ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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今回は短いです。


第三十七.五話

「取り敢えず明日からの予定をイッセーとアーシアに教えないとな……」

 

 打ち合わせを終えた俺は一足先に帰って帰宅している。

 

 俺の提案を聞いて顔を青褪めていた後のリアスと朱乃は、『レーティングゲーム』の戦術を確認する為の作戦会議をすると言って未だ旧校舎に居残り中だ。

 

 男の俺が女に任せて一人だけ先に帰るのはどうかと思われるだろうが、当然俺も作戦会議に付き合うと言った。だがリアスから「今回は初陣だから、なるべく自分達だけで考えたい」と断られたので帰らざるを得なかった訳だ。

 

 まぁ確かに自分達が頑張ろうとするところを、サポート役とは言え第三者の俺が口出しをするのは出しゃばり過ぎだと思う。身内同士のいがみ合いとは言え、リアス達にとっては初の『レーティングゲーム』だからな。仕方ないと言えば仕方ない。だから俺はせめて、リアス達の実力を全て発揮出来るようトレーナーに集中させてもらう。けれどその分、リアス達には色々と覚悟してもらう事になるがな。

 

「明日が楽しみだ」

 

 どんなトレーニング内容をしようかと考えてる最中、いつの間にか家に着いたので、一先ず後回しにする事にした。

 

「ただいま~」

 

 いつも通り家に入って靴を脱ごうとすると、風呂場から出てくる母さんの姿があった。何故かロボットのように動きが変にぎこちない。

 

「あ、母さん。ゴメン、部活で遅く――」

 

「お、お父さーーーんっっ! ま、孫、孫が出来るわよ~~~っっ!!」

 

「…………は?」

 

 ちょっと待ってくれ、母さん。一体何の話? つーか孫が出来るってどゆこと?

 

 母さんのトンデモ発言にいまいち頭が付いていけない俺が首を傾げてると――

 

「うわぁぁぁぁ~~~!! もう死にてぇ~~~~!!!!」

 

「…………え~と」

 

 風呂場から今度は全裸のイッセーが出てきて、恥ずかしいと言わんばかりに自分の部屋に戻っていた。

 

 ……………あのさぁ。誰でもいいから、俺の頭を整理する為に状況を説明してくれないか? 正直言って、もう何が何だか分かんなくて頭がもう付いていけないんですけど。

 

「………もう良いや」

 

 考えた結果、今は明日のトレーニングメニューを考えようと一旦部屋に戻ろうとする俺に――

 

「あらリューセー、帰ってたの? 丁度良いわ。この際だからアンタも一緒に買い物に付き合いなさい。これから甥っ子が出来るから、アンタも伯父さんとして何か買ってあげなきゃ」

 

「うむ。母さんの言うとおりだぞ、リューセー。いや~、まさかあのイッセーが先に孫を見せるとは予想外だったよ。リューセー、次男のイッセーに先を越されてしまったのは悔しいだろうが、取り敢えず今はそんなのを抜きにしてイッセーを暖かく迎えようじゃないか」

 

「頼む二人とも! お願いだから何でそんな大事件的みたいな展開になったのかを説明してくれ!!」

 

 イッセーが孫を作ろうが、俺が伯父になろうが、今はとにかく軽くでもいいから俺の頭を整理させてくれっっ!

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「で、昨日は一体何が遭ったんだ?」

 

 次の日の朝。

 

 俺は自室にイッセーを呼んでいた。椅子に座ってる俺の向かいに横並びで床に正座しているイッセーを問い質す為に。

 

「え、えっとですね……ちょっとした事故が起きたから、じゃダメか?」

 

「………………」

 

 ふざけた返答に、俺は頬を引き攣らせながら無言で――

 

 

 パチンッ!

 

 

「わぁ~! ゴメンなさい! 言います! 言いますから!」

 

 右手を持ち上げて指を鳴らし光の槍を創生して狙いを定めると、イッセーは観念するように即行で頭を下げて白状しようとする。

 

 因みに昨日は訳も分からんまま、父さんと母さんに深夜営業のディスカウントショップへ無理矢理連れてかれた上に買い物までつき合わされた。母さんから「安物でも良いから伯父として玩具を買うように」って言われて。

 

 買い物の後にイッセーを問い質そうにも、「明日には説明するから今は一人にしてくれ!」と言われて仕方なく待つ事にした。聞きたいのを必死に堪えてな。

 

 そしてやっと説明が聞けるってのに、その答えがあんな一言で言われたら、思わず光の槍を出したくなるわ。

 

「じ、実はな。昨日俺が風呂に入ろうとしたんだけど、運悪くアーシアがいてな」

 

「アーシアが?」

 

 何もかも観念したイッセーは昨日の状況を簡単に説明し始める。の説明内容の中には所々自分の葛藤も含まれていたが。

 

