ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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第三十二話

「でな、その人と語り合って流石は直撃世代だと思ったよ。漫画版とアニメ版の相違点をスラスラと言ってな」

 

「マジかよ……あ~くそぅ! 本当に俺も行けば良かった……!」

 

 イッセーが契約を取り損ねた深夜。

 

 俺はイッセーがいる部屋で詳しい経緯を聞いていた。

 

 因みにアーシアは此処にいなく、先に風呂に入っている。イッセーがさっきまで「女の子が入った後の風呂」と呟いて妙に興奮していたから、如何わしい事をさせないよう俺が話題を変えて昨日の仕事内容の経緯を聞いている訳だ。

 

 話を聞いてて本当に後悔してる。まさかイッセーと会った依頼主が、直撃世代のドラグ・ソボールファンでかなり詳しいとはな。

 

 俺もドラグ・ソボールは大好きだから、是非ともその人と語り合いたかった。直撃世代の人と語れるなんて滅多にない機会だというのに、この愚弟と来たら……! 昨日の報告を聞いて、大人げなく叫んじまったよ。

 

「なぁイッセー、次にその人と会う場合は必ず俺も連れて行け。俺もその人と語り合いたいからな」

 

「分かった分かった。今度はちゃんと兄貴も呼ぶから」

 

「絶対だぞ。もし呼ばなかったら今度の修行で………ん?」

 

 イッセーに念を押してると、突然魔力の波動が感じた。それに気付いたのは俺だけでなくイッセーも同様だ。

 

 するとイッセーの部屋の床に光が走る。光は円状に展開し、グレモリー眷属の紋様が浮かび上がっていた。

 

 魔力からしてリアスだと思うが、何でアイツが此処にジャンプして来るんだ?

 

 俺の疑問を余所に眩い光が部屋を包み込んだ後、魔法陣から人影が現れる。

 

 そこから現れたのは――

 

「部長……?」

 

「やっぱりお前か」

 

 予想通り来たのはリアスだった。

 

 しかも何やら思い詰めた表情をしてると言うか、焦っているような感じもする。

 

 リアスは俺達を確認すると、先ずは俺に視線を向けて近づきながらこう言ってくる。

 

「リューセー、イッセーと二人っきりにさせて欲しいから、悪いけど部屋から出てもらえるかしら?」

 

「……はい? おいおいリアスさん、いきなり無断で人の家に上がりこんで何を訳の分からん事を――」

 

「大事なことなの! いいから早く出てって!」

 

「お、おい!」

 

 有無を言わせぬ勢いで俺の腕を引っ張り、そのまま俺をイッセーの部屋から無理矢理退出させようとる。余りにも突然な展開の為にイッセーが唖然と見ていたのを余所に、俺は部屋から追い出される事となった。

 

「リアス、せめて説明ぐらいは――」

 

 

 バチッ!

 

 

「っ!」

 

 ドアノブに手を掛けようとする俺だが、突然電流みたいな物が走った為に思わず引っ込めた。よく見るとドアノブだけでなく、ドア全体に魔力が通っていた。恐らくリアスがドアを開けさせない為に結界を張ったんだろう。

 

「………ここまでするか?」

 

 別にこの程度の結界を破るのは造作も無いんだが、アイツがそこまでしてやるって事は何か相当込み入った事態でも起きてるんだろうか。

 

「おいリアス、何でそこまでするかは知らんが、いくらお前だからってそんな勝手な真似は見過ごせないぞ。お前が結界を解かないと俺がぶち破るが?」

 

「お願いリューセー! 後で必ず説明するから今は何もしないで!」

 

 ドア越しから懇願してくるリアス。しかもかなり本気で。

 

「……………」

 

 本当なら今すぐにでもリアスの勝手な行動を阻止すべきなんだが……。

 

「………分かったよ」

 

 考えた結果、取り敢えず従って自分の部屋に戻る事にした。

 

 眷属も連れず態々一人で我が家にいるイッセーに会いに来る事っては、少なくとも争い事じゃないのは確かだと思う。

 

 益してやリアスがお気に入りのイッセーに危害を加えるような事はしないだろうし、仮にそうなっても返り討ちにされるのがオチだ。イッセーとリアスの実力差はあるから、そこは大して心配はしてない。尤も、色仕掛けみたいなことをされたらイッセーは形無しだが。

 

「取り敢えず何をするのかだけは見ておくか」

 

 部屋に着いた俺は机の引き出しから、身だしなみ用に使ってる卓上鏡を取り出して机の上に置く。

 

