The Black α&White Ω   作:オパール

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原作一巻開始
でも現状記録だけだからあんまり物語は進まない

そしてふと思ったこと

アニメ等のオリジナル仕様とデジモンプラモのリブート仕様
どっちでいけばいいんだろうか


PHASE 1:A Girl's World ~其は地獄か楽園か~
同僚教師は全員女


「………」

 

ゴクリ、と生唾を飲むことさえ憚られそうな深い沈黙

十数名いる人物たちはみな女性

一部を除き、その全てが興味や関心、好奇の目で以てその中心……クリス・オーランドを見つめていた

 

───うわー

 

───もはやある種の見世物だな……

 

そんな相棒達の他人事のような呟きすら、もしかしたら周りに聞こえてるのでは、と思えるほどの静寂だった

 

(これは……想像以上にキツい……)

「……では、オーランド先生。自己紹介を」

「アッハイ」

 

学年主任と思しき女性に促され、一歩前に出る

瞬間、教師達の視線が一層強くなった

 

(米軍の比じゃねぇ)

 

あの時も最初は見られたものだが、それでも今この瞬間よりは遙かにマシだった

 

「……えー、と。アメリカ合衆国、オーランド・ラボ所属IS操縦者の、クリス・オーランドです。本国では、主に技術屋として働いていたので、教師としては一年生の若造です。今日から、その、よろしく、お願いします……」

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「キッツぅ……」

 

───お疲れさま

 

───わかってはいたが、やはり男のIS操縦者は希少なのだな

 

「希少ってか、普通ならありえないことだからな」

 

日本、IS学園

世界で唯一の、IS操縦者育成のための施設

 

「ていうか、教師なんて柄じゃねーっつーのに」

 

───知識という面で見れば、君は十二分にそのレベルに達していると私は思うぞ?

 

「んなこと言ったってなぁ」

 

人気のない廊下を愚痴りながら歩くクリス

職員室での挨拶回りを終え、今は受け持ち───と言っても副担任としてだが───のクラスへと向かっていた

なお、同クラスの担任は所用のために少し遅れているらしい

 

「ハードル高いよ……」

 

───頑張れ!

 

「………」

 

無邪気かつ無責任な頑張れほど人を追い詰めるものはない

そう、後で教えてやろうと心に誓ったクリスだった

 

「ここか……」

 

閉じられたドアの前に立つ

見上げた表札には、「1年4組」の文字

 

「………すぅー………ふぅー………」

 

大きく息を吸い、深く吐く

そして、意を決して扉を………

 

Go Die Go(逝きます)!!」

 

およそ教師の言葉に似つかわしくない叫びと共に開け放った

 

 

 

 

 

『『『………』』』

「」

 

瞬間

向けられるは視線、視線、視線

 

職員室のような好奇の目、驚愕の目、混乱の目

 

(アカン)

 

一瞬逃げ出したくなるも、それを振り払って教壇へと向かう

なお、同じ方向の手と足が同時に出ていた模様

 

「………」

 

「え、男の先生?」

「あ。あの人、入学式で紹介されてた人よね?」

「やだっ、うちのクラスなの?」

 

ざわざわと色めき立つ教室

多感な女子高生たちのノリに、そんな時期を過ぎたクリスはついていけない

 

が、このままでいるわけもなく

 

「……総員、傾注!!」

 

そして選択したのは軍隊式だった

が、功を奏したのか、教室内は一気に静まり返った

 

「俺はこのクラスの副担任になったクリス・オーランド。今年度からの新任な若輩者だ。ISを使える二人目の男って言った方がわかりやすいかな?操縦技術はともかく、知識だけなら負けるつもりは無い。教師と生徒、同じ一年生同士、互いに研鑽していけたらと思う。以上だ」

 

『『『………』』』

 

教室内は未だに静まり返っている

ちょっと高圧的すぎたか?と、クリスが思った矢先

 

 

 

 

 

『『『キャアアアアアアッ!!!』』』

 

 

 

 

 

「!?」

 

「やった!先生!男の先生!」

「しかもIS操縦者!」

「イケメンだよぉ、大人なイケメンだよぅっ」

「かっ、彼女とかいらっしゃるんですかぁ!?」

 

「……なにこれ」

 

───すごいね

 

───まったくだ

 

これが女子校のノリかー、と現実逃避するクリスを余所に、生徒達の質問責めは続く

 

やれ、操縦経験はどれほどなのか

やれ、普段は何をしているのか

やれ、女性と突き合った(誤字に非ず)ことはあるのか

 

(とりあえず思春期女子として最後のはどうなんだよ)

 

止まらない黄色い声援

もう一度黙らせようかとクリスが息を吸い込んだ時

 

 

 

 

パンッ

 

 

 

 

という、一際大きな音が響く

そちらを向けば、淡い朱色の長髪の女性が頭上で手を合わせた格好で立っていた

 

