ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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活動報告で迷ってると言いましたが、まだハイスクールD×Dの熱は冷めてない状態ですので、取り敢えずやってみる事にしました。

あとお気に入り500件達成しました。お気に入りに入れてくれた読者様に感謝です。
m(_ _)m


戦闘校舎のフェニックス
第二十九話


 突然だが、家族会議と言うモノを知っているだろうか。

 

 文字通り家族内で行われる会議で、主に高額出費や進学、結婚等が議題になるものだ。

 

 その家族の中で権力者とも言える両親の一声によって大きな決定権を持つ。その両親に対して息子である長男の俺、次男のイッセーはいかに言葉巧みに交渉をして認めてもらえるのかが鍵となる。

 

 だが、権力者である父さんと母さんは強気な態度を見せないでいた。普通なら『いつでもかかって来い!』みたいにしっかりと向き合う筈なのに。

 

 それもその筈。何故なら今この兵藤家には家族以外の者が二名いた。

 

 一人は俺達が現在入部しているオカルト研究部の部長、リアス・グレモリー。もう一人は先日、堕天使レイナーレとの戦いで救ったシスターの聖女、アーシア・アルジェント。

 

 目を惹かれるほどに見目麗しい顔立ちをした美少女二人の存在に、父さんと母さんは信じられないような目で俺達を見て唖然としているのである。

 

 家族会議の内容は言うまでもない。漸くアルジェントが駒王町に居住出来る手続きが完了したから、正式に兵藤家でホームステイをさせようと両親に交渉させる為だ。

 

「というわけです、お父さま、お母さま。ですのでこのアーシア・アルジェントのホームステイをお許しくださいますか?」

 

 そんな両親の反応を気にして無いのか、リアスは優雅に朗らかに事情を説明した後、突然の注文を突きつけた。

 

 因みに何でアルジェントがホームステイする為にリアスが此処にいるのかと言うと、彼女に両親の交渉役としてもらうよう俺が頼んだ。

 

 男の俺やイッセーだけでアルジェントを連れて交渉したとしても、父さんや母さんは必ず何かしらの疑惑を抱いてしまうので、同じ外国人であるリアスが説明すれば納得すると思って呼んだわけだ。

 

 まぁ当然リアスに『貸し一つね』と言われたが、それだけで済むならありがたい。

 

 リアスの交渉を聞いていた当の二人は、アルジェントをまじまじと見つめながら、お互いに耳打ちしあっている。……もうついでにチラチラと俺やイッセーに視線を向けているがな。

 

 そして父さんがゴホンと一つ咳払いをすると、アルジェントへ質問をしようとする。

 

「えっと、アーシア……さんでいいかな?」

 

「はい、お父さま」

 

 名前を呼ばれたアルジェントが笑顔で返事をする。

 

 因みにアルジェントには以前イッセーに施した音声言語理解の術式を施し済みだ。それ故に外国語で話してるアルジェントの言葉は、父さん達からは日本語で聞こえる仕組みとなっている。

 

「お、お父さま……。くぅ……こんな綺麗な外国人のお嬢さん方から立て続けに『お父さま』って言われると、何かもう、心身に響くね……勿論良い意味で」

 

 感動、と顔に書いている位に分かる反応をしている父さん。

 

 まぁ父さんの気持ちは分からんでもない。

 

 リアス、次にアルジェントと言う美少女二人から「お父さま」と言われたら、そりゃ嬉しくもなるだろう。

 

「父さん!」

 

 だらしない顔をしてる父さんに母さんが小突く。その行動に父さんがハッと我に返った。

 

「ゴ、ゴホンッ! あ、アーシアさん。ホームステイするにしても我が家には性欲の権化とも言える次男がいる。まぁそれでも長男が戒めてるが、やはり家よりも同じ女の子がいるリアスさんとかのお宅の方が良いんじゃないかな。何かあった後じゃ、申し訳が立たないからね」

 

「まぁそこは否定出来ないな」

 

「っ! じ、自分の息子と弟に向かってなんて言い草だっ!?」

 

 父さんと俺の発言に抗議するイッセーだが、言い訳はしなかった。合っていると自分でも自覚してるんだろう。

 

 確かに父さんの言う事は正論だ。普通に考えて女子をホームステイさせるにしても、同じ女子がいる家にした方が良いからな。父さんの横にいる母さんもウンウンと相槌を打ってる。

 

