ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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やっとエピローグです。長かったなぁ。


第五十八話

「ふうっ、今のはマジで危なかったぁ」

 

 部長が放った大技で新校舎が完全に無くなり、ライザーの姿が無い事も確認した俺は、抱えてる二人を下ろそうと運動場があった更地に着地する。

 

「二人とも、大丈夫ですか?」

 

「え、ええ。問題ないわ、イッセー」

 

「た、助けてもらってありがとうございます、イッセーさん」

 

 俺が抱えていた二人から少し離れると、部長とアーシアは少し顔を赤らめながらお礼を言ってくる。

 

 まぁ顔が赤いのは当然か。何しろ俺が抱えながら飛んでる時に、二人は落ちまいと必死に俺にしがみ付いてたからな。そのお蔭で二人からのやわらかいおっぱいの感触を堪能できたから全然良いけど。

 

 にしても、どうにかして部長に華を持たせる事が出来て良かったな。これで失敗したら兄貴に何言われるか分かったもんじゃねぇ。

 

「部長、ライザーを倒せることが出来て――」

 

 

 ガバッ!

 

 

「ええっ!? 部長!?」

 

「ぶ、部長さん!?」

 

 俺が笑みを浮かべながら話しかけようとした途端、部長がいきなり両腕を使って俺とアーシアを抱き寄せた。部長の行動に驚いたのは俺だけじゃなくアーシアもだ。

 

「イッセー、そしてアーシア。二人ともありがとう、本当にありがとう」

 

 部長が俺とアーシアに心が篭ったお礼を言ってくる。本当に嬉しいんだな、ライザーに勝つことが出来て。

 

「何言ってんですか、部長。俺は部長の眷族っすよ。と言ってもまだ候補ですが、それでも部長の為なら俺、出来る事なら何でもしますよ!」

 

 とは言っても、俺が今回やった事は兄貴の指示に従って動いただけに過ぎないんだけどな。

 

『ふっ。兵藤隆誠の指示とは言え、それをやりとげた相棒も見事だったぞ』

 

 お気遣いあんがとよ、ドライグ。

 

「……イッセー、いま何でもするって言ったわね? じゃあ、今から私のお願いを聞いてくれる?」

 

「え? いいっすよ。けど何でもつっても俺が出来る範囲の事でんんっ!?」

 

「…………へ?」

 

 すると、部長が抱き寄せているアーシアを放した直後に俺の唇が塞がれた。いきなりの事に俺は目を見開き、アーシアは呆然としている。

 

 戸惑っている俺を気にしてないように、部長は俺の首に手を回し、唇を俺へ重ねていた。しかも一瞬のものじゃなかった。

 

 今、俺は部長にキスをされている。

 

 舌を絡めるようなディープなやつじゃないが、ソフトキスでありながらも想いを伝えるようなものだった。部長の柔らかい唇の感触と紅髪の馨しい匂いが俺の思考だけじゃなく、身体までもが止まっていた。

 

 そのまま一分ほど唇を重ねてると、次第に部長の唇が離れていく。未だに固まってる俺に部長は気にせずクスリと笑う。

 

 …………えええええっっっ!!!???

 

 お、俺、ぶぶぶ、部長とキスしちゃったよ! キス! キスをしたよぉぉぉ~~!!

 

 しかも俺のファーストキスが部長だああああッッッッ!!!

 

「ファーストキスよ、イッセー。日本では、女の子が大切にするものよね?」

 

「え、ええ、そうですけど! って、ふぁ、ファーストキスゥゥゥ!?」

 

 おいおい! 駒王学園のトップアイドルである部長のファーストキスの相手が俺なの!?

 

「ちょ、ま、マジで良いんですか!? お、俺みたいな人間相手に?」

 

「そんなの関係ないわ。あなたは私と唇を重ねる以上の価値のあることをしたのだから。これは最初のご褒美よ」

 

 部長がニッコリと微笑みながら言ってくれる。

 

 ………え? 最初のご褒美って、何?

