The Black α&White Ω   作:オパール

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最近タイトル詐欺を自分で疑ってる
ちょっと自分のイメージ最優先ですので気に入らない方もいるかと

それと、感想で他のロイヤルナイツは出るのかという質問をいただきました











YES、とだけ答えておきます


PHASE 2:The boy's cry ~強請るな、勝ち取れ~
来襲のシスコン


『Good morning、クリス』

「……んな朝っぱらから何の用だよ、時差考えろ。おかげで目覚ましがこの電話になっちまったじゃねぇか……イーリス」

『連れねぇこと言うなって。一緒にシャワーだって浴びた仲だろ?』

「生憎俺にそんなつもりはねぇ」

『……あっそ』

「何でお前が不機嫌なんだよ……」

『別に。それより、どうよ。女の園ってやつは?』

「疲れる」

『………』

「……なんだよ」

『いや、お前……周囲が女だけの空間だってのにその反応は……』

「ダルいことばっかりじゃねえけどよ、まず疲れる」

「おはようございまーす……」

『はー……枯れてんのな、お前』

「うっせ」

「あら、山田先生の寝顔なんてレアね。それに、意外と綺麗なのね、部屋」

『んで?ホントにどうなんだよ、調子は?』

「どうもこうも。今んとこは順調だよ。一部だけど生徒ともうまくやれてるし」

『そっかそっか。いや、ナタルの奴も心配してたからよ』

「さいで」

「そのうまくやれてる生徒が問題なんですけどね」

『……んでよ、クリス?』

「……急に声のトーン変えんなよビビるから。で、なんだ?」

『いやその、な?もしよかったら、今度お前が帰省してきたときにでも、よ。二人で飲みにでも』

「あ、ちょっと待った」

 

「そんなわけで覚悟よこの淫行教師ぃっ!!」

「さっきから誰だテメェは!!」

 

 

 

 

 

 

 

「う、う~ん……」

 

山田真耶、起床

いつもの時間、決まった時間にきちんと起きる辺り、彼女もまた歴とした社会人だとわかる

 

「よくも簪ちゃんにぃ……!」

「は、はず、外れるぅ……!」

 

だが、目の前で起きている事態にはさすがの彼女もわけがわからなかった

 

「……え?」

「あ、山田先生、おはようございます。寝顔、可愛かったですよ?」

「山田先生、このバカどけてください肩外される……!」

 

そんな、朝の一幕

取り落とした携帯からは

 

『おいクリス!?さっきからやたらと女の声がするけど何やってんだ!?おい、クリスー!!』

 

そんな、国家代表の叫びが空しく響いていた

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「今日は二組と合同での操縦訓練だ。専用機持ちは他の生徒達のフォローをしてやれ。それと……今回は特別に、四組の副担任であるオーランド先生がサポートに回ってくれることになった。専用機持ちも、もし何かあったら彼に聞くように。いいな?」

『『『はいっ!』』』

 

その日の授業

クリスは一組と二組の合同授業に参加していた

無論、千冬とトリッシュの思惑とか何かが複雑に絡み合った結果である

 

(……男、だよな?)

 

クリスの視界に映るのは、中性的な顔立ちの、小柄な金髪の「少年」

 

名を、シャルル・デュノア

今日一組に転校してきた、三人目の男性IS操縦者にして、フランスの代表候補生

 

「怪しすぎだろう……」

 

中性的、細身な体格といっても、いくらなんでも線が細すぎる

そんな視線に気付いたのか、小首を傾げながら視線を返してきた

そんな姿すらも様になっている……なりすぎなほどに

 

(考えすぎかねぇ)

 

そんなことを考えながら、そこから少し離れた場所へと視線を移す

シャルルよりも更に小柄、左目に眼帯を着用した、銀髪の少女を見やる

 

シャルルと同じく、転校してきたドイツの代表候補生、ラウラ・ボーデヴィッヒである

 

「………」

 