 父さんと母さんはこう言いたいんだろう。例え兄の俺がいたとしても、弟のイッセーが目を放した隙にアルジェントに何かしたら国際問題になる、と。

 

 それだけ二人はイッセーに対する信用が無いって事だ。

 

 因みに両親にはアルジェントが堕天使に利用された件については一切話してない。裏事情を知らない両親にそんな話を教える訳にもいかないし、知られてもいけない。無関係な二人を巻き込む訳にはいかないからな。

 

 だからさっきまで説明された内容は殆ど捏造込みだ。当然リアスも無関係な両親をコチラ側に引き入れる訳にはいかないと分かってる上で、あんな説明をしたからな。

 

 説明を聞いて拒否する両親に動じないリアスは笑顔で交渉を続けようとするが、俺がストップをかけて今度は俺が話そうとする。

 

「父さんや母さんの気持ちは分からなくもないが、少しはイッセーの事を信用してくれても良いんじゃないか? もしかしたらアルジェント、もといアーシアが父さんと母さんの義娘になるかもしれないんだからさ」

 

「む? それはどういうことだ、リューセー?」

 

 俺の発言を聞いた父さんが食いついた。

 

「アーシアはイッセーの事を信頼してるんだよ。それも深くな。当然説明したリアスも。確かにイッセーは父さん曰く性欲の権化な上に、直情型で少し思慮が欠けてる部分もあるけど、人一倍強い人情家でもある。それは父さんや母さんだって知ってるだろ?」

 

「う、うむ、ま、まぁな……」

 

「そ、そうね……」

 

 よし、もう一息と行ったところか。

 

「その人情家なイッセーを知ったアーシアとリアスも惹かれているんだよ。特にアーシアがな。なぁ? アーシア」

 

「は、はい! リューセーさんの仰るとおり、イッセーさんは私の恩人です。海外から一人でやってきて、一番お世話になった方なんです。そんなイッセーさんのお宅なら、私も安心して暮らせると思いまして。他にも学校で色々と助けてもらって――」

 

 満面の笑みでイッセーに助けてもらっている事を嬉々として話すアルジェント。しかも凄い過大評価な話を。相当イッセーの事が大好きなんだなぁと分かるほどだ。

 

 そんなアルジェントの話にイッセーが凄く恥ずかしそうに物凄く照れていた。顔から火が出るんじゃないかと。

 

 あと父さんと母さんは彼女の話を聞いて満更でも無さそうな様子だった。いつもスケベな事ばかりしてる息子が、あそこまで褒められたら嬉しくならない訳が無い。

 

 よし、ここで止めの一言をかけるとしよう。

 

「なら、今回のホームステイは花嫁修業も兼ねて――というのはどうだ?」

 

「っ!」

 

 リアスが睨んでくるが一先ず無視だ。

 

『は、花嫁!?』

 

「?」

 

 不意打ちとも言える俺の一言に、イッセーと父さん母さんが素っ頓狂な声をあげた。アルジェントは不可解な顔をしてるが。

 

 その直後、父さんの目から大量の涙が流れ出す。その涙を拭って口を開く。

 

「……一番心配の種なイッセーがこんなのだから、父さんは次男の孫の顔を見れないと思っていた。老後も独り身を続けるイッセーを心配しながら暮らしていくのかと悲嘆にもくれたよ……」

 

 おお、いきなり語り出した。イッセーの未来予想図は随分と酷いように考えていたんだな。

 

 その父さんの横では母さんも泣いてハンカチで目元を拭っているし。

 

「母さんもね、リューセーと違ってイッセーには一生お嫁さんが来ないと思ってたの。だって、イッセーだもの。リューセーと違ってバカ息子だもの。リューセーと同じく世間に出しても恥ずかしくないよう教育したつもりだけど、その甲斐も空しくイッセーのようなダメ息子が生まれ育ったわ。母さんはね、もし神様からタイムマシンを頂けたら全力で過去の自分を説得しにいくわ。『その子は真面目なリューセーと違って、クローゼットの奥にあるプラモデルの箱の中にエッチなDVDを隠すスケベなダメ息子になるから注意しろ』って」

 

 なぁ母さん、一々「俺と違って」と何回も言ってイッセーを比較するのはどうかと思うぞ?

