ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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第二十八話

「成程。ミルたんのお知り合いであるローズさんは、悪魔との契約に万が一の事を考えて来たんですね……。何と言うか、まぁちょっと驚きました」

 

「驚いたのはワタシも同じよ。仕方の無い事とは言え、まさかリューセーちゃんが悪魔のお仕事を手伝ってるなんて思いもしなかったわよ」

 

 事情を説明した俺とローズさんは互いに驚きながらも納得した。

 

 しかしホントに驚いた。前にイッセーが、『ローズさんが魔法少女に憧れてるオトメとお茶してた』ってすっごく嫌そうに話していたが、それがこのミルたんだったとは。

 

 確かに今思えば、ミルたんはサイズが合わない魔法少女らしき衣装を着てる上に、それになりたいと純真無垢な瞳で懇願してきた。もう完全に忘れてたよ。何か今日は色々な事があり過ぎる日だなぁ。もう学校だけで勘弁してくれ。

 

「……まぁ取り敢えず事情も話してお互い納得した事ですし、そろそろ本題に入りますか。依頼者さんをいつまでも放置する訳にもいきませんので」

 

「にょ~。まさか悪魔さんがローズお姉たまのお知り合いだったなんて」

 

 因みに俺がローズさんとお互いに事情を話している時に、依頼者のミルたんは何故か俺を尊敬するような眼差しを送っていた。

 

 ってか何だよローズ『お姉たま』って。ちょっと気味悪い呼び方なんだが。

 

「こらミルたん、リューセーちゃんは悪魔じゃなくて人間の男の子よ。しかも神の力を使う事が出来る凄い子なの」

 

 アンタもアンタでなんつー紹介の仕方をしてんですか、ローズさん。まぁ確かに神の力を使える事は別段間違っちゃいないが。

 

「にょっ!? こ、これは大変失礼しました、神様ッッ!!! どうかお許し下さいにょっっ!!!」

 

 凄まじい声を出すと同時に俺に土下座して謝るミルたん。

 

 近所迷惑だからホントに止めてくれ。

 

「……はぁ。ローズさん、貴方何て事を」

 

「力を使えるのは事実じゃない」

 

「それはそうですが……ああもう。『ミルたん』さん、別に俺は怒ってないので謝らなくても良いですよ」

 

 泣きながら土下座をしてるミルたんを見るのが忍びなかったので、一先ず顔を上げるよう促すと、今度は何か感動するように涙を流していた。

 

「な、何てお優しい神様にょっ……御慈悲に感謝しますにょ~~~!!」

 

「がっ!」

 

 突然の抱擁に俺は思わず苦しい声をあげてしまった。

 

 な、何だこの力は……!? これは普通に人間のレベルを超えてる力だぞ……!?

 

 しかもこの俺でさえ簡単に解けない力だとは……! もしかしたら神器(セイクリッド・ギア)を持ってるイッセーより強いかもしれない。

 

 あ、やば。つい分析と後々の事を考えてしまった所為で徐々に息が、苦しく、なって、き、て……。

 

「にょ~~~!! にょ~~~!!」

 

 

 ミシミシメキッ!!

 

 

「がっ! あ、あ……」

 

「ちょっともう止めなさいミルたん!! それ以上やるとリューセーちゃんが本当に死んじゃうわよ!?」

 

 あ、何だろう。何故か急に昔の記憶が頭に思い浮かんできた……。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「ミルたん、ちゃんと謝るのよ」

 

「はい、ローズお姉たま。神様、重ね重ね本当に申し訳ありませんにょ」

 

「あ、いや、別に、もう大丈夫ですので、はい……」

 

 ローズさんのお蔭でミルたんの抱擁から解放されて数分後、俺は死なずに何とか生き延びる事が出来た。

 

 いや~、まさか再び死に瀕するとは思わなかったよ。エリー以上に手強い存在がいたなんて完全に予想外もいいところだ。

 

 ってかこのミルたん、神器(セイクリッド・ギア)や特殊能力と言った物は何も持ってないのに、純粋なパワーだけで俺を絞め殺そうとするとは凄いよ。本人は感謝の抱擁をしてただけだと思うが。

 

 そう思いながら再び俺に深い土下座をしてるミルたんを、俺としてはそろそろ本題に入りたいので何でもない様に振舞う。

 

「と、取り敢えず、貴方の願いですが………ハッキリ言って無理です」

 

「にょっ!?」

 

 

 ガ~~~~ンッ!!!!