 これは普段の日常生活で使ってるものだが、俺が鏡面にトンと指に触れて力を発動させる事で――

 

「お? リアスがイッセーに詰め寄ってるな」

 

 隣のイッセーの部屋を見れる覗き鏡にもなれる。

 

 この鏡の事についてはイッセーに教えてはいない。もし教えてしまえば、イッセーの事だから必ず何かしらの理由で悪用して使うかもしれないと思って、敢えて伏せている。もし女子更衣室を覗く為に使われたら堪ったもんじゃないからな。

 

 因みにコレは声も聞こえるから、リアスの声も当然――

 

『イッセー、私を抱きなさい。私の処女を貰ってちょうだい。至急頼むわ』

 

 ………聞かなかった事にしよう。もしかしたら俺の幻聴かもしれない。あと部屋を見るのはもう止めて、事が終えるまで部屋で待つとしますか。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「え? ちょ? な? え? え? ええ~~~!!??」

 

 ちょ、ちょっと待って。何!? 何これ!? 何で部長がいきなり俺に処女を貰えって言ってんの!?

 

「ほら、リューセーがいなくなったんだから早くベッドへお行きなさい。私も支度をするから」 

 

「い、いや、で、ですからせめて理由だけでも」

 

 

 バッ!

 

 

 俺の発言を無視する部長がスカートを脱ぎ捨て、下着を露にした。

 

 うおおっ! じゅ、純白のパンツが! くそうっ! さっき部長が部屋の明かりを消したはずなのに何故か眩しいぜ! そして相変わらずスラッとした脚線美も素晴らしく、柔らかそうで引き締まった太腿も素晴らしい!!

 

 おお! つ、ついには上着にまで手を掛けようと……ちょ、ちょっとストップストップ!

 

「ぶ、部長! い、いきなり何してんすか!? 確かに俺に取っちゃすっげぇ超嬉しい展開ですけど、取り敢えず説明してください!」

 

 狼狽しながら上着を脱ごうとする部長に思わず待ったをかけようとする俺。

 

 いくら俺がエロで変態だからつっても、突然部長が現れて兄貴を追い出した直後に「エッチしよう」だなんて言われて、いきなり服を脱ぎ出したら説明を求めたくなるわ! いや本当に嬉しい展開なんですけどね!

 

 って! また俺の発言無視して上着まで脱いじゃったよ! ぶ、ブラジャーが! ブラジャーに包まれた俺の大好きなおっぱいが! 白く豊かな膨らみが惹かれるように俺の目を釘付けにする! もう俺の頭の中は兄貴を呼べと叫ぶ天使と、そのまま襲っちまえと言ってる悪魔が戦っちまってるよ!

 

 完全に混乱状態なってる俺を気にせずに部長は、息を整えた後、そのまま俺に近寄ってくる。

 

「イッセー、私じゃダメかしら?」

 

「い、いえいえ! そそそんなことはありません!」

 

「色々考えてみたけど、もうこれしか方法が無いの」

 

 一体何の方法ですか!? 全然話が見えないんですけど!

 

「既成事実が出来てしまえば文句は無いはず。それに私の初めての相手はやっぱりイッセーじゃないとダメ」

 

 は、初めての相手!? そ、それは凄く光栄だけど、今の俺にはそれを受け入れる余裕が全然ないよ!

 

「イッセー、念の為に聞くけど、貴方も私と同じく初めてかしら?」

 

「も、勿論っすよ!」

 

「そう……安心したわ。実力差はあっても、こう言う事はお互い初めてなのね」

 

 何が安心っすか!? 俺の頭の中は全然安心してないんですけど!?

 

 そして何故か安堵してる部長はそのまま俺に迫って、そのままベッドに押し倒されてしまった。

 

 ぶ、部長が俺に馬乗りしてる。柔らかいお尻と太腿が乗っかっている辺りが俺の男の象徴なところなんですけど!

 

 

 パチンッ!

 

 

 この音はいつも兄貴が力を使う時にやってる指パッチンじゃない。ブラのホックが外される音だ。それが解放され、ぷるんとした初めて見る部長の生おっぱい~~~! そしてピンクの綺麗な先端も生で見た~~!! アーシアとはまた違う新鮮なおっぱいだ~~!!

 

 部長がちょっとでも動くたびに俺の大好きなおっぱいがぷるんぷるんと揺れている。く、くそう! 余りにも破壊力が強すぎて鼻血が出そうだ!! これが美女悪魔の誘惑か!?

