、夕麻ちゃんは本性を表すかのように背中から黒い翼を生やした。

 

 はいはい、夕麻ちゃんが堕天使である事にもとっくに気付いてましたよ。堕天使特有の気を感じてましたからね。兄貴曰く、悪魔・天使・堕天使にはそれぞれ特有の気配があるんだってさ。

 

 因みに相手の気配を感じるのは兄貴から教わった。俺が昔、「ドラグ・ソボール」主人公の(そら)(まご)(さとる)や仲間達がやっていた相手の気を探る能力に憧れていた事を知った兄貴が、修行によって実現させてくれた。その能力を得るのにはすっげぇ時間掛かったけど、メッチャ感動しまくったぜ。

 

「楽しかったわよ。貴方との恋人ごっこは。初々しい子供のままごとに付き合えた感じだったわ」

 

 なんとも冷たく、大人の妖艶な声で言う夕麻ちゃん。その口元は冷笑を浮かべている。

 

 そして、夕麻ちゃんの手からある物が現れた。それは一本の光の槍。

 

 見た目は赤い光を発してる綺麗な槍なんだが、俺から見たら何か歪んだ光に見えるんだよな。まぁ使ってるのが歪んだ気配を持ってる堕天使だから、あの槍はその使い手の心を表してるかもしれない。

 

「ゴメンなさい。貴方が私達にとって危険因子だから、早めに始末させてもらうわ。恨むなら、その身に神器(セイクリッド・ギア)を宿させた神を恨んでちょうだいね」

 

 夕麻ちゃんは光の槍を俺に向けて投擲する。

 

 だが、

 

「――始末するにしても、この程度じゃ俺は殺せねぇよ夕麻ちゃん」

 

「んなっ!?」

 

 投擲した光の槍を身体を逸らしただけでアッサリ躱す俺を見た夕麻ちゃんが驚愕を露にした。

 

 どうせ夕麻ちゃんはこう考えてるんだろうな。「唯の人間風情が、どうして私の光の槍を簡単に避けた!?」みたいな。

 

「な、何故!? 唯の人間が、どうして私の光の槍をあんな簡単に!?」

 

 おお、殆ど俺の予想通りの台詞だな。

 

 まぁアレは多分本気で投擲したものじゃないんだろうけど、それでも手加減して武器を投擲する兄貴の速度に比べりゃ遅いのなんのって。

 

 因みに修行の時、兄貴があるアニメを見た影響か、兄貴の後方から夥しい数の光の槍や光の剣を出現させた。それを出した後に兄貴は、「今日は回避の訓練だ。上手く躱せよ。でなければ死ぬぞ♪」って言いながら、指パッチンした直後に武器が一斉に凄まじい速度で俺に襲い掛かってきたよ。アレはマジで死ぬかと思った。まぁ当たろうとする直前に兄貴が寸止めしてくれたから死なずに済んだが、それでもメッチャ怖かった。

 

 だから夕麻ちゃんが投擲した光の槍なんか兄貴に比べりゃ、ゲーム風に言うと難易度が初心者(ルーキー)みたいなもんだ。

 

「さぁ何でだろうな? けどさぁ夕麻ちゃん、そんな事を気にしてる場合じゃないと思うぜ?」

 

 驚愕してる夕麻ちゃんには悪いが、どう料理しよっかな~? 俺を殺そうとしたんだから、兄貴みたく相応の罰を与えないといけないよな~?

 

 ポキポキと指の関節を鳴らしてる俺に、夕麻ちゃんは再び手から光の槍を出そうとする。しかも両手で。

 

「い、今のは単なるマグレに決まってるわ! これで!」

 

 今度は本気で投擲したのか、二本の光の槍がさっきとは違う速度で俺に襲い掛かってきた。

 

「マト○ックス避け!」

 

「なあっ!?」

 

 今度はマト○ックスの有名シーンみたく体を思い切り反らせて光の槍を回避する。意外と面白いな、この躱し方。それに夕麻ちゃんの顔が信じられないと表現するように、あんぐりと口を開けてるし。

 

「よっと。今のが夕麻ちゃんの全力か?」

 

「……………」

 

 反らした身体を戻しながら、夕麻ちゃんのリアクションを面白そうに見て問う俺。けど夕麻ちゃんは未だに驚いてて何も言い返してこない。って事は、アレが全力のようだな。

 

「まぁそんな事はどうでも良いや。さぁ夕麻ちゃ~ん、ここからは俺のターンだ」

 

 今俺の頭の中では……夕麻ちゃんが着てる服を“ある技”で引ん剥いて素っ裸にしてやろうって考えてるからな。人を殺そうとしたんだから、これくらい当然だよな、うん。多分兄貴は呆れるだろうが、それでも反対しないと思うし。

 

 俺がニヤけた顔で卑猥な妄想をしながら両手を閉じたり開いたりしながら近づくと、やっと正気に戻った夕麻ちゃんが今の俺の顔と仕草を見てビクッとしながら後ずさる。

 

「な、何をするつもりなのよ人間!?」

 

「おやぁ~? 何そんな怯えてんのかな~夕麻ちゃん? 俺はただ此処で夕麻ちゃんを素っ裸にして、その身体の隅々を脳内保存するだけだからさ~」

 

「っ!? な、何考えてんのよアンタ!? この変態! スケベ!」

 

「ああそうさ。俺は変態でスケベだ。だからさぁ夕麻ちゃん……その身体を思いっきり味わわせてくれ~~!」

 

「ひっ!!」

 

