2012年
 もう何度目になるか分からないクリスマス。
かつて吸血鬼レミリア・スカーレットが起こした「血のクリスマス」
 再び襲い掛かる悲劇に巫女 博麗 霊夢が立ち上がる……。※小説家になろうでも同じものを掲載しています。

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※注意
・あらすじは詐欺です。物を投げないでください。
・霊夢ちゃんはでません。やめてっ! ぶたないで!

 昨年も投稿したものですが、にじふぁん凍結のため再投稿しました。
一部に加筆・修正があります(あくまでリメイクの範囲です)ご了承ください。

はじまるよ!


お嬢様とクリスマス

12月25日。今日は外の世界で言うクリスマス。閉鎖的なイメージを持たれがちだが幻想郷にもそういったイベントが度浸透しており、自己流でエンジョイする者も少なくない。(ちなみにこの「自己流」が「事故流」になることが多いのは気にしてはいけない。なにせ今日は聖夜なのだから)

 

 

 

 

 

 

12月24日 深夜 

 

 ここは紅魔館。かの有名ケチャップ元帥がこよなく通った館である。嘘である。

「……」

 当主が吸血鬼であるということから日によって逆になる時もあるが基本的にここは日中よりも夜の方が忙しい。

 今日もそうだった。

「……ねぇ咲夜?」

「なんでしょうか?」

 さっき起きたばかりのレミリア・スカーレットは寝起きの頭を絞って目の前の事象を整理していた

クローゼットから着替えを取り出し、自分に着せる従者。それは良い。普段と同じだ。ちょっと息が荒いだけだ。うう

 問題は十六夜 咲夜の服装にあった。

「あのさ……」

 普段は頭に白いレースのカチューシャがちょこんと乗っているが今日は違う。

白で縁取られ、同じく白のポンポンの着いた赤い帽子が乗っていた。

 普段は彼女の役職を象徴しているメイド服は本日クローゼットの中にしまわれていた。

代わりに彼女が纏っているのは裾の短いサンタ服|(女性用)だ。

 そして普段は黒のニーソックスで包まれた細い脚には服と同色のブーツ。

 

 そう、彼女はサンタだった。(補足しておくが「服装が」である。サンタの正体が実はメイド長だったなんて事では断じてない)

 

「……その服はなに?」

「なにって……サンタさんですよ」

 首をかしげながらレミリアの服のボタンをとめていく咲夜。

その表情には一片の迷いもない。純粋にサンタのコスプレを楽しんでいるようだ。

「……なんでまた?」

「だってー今日はクリスマスイヴですよー?」

 はにかむ咲夜は楽しげに笑いおもむろに懐中時計を開いた。

さきほどからやけに時間をきにしている。

(こんなんだったっけ……?)

 もともとすっとぼけた性格だったがここまでではなかった気がするのだ。

誕生日の前日に騒がれるのは微妙な気分だろう、大して信仰などしていない(どちらかといえば嫌いな)キリストに同情しつつ、むぅ、と息をつくレミリアを他所に咲夜は

「あ! 日付が代わりましたよお嬢様! メリークリスマス!」

「……」

 テンションがさらに上がっている。

今日はクリスマス。レミリアは憂鬱だった。

 

 

 

 

   お嬢様とクリスマス

 

 

 

 

