ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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久々の更新です。


第五十七話

「ふむ。ライザーくんは妹のお蔭で冷静になったようだね」

 

「あ~あ……。イッセーの奴、ドジッたな。あの時彼女を口説かずに倒していれば……」

 

 怒り狂っているライザーを妹のレイヴェルが必死に宥めた事により、サーゼクスは彼女を賞賛し、俺――兵藤隆誠はイッセーがやらかした行動に対する不満を吐露している。

 

 それにしてもあのレイヴェルって妹、あの状況でライザーを宥めたのは見事な判断だ。怒り狂ってるライザーをイッセーが思うように動かそうとするところを、彼女はそれを予想して宥めたんだからな。今のままじゃイッセーに勝てないと。

 

 俺もサーゼクスと同じく内心賞賛してると、画面で冷静さを取り戻したライザーがイッセーに話しかけようとする。

 

『俺はさっきまで頭に血が上っていただけじゃなく貴様を舐めていた。だがこれからが本領発揮の時だ。覚悟はいいか、赤龍帝!』

 

『へっ、そうこなくっちゃな。期待してるぜ、ライザー・フェニックスさんよぉ』

 

『っ! ………本当に頭に来るやつだ。だがそう強がってるのも今の内だ』

 

 強がってなんかいないぞ、ライザー・フェニックス。イッセーは余裕と絶対の自信があるから、ああ言ってるんだ。

 

 ライザーの発言に俺は内心指摘すると、見物してる貴族悪魔達はさっきまで唖然としてたのが打って変わったように、安堵した様子でライザーを見ている。

 

「おお、ライザー殿がやっと調子を取り戻しましたな」

 

「レイヴェル殿のお蔭で冷静になっただけでなく、もう一切の油断も無さそうですな」

 

「如何に赤龍帝とは言え、ライザー殿がああなれば負けは確定と見て良いでしょう」

 

 調子の良い奴等だ。何かアイツ等のああやってる事って人間の貴族と大して変わんないって自覚してんだろうか。

 

 ま、その中でサイラオーグは何とか戦意を鎮めても、未だにイッセーを注視してるが。

 

『はぁぁぁぁぁ……!』

 

 お? ライザーが魔力を溜め始めたな。奴の全身から凄まじい炎を吹き出すだけじゃなく、その炎が段々形成して巨大な羽となっていく。

 

 しかもただの巨大な炎の羽じゃない。画面上でしか分からないが、アレは見た感じかなり研ぎ澄まされている炎だ。一種の武器にさえもなるほどに。

 

「ほう。ライザーくんがあそこまでするという事は、弟くんを真の敵と見なしてるようだね」

 

「あのレイヴェルって妹がいなければ、ああはなりませんでしたけどね」

 

「ふふっ、兄を補佐する妹という図は何とも素晴らしいよ」

 

「言っておきますがサーゼクス様、俺の妹分であるアーシアはアレくらい出来ますよ。ですが果たして、お宅の妹のリアスが出来るかどうか」

 

「む?」

 

 そう言った直後、さっきまで笑みを浮かべていたサーゼクスがピクッと反応するように俺を見る。

 

「ハッハッハ、何を言うのかね隆誠くん。リアスもそれ位は出来るさ。君には後ほど(リアス)の素晴らしさを教える必要があるようだね」

 

 ………しまった。サーゼクスは超が付くほどのシスコンだってのを少しばかり忘れてた。多分コイツの事だから、妹自慢を長々と語るかもしれない。そうなる前に退散しないと。

 

 内心面倒な事になったと思いながら画面を見てると、ライザーは纏ってる巨大な炎の羽を思いっきり羽ばたいた瞬間――

 

 

 ゴウッ!