 

「そして、私の処女を大好きなあなたに捧げるわ、イッセー♪」

 

「え? しょ、処女を捧げるって……」

 

 それってつまり、部長とエッチしても良いってことで――

 

「だ、ダメですぅぅ!!」

 

 突然アーシアが俺と部長の間に割って入り、今度は俺に思いっきり抱きついてきた。

 

「ちょ、何をするのアーシア!?」

 

「え? 何? どうしたアーシんんっ!?」

 

「なっ!?」

 

 部長が驚いて抗議するも、アーシアは戸惑う俺を気にしないように唇を重ねてきた。

 

 しかもアーシアはさっきの部長と同じく俺の首に手を回し、唇を俺へ重ねている。またもやソフトキスだった。

 

 この行動に言うまでもなく俺は再び固まり、部長も唖然とした。

 

 そして一分後にはアーシアの柔らかい唇が離れていき、アーシアは顔を真っ赤にしてこう言って来る。

 

「わ、私もイッセーさんにファーストキスと、しょ、処女を捧げます!」

 

 へ? ……………………………ええええええええっっっ!!??

 

「アーシアもファーストキスぅッッ! しかも処女を捧げるぅぅぅッッッ!?」

 

 何!? この超嬉しすぎる展開は! 部長だけじゃなくアーシアまで!?

 

「あ、あのねアーシア、お兄さんはその気持ちすっげぇ嬉しいけど、何も処女まで捧げなくても……!」

 

「わ、私だってイッセーさんの事が大好きなんですぅ! 大好きなイッセーさんになら好きにされても良いんです!!」

 

「えええええ~~~~~!!!!????」

 

 す、好きにされても良いって……そんな素晴らしい日本語があったのか!?

 

 ってかマジで何コレ!? 夢じゃないよね!? どうして俺がこんな超ラッキーイベントが発生してるの!?

 

 俺は単にライザーを倒すために部長達と共闘しただけなのに、それを何でこんな素敵過ぎるご褒美が!?

 

「ちょっとアーシア! イッセーは私の眷族候補で、私のイッセーなの! いくらアーシアがイッセーと同じ人間だからって譲れないわ!」

 

 でぇぇ! ぶ、部長がまた俺に抱き付いてきてる!

 

 部長とアーシアのダブル抱擁で良い匂いがして、俺もう頭がクラクラしそうなんですけど。

 

「嫌ですぅ! イッセーさんは私のイッセーさんでもあるんですから!」

 

 ………ちょっとアーシアさん、俺いつからアーシアの物になってるんですか? お兄さん初耳なんですけど。

 

「そ、それにイッセーさんは私の事を『大事な女』って言いました! ですからイッセーさんは私のなんですぅ!」

 

「違うわよ! 『大事な女』と言ったのはアーシアじゃなくて私の事を言ったのよ!」

 

 ………んん? 俺いつそんなこと言いました? 丸っきり記憶にないんですけど。

 

「そうよね、イッセー? あの時『俺の大事な女に何をしてる』って私に言ったのよね?」

 

「わ、私ですよね、イッセーさん?」

 

「え、え~っと……」

 

 助けてくれ兄貴。俺にとっちゃ嬉しい状況なんだけど、何か逃げ出したい状況でもある。

 

 ってか何!? 俺がいつそんなキザな台詞言ったの!? お願いだから証拠見せて!

 

『おいそこの三人、ゲームが終わってもまだ中継されてるって事を忘れてないか? さっきまでの会話が全部丸聞こえだぞ』

 

「「「っ!?」」」

 

 突然兄貴の声が聞こえたので俺達が振り向くと、そこには四角形のスクリーンのような物から呆れた顔をしてる兄貴を映し出していた。

 

 

 

――――――――――

 

 

 

「と言う訳で父さん母さん」

 

「私、リアス・グレモリーもこの兵藤家に住まわせてもらう事となりました。不束者ですが、どうぞよろしくお願いしますわ。お父さま、お母さま」

 

 場所は変わって兵藤家のリビング。俺の隣でリアスが両親へ挨拶をしていた。 

 

 更に隣ではアーシアが涙目で頬を膨らませながら俺を睨んでいる。大変不機嫌でいらっしゃるようだ。

 

 さて、リアスがどうして家に住む事になったのかは当然理由がある。

 

 俺がリアスに凝縮の修行をしてた時の事だ。あの時のリアスはかなり不満気にやっていたから、俺がリアスに『修行を乗り越え、レーティングゲームで勝ったらイッセーと一緒に生活出来るよう兵藤家のホームステイ権利を贈呈する』と言った。

 

 そしてその二つを見事に達成したので、俺が両親にリアスもアーシアと同じくホームステイさせるよう説得したって訳だ。だからリアスは誰もが魅了されるような晴れやかで満面な笑みをしている。逆にアーシアはすっごく不満な顔をしてるけど。