近付くもの全てを斬り捨てんと言わんばかりの怜悧な視線

そのためか、彼女の周囲に他の生徒の姿はなかった

 

(にしてもドイツ、ねぇ)

 

数年前に赴き、その際できた友人のことを思い返す

いくらか年下な人物だが、元気でやってるのかとラウラを見ながらふと思う

 

「では授業を始める前に……凰、オルコット」

「は、はい」

「なんでしょうか?」

 

そんな折り、千冬の声が飛ぶ

言われて、一組のセシリア・オルコットと二組の凰鈴音が前に出る

 

「お前達に、戦闘を実演してもらう」

「えっ」

「な、何故……?」

「さっきから元気が有り余っているようだからな。それに専用機持ちなら時間は食わん」

「ぐぅ……」

「そもそも一夏がぁ……」

「まったく、少しはやる気を出してみろ」

 

一夏に恨めしそうな視線を送る鈴音とセシリア

当の本人は我関せず、といった風貌だったが

 

(……色男。ガキのくせによくやる)

 

クリスも、そんなことを思いながら一夏を見やる

 

「やってやろうじゃない!」

「わたくしの実力、見せてさしあげますわ!」

「お前等何があった!?」

 

思わず口に出してツッコむ

先ほどとは180°真逆。喜色満面、やる気120%といった雰囲気で声を荒げていた

 

「それで相手は?」

「わたくしは鈴さんでも構わなくてよ?」

「慌てるなバカども。相手は……」

 

そして、千冬が彼方を見やる

 

キィィィィン……

 

と、風きり音と共に高速で何かが飛来……否、落下してきていた

 

「ど、どいてくださぁぁぁぁいぃぃぃ」

「山田先生!?」

 

訓練機のラファール・リヴァイヴを身に付けた真耶

悲鳴を上げながら真っ直ぐ集団のど真ん中に向けて突っ込んでいく

 

「え、ちょっと待てなんでこっち来んなっ!!」

 

他の生徒達と違って避難が間に合わなかったクリス

仕方なく受け止めようと胸元に手を伸ばし……

 

「あ、プリンセス整備室だった」

 

ゴギャッ

 

およそ人体からしてはいけない音と共にクリスの身体が弾き飛ばされる

後ろにいた何かを巻き込み、そのまま十数m先まで転がっていった

 

「織斑くーん!?」

「オーランド先生ー!」

 

 

 

 

 

「いってぇ……つか重い……山田先生、大丈夫すか?」

「は、はい……ひゃんっ!?」

「ん?」

 

突然上がった、上擦った声

明滅する視界で見てみれば……

 

「あ、あの、織斑くん……?」

「何をやってんだテメェは」

 

クリスを下敷きにした真耶(IS着用、かなり重い)

そんな真耶を押し倒した格好で、その豊かな双丘を鷲掴みにしていた

 

「命が惜しけりゃ速くどけバカ」

「え?……うわぁっ!?」

 

眼前を一筋の閃光が走る

見れば、ブルー・ティアーズを装着したセシリアが満面の笑みでライフルを構えていた

 

(ざまぁ)

 

なお、鈴音が放った一対剣の投擲が真耶の射撃で撃ち落とされたり真耶VSセシリア&鈴音が真耶の圧勝で終わったりしたことにクリスが驚愕したことは余談である

 

 

 

 

 

(オーランド先生……さっき、辛かったはずなのに)

 

戦闘の実演が終わり、機体から降りた真耶は数刻前のことを思い出す

 

(ちらっと見えただけですけど、受け止めようと、してくれたんですよね)

 

それは叶わず盛大に直撃してしまったが

 

(……大きかったなぁ)

 

抱えてくれていた両腕

ISを着けていたためにこちらの方が体積は大きかったが、それでも感じた胸板の大きさ

 

(あれが、同年代の男の人……)

 

ふと思い返す

同じ部屋で過ごすようになってから一月以上

何かとそそっかしい自分をフォローしてくれたり気遣ってくれたり

時折胸に視線を感じるが、そればかりではなく、ちゃんと眼を見て話もしてくれる

 