 

 

『げっ!』

 

 そこから炎が噴き出てイッセーに襲い掛かった。当然それを見たイッセーは喰らわないよう、すぐに超スピードで回避する。

 

『はっ! 見えたぞ赤龍帝!』

 

 イッセーの超スピードが見えたのか、即座に追跡をするライザー。

 

 そしてすぐに追いついた途端、ライザーは炎を纏ったパンチやキック等の格闘技でイッセーに攻撃を仕掛ける。

 

『うおっ! 何のこれしきぃ!』

 

『チッ! ハアァァァアア~~~!!』

 

 イッセーも負けじと身体に闘気(オーラ)を纏い、ライザーと空中による攻防を開始した。互いに仕掛ける攻撃に対して躱す、反撃する、躱すと言う繰り返しだった。

 

 う~む、ライザーの奴は才能便りの戦いしかしないが、格闘技もそれなりに出来るようだな。少しばかり俺のリサーチ不足だったか。

 

 イッセーもイッセーでライザーの戦い方が予想外のように驚いているが、それなりに楽しんでいる顔だった。アイツは俺と同じく『ドラグ・ソボール』に嵌ってる上に、ああ言う格闘戦が好きだからな。

 

 あの攻防は五分以上続いているが………何か妙だな。俺の気のせいかどうかは今も分からんが、戦ってる二人と新校舎にいるリアスとアーシアからどんどん離れていく。今はもう上空にある異空間の壁ギリギリの位置までいるし。

 

 これは何かあると思ったほうが良さそうだ。イッセー、ライザーの奴が何を考えてるかは知らんが、決して油断するなよ。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

(ライザーの野郎、どう言うつもりだ?)

 

 俺――兵藤一誠はライザーとの格闘戦を楽しんでいたが、少し不信感を抱いた。

 

 さっきからコイツは、どんどん俺を上空へと上がらせる為の攻撃ばかりやってんだよな。今はもう異空間の壁ギリギリの位置まで浮いているんだが。

 

 そんな俺の違和感を気にしてないように、ライザーは俺との攻防を一旦止める様に距離を取って後退する。

 

「ちっ、さっきからちょこまかと。逃げ足だけは速いようだな」

 

「そっちこそ、さっきとは違って随分マシな攻撃をするじゃねぇか」

 

 取り敢えず俺の疑問を余所にしようと、ライザーに対して挑発染みた軽口を叩く。

 

「マシな攻撃をするだと? そのクソ生意気な口を今すぐ叩けなくしてやる」

 

 そう言ってライザーは構えを解くように両腕を下ろす。けれど奴が纏っている炎の翼はあるままだ。

 

 何だ? 一体何をする気なんだ?

 

「どうした? 俺の口を叩けなくするんじゃないのか?」

 

「ああ、すぐにやるさ。これでな!」

 

 ライザーがそう言った瞬間、即座に開いた両手を俺の前に向ける。すると、ライザーが纏っている全ての炎が両手に集まって凝縮された高密度な玉となって――

 

 

 ドゥンッ!!

 

 

「っ!!」

 

 俺目掛けて凄まじい勢いで発射された。

 

 アレを喰らったらマジでヤバイと思った俺は――

 

「はあっ!!」

 

 

 ドォォンッ!!

 

 

 即行でドラゴン波を使って切り返すことにした。

 

 ライザーの高密度な炎の玉と俺のドラゴン波はぶつかり、お互い負けじと突き進もうとする。

 

 だがその数秒後、その二つはもう維持が出来なくなったかのように――

 

 

 ドッガァァァァァアアアアアンッッッッッッ!!!

 

 

「ぐぅっ!」

 

 大爆発が起きた所為で、俺は即座に吹き荒れる凄まじい熱風が顔に受けないよう両腕を交差する。

 

「きゃあっ!」

 

 この大爆発でいつのまにか近くに来ていたレイヴェルが飛ばされそうになっていた。

 

 レイヴェル程ではないにしろ、新校舎の屋上にいる部長やアーシアも被害が及んでいるも、部長が咄嗟に自分とアーシアを守るように防御結界で凌いでいるから大丈夫だ。

 

 そして熱風が収まると同時に煙も晴れると、眼前にはライザーが俺の無事な姿を見て舌打ちをしていた。

 

「ふうっ。今のはマジでやばかったぁ……」

 

「クソが! 俺のとっておきを防ぎやがって……。本当に頭にくる野郎だ……!」

 

 ライザーの野郎は無傷か。クソッ。俺のドラゴン波でダメージを受けるのを期待したんだが……。

 

 やべぇな。これ以上チンタラ戦ってると、いつまでも部長に華を持たせる機会が訪れねぇ。

 

 やっぱここは強烈なダメージを与える為に、俺の奥の手を使うしかねぇみたいだ。

 

「チッ。どうやら貴様の方が俺より実力が上のようだな。認めよう、貴様は確かに俺より強い」

 

 …………んん? 俺の聞き違いか?