 

 

 途轍もないショックを受けるミルたんが石化してしまった。

 

 神と崇めてる俺でさえ無理と言われた事に相当ショックだったんだろうか。

 

 でもまぁ本当に無理なんだよな。

 

 だって魔法少女にして下さいってなると、ミルたんを性転換させて魔力(ちから)を与える事になる。

 

 今の聖書の神(わたし)でも性転換させる能力は使えないし、更には魔力なんて与える事も出来ない。もうお手上げにも等しい。

 

 けれど、だからと言って何もせずに帰る訳にはいかない。殺されかけたとは言え、純粋な想いで聖書の神(わたし)に頼ってくる人間を無下には出来ないからな。

 

「あ~、別に全部が全部無理って訳じゃ無いので、一応最後まで話を聞いて頂けますか?」

 

「ほらミルたん、いつまでもショック受けてないで早く戻りなさい」

 

「…………はっ!」

 

 ローズさんによって石化が解除されるミルたんを見て、一先ず話を続ける。

 

「えっとですね……。つかぬ事を訊きますが、貴方の言う魔法少女には短杖(ステッキ)長杖(ロッド)みたいな物はありますか?」

 

「ありますにょ。ちょっと待って下さいにょ!」

 

 そう言ってミルたんは立ち上がり、ズシンズシンとでかい足音を立てながらクローゼットを開けて何かを取り出す。

 

 取り出した物は先端が丸い円の中に星がある長杖(ロッド)だった。いかにもアニメの魔法少女が使いそうな物だな。

 

「こ、これですにょ」

 

「ほほ~う……壊しはしませんので、ちょっとお借りしていいです?」

 

「も、勿論ですにょ」

 

「どれどれ」

 

 両手で受け取る俺は一応確認するが、何の変哲も無い一般で売られてる作り物のロッドだった。

 

 このミルたんが持ってる物だから、てっきり凄く重いか、何か特別な力が篭っているんじゃないかと考えてたが、どうやら違うようだ。

 

 そうと分かれば、このロッドにちょっとした仕掛けを施させてもらうか。まぁその分、ある物を代償として払ってもらう事にはなるが、ミルたんなら大丈夫だろう。

 

「よし、じゃあちょっと試しますか。ミルたんさん、この近くに空き地とかあります?」

 

「にょ? それはありますが……」

 

「リューセーちゃん、そんなの訊いてどうするの?」

 

 俺の問いに不可解な顔をするミルたんにローズさん。この二人の反応は至極当然とも言えるだろう。

 

「其処へ行けば分かりますよ。ではご案内お願いします」

 

 ミルたんの家から出て僅か五分後――

 

「お~お~、丁度良い広さだ」

 

 空き地に到着し、ロッドを持ってる俺は周囲を見渡す。

 

「ローズお姉たま、神様は一体何をやるつもりなのかにょ?」

 

「そんなのワタシが知りたいわよ。勿体ぶらないでそろそろ教えてよリューセーちゃん。此処に来て何をするつもり?」

 

 案内してもらったミルたんが全く分からないと言った感じで問うが、ローズさんも同様に分からなく早く答えてくれと催促してくる。

 

「まぁお二人はそこで見てて下さい。取り敢えず第三者に見られないよう、この周囲に結界を張るっと」

 

 

 パチンッ!

