ハイスクールD×D ~転生のG~   作:さすらいの旅人

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第七話

 兵藤兄弟が廃屋に着いて戦闘を始めて少し経った後。

 

 隆誠が言っていたリアス・グレモリーとその眷属達が遅れたかのように来ていた。

 

「これは……どう言う事?」

 

 大公からはぐれ悪魔――バイサーの討伐命令を受けたリアスだったが、廃屋の中から戦闘と思わしき騒音が外に響いていた。

 

「朱乃、大公は私たち以外の誰かにも討伐命令を下していたの?」

 

「いいえ、そのような事は仰っていませんでした」

 

 リアスの問いに、長い黒髪ポニーテールの和風美少女――姫島(ひめじま)朱乃(あけの)は首を横に振りながら答える。

 

 彼女はオカルト研究部の副部長であり、駒王学園のアイドル。女子高生の身で大和撫子を体現し、リアスと並んで『駒王学園の二大お姉さま』と称されている。

 

 そして朱乃も一緒に同行している祐斗や小猫と同様に転生悪魔であり、リアスの眷属。更にはリアスを補佐する参謀役でもある。

 

「そうなると……何処かの誰かが私たちより先に始末してるって訳ね」

 

 朱乃が言っている事が本当だと分かったリアスは目の敵にするかのように廃屋を睨む。自分が命じられた仕事を誰かが横から掻っ攫うのを嫌うリアスは、今非常に不愉快な気分となっていた。

 

 そしてリアスの周辺には最近不可解な事ばかり起きていた。今回のはぐれ悪魔討伐以外にも、侵入してきた堕天使がいるが、天野夕麻に扮した堕天使が兵藤一誠に接触して以降、ここ数日何の音沙汰も無い。

 

 更には兵藤兄弟の不審な点もある。兄の隆誠は自分の部活で使っている旧校舎の侵入の噂。弟の一誠は堕天使と偽のデートをしていたにも拘らず、翌日には何も起きてなかったかのように普通に過ごしていた事。尤も、後者の弟の方は監視を命じていた小猫が誰かに気絶させられて状況は分からず仕舞いだが。

 

「何処の誰かは知らないけど、私の領地で勝手な真似はさせないわ。グレモリー公爵家の名においてね。朱乃、この廃屋周囲に結界をお願い」

 

「はい、部長」

 

 一先ず今はバイザーと戦っている誰かを逃がさないよう、リアスは朱乃に廃屋の周囲に結界を張らせるよう命じる。そして命じられた朱乃は自身の使い魔も呼び寄せて周囲に結界を張ると、廃屋の周囲は何かに閉じ込められたかのように壁のような物で包まれた。

 

「さぁ行きましょう、私の可愛い下僕たち。今から中にいるお客さんに挨拶をしに」

 

「「「はい、部長」」」

 

 リアスが先頭となって廃屋に入り、姫島朱乃、木場祐斗、搭城小猫は頷きながら彼女の後に付いて行く。

 

 

 

―――――――――――――――

 

 

 

「へぇ。空孫悟(そらまごさとる)のドラゴン波を撃てる様になったか」

 

 イッセーがはぐれ悪魔を斃した決め技を見た俺は少しばかり感心していた。

 

「そりゃあな。何年も兄貴の過酷な修行受けてりゃ出来るようになるっての」

 

「そうかい。けど俺としちゃ、以前編み出した女性限定の洋服崩壊(ドレス・ブレイク)なんて言う下品な技を覚える前に、そっちを先に覚えて欲しかったんだがな」

 

 イッセーにはドラゴン波の他にも技がある。

 

 それはさっき言った洋服崩壊(ドレス・ブレイク)。これは女性の身につけている衣服等を粉砕すると言う卑猥な技だ。当然これは女にとって最悪なもの。現に以前秘密ルートで冥界へ遠出して下級女堕天使数名に襲われた際、イッセーが新必殺技と言って洋服崩壊(ドレス・ブレイク)を使って撃退した。

 

 当然纏っている服を粉砕された下級女堕天使達はイッセーに「最低!」、「変態!」、「ケダモノ!」、「女の敵!」、と罵倒していた。襲い掛かってきた相手とは言え、俺は少しばかり同情したよ。ま、あくまでそれだけだったが。

 

「う、うっせぇ! あの技は俺の数少ない才能の内の一つなんだ! エロに全く興味を示そうともしねぇ兄貴には分かんねぇよ!」

 