 着替えがすむと二人は大広間へと向かった。

時々すれ違う妖精メイド達はレミリアを見かけると立ち止まり一礼していき、もちろんその頭にもサンタ帽が乗せられていた事は言うまでもない。

「……」

 少し歩くと大広間に到着した。咲夜が扉を開きレミリアが先に入る。

入って右手側には何故か部屋の一部を隠すように白いカーテンが張られていた。

 それを横目にレミリアは部屋の奥にある椅子に腰掛ける。

「何かお飲みになりますか?」

「いや、それよりも……」

 断りながらカーテンを指差す。

カーテンの向こうからはガヤガヤと賑やかな声(罵声を含む)が響いている。

「あれ……なに?」

「ふっふっふー。気になりますか?」

「うん……まあ……」

 うぜぇ……。という言葉を飲み込みつつ露骨に顔にだす彼女に気づいていないのかスルーしているのか咲夜は相変わらず楽しそうに笑う。

「それではお見せしましょう!」

 咲夜の声とともにカーテンが横にスライドする。

そこにあったのは……。

「じゃーんっ!」

「『じゃーん!』じゃなーいっ!」

 そこには巨大なクリスマスツリー。天井に着きそうなほど大きなツリーは妖精メイド達によって装飾されている真っ最中だった。

 レミリアの怒鳴り声に気づいた妖精達はそそくさとツリーの裏に隠れて作業を続行している。

「なにこのツリー!? どこで拾ってきた!?」

「採ってきました」

「いつの間に!?」

「お嬢様が寝ている間にです」

「え……なに? これ一晩で成し遂げられる所業なの?」

「当然です。私は完璧で瀟洒なメイド十六夜……咲夜ですよ?」

 ドヤ顔で語る咲夜。主に溜めがウザい。

(うわコイツ面倒くせぇ……)

「そうだ!」

 何か思い出したらしくレミリアの帽子を脱がせる。

そしてどこから取り出したのかトナカイの角のカチューシャをかぶせた。

「メリークリスマァス!」

「やかましぃっ!」

「あれ? お嬢様もサンタ帽がよかったですか?」

「ちっがーうっ!」

 どこからともなくサンタ帽子を取り出す咲夜。

ドラ〇もんも真っ青である。(元から青いが)

 

 

 

数時間後

 

12月25日 20時

 

 

「ふぁ……あーあ……」

 自室にてレミリアが目を覚ました。

結局あの後は漫才を続け、ツリーの完成を見届けてから午前中に寝てしまった。

「なんか早起きしちゃったわ……って……」

 辺りを見回し驚愕。まずベッド横にはノーマルサイズのクリスマスツリー。

壁全面にクリスマスチックな装飾。(リースなど)

 どういうことなんだ。

「な、なんじゃこりゃ……」

「メリ……んん! おはようごザイマス!」

「おい、メリークリスマスって言おうとして混ざってるぞ」

 またもやサンタ姿でメイド登場。トナカイ要らずである。

ちなみにここに来る前に付け髭を付けるかどうかでかなり悩んだらしい。

「で、なにこの部屋は?」

「お嬢様の部屋クリスマスverです」

 言いながらポケットから一枚の写真を取りだしレミリアに手渡す。

写真を取らせない(魂を抜かれると彼女は頑なに信じているので)のは咲夜の信条だが自分で取ることについては「一向に構わぬ」のもまた彼女の信条なのだ。

「外観はこうなっております」

 写真には紅魔館(夜)が写されている。

しかし写真に写る館はレミリアの知る物ではなかった。

 イルミネーション、ツリー、雪(レティ作)でアレンジされた見事に無惨な姿になった紅魔館にガクリとレミリアは肩を落とす。

「お嬢様はクリスマスお嫌いですか?」

「だってあんた私吸血鬼よ? スカーレットデビルよ?」

「サタンだって元は天使ですよ?」

「知るかっ!」

 主にデビルの部分を強調するが咲夜からはどこか抜けた返事が戻ってくる。

間違ってはいない。いない……のだが。

 どうにも彼女の発言は明後日の方向を向いている気がする。(当然咲夜の頭は今日のことでいっぱいだが)

「そうそう! みんなでご馳走も作ったんですよ! 楽しみにしててくださいね!」

「……ていうかなんであんたクリスマスを楽しみにしてるのよ?」

 ずっと気になっていた疑問を投げかける。去年はこんな事し……なかったと言い切りたい。

「なんでってそれは……」

 あの娘の笑顔には嘘偽りなどまったく無かった。

 後にレミリアはこう語る。

 

 

 

 

 

 

 

「サンタさんが来るんですよ! とっても楽しみじゃないですか!」

 

「  」

 

 

 ご褒美の意味を込めて毎年パチュリーにプレゼントを置くように頼んではいたが……。

 来年からやめようかな……。

 

 心からそう思った。

 

 

 

 

 ちなみに見事にメイクアップされた館は翌日の昼には名残惜し気に元に戻されていたとか。

 

終わり




 

 一応次は大晦日を予定しています。

 読了ありがとうございました! ではまた!

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