(……オーランド先生……クリス、さん)

 

同年代、だが年上

初めて感じた、確かな「男」

 

「………」ポー

「……山田先生、どうかしたか?」

「あ、織斑先生……いえ、その」

「?」

「……成人男性って、大きいんですね……」

「は?」

「………」

「……オーランド先生、か?」

(((え、ちょろい)))

 

山田真耶、まさかの陥落だった

 

 

 

 

 

 

 

何やかんやあったが、操縦訓練は無事に行われた

途中、女生徒たちによる一夏やシャルルへの合コン紛いな自己紹介に思わずツッコんだり真耶からの熱っぽい視線を受けたりしていたクリスだが、時折来る生徒からの質問に答えたり専用機持ちだけでは手が回らない場所のフォローに回ったりして、何とか順調に授業を終えた

 

そんな時の帰りの廊下

 

「………」

「………」

 

仁王立ちで待ち構えていた女生徒とエンカウントした

 

「……お前さん、今朝の」

「ええ。先ほどは失礼しました」

 

深々と頭を下げる女生徒

頭をバリバリと掻きながら、クリスが口を開く

 

「……次の授業があるから手短に聞くけど、何だってあんなことしたんだよ。まだ地味に肩痛むんだけど」

「う……本当に、すみませんでした」

「……ま、いいけどよ」

 

心から申し訳なさそうにしている、水色の髪と紅い瞳の少女

ネクタイの色から判別するに、二年生

 

「……確か、簪ちゃん、とか聞こえたけど。身内か?」

「あ、自己紹介がまだでしたね」

 

居住まいを正し、扇子を広げる少女

そこに書かれていたのは、「生徒会長」の文字

 

「IS学園二年生、生徒会長を務めています、更識楯無です」

「生徒会長……ん?ていうか更識って」

「ええ。更識簪は、私の妹です」

「なるほどねぇ」

 

教え子である更識簪の姉、楯無

その身に纏う気配は、ただの生徒ではないと如実に示していた

 

「……っと、やべぇ遅れる。じゃな、話はまたの機会に」

「あ、はい」

 

楯無の横を通り過ぎるクリス

その背中に、楯無は値踏みするかのような視線を投げていた

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「先客か」

「あ、オーランド先生」

 

昼休み

屋上に赴いたクリスは、一夏達専用機持ちと鉢合わせた

 

「あれ、確か教員用の食堂とかあったはずじゃ」

「あんな女しかいない場所で飯なんぞ食ってたら息詰まるわ。基本、どっかで適当に済ませてんからよ」

「………」

「……何だよその眼」

「いや、まさか先生ってぼっt」

「それ以上言ったらシバき回すぞお前」

「いやだってもう一月以上経つのに。山田先生とかラーゼリア先生とかいるでしょう」

「……あ、そっか」

 

面食らった顔をして、一夏達から少し離れた場所に座る

 

「……そういや、織斑以外とはあんまり話したこと無かったな。クラス違うし」

「そう、ですね。じゃあみんな、改めて自己紹介といこうぜ」

「ではわたくしから。一組のイギリス代表候補生、セシリア・オルコットです。先日は、失礼な態度を取ってしまい、申し訳ありませんでした」

「あれ、顔見知りだったのか?」

「お前に講義した日にちょっとな」

「へぇ……」

「……篠ノ之、箒です」

「はいよー。つか、何で睨む訳よ」

「……生まれつきです」

「さいですか」

「んじゃアタシね。二組の凰鈴音です。ここに来たのはつい最近ね」

「聞いてるよ。織斑の奴が「俺、何か失敗しちゃったみたいなんですけど」とか言ってきたことあったからな。クラス対抗戦の時」

「ちょっ、先生それ内緒にって」

「どういう意味よ一夏ぁ!」

「お、落ち着け!そ、そうだ、シャルル!次、シャルル!」

「あ、うん。シャルル・デュノアです。僕は、一夏と先生に続いて三人目、ということになりますね。クラスは違っても、何かとご迷惑をかけることになるかと思いますけど、同じ男同士、よろしくお願いします」