『相棒、俺もお前の兄の言うとおり、あのドラゴン波とか言う技を先に覚えてほしかったぞ』

 

「ど、ドライグ! お前もかよ!?」

 

 突然声が低い男性の声が聞こえると、イッセーは左腕に纏っている赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)を見る。

 

 発生源である声の主は、赤龍帝の篭手(ブーステッド・ギア)に宿っているとある龍の魂――『赤い龍(ウェルシュ・ドラゴン)』ドライグだ。その龍はかつて三大勢力の戦争時に暴れまくった二天龍の片割れで、「聖書の神(わたし)」が死ぬ原因の一つでもあった存在。

 

「だよなぁ。俺も初めて見た時こりゃヒデェって思ったよ。イッセー、少しはドライグの心情を察してやれ」

 

『全くだ』

 

 ドライグは俺の台詞に頷く。

 

 先の戦争で殺される原因を作ったドライグを恨んでもおかしくない存在だが、俺は全くそんな気は無い。寧ろ今は凄く同情してる。イッセーが余りにスケベ過ぎる事によって、ドライグの心は傷付き始めてるからな。その内カウンセリングが必要になるんじゃないかと思うほどに。

 

 因みにドライグは俺が聖書の神である事を知っているが、イッセーには教えないように釘を刺しておいた。今のイッセーに教えたら後々面倒な事になると思って。

 

「ったく、勝ったってのに説教かよ。あ~もう、やってらんねぇな。俺イジけるぞ?」

 

「分かった分かった、俺が悪かったよ。ああ、そうそうイッセー。はぐれ悪魔を斃した報酬だが――ん?」

 

 報酬内容を言おうとする俺だったが、突然外から魔力を感じた。加えてこの廃屋を包むよう結界で覆われている事も感知する。

 

 当然イッセーも感知しており、さっきまで不貞腐れ気味だった顔から一変して真面目な顔つきになっている。

 

「………なぁ兄貴、これってもしかして」

 

「ああ。魔力の波動からして間違いなく悪魔達――リアス・グレモリーと眷属達か」

 

 あの一行が此処に来たって事は、恐らくはぐれ悪魔の討伐で来たんだろうが一足遅かったな。もうイッセーが斃してしまったし。

 

 当然向こうも、はぐれ悪魔の存在が消えた事に気付いてる筈だ。

 

 にも拘らずグレモリー達が廃屋周辺に結界を張って此処に来ていると言う事は即ち、はぐれ悪魔を斃したイッセーと俺に会って捕らえる為だと思っていいだろう。そうでなければ、結界なんて御大層な物を張る訳が無い。

 

 さぁどうしようかと考えたいところだが、生憎グレモリー達は俺達がいる所まで近づいて来ている。取り敢えず今は俺達の事を知られないようにしないとな。現在あの一行は俺達兄弟に目を付けられてるし。

 

「イッセー、一先ず前以て用意しといた赤般若の仮面を被れ」

 

「お、おう」

 

 俺の指示にイッセーは言われたとおり、懐から仮面を取り出して顔に装着する。それを確認した俺も懐から白般若の仮面を取り出し装着すると、良いタイミングであったかのようにリアス・グレモリーと眷属達が現れた。

 

「御機嫌よう、謎の討伐者さんたち。此処にいたはぐれ悪魔を……って貴方たち、何そのお面は?」

 

 挨拶をしながら問うリアス・グレモリーだったが、俺とイッセーがそれぞれ般若の仮面をしてる事によって刺々しい雰囲気が少し削がれてしまった。

 

 他の眷属達も俺達の仮面を見て何とも言えない表情となっている。

 

「お気になさらず。この面はちょっとした俺の趣味だ。そんで悪魔御一行さん、こんな廃屋に来てまで俺達に一体何の御用かな?」

 

 白般若の仮面を被ったままの俺がまるで初対面の様に装いながら問うと、グレモリー達は警戒心を高めた。

 

 グレモリーが代表するように、未だ椅子に腰掛けてる俺に問いかけようとする。

 

「私はリアス・グレモリー、この町を管理している者よ」

 

「グレモリー? そしてその紅い髪…………ああ、アンタがグレモリー家の次期当主で、『紅髪の滅殺姫(ルイン・プリンセス)』って言う御大層な異名を持った悪魔のお嬢さんか」

 

「随分知っているのね。私の事を」

 

「そりゃあアンタは有名な悪魔の一人だからな、知らない訳が無いだろう。それに人間界にある何処かの街を管理してるって噂に聞いてたが、まさかこの駒王町だったとは知らなかったよ」