 

「イッセー、お互い至らない点もあるでしょうけど、何とかして最後までしましょう。大丈夫よ、仕組みは簡単。私のココにあなたのアレを収めるだけでいいの」

 

 自分の下腹部に指を当てた部長が次に、俺の右手を取ると……っておい!

 

 

 むにゅっ。

 

 

 俺の右手は、部長の生おっぱいに当てられた! 五指が極上に柔らかな感触を得ながらそのまま乳房に埋没していくぅ! 俺の全神経がおっぱいに当てられてる右手に集中してるぅ!

 

 や、やばいっ……! も、もう俺……!

 

 

 ブバッ!

 

 

 必死に出さないように我慢していた俺の鼻血が勢い良く噴き出してしまった。

 

 そ、それと同時に、お、別の限界が訪れてる……!

 

 部長の揉み心地抜群の極上おっぱいを揉んでいる所為で理性を保ってる糸があと一本で切れる寸前になってるぅ!! 俺の頭の中の悪魔が勝ちそうになってるよぉ!!

 

「分かるでしょ、イッセー? 私も緊張しているの。胸の鼓動が伝わってるでしょう?」

 

 確かに言われて見れば、柔らかいおっぱいを通して部長の心臓がドクンドクンと高鳴っていた。しかもよく見ると、部長の綺麗で白く滑らかな肌が段々赤みを帯び始めてる。

 

 って、ああっ! ぶ、部長が今度はスルスルと俺の服まで脱がしてるよ! うわああああ! 俺、女の子に服脱がされてるよぉぉぉ!!

 

 兄貴ぃぃぃぃ!!! 俺は一体どうすりゃ良いんだ~~~!!??

 

『んなもん知るか!! 自分で考えろ!! そこまで面倒見きれんわ!!』

 

 うおっ! ど、どこからか兄貴の渇が……!

 

 ええいくそっ! もうこうなりゃ自棄だ!! 自分で考えろっつーなら、やってやらぁぁ!!

 

 決意する俺に部長が顔を顔を近づけてくると、こう呟く。

 

「イッセー、私に恥を掻かせないで。だから……お願い」

 

 

 …………………ブチィッッッ!!

 

 

 あ、切れた。俺の最後の砦であった理性の糸がもう切れちゃいました。

 

 そうなった俺は即座にガバッと部長の肩を掴んで逆に押し倒した。

 

「ぶ、部長……俺、ケダモノになっちゃいますけど、なるべく優しくしますから……!」

 

 息が荒くなりながらも、再び部長の胸を揉み始めようとすると――

 

 

 

 カッ!

 

 

 突然部屋の床が再び光り輝きだした。

 

 それを見た途端に部長が嘆息する。

 

「……一足遅かったようね……」

 

「え? 部長、それって一体……っ!」

 

 忌々しそうに魔法陣を見つめながら言う部長に、俺はどう言うことなのかを尋ねようとするが急に何か恐ろしい魔力を感じた。

 

 さっきまで理性が無くなってエッチしようと思ってた俺だったが、途轍もない魔力の波動によって一気に取り戻し、すぐに部長から離れる。

 

 俺が最大限に警戒してると魔法陣から現れたのは、銀色の髪をした見知らぬ綺麗な女性だった。メイド服を着た出で立ちだ。メイドだと思われるだろうが、それとは別にこの人から途轍もなく恐ろしい魔力を感じる。はっきり言って今の俺じゃ太刀打ち出来る相手じゃない。

 

 姿を見せた銀髪の美女メイドさんは部長と俺の姿を確認するなり、静かに口を開こうとする。

 

「……このようなことをして破談へ持ち込むおつもりですか?」

 

 部長から少し離れている俺を怪訝そうに見てるメイドさんだったが、すぐに部長の方へと視線を向けて呆れた口調で淡々と言う。その言葉に部長が眉を吊り上げる。

 

「こんな事でもしないと、お父さまもお兄さまも私の意見なんか聞くつもりはないんでしょう?」

 

「だからと言って、このような下賤な輩に操を捧げると知れば旦那さまとサーゼクスさまが悲しまれますよ。いかにその人間がお嬢様よりお強い相手だろうと、それを見過ごすことは出来ません」

 

 旦那様にサーゼクス様って……ちょっと待て。兄貴から聞いた話じゃ、確かサーゼクスって人は部長のお兄さんで現四大魔王の一人って言ってたな。となると、この人はその二人の関係者か。

 

 にしても、下賤って……。やっぱ俺の事だよな。確かにお強い貴女から見れば弱い俺なんて下賤な人間でしょうけど、だからって初対面の相手にいきなりそんなこと言われると、ちょっとショックです。

 

「私の貞操は私のものよ。私が認めた相手に操を捧げて何が悪いのかしら? それに、人間だからと言ってこの子を下賤呼ばわりしないでちょうだい。いくらあなたでも怒るわよ、グレイフィア」

 

 ぶ、部長……! 人間の俺に対してそこまで認めてもらってるなんて凄く感動です! 

