ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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一ヶ月以上空けてしまい、申し訳ありません。

久しぶりの更新ですので、今回はダラダラ感丸出しな内容です。


第五十五話

「アイツ……自分がとんでもない事を口走ってる事に全く気付いてないな」

 

「ハッハッハ。まさか真顔であんな台詞を言うとねぇ。君の弟くんは天然と言うか無自覚と言うか、中々に面白い」

 

 弟のとんでもない発言に、俺――兵藤隆誠が更に呆れていた。隣のサーゼクスは愉快そうに見ているが。

 

 けどまぁ、それを抜きにすれば実に良いタイミングでリアスとアーシアの下へ来てくれた。もし遅かったらアーシアが戦闘不能(リタイヤ)となり、その後にリアスもやられて敗北が決定していたからな。

 

「それにしても、弟くんには色々と驚かされることばかりだ。まさか我々が作った異空間に亀裂を与えるとは」

 

 さっきまで笑みを浮かべていたサーゼクスだったが、イッセーが撃った闘気(オーラ)波の威力を見て急に真面目な顔となった。

 

 罅が入ってる亀裂は動画を巻き戻すように戻っていき、すぐ元に戻った。あの亀裂を早く直さないと面倒な事になるのを分かってるから、悪魔スタッフ側はすぐに直したんだろう。

 

「すいません、ご迷惑をお掛けしまして」

 

「いやいや。あれぐらい直せないようでは、こちらとしても面目が立たないからね」

 

 寧ろ直して当然だと言うサーゼクス。確かに人間が異空間に罅を入れて直せませんでしたなんて事になったら、悪魔側はとんでもない恥を掻く事になる。いつも見下す人間なら尚更に。

 

「さて、弟くんは次に何をしてくれるのかが楽しみだよ」

 

 何かを期待するように言うサーゼクスだが――

 

(イッセー、忘れてはいないだろうが、ちゃんとリアスに華を持たせるんだぞ)

 

 俺は少しばかり不安な気持ちとなって見守っていた。

 

 因みに――

 

「サイラオーグさま、どうか落ち着いてください! 貴方さまが発する闘気で周囲が引いています!」

 

「これでも抑えている方だ……。少しでも気を抜いてしまえば、俺はもう……歯止めがきかなくなる……!」

 

 サイラオーグはイッセーと戦いたい衝動を必死に抑え込んでいた。目なんかもう完全にイッセーを自分の獲物のように見ているし。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「部長、アーシア、怪我は無いようで……ん?」

 

 二人の安否を確認する為に視線を向けると、部長とアーシアが何故か顔がトマトみたいに赤くなってた。特に部長は紅髪の所為か、顔が髪と同じく真っ赤になってる。

 

「あの、二人とも大丈夫ですか?」

 

「え、ええ、大丈夫よ……」

 

「は、はい、大丈夫です……はうぅ……」

 

 俺の問いに二人は問題無いように答えてるが、それでも顔は赤いままだった。俺、なんか変なこと訊いたか?

 

 まぁ見た感じ大丈夫そうだから、取り敢えず今は気にしないでおくか。それよりも――

 

「小僧、俺の前であんな台詞を言うとは、随分良い度胸してるな……!」

 

「思った事を言っただけだ。テメェが部長の婚約者なんかどうかなんて俺には関係ねぇからな」

 

 敵の大将(キング)――ライザーをどうにかしないといけないからな。

 

 俺はすぐにライザーと同じ位置まで浮遊して対峙する。そんな俺の行動が気に食わないのか、ライザーはかなり不愉快そうな感じだ。

 

「まだそんな減らず口を叩くか、人間風情が。どうやら余程死にたいようだ」

 

「その人間風情の俺にテメェの眷族は俺に倒されたけどな。レイヴェルって子も戦意喪失してたぞ」

 

 俺が倒したのは『兵士(ポーン)』二人、『僧侶(ビショップ)』一人、『戦車(ルーク)』一人、『騎士(ナイト)』二人、合わせて六人だ。人間の俺が一人で悪魔を六人倒しただけで充分な戦果と言ったところだろう。

 

「レイヴェルの奴が戦意喪失だと? バカを言え。貴様如きにレイヴェルが――」

 

「俺の所為で泣かしちまったから、ハンカチ渡した後、倒さないですぐにお前のいる此処に来たんだ。なんだったら後で聞いてみろよ」

 

 目の前で泣かれたら流石にアレ以上戦う気なんか無かったけどな。いくら相手が悪魔だからって、可愛い女の子を甚振る趣味なんてねぇし。

 

「………ちっ。まぁ良い。どの道貴様のような人間風情が来たところで、俺が勝つ事に変わりはない」

 

「へぇ……」

 

 随分と余裕面してやがるな、ライザーの野郎は。

 

 俺が人間だから舐めてるのか、それとも自分は不死身だから負ける事はないかのどっちか考えてるんだろうが……いや、もしくは両方か。

 

