The Black α&White Ω   作:オパール

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しばらくは主人公の状況と生い立ち説明
なのでシリアスなのかシリアルなのかわからない展開の連続

原作本編に行けば原作組とわちゃわちゃさせられます


理想と現実

「そこぉ!遅れているぞ何やってる!」

『『Yes ma'am!!』』

「返事まで遅いか、貴様らはそれでも米軍か家に帰って脂ぎったブタの●●●でも貪ってろ!」

『『Yes ma'am!!』』

「貴様らはそこいらの小娘がたまたま寄せ集められただけの有象無象だ!口は動かさず身体を動かせ!それさえ無理ならママの●●●、いやパパの●●●の残りカスにでも帰るんだな!!」

『『Yes ma'am!!』』

 

教官の怒号飛び交う教練場

その全てが女性という異質な空間に、一際異質な存在がいた

 

(……俺、こんなとこで何やってんだろう)

 

技術屋なのに

 

特注のISスーツに身を包んだ男───クリス・オーランドはそう呟いた

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「……なる、ほど。あのアルファモンってやつは俺達人間を見極めるために、か」

『ああ。身勝手極まりないと思うだろうが、それでも、アルファモンの気持ちは理解できる』

 

───どういうこと?

 

『……かつて、我々デジモンは人間と共にデジタルワールドの危機を救うために手を取り合ったことがある』

「そうなのか!?」

『ああ。その中に、私やアルファモンもいたのだ。だが……』

「……何か、あったんだな?」

『……人間の、黒い部分を見過ぎたのだ、あれは』

「あ……」

 

───それでも、まだ見限ったわけじゃないんだよね?

 

『……そのようだ。本来、我々が存在できない人間世界でこうして姿形を保っていられるのも、ISのコアに直接データとなって取り憑いているからだ。逆に言えば、我々はそうしないと存在できない。だが、アルファモンはそこに目を付けたのだ』

 

───それって、つまり

 

『そう。頂上の兵器、IS。人型のそれは、我々にしてみれば寄り代、隠れ蓑に都合が良かったからな』

「……ったく、傍迷惑な話だ」

『それについては、申し訳ないと思っている』

「いや、オメガモンが謝ることじゃねぇよ」

『……つまりは、そういうことだ。もしも、アルファモンが人間を見限るつもりなら、私は……』

「……そうか。そのために」

 

『アルファモンを止める。そのために、私はここに来た』

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「………」

 

「死んでる……」

「でも無理もないんじゃない?元々は技術屋なんだし」

「ここに来て一週間よね?最初に比べればマシにはなったわよ。……毎度ズタボロだけど」

「今は体力作りに専念してるからわからないけど、操縦技術の方はどうなんだろう……」

 

漆黒の襲撃者、アルファモンとの交戦から三週間が経過して、クリスは今、米軍のIS部隊にて操縦者としてのノウハウを基礎の基礎から叩き込まれていた

が、クリスは本来技術職の人間

鍛えてはいたがそれでも本職には遠く及ばず、日々の教練についていくだけで精一杯だった

 

(流石は米軍……心身共に叩き折りに来てるな……)

 

疲れ果て、その疲れもまた次の日に持ち越されている状況

遠からず倒れるだろうな、とクリスは半ば他人事のように思っていた

 

「よう、生きてるかクリス?」

 

そんな彼にかけられる声

顔だけを向けたその先には、アメリカ国家代表、イーリス・コーリングが立っていた

 

「コーリング代表……」

「イーリスでいいよ。それに敬語も今はいい。今や同じ釜の飯を食う仲だろ?」

「はぁ……」

「ここ、座るぜ?」

 

言って、クリスの向かいに座るイーリス

佇まいを正そうとするクリスを、イーリスは手で制した

 

「いや、そのままでいいよ。グロッキーなのは見りゃわかる」

「さいですか……」

「……んで、どうよ?米軍が誇る短期養成プログラムの感想は」

「正直殺しに来てるとしか思えねえな。こちとら理系の文化部だってのに」

「ハハッ。あの教官も容赦無ぇからなー。かくいう私も散々絞られたもんさ」

「……まぁでも、泣き言ばかり言ってらんねぇからな。俺にはもう、「操縦者」って肩書きが付いてるんだから」

「そうだな。現実受け入れないアホは嫌いだが、もがいて足掻くバカは結構好きだぜ?」

「誉めてんのかよ、それは」

「一応な。……しっかし」

「?」

 

そこで一つ息を吐き、背もたれに身体を預けるイーリス

その瞳は、剣呑とした輝きを灯しながらクリスを見据えていた

 

「未だに解せねぇのが……お前がIS……いや、『機械の声が聴こえる』ってことだ」

 

「……別に、嘘も適当なことも言ってないが」

「そりゃわかってるよ。だからこそ腑に落ちねぇ」

「……ガキの頃、物心ついた辺りから急に現れたんだ。理由はまだわからない」

「………」

「最初は爺さんの工場の機材から。そこから外の、車だとか拡声器だとか、そういうのからも声が聴こえてきた。それから、俺にはこの道……技術職しか無いと思うようになった。……けど」

「けど?」

「6年くらい前に、ぱったりと消えちまってた」

「え……」

「いきなり現れて、いきなり消えた。訳わかんなかったし……それで、見ていた夢も諦めた」

「………」

「……でも、この間の一件で、また現れた。いつまた消えるかわかんねぇけど、それまでは、また夢に向かって進んでいきたい」

 

そう言うクリスの指が胸元のアクセサリー───待機状態の、オメガ・プリンセスにかかる

 

「こいつと、一緒に」

「……そっか。叶うといいな、その夢」

「あぁ、ありがとう」

「……んでよ、ちなみにどんな夢なんだ?」

「……教えねぇ」

「なんでだよ!教えやがれこのっ」

「ぶっ!おい放せコラァッ!」

 

急に立ち上がり、クリスの頭を脇に抱えて締め上げるイーリス

 

「国家代表に適うわけねぇだろ、技術屋がぁ!」

「テメ、いい加減に……!」

 

「イーリ。その辺りにしておきなさい」

 

「うげ、ナタル……」

「ナタル……っ!?」

 

背後からかけられた声に振り向いて、イーリスはばつの悪そうな顔になり、クリスはその女性を見て硬直する

 

「……こうして話すのは、久しぶりね」

「……だな」

「何だ、お前ら知り合いだったのか?」

「まぁね」

「………」

「……それじゃあ、改めて自己紹介を」

 

言って、その女性は一歩前に出る

 

「ナターシャ・ファイルス。アメリカ所属の、ISテストパイロットよ。よろしくね、クリス・オーランドさん?」

 

その言葉と共に送られた微笑み

だがそこには、ほんの少しだが……複雑な感情が見え隠れしていた




オメガ・プリンセス待機状態のイメージはオメガモンマーク
要するに勇気と友情の紋章が合体したあれ
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