 

 因みにこの場にいないイッセーには、『レーティングゲーム』が終わった後にリアスが家に住む事を俺が教えている。その時のアイツの顔は如何にも超ビックリしてますって顔をしてたよ。それとどうしてこんな重要な場面にいないかについては理由があるので、一先ず省かせてもらう。

 

 もうついでに、今回の『レーティングゲーム』でグレモリー家とフェニックス家の話は正式に破談となった。尤も、あの両家の当主は次にイッセーを婿養子に迎えようと躍起になってるが。当然今のイッセーにそんな話をさせる訳にはいかないので、俺の方で一先ず丁重に断った。両家当主二人は今のところ引き下がったが、あの顔からして絶対に諦めて無い筈だ。

 

 あとイッセーと戦いたいと言うサイラオーグのお願いも断った。今のイッセーでは、まだまだサイラオーグに勝てそうも無いからな。それにサイラオーグの身体から、何故か神滅具(ロンギヌス)の波動を感じた。もしそれを使うような展開になれば、まだ禁手化(バランス・ブレイク)すら至ってない今のイッセーでは100%負けてしまう。そんな予感がした。

 

 だから俺はサイラオーグに――

 

『サイラオーグ、イッセーはこの先俺の方で更に強くさせる予定だ。だからそれまで暫く待ってくれないか?』

 

『それは、一体いつになるのだ?』

 

『さぁな。だがイッセーと戦わせる事は約束する。だから君も君で腕を更に磨いておいてくれ。それに君も目標があった方が良いだろう? 強敵と戦って勝つ、って言う目標をさ』

 

『……そうだな。確かに俺は今の今まで我武者羅に強くなる事しか考えてなかった。だが、貴殿が言う「兵藤一誠を倒す」と言う目標を立てれば、俺は今まで以上に強くなるかもしれない』

 

『先に言っておくがサイラオーグ。君がイッセーと戦う時は、今のイッセーとは比べ物にならないほど強くなってるから、その事を忘れずに』

 

『無論だ。俺も今以上に強くなるつもりでいる。感謝するぞ、兵藤隆誠。貴殿や兵藤一誠が今回の「レーティングゲーム」に関わっていなければ、俺は明確な目標を立てれずにいなかったと思う』

 

『どういたしまして。出来れば君がイッセーと戦う時は、「レーティングゲーム」の決勝戦とかをリクエストしたいな』

 

『フッ。是非ともそうなって欲しいものだ』

 

 と言って、どうにかすぐに戦うのを阻止したって訳だ。

 

 多分サイラオーグの事だから絶対更に強くなってると思って良いだろう。アレは本気でイッセーを倒すって目で語ってたからな。

 

 最後に敗北したライザーについてだが、本当の敗北と言う物を初めて味わった為にショックで寝込んでしまったらしい。まぁそれは仕方のない事だ。イッセーとは勝負で負けただけじゃなく、リアスとの試合にも負けたと言うダブルパンチを喰らったからな。ライザーの奴は暫く立ち直れないと思う。

 

 とまあ、一先ずそれ等は後回しだ。今は目の前の事に集中しないと。

 

「まあ父さん、どうしましょう。アーシアちゃんだけじゃなくリアスさんまで。娘が二人も出来ちゃうのね」

 

 言うまでもなく母さんはリアスのホームステイに大賛成だった。何しろアーシアと同居以降、アーシアを実の娘のように可愛がっていて、女子が増える事に嬉しい一方だったからな。そして父さんに至っては賛成を通り越して嬉し涙全開で大号泣している。

 

「うんうん。父さんは嬉しいぞ、リューセー。男の夢だよな。女の子がいっぱいって! もしかしたら俺の若い時の夢をお前やイッセーが叶えるのかもしれないな!」

 

 何の夢かは知らないが、恐らく父さんはイッセーと同じくハーレムの夢を見ていたに違いない。何だかんだ言って、やっぱり父さんもハーレムに憧れていたようだ。

 

「それにしてもイッセーったら何をしてるのかしら? リアスさんがこれから住むのに挨拶に来ないなんて」

 

「そう言えばイッセーの奴、いつの間にか帰ってきてからずっと部屋に篭りっきりだな。何か遭ったのか、リューセー?」

 

「…………あ、あ~。まぁ、もう暫くそっとしておけば、いつものイッセーに戻るよ」

 