 何しろ大抵の貴族悪魔は人間を下等な存在としか見てねぇからな。それがたとえ俺が赤龍帝だとしても、人間ってカテゴリーに収まったら尚更だ。

 

「だったらテメェの考え、すぐに改めさせてやるよ。つーか人間舐めんな、この焼き鳥野郎」

 

「っ! 貴様、この状況でまだ俺を焼き鳥と罵るか……! あの兵藤隆誠と同じく、本当に不快な存在だな……!」

 

「んなもんお互い様だろうが」

 

 浮遊して対峙する俺が言った途端、殺意全開にして睨んでくるライザー。同時に全身から真っ赤な炎を纏わせている。アレはもう俺を殺す気満々な様子だ。

 

「ちっ、ここまで俺を不快にさせた人間は貴様等が初めてだ。あの兵藤隆誠がレーティングゲームに参加していれば、二人纏めて片付けていたんだが」

 

「一つ言っておくぜ、ライザー。テメェ程度じゃ兄貴は倒せねぇよ」

 

「何?」

 

 もし兄貴が本気でライザーと戦ったとしたら、間違いなく兄貴の勝ちだ。

 

 勝つ方法は色々あるが、例えば兄貴が夥しい光の槍と光の剣を出して串刺し刑を実行したら、いかに不死身のライザーと言えども生きてはいない。悪魔であれば尚更な。

 

 因みに弟の俺でも未だに勝つ事は出来ない。何とか攻撃を当てて傷を負わせる程度までは行けるんだが、結局はアッサリと負けちまう。それだけ今の俺と兄貴の実力差があるって証拠だ。年がたった一つ違うだけなのに、なんであそこまで強いのかが今でも分かんねぇ。

 

「そして俺にも勝てねぇ。俺を人間だと甘く見てる今のお前にはな」

 

「………貴様、どうやら余程死にたいようだな……。この俺が、人間如きに勝てないだと? どうやら貴様は俺の可愛い眷族達を倒したぐらいでいい気になってるようだ。ならばその思いあがり、今すぐに分からせてやろう。貴様の死でな!!」

 

 

 ゴウッ!

 

 

 俺の台詞に相当頭にきたライザーは今まで以上に全身から炎を燃え上がらせていた。少し距離を取ってる俺でも、アイツから発する炎が熱く感じる。

 

「俺を殺すか。面白ぇ、やってみな!」

 

 そう言って俺は構えてライザーに向かって突っ込んで行こうとすると――

 

reset(リセット)

 

「何っ!?」

 

 突然『赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)』の宝玉から音声が発した直後、俺を纏っている闘気(オーラ)が急に消えてしまった。

 

「バカが!」

 

 

 ドゴッ!

 

 

「がはっ!」

 

 無防備となってしまった俺にライザーが空かさず俺の腹に拳を深く突き刺し、更に抉るように拳を回転させてきた。

 

「散々調子の良い事をほざいた挙句に時間切れとはな!」

 

「ぶっ!」

 

 愉快と言わんばかりにサディスティックに嘲笑しながら、今度は俺の顔面を殴り続るライザー。

 

「イッセー!」

 

「イッセーさん!」

 

 俺がライザーに顔や腹部等の上半身を殴り続けられるのを見てる部長とアーシアが声をあげる。だがライザーはそんなのお構い無しに俺を殴るのを止めなかった。

 

「フハハハハッ! 貴様ほど道化に相応しい奴はいないぞ人間! だがな! 例え貴様がこの場で命乞いしたところで許さん! 俺を虚仮にした罪は重い!!」

 

 

 ガンッ!

 

 

 ライザーは両手を上方で組んで、ハンマーみたく振り下ろして俺の頭部に当てる。それをモロに食らった俺は勢い良く落下していき、そのまま新校舎の屋上出入り口へと向かっていく。

 

「っ!」

 

「小僧! これで終わりだ!」

 

 背中に壁を強打した俺を気にも留めてないライザーは、すぐに片手から少し大きめな炎の玉を出し――

 

「精々あの世で詫びる事だな!」

 

「止めなさいライザー! そんな事をしたらイッセーが!!」

 

 部長の制止を無視するように俺目掛けて撃ち放ってきた。その直後――

 

 

 ドガァァァァァァンッッッ!!