 

 さっきまで人間の俺を見下してたライザーがあり得ない発言をしたんですけど……。

 

「おいおいライザーさんよぉ、一体どう言う心境の変化だ? そんな台詞を聞くと、何か裏があるんじゃねぇかって思うんだが」

 

「裏なんか無い。冷静に貴様と戦って勝てない事を悟っただけだ」

 

「ホントに気味悪ぃな。お前それマジで言ってんのか?」

 

 やばい。コイツが降参したら部長に華を持たせる展開が無くなっちまう。

 

 そうなったら兄貴が危惧した事態に発生して、人間メインで勝利した俺に悪魔上層部の連中が絶対に口出ししてくる。それだけは何としても避けないと!

 

「勝負ってのは最後までやんねぇと分かんないもんだぜ?」

 

「ふん。このまま貴様と戦ったところで負けるのが目に見えてる。これ以上は無様な姿を晒すつもりはない」

 

 おい~~~~!! マジでやばいんですけど!

 

 コイツ、俺に勝てないからって棄権する気だよ!!

 

 どうすりゃ良い!? どうすりゃライザーが踏み止まってくれる!? ホントにやべぇよ!!

 

「貴様との勝負は諦めるとしよう。だが勝負は捨てても試合には勝たせてもらう」

 

「っ!」

 

 俺が内心焦っているのを余所に、ライザーは澄ました顔でそう言いながら、何故かレイヴェルの方をチラッと見ている。その視線にレイヴェルは何か気付いたような顔をしてるが。

 

 ってか、勝負は捨てて試合には勝つだと? 何を言ってるんだ?

 

「それはどう言う意味だ?」

 

「このレーティングゲームはフェニックス家とグレモリー家の未来が掛かった試合でもある。だから……今だレイヴェル!」

 

「はいっ!」

 

「は? レイヴェル?」

 

 ライザーが叫んだ瞬間、レイヴェルが突然俺の眼前に現れた。

 

 俺が思わず気が緩んでしまうと――

 

「はああっ!!」

 

「何っ!? ぐっ!!」

 

 レイヴェルが見えない魔力の何かで俺の体を締め付けるように束縛し、動けなくなってしまった。 

 

「ぐぅぅぅっ!! おいライザーの妹、一体何のつもりだ!?」

 

 闘気(オーラ)を最大限に出して自力で束縛を解こうとしても、すぐには無理だった。同時にレイヴェルが苦しそうな表情をしている。

 

「くっ! さ、さすがは赤龍帝ですわね……! お兄さま、今の内に早く! 私では数分が限界ですわ!」

 

「それだけあれば充分だ! じゃあな赤龍帝!」

 

「何だと!? っておい、テメエどこに……まさか!」

 

 俺に背を向けながら地上へ降りていき、全速力で向かった方向の先には部長とアーシアがいた。

 

 あの野郎、勝負を捨てて試合に勝つってのはこう言うことだったのか!

 

 レイヴェルが俺の足止めをしてる間、ライザーはその隙に『(キング)』の部長を倒して勝つって寸法かよ!

 

 そう考えるとライザーが俺を新校舎の屋上にいる部長達から引き離す為に、異空間の上空ギリギリまで上がらせた事に納得も行く。

 

 俺がレイヴェルの束縛魔術を解いてライザーを追ったとしても、部長達の下に向かっているライザーとは既にかなりの距離が開いてるからすぐに間に合わない。ライザーはそうなる事も見越して俺を上空ギリギリまで上がらせやがったからな。

 

 非常に気に食わないやり方だが、理に適ってる事も分かってる。くそっ、俺とした事がこんな手に気付かねぇなんて……!