 

 グレイフィアと呼ばれた女性は呆れて嘆息しながらも、床にある部長が脱いだ上着を拾う。

 

「何はともあれ、あなたはグレモリー家の次期当主なのですから、ご自重ください」

 

 そう言って、部長の体に拾った上着をかけると――

 

「出来れば人の家に無断で入ってくるお姉さんもご自重して欲しいんだがな」

 

「「っ!」」

 

 今この部屋にいる三人以外の声に俺を除く二人が大きく目を見開きながら、声が聞こえた方へと向けた。

 

 その声の主は当然、兵藤家の長男である兵藤隆誠。俺の兄貴だった。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 全く。途轍もない魔力の波動を感じたと思って転移して来てみれば、まさか魔王サーゼクス・ルシファーの『女王(クイーン)』――グレイフィア・ルキフグスが現れるとはな。

 

 冥界で『最強の女王(クイーン)』と称されてるサーゼクスの眷属が態々人間界(こんなところ)まで来るって事は、どうやらリアスの今までの悩みはグレモリー家に関する事のようだな。そうでなけりゃ、目の前にいる人物がリアスを引き取りに来ない訳がない。

 

「りゅ、リューセー!? あ、あなたいつから其処にいたの!?」

 

「そこのお姉さんが現れた後からだ。あと出来ればちゃんと服を着てくれないか?」

 

 俺の登場に驚いているリアスだったが、指摘を受けた途端に恥じらいながら服を着始める。

 

 そんなリアスの行動を気にせずに俺は最大限に警戒をしてるグレイフィア・ルキフグスを視線を移すと、彼女も俺と同じく最大限に警戒していた。

 

 さて、どうしたものか。今の聖書の神(わたし)でも決して勝てなくも無い相手だが、出来ればなるべく戦いたくない相手だ。さっきも言ったようにグレイフィア・ルキフグスはサーゼクスの懐刀とも言える冥界最強の『女王(クイーン)』だ。

 

 前に戦った最上級悪魔クラスのエリーとは違って、この相手は最初から全力で戦わなければいけない。当然向こうも俺と同じ事を考えている筈だ。その証拠に、向こうはいつでも動けるように身構えてる様子を見せてる。

 

 取り敢えず敵対意思はないようアピールだけはしておこう。くどい様だが、グレイフィア・ルキフグスとはなるべく戦いたくない相手だ。もし戦ってしまえば最後、この家……いや、駒王町の周囲が更地と化してしまうからな。

 

「お姉さん、俺は単に人の家に無断で入ってくる事に文句を言いに来ただけだ。いくらリアスの関係者だからって、メイドとしてあるまじき行為なんじゃないのか?」

 

「…………これは大変失礼致しました。確かに貴方の仰るとおり、メイドとしてあるまじき非常識な行動でした」

 

 グレイフィア・ルキフグスは合わせようとしてるのか、俺に頭を下げて謝罪してきた。どうやらこの人も、俺とは戦いたくはないようだ。それなら話は早い。

 

「ま、そうまでして此処に来たって事は、リアスがやろうとした事は相当大問題だって事なんだろうが」

 

「お察しいただき感謝します。私はあるお方から、リアスお嬢さまを止めるよう命じられましたので」

 

 あと申し遅れましたが自己紹介させていただきます、と付け加えて言うグレイフィア・ルキフグス。

 

「はじめまして。私は、グレモリー家に使える使用人、グレイフィアと申します。以後、お見知りおきを」

 

 丁寧な挨拶をしてくる彼女に、いつのまにかちゃんと服を着たリアスが割って入ろうとしてくる。

 

「それでグレイフィア、あなたがここへ来たのは貴方の意思なの? それとも家の総意? ………もしくは、お兄さまのご意思なの?」

 

 こらこらリアス。人が話してる時に割って入るのは感心しないな。それだけこの人が阻止してまで此処に現れたのが気に食わないんだろうけど。

 