 

 

「あ……あ、ああ……ああああ!!」

 

「いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~!!!」

 

 炎の玉が俺だけでなく屋上出入り口と一緒に吹っ飛ばすように爆散し、その光景を見た部長とアーシアが悲痛な叫びをあげていた。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「ふんっ、バカが。人間風情が調子に乗るからだ」

 

 一誠が炎の玉を直撃し、屋上の出入り口と一緒に燃え盛っているのを見たライザーはそう吐き捨てる。そしてもう興味が無くなったのか、悲しみに満ち溢れた表情をしているリアスとアーシアの方へと視線を向ける。

 

「い、イッセー……」

 

「イッセー、さん……嘘、ですよね?」

 

「リアス、もういい加減に投了(リザイン)しろ。キミの頼みの綱だった人間はもう死んだ」

 

「っ!」

 

 ライザーの発言にリアスは涙を浮かべながらも、怒りに満ちた表情でライザーを睨む。同時にリアスの全身から紅い魔力が迸っている。

 

「ライザー……!」

 

「おお恐い恐い、そう睨むなって」

 

 リアスの魔力に内心驚きつつも、ライザーは顔に出さず宥めるように言う。

 

「貴方、自分が何をしたのか分かってるの……!? イッセーを殺す必要は無かった筈よ!?」

 

「あの人間は俺を散々侮辱したんだ。死んで当然さ。それにこの『レーティングゲーム』で誰かが死亡しても、ゲーム中の事故として認められるからな。益してや人間が一人死んだところで、このゲームに何の影響も無い」

 

 『レーティングゲーム』中での死亡は事故として処理される。それはルールの一つとなっており、暗黙の了解となっていた。だからライザーが一誠を殺したとしてもリアスは非難する事は出来ない。

 

「私の前で、よくも抜け抜けと……!」

 

 

 ゴウッ!

 

 

 しかし、リアスに正論を言っても無駄だった。今の彼女はライザーに怒りと憎しみが増大し、紅い魔力を更に上昇している。

 

(まさかここまで魔力が上がっているとは……)

 

 これには流石のライザーも少しばかり焦った表情をしている。このままリアスを更に怒らせたら、もう自分の手に負えなくなると判断したライザーは早々に決着を付けようとした。

 

「口で言っても分からないなら、キミにはやはり少しばかり痛い目に遭わせたほうが良さそうだ。安心しろ。キミが傷ついても、俺が責任を持ってフェニックスの涙で治療を――」

 

 

 ドンッ!

 

 

「「きゃあっ!」」

 

「何っ!?」

 

 突然の衝撃波にライザー達が驚愕の声をあげる。すると、さっきまで燃え盛っていた炎がいつの間にか消えて無くなった。

 

 そしてさっきまで屋上の出入り口と一緒に炎で包まれていた筈の一誠が何事も無く立っている。着ている制服や身体には焼かれた跡や焦げた臭いなど一切無い。傷があるとすれば一誠の頬に殴られた跡と、口の辺りから僅かな血が流れているだけだった。

 

「ふうっ、効いた効いたぁ。チャラい見た目とは裏腹に、随分良いパンチだったぜ」

 

 ライザーの攻撃を賞賛しながら、制服の上着に着いてる汚れを両手で使ってパッパッと手で取り払っている一誠。

 

「ば、バカな……! 貴様、何故生きて……」

 

「イッセー!」

 

「イッセーさん!」

 

 驚いているライザーを余所に、一誠が無事であると認識したリアスとアーシアが揃って駆け出す。

 

「良かった、あなたが無事で本当に良かった……!」

 

「イッセーさん、す、すぐに傷の、治療を……!」

 

 無事を確認した事に安堵したリアスとアーシアが涙を流している事に苦笑してる一誠。

 

「二人とも、そう泣かないで下さいって。あとアーシア、大した傷はねぇから治療しなくても大丈夫だよ」

 

 聖母の微笑(トワイライト・ヒーリング)を展開して傷の治療をしようとするアーシアを、一誠は大丈夫だと言って止めさせようとする。

 

「で、でも、イッセー。あなた、ライザーの攻撃で……」

 

「いくらライザーの攻撃が効いたって言っても、あれ位でやられませんよ。こう見えて俺は修行で身体が超頑丈になってるんで」

 

 一誠は普段から隆誠の厳しい修行によって攻撃を受け続けた事により、強靭な肉体となっている。赤龍帝だからと言えばそれまでだが、一誠は赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)を抜きにしても、並みの攻撃を受けてもビクともしないほど防御力が高い。それ故に上級悪魔であるライザーの猛攻撃を受けても、大してダメージは受けてなかった。

 

「ですから部長、今は俺の事よりゲームを優先して下さい。俺が絶対に部長を勝たせますから」

 

「イッセー……」

 

 ニカッと笑って言う一誠の台詞にリアスは呆然とする。同時に人間の一誠が自分の為に傷付きながらも頑張るのを見て、非常に申し訳ない気持ちにもなっていた。自分は一誠より弱くて足枷になっているのにと、今のリアスに一誠は凄く眩しい存在に見えていた。

 

 そんなネガティブに思考してるリアスに一誠は――

 

「合宿の夜に言ってたでしょう? 自分が認めた好きな人と結婚したいって。まぁ部長の好きな相手が誰なのかは知らなくて非常に気に食わないですけど、ソイツと幸せになってくれれば俺は充分ですから」

 

「っ!」

 

 自分の好きな人と結ばれてくれと言って、すぐに浮遊してライザーと同じ位置で対峙する。




次回で何とか戦闘を終了出来る様にします。保証は出来ませんが。
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