 

「……よくもまぁ抜け抜けと」

 

 俺の発言を聞いていたイッセーが小声でボソッと呟く。

 

 仕方ないだろ。一応向こうとは初対面のフリしないといけないんだからさ。

 

「そこまで私の事を知ってるなら、もう自己紹介は不要ね。一応確認させてもらうのだけど、この廃屋にいたはぐれ悪魔のバイサーを始末したのは貴方たちね?」

 

「一応イエスと言っておく。まぁ正確には俺達じゃなくて、俺の隣にいるコイツが始末したけどな」

 

「へぇ。そこの彼が」

 

「っ……」

 

 グレモリーと眷属達が揃ってイッセーの方を見る。いきなり視線を向けられたイッセーは少し戸惑っているが、それでも何も喋らなかった。

 

「はぐれとは言え悪魔を無傷で倒せるだなんて、どうやら相当な実力を持った人間のようね。貴方も見た感じ人間のようだけど、揃って私たちが通ってる駒王学園の制服を着てるって事は、そこの生徒で兄弟なのかしら?」

 

 しまった。咄嗟に顔を隠したとは言え、着ている制服までは誤魔化せなかったな。あ~くそ、こんな事なら私服で来ればよかった。

 

 俺とした事が、こんな初歩的なミスをするなんてな。もしミカエルにでも知られたら、「貴方らしくないですね」って呆れられるかもな。

 

「さぁどうかな。逆に問う様で悪いけど、その質問に俺が答えると思ってる?」

 

「答えないでしょうね。だったら力尽くで答えさせてもらうわ」

 

 グレモリーの言葉を聞いた眷属達――姫島朱乃、木場祐斗、塔城小猫が構えようとする。

 

 どうやら最初から俺達を逃がす気は無いようだ。

 

 まぁ当然とも言える行動だろう。何しろ自分達が管理してる街を、知りもしない誰かに好き勝手されてるのを知って放置するバカはいない。俺も逆の立場だったら、向こうと同じ事をしてる。

 

 況してやリアス・グレモリーは名家のお嬢様な上にプライドも高いから、俺達のような存在は決して許さないだろう。

 

 さぁて、向こうが仕掛けてくると分かった以上は応戦するしかないが………実を言うとあんまり戦いたくないんだよなぁ、これが。相手はグレモリー家の次期当主で、あのシスコン魔王の妹だからな。下手に傷を付けて奴に知られでもしたら面倒な事になってしまう。

 

 となれば、こっちは戦うと見せかけて逃げるとしますか。グレモリーの他に戦いたくない奴もいるし。この前、剣の手合わせをした木場とか。

 

「力尽く、ねぇ。(キング)のアンタに黒髪ポニーテールさんの女王(クイーン)、銀髪少女の戦車(ルーク)、そして金髪君の騎士(ナイト)。随分と駒が少ないことで」

 

「っ! 貴方、『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』の事も知ってるの?」

 

「一応な」

 

 かつての三つ巴の戦争で『聖書の神(わたし)』が死んだ為、俺はイッセーの修行の遠征と同時に三大勢力の現況調査もしていた。戦争後に俺が転生したのは相当な年月が経ってたから、向こうの現況を知る必要があった。

 

 三大勢力が先の戦争で多くの軍勢が失って酷く疲弊し、勝利する者もいないまま終結したそうだ。

 

 天使・堕天使側の軍団も多く失い、悪魔側も当然大きな打撃を受けてしまっている。嘗ては多くの軍団を率いていた爵位を持った大悪魔も部下の大半を戦争で失ってしまい、軍団が保てないほどに。

 

 どの勢力も多く失って戦争は終結しているが、天使・堕天使・悪魔は現在三竦みの状態。いくら軍勢が失ったとは言え、相手に少しでも見せたら危うくなるらしい。

 

 天使と堕天使側の状況は省かせてもらうが、悪魔はリアス・グレモリーのような純血悪魔が多く失ってしまった事により、対策として少数精鋭の制度を取る事にしたそうだ。さっきグレモリーが言ってた『悪魔の駒(イーヴィル・ピース)』を。

 

 それは俺達が今いる人間界で有名な『チェス』を基にした物で、その駒の特性を下僕悪魔に取り入れた。当然それは数少ない悪魔だけでは非効率により、人間を悪魔へと転生させて下僕にしている。人間を見下している悪魔が、人間界のゲームや人間を頼るなんて皮肉も良いところだが。尤も、悪魔側の世界でもチェスは流行っていたがな。