 

 それに聖書の神(わたし)にそんな物頼むのもちょっとなぁ……。

 

 あとさり気なくイッセーのアダルトDVDの隠し場所を暴露してるし。イッセーには内緒にしてくれと言われたが、やっぱ母さん知ってたんだな。

 

 秘密の隠し場所を暴露されて悶えるイッセーを余所に、父さんがアルジェントの手を取る。

 

「アーシアさん! こんなダメ息子で悪いけど、お願いできるかい?」

 

「イッセーさんはダメな人なんかじゃありません。とても素敵な方です」

 

 う~ん、アルジェントは父さんの真相には気付いてないみたいだ。ま、いずれ分かるだろう。

 

 二人のやり取りを見た母さんは感動のあまり嗚咽を漏らしているし。

 

「……なぁ兄貴、これなんのドラマだ?」

 

「……感動的なメロドラマじゃないか?」

 

 何か此処まで事が上手く運び過ぎると逆に呆れると言うか、何と言うか……。

 

「リューセー、貴方ねぇ……! 人の台詞を奪わないでよ……!」

 

 打ち合わせと違うと小さい声で俺に抗議してくるリアス。

 

「スマンスマン。俺が言った方が良いなと思わず。にしてもリアスがアルジェント(ライバル)の肩を持つとは少し驚いたよ。てっきり反対するかと思ってたんだが」

 

「……私はただアーシアの要望に応えただけよ」

 

 そうかい。心が広い事で。

 

「リアスさん! アーシア・アルジェントさんを預かります! いえ、預からせて下さい!」

 

 快諾するどころかお願いしてくる父さんに、さっきまで俺に抗議していたリアスはすぐにビジネススマイルの如く微笑む。

 

「ありがとうございます、お父さま」

 

「と言う訳でイッセー、父さんの許可も貰った事だから、アーシアをよろしくな。アーシア、今日から此処を自分の家のように寛いでくれ。あと家の母さんの事を本当の母親のように接してくれ。何しろ時々『娘がいたらどうなってたか』って溜息吐きながら呟いていたし」

 

「ちょ、ちょっとリューセー! あんたアーシアちゃんに何言ってるのよ!?」

 

 顔を赤くしながら怒鳴る母さんだが、それでも満更でも無さそうな顔をしていた。

 

「あの、リューセーさん。本当によろしいのでしょうか? 私なんかが……ご厄介になったら……ご家族にご迷惑じゃ……」

 

 困惑した様子を見せるアルジェント。

 

「前も言ったけど気にすんなって。家主である父さんと母さんが了承したんだからさ。それにアーシアは日本の文化や生活の仕方が分からないから、それを知る為に日本の土地の家で習うのが一番だ」

 

 本当は数日前までコッソリ俺の部屋に泊めていたが、それは当然父さん母さんには内緒なので、敢えて初めて此処に来たと言う風に言う俺。

 

 一応イッセーやアルジェントにもそう合わせるよう前以て打ち合わせ済みだ。その際にアーシアが家の両親を騙す事に少し気が引いていたようだが、そこは敢えて妥協してもらいたい。

 

「第一、アーシアは『他の家にホームステイするか?』って俺が訊いたら、迷いなく『大好きなイッセーさんがいる家じゃないとダメです』って言ったじゃないか」

 

「はうっ! わ、わたし何もそこまで言ってませんよ!? 確かにイッセーさんのお家が良いとは言いましたけど!」

 

「くぅ~~!! まさかアーシアさんが最初から我が家にホームステイする事を選んでいたとは! でかしたぞリューセー! アーシアさん! 我が家で日本に慣れなさい! これからずっと永住するかもしれないんだから!」

 

 もう完全にアルジェントをイッセーの嫁にする気満々だな。

 

「ほれ、父さんもこう言ってる事だしな」

 

 父さんの台詞を聞いたアルジェントは漸く笑顔を見せる。

 

「わかりました。なんだか、わからないところもありましたが、イッセーさん、リューセーさん、イッセーさんとリューセーさんのお父さま、お母さま、不束者(ふつつかもの)ですが、これからよろしくお願いします」

 

 こうして、アーシア・アルジェントは正式に兵藤家へホームステイする事が決定した。

 

「……花嫁、ね」

 

 少し蚊帳の外気味だったリアスが急に少し寂しげな表情を浮かべながらそう呟いた。

 

「どうしたリアス?」

 

「……別に。何でもないわ」

 

 俺の問いにはぐらかすリアスだが、俺だけでなくイッセーも気になっていた。

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