 でもまぁ大体事情は分かってきた。やはり思ったとおり、リアスの行動はグレモリー家にとって相当よろしくないようだ。

 

「全てです」

 

 問われたグレイフィア・ルキフグスは、そう即答した。それを聞いた途端、リアスは諦めたかのように深い溜息を吐く。

 

「そう。兄の『女王(クイーン)』であるあなたが直々に人間界へ来るんだもの。やはりそういうことよね。もう分かったわ」

 

 完全に諦め顔となったリアスはイッセーと俺に謝ろうとする。

 

「ゴメンなさい、イッセー。さっきまでのことは無かった事にしてちょうだいね。私も冷静じゃなかったわ。お互い、今日のことは忘れましょう」

 

「え、あ……は、はい。そ、そうですね」

 

 凄く残念そうな顔をしてるイッセー。多分アイツの事だから、リアスとエッチする事が出来なかったのを大きく後悔するんだろうな。

 

「リューセー、ゴメンなさい。何の説明もしないで此処に来てしまって。申し訳ないけど、私がこうした理由は明日教えるわ。それは必ず約束する」

 

「へいへい、わぁーったよ」

 

 グレイフィア・ルキフグスが来てる以上、落ち着いて説明する事が出来ないのは承知済みなので、俺は一先ず頷く事にした。

 

「イッセーにリューセー? ……っ! まさかあなた方が……!?」

 

 俺たち兄弟の名前を聞いたグレイフィア・ルキフグスが驚愕した表情で見てくる。

 

「ええ、兵藤一誠と、その兄の兵藤隆誠。イッセーは私の眷属候補で、『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』の使い手。悔しいけど、実力は私より上よ」

 

「……『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』、ですか。龍の帝王に憑かれた者……そして」

 

「そう。兄のリューセーは人間でありながらも天使の力を使うことが出来るわ。報告で聞いてる筈だけど、彼とは一種の協力関係よ」

 

 協力関係、ねぇ。別に間違っちゃいないから口を出す気はないけど。

 

「…………………」

 

 残念な事に、グレイフィア・ルキフグスはリアスと違ってそう簡単に信用出来ないみたいだ。

 

 まぁ当然か。いくらリアスが信用出来ると言っても、俺に対する警戒を未だに緩めてないし。恐らく後で主のサーゼクスにでも報告するんだろうな。

 

「グレイフィア、取り敢えず私の根城へ行きましょう。そこで話を聞くわ。当然、朱乃も同伴でいいわよね?」

 

「『雷の巫女』ですか。構いません。上級悪魔たる者、眷属の「女王」を傍らに置くのは常ですので」

 

「結構よ。先ずイッセー」

 

「っ!!??」

 

 そう言ってイッセーの方へツカツカと歩み寄ると、そのままイッセーの頬へとキスをした。

 

 余りにも突然な出来事にイッセーは固まってるが、内心凄く喜んでいるんだろうな。

 

 そしてリアスは次に俺に近寄ってきて、イッセーと同じく俺の頬へ――

 

 

 チュッ。

 

 

 軽いキスをされた。

 

「二人とも、今夜はこれで許して。迷惑をかけてゴメンなさいね。明日、また部室で会いましょう。あとリューセー、明日そこで必ず説明するから」

 

「ああ。明日の放課後には、いの一番に部室へ行くからな」

 

 別れを告げるリアスに俺がそう言うと、笑みを浮かべながらグレイフィア・ルキフグスと共に魔法陣の放つ光の中へ消えていった。

 

 因みにリアスがいなくなったことで、ドアに施された施錠用の結界が解かれていた。

 

「やれやれ、とんだひと騒ぎだったな。イッセーも災難だったな」

 

「……………兄貴、俺、俺……部長にキスされた」

 

 イッセーに話しかけるが、当の本人はリアスがしたキスの感触が忘れられないのか、頬を擦りながら呆然としていた。

 

 

 ガチャッ

 

 

「イッセーさーん、リューセーさーん、シャワー上がりましたよー」

 

 リアスとグレイフィア・ルキフグスが来ていた事を知らないアーシアが部屋に入ってきてそう言ってきた。

 

「……兄貴、悪いけど今は俺を一人にしてくれないか? そうでもしないと俺は……!」

 

「はいはい」

 

 ついでに今のイッセーにアーシアと二人っきりにさせない方が良いな。

 

 コイツがこの後に何を仕出かすかについては………純真なアーシアにはとても教えられない如何わしい行為をする、とだけ言っておこう。




次回、松田と元浜が!?
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