ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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今回は短いです。


第五十七.五話

 よし、ナイスだイッセー! どうにかリアスに華を持たせる事が出来て何よりだ!

 

 しかしまぁ、リアスが放った技――『滅びの爆裂弾(ルイン・ザ・バーストボム)』だったか。凝縮の修行で編み出したアレはバンドを付けた状態で撃っても威力はかなり制限されていたが、解放状態で撃つとあそこまで凄まじいとは。

 

 あそこまでの威力を出すのにイッセーはかなりの時間を要したが、それをあんな短期間で上がるとはな。流石は悪魔だな。……いや違うか。流石は魔王サーゼクスの妹、と言うのが正しいな。

 

 まぁ何はともあれ、結果的にリアス達の勝ちが決まって取り敢えず向こうの方は一安心だ。後は俺がいる観客席で――

 

「ば、バカな……! 不死であるライザー殿が敗れるなんて……!」

 

「これは一体、何の冗談だ……!?」

 

「こ、こんな勝負は無効だ! ライザー殿が敗れたのは、あの人間達が余計な横槍を入れた所為で……!」

 

「いや、それよりもリアス殿だ! どうやってあそこまで急激な魔力上昇をしたというのだ!?」

 

「さっきの『滅びの力』はとても上級悪魔が放つ威力ではありませんぞ!」

 

 ああだこうだと喚いている貴族悪魔共をどうにかしないとな。

 

 あの中には勝負を無効だと言ってる奴もいる。下手したら本当に勝負を無しにされてしまう恐れがある。

 

「さてサーゼクス様、此度のレーティングゲームはリアス達が勝利しました。よって、リアスとライザーの婚約は破棄と言う事でよろしいですね?」

 

「……フッ、確かに。リアスが勝利した以上、残念ながら今回の縁談は破談だ」

 

 と言ってる割に、サーゼクスは本当に残念と言う表情をしてなかった。もしかしたら内心、今回の縁談は兄として余り気が乗らなかったんじゃないかと思う。大事な妹がチャラ男のライザーにやりたくないってな感じで。

 

 するとサーゼクスの発言に貴族悪魔達はハッとしたようにコッチを見てくる。

 

「お待ち下さい、サーゼクス様!」

 

「我々は此度の『レーティングゲーム』の結果に納得行きません!」

 

「そもそも『レーティングゲーム』は本来悪魔のみが行うものです! それを人間が参加するなど、あってはならないこと!」

 

「リアス殿が勝てたのはあの人間達がいたからです! それでは意味がありません!」

 

「勝利したリアス殿には申し訳ありませんが、此度のゲームは無効にすべきです! そして今度はあの人間達抜きで本来の『レーティングゲーム』を!」

 

 ………凄いな。まさか貴族悪魔共がここまで自分の予想通りな発言をするなんて、呆れを通り越して感心してしまったよ。て言うか、コイツ等は本当に悪魔なんだろうかって疑問を抱いてしまう。言ってる事が人間の見苦しい言い訳と大して変わんないと思うんですけど。

 

 もうついでにコイツ等は最初、イッセーが参加する事に散々嘲笑してたのに、それを状況が変わった途端に不平不満って………身勝手過ぎにも程があるだろうが。

 

「止めたまえ。私の客人の前で、そのような見苦しい言い訳はしないでもらおうか」

 

 貴族悪魔達の不満に顔を顰めながら言うサーゼクス。だがそれでも向こうは引き下がろうとはしなかった。

 

「し、しかしサーゼクス様……!」

 

「今回の『レーティングゲーム』で人間の兵藤一誠とアーシア・アルジェントの参加は、リアスとライザーくんが前以て合意したもの。謂わば一種の契約だ。それを今更無かった事にして再び『レーティングゲーム』を再開させようなどと、あってはならない事だ」

 

「で、ですが……!」

 

「あのさぁ貴族悪魔の皆さん、今度は人間のイッセー達を抜きにして『レーティングゲーム』をやろうって言ってますが、その発言は自分で自分の首を絞めてるようなものですよ?」

 

「っ! 悪魔の問題に人間風情が口を挟むな!」

 

 この状況でまだ俺を格下扱いするか。と言うかコイツ等、サーゼクスが前以て俺がグレイフィアさん並みの実力者だって事を聞いたのを忘れてないか?