 

「悪いがリアス! きみを倒して勝たせてもらうぞ!!」

 

「ライザー! イッセーに勝てないからって私に狙いを定めたわね!」

 

 ライザーが部長の所へ向かいながらも炎を展開し始める。それを見た部長はライザーの考えを読んで顔を顰めながらも迎撃しようと魔力を高めていた。

 

 ちくしょうっ! 俺も部長の所に行きたいが、レイヴェルの束縛魔術が思っていた以上に厄介ですぐに解けねぇ!!

 

「ぐぬぬぬぬっ!!!」

 

「ううっ! せ、赤龍帝、もう少しの間は私と付き合ってもらいますわよ……!!」

 

「そうはいくかよっ!」

 

 レイヴェルは苦しそうな顔をしながらも全身から炎を出している。俺を足止めする為に魔力を最大限に出してるようだ。

 

 くそっ、やっぱりあの時レイヴェルを倒しておけば良かったってここで後悔する羽目になるとは……!

 

 だが今は後悔するよりも早くこの束縛魔術を何とかしねぇとマジでやばい。

 

 仕方ねぇ。こうなったら!

 

「くっ……! りゅ、龍帝拳(りゅうていけん)!!」

 

 俺が奥の手の技名を口にした瞬間――

 

 

Dragonicfighter(ドラゴニックファイター) mode(モード) explosion(エクスプロージョン)! LevelⅡ(レベル2)!』

 

 

 赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)の宝玉がそう叫ぶと、俺の全身が燃えるように赤くなると同時に――

 

 

 ドウンッ!! ビキビキッ!

 

 

 俺の赤い闘気(オーラ)も上昇すると、レイヴェルが使う見えない束縛魔術に罅が入った音が聞こえる。

 

 

「あうっ! そ、そんな! ま、まだ力が上がるんですの!?」

 

「ぬあああああ~~~~!!」

 

 

 ドドンッ! ブチブチィッッ!!

 

 

「キャアア~~~~~~~!!!!」

 

 闘気(オーラ)を最大限に引き出して束縛魔術を解き、俺が発した衝撃波でレイヴェルはそのまま吹っ飛んでしまった。

 

 本当なら助けてやりたいところだが、今はそんな事をしてる暇は無いので見捨てさせてもらう。今はライザーの元へ早く駆けつけねぇと!!

 

 そう思ってすぐに全速力で向かおうと新校舎へ視線を向ける。

 

「部長、アーシア! すぐに――」

 

「た、太陽光(たいようこう)!!」

 

「へ?」

 

 屋上にいるアーシアが部長の前に立って何かを持った状態で片手を掲げながら、聞き覚えのある技を言った瞬間――

 

 

 カッ!!!

 

 

「「うおっ!」」

 

 アーシアの全身から強烈な光が発した事によって、ライザーだけじゃなく俺も喰らってしまった。

 

 

 

――――――――――

 

 

 ~イッセーがレイヴェルに拘束されてる数十秒前~

 

 

「悪いがリアス! きみを倒して勝たせてもらうぞ!!」

 

「ライザー! イッセーに勝てないからって私に狙いを定めたわね!」

 

「部長さん!」

 

 炎を纏って接近してくるライザーにリアスはすぐに迎撃しようと、一旦アーシアから離れて滅びの魔力を放とうとする。

 

 だがリアスが放つ滅びの魔力をライザーは喰らってもすぐに再生し、そのままリアス達に接近していく。今のライザーは防御を捨てた特攻状態だった。

 

「一発で決めてやる! 覚悟しろリアス!」

 

「くっ! 今からじゃ……!」

 

 最大の一撃を繰り出そうとするライザーに対し、リアスも修行で覚えた奥の手を使おうとするも、最大の欠点である溜めの所為で使うに使えなかった。

 

 だが普段使う滅びの魔力ではライザーを倒せる事も出来ないのは分かっていたので、リアスは敢えて使おうとする。思っていた通りと言うべきか、溜めによってリアスはライザーの接近を許してしまう。あと数秒でライザーに攻撃される。

 

「アーシア! せめて貴女だけは逃げて!」

 

「で、でも!」

 

 リアスはアーシアに被害が及ばないよう逃げろと言う。しかしアーシアは今更自分が逃げたところで、リアスが負ければ何の意味もないと思わず留まってしまう。

 