 父さんの言うとおり、イッセーは家に帰って早々部屋に篭ってしまった。多分アイツの事だから今も寝込んでいると思う。敗北したライザーとは違う意味で。

 

「さあ、リューセー。あなたの言うとおり、ご両親の許可は得たわ。これで今日から私もこの家の住人ね。よろしく」

 

「ああ、こちらこそリアス。兄弟を代表して、君を歓迎するよ」

 

「ありがとう。ところでイッセーは部屋に篭ってるそうだけど、大丈夫なの?」

 

「もしかして病気になったんですか?」

 

 両親だけでなく、リアスやアーシアも気になってるようだ。イッセーの今の様子が。

 

「大丈夫大丈夫。さっきも言ったけど、イッセーは暫くしたら元に戻るから気にするな」

 

「「……………」」

 

「分かった、分かったよ。イッセーを連れてくるから、ちょっと待ってろ」

 

 大好きなイッセーがいない事に不安げな目で訴えてくるリアスとアーシアに負けてしまい、俺は仕方なくイッセーを連れてくる事にした。

 

 リビングから出た俺はに二階へ行き、イッセーの部屋に着いて早々ノック無しで入る。

 

「おいイッセー、勝手に入るぞ~?」

 

 イッセーに部屋に入ると、窓にはカーテンが覆われて真っ暗だった。俺が声を掛けてもいる筈のイッセーの反応が無い。

 

 けれどイッセーがいるのは分かっている。何故ならベッドの上には布団で覆われた丸い物体があるから。

 

「ったく。お前はいつまで篭ってりゃ気が済むんだよ」

 

 そう言って俺はガバッと布団を引っぺがすと、うつ伏せのまま両手で頭を抱えながら丸く蹲ってるパジャマ姿のイッセーがいる。

 

「……マジで死にたい……。何てこと言ったんだよ、あの時の俺は………超バカか? あんな、あんなキザで恥ずかしい台詞を真顔で部長や朱乃さんやアーシアだけじゃなく、レイヴェルにもあんなこと言ってたなんて……! 兄貴~、一思いに俺を殺してくれ~~……!」

 

「……はぁっ。まだ恥ずかしがってるのかよ、お前は」

 

 ブツブツと独り言を呟いてるイッセーに俺は呆れながら嘆息する。まぁこうなった原因は俺なんだけどな。

 

 何故コイツが自殺したいほどの羞恥心に駆られてるのかと言うと、ゲームが終わった後に俺が異空間じゃない本物の部室で、密かに撮影した戦いをイッセーに見せたんだ。

 

 イッセーは最初何の問題も無く見ていたんだが、『赤龍帝の怒り(ブーステッド・バースト)』を使った後から激変した。

 

 朱乃にお姫様抱っこして安心させるようにキザな台詞を言ったり、レイヴェルに白いハンカチを渡して口説くような台詞を真顔で言ったシーンを見た途端、全身ビッショリと汗を掻いていた。

 

 更にはアーシアとリアスを助けた際に画面のイッセーが真顔で『俺の大事な女を傷付けようとした分、きっちりテメェに返してやるよ!!』の台詞を言った瞬間、イッセーは熟れたトマトのように顔が真っ赤になって悲鳴をあげ、即座に俺が以前渡した転移アイテムを使って姿を消した。

 

 それから先は言うまでも無いと思うが、イッセーの転移先は自宅部屋で、着いて早々にベッドに入って今に至るって訳だ。

 

 まさかイッセーがあそこまで精神的ダメージを受けるとは予想だにしなかったよ。普段からスケベ心が丸出しなくせに、こう言う時は純情な少年になってしまうんだな。兄である俺が(イッセー)の心情に気付けなかったとは……どうやら聖書の神(わたし)もまだまだ理解不足のようだ。

 

「とにかくイッセー、リアスが来たんだから顔ぐらい見せてやれ。お前が奇怪な悲鳴を上げて転移したことに不安がっていたんだからな」

 

「兄貴、今は勘弁してくれ……! だからもう少し時間を……!」

 

 大丈夫だイッセー。あんなの別に黒歴史じゃないよ。どこぞのブレイザー・シャイニングなんたら総督さんの黒歴史に比べれば、な。




一先ず原作二巻分の話はこれで終わりです。

後は番外編を数話書いたら、「ハイスクールD×D ~転生のG~」は完結予定となります。
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