 説明内容を要約すると、アーシアが風呂に入ってる事に全く気付かずドアを開けてしまい、彼女の裸を見てしまったそうだ。しかも自分(イッセー)の全裸(+大事なところ)もアーシアに見せてしまったそうで。そしてイッセーが風呂場から出ようとするも、アーシアが引き止めて「裸の付き合いをしようと」常識ハズレな行動をしてしまった。そんなアーシアにイッセーは必死に理性と戦って説得しようとする際、運悪く母さんに見付かってしまい、これから情事をおっぱじめると言う盛大な勘違いされたんだと。

 

「………成程。それで母さんがあんな行動を取ったわけか」

 

 不要な部分を除いて頭の中を整理出来た俺はやっと理解出来た。

 

 うん、そりゃ母さんが勘違いするのは無理ないな。浴室で全裸の若い男女が抱き合うところを見れば、母さんみたいな行動はしないが俺も勘違いして『お邪魔しました』って言ってどっか行く。

 

「……はぁっ。取り敢えず状況は分かったよ」

 

「ご、ご理解頂けて何よりです、お兄様」

 

「気色悪い呼び方すんな。にしても、アーシアに『裸の付き合い』なんてバカな事を吹き込んだ奴は誰なんだ? 俺は少しばかりソイツとOHANASHIしたいんだが」

 

 純真無垢なアーシアに如何わしい事を教える不届きな輩は、保護者である聖書の神(おとうさん)が許しません。

 

「だ、誰かは知らねぇけど、多分俺のクラスの女子だと思う。アーシアはまだ転校したばっかだし、それにあんな素敵な……ゴホンッ! 変な知識を与えた女子には俺から言っとくから、兄貴は手を出さないでくれ」

 

 ………おい、今さりげなく本音を言おうとしたろ。

 

 コイツは何だかんだ言ってアーシアの裸を見れてラッキーと思ってるんじゃないだろうか。もしくはそのまま風呂場で情事をおっぱじめたかったとか……。

 

 取り敢えずアーシアに変な知識を吹き込んだ犯人がイッセーのクラスメイトの女子なら、俺が彼是(あれこれ)と口を出すのは不味いか。一先ずイッセーの言うように手を出すのは止めておこう。尤も、もし男子の松田や元浜であれば話は別だが。

 

「………んじゃ、お前に任せるよ。それはそうとイッセー、悪いがアーシアを此処に呼んで来てくれ」

 

「わ、分かった」

 

 急に真面目な顔になった俺に、イッセーは戸惑いつつも一旦部屋から出た。それからすぐにイッセーが戻って来て、今度はアーシアも部屋に入ってくる。

 

「お邪魔します、リューセーさん。それで、何か御用でしょうか? ひょっとして今日から始める修行についてですか?」

 

 入ってすぐに挨拶をしてから質問をしてくるアーシア。

 

「正解。取り敢えず今は二人に簡単な説明だけしておく。昨日リアス達と話し合った結果、今回の修行で俺達オカルト研究部は、グレモリー家所有の別荘がある山で修行しに行く事になった」

 

「え? ぶ、部長のところでか?」

 

「リアス曰く、『修行をするなら人がいない山奥が一番最適だから』、だそうだ。あと修行内容と今後の事については現地に着いてから俺の方で説明する。ってな訳で、今から直ちに身支度をするように。以上」

 

「はい、分かりました」

 

 軽い説明内容を聞いたアーシアは疑う事無く頷いて部屋から出ようとすると、イッセーが待ったを掛けた。

 

「ちょ、ちょっと待ってくれ、兄貴。身支度をしろって事はつまり……もしかして修行中、そこで泊まるのか?」

 

「当たり前だ」

 

 何分かりきった事を聞いてるんだ、と呆れたように言い返す俺。

 

「いや、俺が訊きたいのは、修行つっても学校とかどうすんだ? 流石に十日も学校休んだら不味くねぇか?」

 

「それは大丈夫だ。リアスの方で俺達オカルト研究部は諸事情により特欠扱いしてくれるそうだ。まぁ休んだ分、『レーティングゲーム』が終わった後に補習を受ける事になるが」

 

「やっぱそうなるのかぁぁ……」

 

 学校の授業を受けない代わりに補習を受ける事を知ったイッセーはガクッと顔を伏せる。

 

「なぁ兄貴ぃ……。部長の一大事なんだから、補習くらい多目に見てくれないのか?」

 

「ダメだ。『授業が遅れた分はちゃんと取り戻さないといけない』ってリアスが言ってたからな。こればかりは俺もどうしようもない。諦めろ」

 

「イッセーさん、ちゃんとお勉強しないとダメですよ」

 

「そうは言うけどなぁアーシアぁ。俺にとって勉強ほど苦痛な物は無いんだよぉぉ……」

 

 やれやれ。今代の赤龍帝の弱点が勉強とはな。情けないったらありゃしない。

 

「そんなに学校の補習が苦痛で嫌なら、ローズさんに頼んでマンツーマンの家庭教師してもらうよう頼むか? それならリアスも――」

 

「普通に補習を受けますので、どうかそれだけは勘弁して下さいお兄様!!」

 

 己が身に危険が迫る場合だと即座に回避しようとするか。現金な奴だ。

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