 

 

 俺が指を鳴らすと空き地周囲に薄い光の膜が覆われる。

 

「にょっ!? こ、これは……!?」

 

「視覚阻害と防音の結界ね。こんな手の込んだ結界を張るって事はもしや……」

 

 結界が張られた事に驚くミルたんだが、ローズさんは何か気付いたように言う。

 

 相変わらずローズさんは良い勘してるなと思いながら、俺は持っていた杖を地面に突き刺す。

 

「か、神様いきなりミルたんの杖に何してますにょ!?」

 

「ミルたん、リューセーちゃんの言うとおり今は黙って見てなさい」

 

 諭すようにミルたんを止めるローズさん。

 

 ローズさんの気遣いに感謝しつつ、俺は次に両手をパンッと合わせる。徐々にゆっくり手を放すと、手を閉じていた中心から掌サイズの小さな光玉が現れた。

 

「さぁ行け」

 

 俺がそう言うと、現れた光玉はロッドに引かれるように吸い込まれて、すぐに消失してしまう。するとロッドが突然光を纏い始め、突き刺さっていた地面から離れるようにフワッと浮いていく。

 

「にょ、にょ、にょっ!?」

 

「あらまぁ~、随分と神秘的な光景ねぇ~」

 

 目が飛び出るほどに驚いてるミルたん、手に頬を当てながらウットリと見ているローズさん。

 

 

 パァァァァァァッ!!

 

 

 二人の反応を余所に、光を纏っているロッドは最後に眩い光を放つ。その光に俺は大して気にせず目を開けたまま見て、光が少しずつ消えていくのを見届けた。

 

 光が完全に消えてても浮いてる杖を見て、俺はすぐに片手で持って成功したのを確認する。

 

「よし、一先ずこんな感じか……。ミルたんさん、“魔法少女の杖”が出来上がりました」

 

「にょ? ま、魔法少女の、杖……?」

 

 出来上がった杖をミルたんに渡すが、当の本人は受け取りながらも余りの展開についていけないように呆然としていた。

 

「でもリューセーちゃん、見た感じ大して変わったようには見えないわよ?」

 

「あくまで見た目だけは、ね。んじゃ、次は試し撃ちと行きましょうか」

 

「試し撃ち?」

 

 思わず鸚鵡返しをするローズさんだが、俺は気にせず未だ呆然としてるミルたんに話しかける。

 

「ミルたんさん、やってもらいたい事があるんですが良いですか?」

 

「にょっ!? ……は、はいにょ。ど、どうすればよろしいんですにょ?」

 

「先ず両手に持ってるソレを語りかけるように念じてください。あとあんまり強く握らなくて良いですからね」

 

「わ、分かりましたにょ……んん~~」

 

 頷いたミルたんは一旦目を閉じて、向き合うように念じると――

 

 

 パァッ!

 

 

「にょっ!? ひ、光ったにょ!」

 

 突然ロッドが光りだした。

 

「では次に、あそこの地面にロッドを向けて下さい」

 

「は、はいにょ……。か、神様、気のせいでしょうか? ミルたんの何かが吸われてるような気が」

 

 よし。どうやら術式が上手く発動してるようだ。

 

「それは後で教えます。では最後、魔法少女みたく撃つ仕草をして下さい」

 

「分かりましたにょ。では……ミルルンミルルンスパイラル~ン~!」

 

 何の詠唱かは知らないが、ミルたんが決め技のような仕草をしながらそう言った直後――

 

 

 カッ! ドガァァァァァァァンッッッッ!!!!!

 

 

 杖の先端が光線を放ち、そのまま向けられた地面に激突した瞬間に爆発した。

 

「うおっ!」

 

「こ、これはっ!」

 

 余りにも凄まじい爆風が襲ってきたことに、俺とローズさんは飛び散ってる土や石が目に当たらないよう腕で覆う。ミルたんはそれをしないまま呆然と見ているが。

 

 そして爆風が収まり煙がはれると、ミルたんが光線を放った地面に大きなクレーターが出来上がっていた。

 

「………ウソだろ?」

 

「ちょ、ちょっとリューセーちゃん!? いくらなんでもコレはやり過ぎよっ!」

 

「い、いや、俺が施した術式は、持ち主の闘気(オーラ)を吸い取って光線を放つ物でして……。闘気(オーラ)のほんの一割程度吸い取るよう設定した筈なんですが」

 