 

 んで、主となる悪魔が『(キング)』で、そこから『女王(クイーン)』、『騎士(ナイト)』、『戦車(ルーク)』、『僧侶(ビショップ)』、『兵士(ポーン)』と五つの駒の特性を作り出した。軍団を持てなくなった代わりとして、下僕に強大な力を分け与えたと。因みにこの制度は数百年前に出来たものだそうだ。

 

「しかも朱乃たちの駒の特性まで見抜いてるなんて。一体どこでそんな情報を……って、これは愚問だったわね。どうせ教えて――」

 

「俺は相手の魔力を感知する事が出来るから、アンタ等の体内にある駒を感じ取って言い当てただけだ」

 

「って、そこは教えるの!?」

 

 俺が予想外な返答した為か、グレモリーは別の意味で驚いていた。眷属達も教えないと思っていたのか、出鼻を挫かれたかのように少し目を見開いている。

 

「良いのか? 相手にそんな事を教えちまって」

 

 ずっと黙っていたイッセーは呆れているのか、嘆息しながら言ってくる。

 

「構わん。別に教えたところでコッチに何の不利とかは無いからな。それよりも――」

 

「?」

 

 イッセーに向かってチョイチョイと人差し指を動かすと、イッセーは不可解に思いながらも俺に顔を近づける。そして俺は周囲に聞かれないよう、イッセーにボソボソと作戦内容を伝えてると、さっきまで驚いていたグレモリー達は再び構え始める。

 

「良いな? 俺が合図を出したら――」

 

「OK。いつでも良いぜ」

 

「何をコソコソと話してるのかしら? まさか私たちから逃げる為の作戦会議とかじゃないわよね?」

 

 椅子から立ち上がった俺を見たグレモリーが手から魔力を出す。姫島はバチバチと雷を身に纏い、木場は剣を持って構え、塔城は握り拳を作って構える。

 

「フッ。その予測は……大当たり♪ 今だ!」

 

「おう!」

 

「「「「っ!」」」」

 

 俺が言った直後、イッセーはグレモリー達に背を向け、窓に向かって逃走する。

 

「朱乃!」

 

「あらあら、うふふ。逃がしませんわよ!」

 

 グレモリーの指示に姫島は逃走するイッセーに向けて雷を放つ。だがイッセーは後ろから迫ってくる雷が来るのを分かっていたのか、走りながらも一直線に向かってくる雷に背を向けたまま躱す。それを見た姫島やグレモリー達が驚愕を露にする。

 

「朱乃の雷をあんな簡単に!? 祐斗! 追いかけて!」

 

「はい!」

 

 追跡を命じられた木場は剣を持ったままイッセーを追いかけようとするが――

 

「させん」

 

 

 パチンッ!

 

 

 俺が指を鳴らすと周囲から十本近い光の短槍を形成され、そのまま背中を見せている木場へと向かっていく。

 

「なっ!?」

 

 突然襲い掛かってくる光の短槍に、木場は驚愕しながらもイッセーの追跡を諦めて回避した。

 

 良い判断だ。回避しながらイッセーを追跡なんてしたら、確実に貫かれる事を分かって回避に専念したようだ。

 

 そして俺が光の短槍を作り出した事に、グレモリー達は完全に呆気に取られてしまった様子。

 

「な、何故貴方が光の槍を……!? 貴方まさか――」

 

「生憎だが、俺は天使や堕天使なんて言う御大層な存在じゃない。ちょっと不思議な力を使える唯の人間だ」

 

 自分で言うのもなんだが、よくもまぁこんな事が言えるもんだ。人間として転生したもんだから、悪い癖が出来てしまったかもしれないな。

 

 さてそれはそうと、完全に俺を警戒してるグレモリー達には更なるサプライズを見せてあげようか。その代わり、ちょっと目を痛くさせてしまうが。

 

「くっ……! 朱乃、祐斗、小猫! 逃げた彼は後回しにして、今は目の前の彼を捕らえる事を優先よ!」

 

「「「はい、部長!」」」

 

 ほう、完全に逃げきったイッセーを後回しにしたか。俺の方が一番危険と見て、全員で一気に捕縛する気のようだ。

 

 グレモリーと眷属達は一切の油断を見せずに俺を注視する。同時に俺がまた光の槍をいつ出すのかを警戒しながら。

 