「(どうすれば、こんなときにどうすれば……! 私が部長さんのお荷物に……あっ!)」

 

 頭の中がグチャグチャになって少しパニックになりかけてるアーシアだったが、突然ある事を思い出した。合宿が終わった後に隆誠からある物を渡された事を。

 

 

 

 

『アーシア、万が一の事を考えてコレを渡しておく』

 

『え? コレって修行で使った水晶玉ですか?』

 

『いや、それとは全く別物。コレは迎撃用に使うアイテムだ』

 

『迎撃、ですか? あの、私はそう言った物は……』

 

『アーシア、君は回復役と言う重要なポジションに着いているから、敵から見れば真っ先に潰したいタイプの一人だ。そんな君が何の対策もしないまま戦場に行くのは悪手だ。だからせめてコレ位は以って欲しい』

 

『……確かにリューセーさんの仰るとおりかもしれませんが、それでも私は…』

 

『安心しな。迎撃用って言ってもコレは相手を傷つける物じゃない。これは謂わば、時間稼ぎ用のアイテムだ。まぁ取り敢えず持っててくれ』

 

『は、はい……。あの、コレってどうやって使うんでしょうか?』

 

『片手に持って掲げながらある名称を大きく叫んで言うんだ。その名は――』

 

 

 

 

「部長さん! ここは私が!」

 

「え? あ、アーシア!?」

 

 アーシアが突然リアスの前に立ちながら、ポケットから掌サイズに収まる小さな水晶玉を取り出して、ライザーに向けて掲げた。その行動にリアスは戸惑い、現在接近しているライザーも不可解な表情をしている。

 

「小娘! 何をするのかは知らんが、邪魔をするならリアスと一緒に消えてもらう!」

 

 けれども、ライザーはアーシアの行動を愚かと言うような感じで炎を放とうとする。

 

 因みにライザーの背後から途轍もない闘気(オーラ)の波動を感じるが、今のリアスやアーシア、ライザーは目の前の事に集中して気に留めていなかった。

 

「部長さん、すぐに目を閉じて下さい! 早く!」

 

「え、アーシア何を――」

 

 アーシアはリアスに目を閉じろと言って水晶玉を掲げ、向かってくるライザーにこう叫ぶ。

 

「た、太陽光(たいようこう)!!」

 

 

 カッ!!!

 

 

「「うおっ!」」

 

「きゃっ!」

 

 アーシアが目を閉じながら叫んだ瞬間、水晶玉から強烈な光が発せられた。その光にリアスは顔を背けながら目を手で覆い、アーシアの目の前にいるライザー、そしていつの間にか駆けつけようとしていたイッセーが物の見事に喰らっていた。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

 あ、あっぶねぇ~~~。危うく俺の目が暫く使い物にならなくなるところだった!

 

 ライザーが丁度俺の真正面にいたお蔭で、アーシアが使った太陽光を遮ってくれたから辛うじて回避出来た。

 

 もしあの光をまともに食らってたら――

 

「うがぁぁぁあああああ~~~~ッッ!!! め、目が! 目が~~~!!!」

 

 ライザーのように両手で目を押さえながら悶え苦しむ破目になるからな。

 

 確か太陽光って、俺が好きな『ドラグ・ソボール』の空孫悟やツリリン、天津丼が目眩し用に使ってた技だったな。

 

 加えてさっきの光は何故か兄貴の光のオーラだったから、ライザーは目だけじゃなく身体中から焼けたような煙が出ている。何しろ兄貴のオーラは悪魔に対してめちゃ効くから、いくらライザーが不死身と言えどもすぐに再生出来ない。

 

 何でアーシアが兄貴の太陽光を使えるのかは知らないが、取り敢えずライザーが怯んでるから今の内だ!!

 

「隙ありだライザーぁぁぁ~~!!」

 

 

 ドォンッ!