「………ホントに?」

 

「はい」

 

 一割程度の光線でこの威力って、ミルたんの闘気(オーラ)はどんだけあるんだよ。

 

 ちょっと試しに計ってみるか。どれどれ……おい何だよコレ。イッセーの闘気(オーラ)と同等……いや、それ以上だ。

 

 ミルたんは一体どうやってここまでの闘気(オーラ)を身に付けたんだろうか。正直凄く気になるよ。

 

 訳ありのローズさんや、とある武術家の老人とは違う意味での逸材だよ。俺の仲間にしたい位だ。

 

 って、そういやそのミルたんが光線を撃った後から随分と大人しいな。

 

 ひょっとして魔法少女らしからぬ物だったかと思って顔を見てみると――

 

「う、う、うう……にょぉぉぉッッッ~~~~~~~~~~~~!!!!!」

 

 

 ドンッ!

 

 

「どわっ!」

 

 不意打ちともいえる怒号により空き地全体が揺らいで、俺も思わず驚いて吹っ飛びそうになった。

 

 や、やっぱり結界張っといて良かった。もし防音対策を施してなければ、近所迷惑どころか災害になってたな。

 

 手を打っといて良かったと安堵する俺に、怒号を放ったミルたんは凄まじい勢いで両目から涙を流していた。

 

 すげぇ。ギャグ漫画みたく涙が滝のように流れてるよ。

 

「ちょっとミルたん、いくらなんでも泣き過ぎよ」

 

「あ、あの、ミルたんさん、ひょっとして、お気に召しません、でしたか?」

 

 泣いてるミルたんに恐る恐る尋ねる俺。

 

「にょぉ~~~~! ぢがいばずのがみざま、ミルだん、ずごくずごくがんどうじでばずのにょ~~~~!!!」

 

 

 ドンッ!

 

 

「そ、そう、です、か……あ、あははは」

 

 どうやら予想以上に喜んでくれてるようだった。

 

 そうしてくれるのは嬉しいんだが、いつまでも怒号を放つのを止めてほしいんだが――

 

 

 ビキッ! ビキビキッ!

 

 

 ……………おいおい。結界に罅が入るほどの威力って。アンタどんだけ凄いんだよ、ミルたん。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「……………」

 

 次の日の放課後。

 

 大きめな机とセットになってる豪華な椅子に座っているリアスは複雑そうな顔をしながら、無言で黙り込んでいる。

 

 当然それはリアスだけでなく、イッセーとアルジェントを除く朱乃、木場、塔城も同様の反応をしている。

 

 そして俺は気にせずリアスの向かいに立って、返答を待っていた。 

 

「……リューセー」

 

 おお、随分と低く怖い声音だな。

 

「はい」

 

「悪魔が願いを叶えられない代わりに、貴方が別の願いを叶えた後はどうしたの? 契約は?」

 

 いきなり核心ですか。

 

「俺個人で叶えさせた願いだから、当然悪魔としての契約は無しだ」

 

「因みに貴方が叶えさせた願いって何なの?」

 

「おう。依頼者は魔法少女に憧れていたから、それらしい事をさせる為に、ちょっとした武器を与えた」

 

「っ!?」

 

「? イッセーさん、どうしました?」

 

 俺の説明にイッセーが何故か思い出したかのように、ビクッと身体を震えたのを見たアルジェントが尋ねる。

 

 イッセーの奴、もしかしたら気付いたかもしれないな。

 

「武器?」

 

「そ。魔法使いとかが使う杖をな。と言っても依頼者が持ってたやつだが。んで、その杖に俺が術式を施して、ちょっとした魔法を撃てるようにしたって訳だ。ああ言っとくが、ちゃんと依頼者には悪用しないようキツく念を押しといたから大丈夫だ。向こうもちゃんと守るって誓ってくれたしな」

 

 寧ろ俺に絶対の忠誠を誓うような感じだったが。ま、それは言わないでおこう。

 

「んで? リアスがそんな顔をしてるって事は、ひょっとして悪魔の契約を取れなかったから怒ってるのか? だとしたら悪かった」

 