 良いぞ。俺に集中してくれるなら、こっちとしちゃ大変好都合だ。

 

「良いのか? 逃げたアイツを放って俺を優先しても」

 

「問題無いわ。それにこの状況では貴方が一番危険だからね。光の槍なんて物を作る貴方が特に」

 

「そうかい。んじゃ、これはどうかな?」

 

「「「「?」」」」

 

 俺が両手を開き顔の横にやると言う独特なポーズをすると、グレモリーと眷属達は不可解に思いながらも目を凝らしている。

 

 だがそれは失敗だ。その行動が却って命取りになるんだからな。

 

「先に言っておこうグレモリーと眷属達、もし失明したら後から俺が責任持って治療するよ」

 

「? 何を言って――」

 

「食らえっ! 太陽光(たいようこう)!!」

 

 

 カッ!!!

 

 

「「「「っ!!!???」」」」

 

 俺が言った直後、俺の全身から強烈な光を発した。

 

 太陽光。強烈な光を放ち相手の目を眩ませる技であり、『ドラグ・ソボール』で空孫悟やツリリン、そして天津丼が使っていた技を参考にした物。

 

 俺がイッセーと一緒に「ドラグ・ソボール」を見た際、『太陽光』を知った時に最初はふざけた技だと思っていたが即座に前言撤回した。この技は逃走用として凄く便利で、あまり戦いたくない相手の時に有効な手段だ。その為、俺はこの技をずっと重宝している。

 

 そして『太陽光』によって思いっきり目に光を浴びたグレモリー達は――

 

「「あああ~~!! 目が、目が~~!!」

 

「ぐっ! こ、これは……!!」

 

「……ううっ……目が……開けられない……!!」

 

 モロに見てしまった為に、視界が完全に封じられて両目を手で覆いながら悶えていた。

 

 更に言えば彼女達は悪魔である為、光に慣れているとは言っても間近で『太陽光』を浴びてしまえば普通の人間以上に効くだろう。

 

「ハッハッハッハ。どうやら相当効いたようだな。それではこの隙に俺も逃げさせてもらうよ」

 

「っ! ま、待ちなさい! ううっ!」

 

 逃走しようとする俺にグレモリーが阻止しようと魔力弾を放とうとするが、目を開けた途端に痛みが走ったかのように再び閉じる。

 

 他の眷属達も俺の逃走を阻止しようとをするが、グレモリーと同様に目が痛むようで思うように動けない様子。

 

 悶えているグレモリー達に俺が堂々と逃走して廃屋から出ると、外には既に赤般若の仮面を外しているイッセーが張られている結界の前で止まっていた。

 

「兄貴。さっき中から凄ぇ光があったけど、アレって兄貴の仕業か?」

 

「まぁな。それよりもイッセー、お前どうして此処で立ち止まってんだ? そんな結界お前でも破壊できるだろ?」

 

 イッセーと同じく白般若の仮面を外しながら、俺は顔を顰めながら指摘する。

 

「いやぁ、俺もそう思って壊そうとしたんだけど、何かこの結界普通のやり方じゃ壊せなくて」

 

「何? ……………ああ、成程」

 

 確認する為に結界に触れて見ると、イッセーの言うとおり普通の防壁結界じゃなく、逃走防止用の結界だった。これは相手を罠に嵌める為に使うトラップ用の結界で、そう簡単に壊せない代物だ。

 

 あの面子で結界を使えるのは……恐らくグレモリーか眷属の姫島だろうな。あの二人は魔法を主体とするタイプだし。 

 

 となれば俺が結界をこじ開けるしかないと思いながら、手から光の槍と同様の作りで光の剣を形成させる。

 

「? 兄貴、光の剣なんか出してどうすんだ?」

 

「どうするって……こうするんだよ」

 

 形成した光の剣をそのまま結界にぶっ刺し、そのまま大きな円を描くように結界を斬り始める。

 

「よっと」

 

 

 バコッ!

 

 

 そして円を作った俺は片足を浮かせ、そのまま結界に向かって蹴り押すと、綺麗な円となった結界の一部が飛び出た。

 

「はい、逃走穴の出来上がりっと。ほれ、行くぞイッセー」

 

「あ、ああ……」

 

 穴が出来て光の剣を消した俺と微妙な顔をしているイッセーは、それに潜って逃走防止用の結界から脱出し、そのまま猛スピードで自宅へ帰った。




実はリューセーもイッセーと同じく「ドラグ・ソボール」に嵌ってるファンの一人です。
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