 スケベ心全開で服は脱がずにル○ンダイブをする俺だったが、悲しい事に夕麻ちゃんが堕天使なのか即座に飛んで躱されてしまった。

 

「何で避けんだよ~夕麻ちゃ~ん。降りて楽しもうぜ~。どうせ此処に人はいないんだからさ~」

 

「う、五月蝿い!! アンタがそこまで変態だったなんて知らなかったのよ! と、取り敢えずアンタは何れ殺すわ! 覚えておきなさい!」

 

 三下な悪役同然の台詞を言って逃走する夕麻ちゃん。

 

 あ~あ~残念。こんな事なら、夕麻ちゃんが驚いてる隙を狙って素っ裸にすりゃ良かった。特に服越しからでも分かる位に膨らんでるおっぱいを生で揉みたかった。

 

「あ~、夕麻ちゃんのおっぱい揉みたかった~」

 

「………相変わらず毎回呆れさせてくれるな、イッセー」

 

「ん?」

 

 人気がない筈の公園に誰かが背後から声を掛けて来た。俺が振り向くと、メッチャ呆れ顔になってる俺の兄貴――兵藤隆誠がいた。

 

「何だ兄貴か」

 

「何だとは何だ。人が折角助けに来てやったってのに、随分な言い草だな」

 

 よく言うぜ。俺が危機的状況に陥ろうとしても、死ぬ寸前になるまで助けにいかねぇだろうが。

 

「どうせ俺と夕麻ちゃんのデートを遠くから面白そうに見物してたんだろ?」

 

「……まぁ否定はしない。いつもスケベな事ばっかしてるお前が、あんな清々しく健全としたデートをするとは思わなくてな。俺はてっきりお前があの女堕天使に適当な事を言って人気の無い所に誘導して、あの技で素っ裸にした後にレ○プや調教紛いのエロな展開をすると予想してたんだが」

 

「んな事しねぇよ!」

 

 兄貴は俺を何だと思ってんだ!? いくら俺が変態だからってそこまで鬼畜じゃねぇ! 

 

 もし夕麻ちゃんが堕天使じゃなくて普通の人間だったら、そのまま清らかなお付き合いをしてたっての。尤も、ある程度時間経ったら童貞卒業の為にエッチするつもりだったけど。

 

「……お前ってピュアなのか変態なのか、よう分からんな。まぁ今はそんな事より」

 

 そんな事!? 勝手に人を鬼畜扱いしといて、そんな事の一言で片付けやがった! これはいくら兄貴でも許せん!

 

「おいクソ兄貴、ちょっとその面――」

 

「女堕天使の存在を感知した紅髪の純血悪魔がもうじき此処に来るから、とっとと退散するぞ。あとズボンのポケットに入れてる悪魔召喚用のチラシも捨てとけ」

 

 ……くそう。兄貴が真剣な顔をして指示するから従わざるを得ねぇじゃねぇか。

 

 あ~あ、にしてもホントに、夕麻ちゃんが普通の人間だったら清らかなお付き合いしてたんだけどなぁ。

 

 

 

―――――――――

 

 

 

「おかしいわね。確かに此処に堕天使の反応があった筈なのだけど……」

 

 兵藤兄弟が町外れの公園から去って数分後、隆盛が言った紅髪の悪魔――リアス・グレモリーが来ていた。しかも争った形跡が何も見当たらない事に彼女は疑問が深まる一方。何かあったと言えば、噴水の近くで自身の使い魔にチラシ配りをさせたチラシが捨てられているだけだが。

 

 リアスが目を付けていた男子生徒――兵藤一誠が堕天使に狙われて、何かしらの事が起きると予想していた。が、それを覆すかのように何も起きてないからリアスは腑に落ちなかった。

 

「そう言えば小猫はどうしたのかしら? あの子を見張らせてた筈なのに」

 

 彼女は自身の眷属――塔城(とうじょう)小猫(こねこ)に一誠の見張りをさせるように命じていた。一誠が人間でありながらも、妙に身体能力が高いから万が一の事を考えたのだが、その命じられた者がいない事に更に疑問を抱いている。

 

 すると突然公園にある林からガサガサと音が聞こえた。それに気付いたリアスが振り向くと、そこには駒王学園の制服を着た小柄な銀髪の少女がいた。

 

「部長……」

 

「小猫じゃない。どうしたの? 貴女には例の彼を見張らせた筈よ?」

 

「……すみません。見張っていたんですが、突然誰かが私の背後を取って気絶させられました」

 

 申し訳無さそうな顔をして言う少女――塔城小猫の報告にリアスは目を見開く。

 

「貴女を気絶させた? 怪我は無い? どこか痛いところはあるかしら?」

 

 すぐに心配して小猫の両肩に手を置きながら気遣うリアス。

 

「……大丈夫です。どこも痛い所はありません」

 

 問題無いように言う小猫に、リアスは一先ず安心する。

 

「なら良いけど……。貴女を気絶させた相手の顔は見えたかしら?」

 

「……すいません。背後からでしたので見えませんでした」

 

「そう……。まあ良いわ、私としては貴女の無事が何よりだから」

 

 優しい笑みを浮かべながら、そのまま小猫を抱きしめるリアス。彼女としては、犯人より小猫の事が重要だったから。

 

 けれど――

 

「安心して。私の可愛い下僕を気絶させた相手は、私が絶対に突き止めて後悔させるから」

 

 自分の可愛い眷属に手を出されて黙っているほど、リアスは優しくなかった。

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