 一先ず謝る俺に、リアスは溜息を吐きながら何かを取り出そうとする。

 

「……契約後、例のチラシにアンケートを書いてもらう事になってるのよ。依頼者の方に『悪魔との契約はいかがでしたか?』ってね。そのチラシに書かれたアンケートにこう書かれていたのよ」

 

 そう言いながらリアスは文面が記された紙を俺に向けて見せてくる。

 

「どれどれ……『ありがとうございますにょ、神様。魔法少女に憧れていたミルたんとして、こんなに素晴らしい願いを叶えてくれた事に感謝の言葉が尽きませんにょ。この御恩は一生忘れませんにょ。そしてミルたんは今後神様の信徒となり崇拝しますにょ』……おいおい」

 

「今読んだのが依頼者さんからのアンケートなんだけど……コレはどう言うこと? 契約が取れてないどころか、貴方個人を神のように崇めるって」

 

 えっと……何て言うか……これはつまり、元聖書の神(わたし)の信者が出来てしまったって事なんだろうか。

 

 あとアルジェント、アンケートの内容を聞いた途端に俺を拝むような目で見るのは止めような。

 

「こんなアンケート、初めてどころか前代未聞よ。正直言って、私もどうして良いのか分からなかったの。と言うか、どうして貴方が依頼者から神なんて呼ばれるの? 私としてはそこが一番知りたいわ」

 

 それはオカマのローズさんが余計な事を言ったからです、神の力が使えると。なんて事を口が裂けても言えねぇよ。

 

「ま、まぁ、良いじゃないか。別に悪い内容じゃなかったんだからさ」

 

「そういう問題じゃないのだけど…………はぁっ。もういいわ。この場で貴方に問い質したところで無駄でしょうし。今回は不問にしておくわ」

 

「た、助かります」

 

「ただし、次からはちゃんと基本の事は守ってね。悪魔として依頼者と契約を結び、願いを叶え、代価をもらう。いいわね?」

 

 どうだろうな。俺、今後も悪魔としての契約を取らないかもしれないし。

 

「努力します」

 

 まぁ一応オカルト研究部の部員だから、一先ずリアスに従うしかないか。

 

 やれやれ。元とは言え聖書の神(わたし)が悪魔に従うとは、嘗て天界を治めていた者として考えられない行動だ。

 

 昔の聖書の神(わたし)だったら、嫌悪感を抱いて悪魔(リアス)達を滅していたかもしれない。

 

 そう考えると、人間に転生した俺はあの頃と比べて凄く丸くなったな。

 

「取り敢えず今日はこれと言った仕事は無いから、用事があるなら帰っても良いわよ。イッセーとアーシアはまた研修をやってもらうけど」

 

 そうか。今日は久しぶりにイッセーの修行はローズさん、もしくはミルたんと手合わせをさせたかったんだが……まぁそれはまた今度にするか。

 

「………おい兄貴、いま何か恐ろしいことを考えなかったか? すげぇ悪寒を感じたんだが」

 

「気のせいだ」

 

 鋭い奴だな。まぁ逃げたところで強制的にやってもらうが。

 

 さて、今日はイッセーの修行が無理なら、昨日から絶賛不機嫌中である生徒会長の支取蒼那にでも会いに行くか。

 

 あと明日からは土日休みで……あっ、そうだ。

 

「帰る前に訊きたいんだが、今度の土日に木場を借りてもいいか?」

 

「っ! ひょ、兵藤先輩、もしかして……」

 

 突然の指名に、さっきまで紅茶を飲んでいた木場がこっちを見た。

 

「借りるって……祐斗をどうする気なの?」

 

「ちょっと個人的な用事……分かったよ、言えば良いんだろ」

 

 リアスがジロリと睨んでくるので、俺は仕方なく白状する事にした。

 

「今度の休みに木場と剣の手合わせをするって約束をしたんだよ。勿論、リアスが了承してくれればの話だが」




一先ずこれで本当に一巻分の内容は終了です。
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