 

 

「があっ!!」

 

 俺は握り拳となってる両手を前に突き出しながら突進すると、ライザーの背中に直撃して凄まじい激突音が聞こえる。

 

 その直後にライザーはそのまま新校舎の屋上にある出入り口に向かっていき、そのまま激突していく。

 

「ば、バカな……! こんな、筈では……」

 

「今です部長!! ライザーはかなり弱ってます!」

 

「え? ……あっ!」

 

 すぐに立ち上がろうとしないライザーを余所に、龍帝拳の闘気(オーラ)を纏ったまま浮遊してる俺は部長に向かってそう叫ぶ。それを聞いた部長は少し戸惑った様子を見せていた。

 

 けれど、俺の意図をすぐに読んでくれたようで、部長はすぐに両手から魔力を溜めようと集中する。

 

「二人とも、ありがとう。アーシア、今度は本当に私から離れて。巻き添えをくらうことになるわ」

 

「え? あ、は、はいっ!」

 

「はぁぁああっ……!!」

 

 俺とアーシアに礼を言った部長は、両手だけじゃなく全身から凄まじい紅い魔力を出していた。

 

 うおっ! 部長からすげぇ魔力が溢れ出ているよ! 合宿で見た時とは段違いだ!

 

「ぐっ、ううっ……」

 

 部長が魔力を溜めてる間、ライザーは何とか立ち上がるも完全に再生は出来てない様子だった。未だに両目は手で押さえたままだ。

 

 けれど部長の魔力は感じているのか、ライザーは部長が立っている場所へ体を向けている。部長の魔力に気圧されてるのか、ライザーが慌てふためいている。

 

「ま、待てリアス! わ、分かっているのか!? この婚約は、悪魔の未来の為に必要で大事なものなんだぞ!? これはきみがどうこうするようなことじゃないことを分かってるはずだ! それにきみがこの場で勝ったところで――」

 

「言われなくても分かってるわ、ライザー。これは私だけの勝利じゃない事くらい! でもね、私はそれでもあなたに負けたくないの! 私は自分が認めた人としか結婚したくないの! それがたとえお父さまやお兄さま、グレモリー家からの命令でも!」

 

 やっぱり部長は好きな人と結婚したいみたいだ。クソッ。もし今この場で部長の好きな人が現れたら、理不尽な理由で思いっきりぶん殴りてぇ気分だ。

 

 俺が部長の好きな人に対して嫉妬してると、部長は準備が出来たようだ。両手を向け合っている中心から、凄まじい高密度な魔力の塊があった。

 

 おいおい、何だよあの途轍もない魔力は? ひょっとして『滅びの力』も混ざってるのか? 何かアレ、いつ暴発してもおかしくない爆弾みたいなんだけど。

 

 兄貴が部長に凝縮の修行をさせたのは聞いたが、どうやってあそこまでの威力を出させたんだ? アレをまともに喰らったら俺でも確実に死ねるんですけど。

 

「喰らいなさい、ライザー! これが私の最大の奥の手よ!」

 

 そう言って部長は高密度の魔力を放とうとする。

 

「っ! な、なんだこの魔力は!? 本当にリアスの魔力なのか!?」

 

滅びの爆裂弾(ルイン・ザ・バーストボム)!!」

 

「っ! やべぇ!!」

 

 部長が技名を言って放った瞬間、俺は凄く嫌な予感がした。

 

 今回の合宿で部長は魔力をかなり上げたから、もしアレが最大限に放ったものであればライザーだけじゃなく、新校舎も大変な事になる!

 

「え!? イッセー!?」

 

「きゃあっ! い、イッセーさん!?」

 

 俺は即座に技を放った部長と、少し離れてるアーシアを回収し、猛スピードで飛んで新校舎を去っていく。

 

 そして部長が放った魔力玉がライザーに当たった瞬間――

 

 

 カッ!! ドッガァァァァァァァァァァァァアアアアアアアアアアアアアンッッッッ!!!

 

 

 俺が撃ったドラゴン波にも負けず劣らずな大爆発が起きて、新校舎は物の見事に吹っ飛んだだけじゃなく――

 

 

『……ら、ライザー・フェニックスさまが戦闘不能により、此度のゲームは……リアス・グレモリーさまの勝利となります』

 

 

 審判役のグレイフィアさんから、部長が待ち望んでいた宣言が聞こえた。




やっと戦いが終わりました。
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