 

「まぁ最後まで聞いて下さいよ。もし仮に貴方達が望んだ展開になれば、それはつまり……グレモリー家とフェニックス家を侮辱するどころか、面子も潰す事になるんですよ。今回が非公式とは言え、両家が交わした契約に変わりありませんからね」

 

『っ!?』

 

 ハハハ、俺がちょっとした助言をした途端、貴族悪魔共が一斉に顔を青褪めてるよ。特に恐る恐るとサーゼクスの方を見ながら。

 

「隆誠くん、何もそこまで言わずとも彼らは分かっていたよ」

 

「これは失礼。俺はてっきり貴族悪魔の方々が、妹のリアスを大切にしてる魔王サーゼクス・ルシファー様を敵に回してでも、『レーティングゲーム』を再開させる程の発言力があるのかと疑問に思いまして」

 

「ハッハッハ。そうなれば私は魔王とは名ばかりで、彼らの傀儡となってしまうな」

 

『いいっ!?』

 

 おお~、貴族悪魔共がすっごく面白い表情してるよ。まるでこの世の終わりみたいな感じで。中にはムンクの叫びのような顔をしてる悪魔もいるよ。

 

 どうでも良いんだが、貴族悪魔共もサーゼクスがリアスを溺愛してるシスコンだって事は知ってるようだな。じゃなきゃアイツ等があんな反応をしないと思うし。

 

 まぁ、それを踏まえた上で俺は敢えてあんな発言をしたんだがな。サーゼクスもサーゼクスで俺の意図を読んでるかのように乗っていたし。

 

「それで? 君たちは隆誠くんの言うとおり、私はリアスやライザーくんの契約を捻じ曲げてでも『レーティングゲーム』を再開させるべきかな?」

 

「………い、いえ。差し出がましい発言をしてしまい、誠に申し訳ありませんでした」

 

 そう言って貴族悪魔達が謝罪した後は一斉に引き下がった。これ以上文句を言えば、ソイツは確実にサーゼクスを敵に回す事になるからな。いくらサーゼクスが温厚な魔王とは言え、(リアス)を侮辱したらとんでもない事になるのを理解してる筈だ。

 

「さて、貴族の方々は漸く勝負の結果に納得してくれたが、父上とフェニックス卿はいかがかな?」

 

 サーゼクスは次にグレモリー家の現当主とフェニックス家の現当主に問い掛ける。

 

「異論はない。フェニックス卿。誠に申し訳ないが、このような結果になってしまった以上、今回の婚約は――」

 

「それ以上は言わなくて結構です、グレモリー卿。いい縁談でしたが、どうやらお互いに欲が強過ぎたようですな。サーゼクス様、私もグレモリー卿と同様に異論はありません」

 

 どうやら二人は勝負に文句を言わず、貴族悪魔共とは違って事実を受け入れるようだ。

 

 それを確認した俺は一先ず駒王学園に戻ろうとする為にサーゼクスに頼もうとすると、フェニックス卿が突然コッチに近づいて来た。

 

「すまない、兵藤隆誠くん。少しいいかな?」

 

「何でしょう?」

 

「君の弟――兵藤一誠くんの事だが、もし彼が了承してくれるなら、是非とも我が娘レイヴェルの婿に――」

 

「む? お待ち頂こうか、フェニックス卿。兵藤一誠くんはリアスの眷族候補です。それはつまり、彼はリアスの――」

 

 今度はグレモリー卿が出張ってきて、さっきまで仲良く話を終決していた二人が言い争うような感じとなった。

 

 どうやら両家の二人は次にイッセーへと狙いを定めたようだ。まぁこの二人がこんな行動に出る理由は分かってる。

 

 何しろあの愚弟(バカ)は『レーティングゲーム』中にレイヴェルとリアスを無意識に口説いてたからな。泣いてるレイヴェルに白いハンカチを渡した後にキザな台詞を言って去ったり、リアスを守った後に大事な女とトンデモ発言してたし。尤も、後者の方はリアスかアーシアのどっちに言ったのかは今でも分からんが。

 

 多分アイツの事だから全く気付いてないだろう。だからソレを思い出させるために、後で俺が密かに撮った『レーティングゲーム』の内容をイッセーに見せる予定だ。アイツがどんな顔をするのかが非常に楽しみだよ。

 

「サーゼクス様、両当主が突然言い争いを始めたので場所を変えましょう」

 

「そ、そうだね」

 

 未だにグレモリー卿とフェニックス卿がイッセーの婿権利争奪戦をやってるので、俺は苦笑してるサーゼクスを連れて二人から離れようとする。

 

 すると――

 

「兵藤隆誠殿、少しよろしいかな?」

 

「ん?」

 

 今度は別の悪魔が俺に話しかけて来た。

 

「サイラオーグか。君も隆誠くんに何か用なのかい? それにその荒々しい闘気は……」

 

「申し訳ありません、サーゼクス様。これでも今は必死に抑えてる状態でして」

 

 悪魔――サイラオーグが話しかけて来たことにサーゼクスは意外そうな表情をする。

 

「んで? 大体想像は付いてるけど、頼みたい事って何だ?」

 

 俺がそう訊くとサイラオーグは――

 

「誠に勝手なお願いである事は承知している。だが、どうしても……貴殿の弟である兵藤一誠と是非とも手合わせさせて頂きたい!」

 

 これも予想通りと言うべきか、イッセーとの一騎打ちを申し込んできた。

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