「………」

「先生?」

「いや、何でもない。最後は俺だな。クリス・オーランド、織斑に続く二人目だ。一年四組の副担任やってる。専用機もあるが、生憎今は修理中で手元に無い」

「それって、この間の正体不明の二体のISとの戦闘が原因……なんですよね?」

「ああ。でも、ま、やれることはあるからな。そんなわけで、改めてよろしく頼む」

 

言って、クリスは手に持っていた袋からバーガーを取り出して口に運ぶ

 

「あれ?そんなの食堂にありましたっけ?」

「まぁ頼む奴は滅多にいねぇからな。いつもは自分で簡単に作ってるんだが、今朝はちょっとあってな」

「へぇ……自炊もできるんですね」

「男所帯だったから、まぁ多少はな」

 

親しげに話すクリスと一夏

そんな様子を、女子三人はどこか恨めしげに見つめていた

 

「何よ、女子三人に囲まれてるってのに男の方がいいわけ……?」

「一番警戒すべきは女ではなくより近い男だということか……!」

「そ、そんな、いけませんわ一夏さん、そんな非生産的な……!」

「あはは……」

 

身も蓋もない言いがかりにクリスが冷めた視線を向ける

 

「お前等なぁ」

「……そうだ、先生。あの黒いISって、結局どうなんだ?」

「あ?どうって何が?」

「いやその……強いのかな、って」

「……知ってどうする?」

「だって、俺達や他の生徒達が狙われるかもしれないだろ?そうなった時、俺達が戦えないと……」

「無理だな。あいつはたぶん俺しか狙わないし……」

 

言いながら、包み紙を折り畳んで袋に戻す

口許を拭い、真剣な眼差しを生徒達に向ける

 

「お前等が相手取っても、文字通り瞬殺されるのがオチだ」

 

その言葉に、真っ先に鈴音が食いついた

 

「アタシ達が頼りないっての!?」

「ああ」

「おい、落ち着けよ鈴」

「聞き捨てならないわ!こっちは代表候補生なのよ!?」

「多少疲弊しているとこでも、国家代表が率いるIS部隊が仕留めきれなかった奴を候補生が、か?」

「え……」

「伊達に二回も奴とぶつかってない。今日のお前等のレベルを見ても、勝てるどころか勝負になる確率は……ゼロだ」

「ですがオーランド先生。こちらには専用機持ちが、先生を含めて五人……いえ、ボーデヴィッヒさんを含めれば六人おります。それでもだと仰るのですか?」

「機体の性能差、数の差がそのまま戦力の決定的な差になるならとっくにアメリカが世界支配してるよ。俺が言ってるのは、操縦者の腹の括りかたの問題だ」

「腹の、括り……?」

 

箒の言葉に首肯で応え、言葉を続ける

 

「奴は間違い無く……「殺せる」人間だ」

「ころ……」

「でなきゃあんな迷いなく剣を振れるわけがねぇ。もしくは……お前等みたいに、絶対防御があるから大丈夫、みたいな考え方してるかだ」

「でも、絶対防御も完璧じゃないって」

「ああ。だから奴は、人を殺すことができる、ってことだ」

「………」

「……ちょっとキツかったか。なら、ついでに宿題出しとくわ」

「え?」

 

「こないだオルコットにも聞いたが……お前等にとってISって何だ?お前等は、何でISに乗っている?何のために、ISに乗ることを選んだ?」

 

『『『………』』』

「ちなみに、俺は夢を叶えるためだ」

「夢、ですか?」

「ああ。ガキの頃からの、な。答えが見えたらいつでも来い。待ってるぜ」

 

立ち上がり、草や土埃を払う

手を振って、屋上を後にした




山田先生陥落
なんかチョロいイメージがあります、あの人

あと楯無さんは簪ちゃんのことになると暴走するイメージ
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