「そこまで。騒ぎすぎよみんな」

 

女性はそう言って、クリスの立つ教壇へと近づく

 

「ごめんなさい、オーランド先生。遅くなりました」

「え?あ、いえ、別に……」

 

「みなさん、入学おめでとう。私はこのクラスの担任の、トリッシュ・ラーゼリアよ。教師としてはまだ二年目の勉強中だけど、みんなを導いていけたらと思います。副担任のオーランド先生共々、これからよろしくね」

『『『………』』』

「……返事は?」

『『『はっ、はい!』』』

「よろしい。では、HRを始めましょう」

 

朱色の髪に鳶色の瞳を持つその女性

二年目というが、そうは思えぬ落ち着きように、クリスはどことない「ズレ」を感じていた

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「……とまぁ、基礎についてはこんなところだ。ISは登場してから10年経った今でも、まだまだ未解明な部分が多い。だから各国では今この瞬間も研究が進められてるし、色んな科学者、研究所やそこのスタッフが躍起になって日夜働いてるってわけだ。何か質問は?」

 

HRを終えて一時限目

教壇に立ったクリスは、担任のトリッシュが見守る中ISの基礎理論授業を行っていた

 

『『『………』』』

「……えー、と。無いようなら時間なんで終わるけど……」

「……ありがとうございました、オーランド先生。みんな、理解できた?」

 

「すっごいわかりやすかったです!」

「前に学んだことでも、見方を変えればまた違う理論もあるんですね!」

「教師一年目って本当ですか!?」

 

トリッシュの問い掛けに、堰を切ったかのように生徒達の声援が飛び出す

自分なりに考えたやり方が支持されたという事実に、クリスはほっと息を吐いた

 

「……んじゃ、次の時間は技術方面の話になるから。準備は済ませとくように」

『『『はーいっ』』』

 

その言葉と共に、授業終了のチャイムが鳴る

生徒達は顔馴染みのある者や隣の席の者と談笑、次の授業の用意や今教わったところを復習するなど、思い思いの行動を取り始めた

 

「………」

 

それを微笑まし気に見つめ、クリスは教室を後にする

 

 

 

 

途端、壁を背にしてへたり込んだ

 

「……あ゛ー、づがれだー」

 

───お疲れさま

 

───流石に長い間技術職に就いていただけはあるな。彼女達もうまく飲み込めていたと思うぞ

 

「そりゃどうも。しっかし、緊張したなぁ」

 

「お疲れ様でした」

 

「!?ら、ラーゼリア先生……」

「上手な教え方でしたね。以前にも、似たようなことを?」

「いや、もっぱら実家の工房に籠もりきりの技師でしたから、こういうのはさっぱりで」

「ご実家というと……オーランド・ラボですよね?」

「ええ、まぁ」

 

立ち上がったクリスはトリッシュと共に職員室へと歩を進める

そんな状態でも、道行く先々にいる女生徒達はみな一様にクリスへと熱を帯びた視線を送っていた

 

「……本当に男の教師って俺だけなんですか?」

「ふふっ。無理に敬語でなくて構いませんよ」

「そうか?ならそうさせてもらうけど……」

「……質問の答えですが、確かに貴方が初めてですね。まぁ、用務員の轡木さんという方がいますけど、あまり生徒と関わることが無いようなので、身近な男性は貴方と……」

「?……っと、ここは、一組か」

 

表札に記された「一年一組」の文字

出入口が生徒でごった返しているそこは、一人目のIS操縦者

織斑一夏の所属するクラスだった

 

「………」

「気になりますか?」

「まぁ多少は」

「次の授業までまだ少しありますし、様子を見てきては?」

「……いや、それは放課後に取っておくよ。いきなり他のクラスの副担が来ても迷惑だろうし」

「それもそうですね」

 

そう言って、二人は改めて職員室へと向かった

 

「……あれ、今の……」

「何をしている一夏!時間は限られているんだ!」

「あっ、おう。って、待てよ箒ー」

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「Excuse me?」

「え?」

 

流れに流れて放課後

技術知識をはじめ、その他諸々の授業を終えたクリスは、寮へ向かおうと教室を出た「男子」……織斑一夏を掴まえていた

 

「男の、先生……?」

「クリス・オーランド。織斑一夏で間違いないよな?」

 

一夏は驚愕に目を見開き、クリスは微笑みながら右手を差し出す

そんな光景にすら周囲の一部の女子達は色めき立っていた

 

そんな時

 

「……( ;ω;)」ブワッ

「えっ」

「男の人だぁぁぁぁぁぁっ」

 

号泣しだした一夏がクリスに抱き付いた

 

「ちょちょちょちょちょ、バカバカバカバカ!やめろ、俺にそっちの趣味はねぇから!」

「こっ、心細かったんですっ、周り女子だけだし千冬姉は織斑先生だし幼馴染は何か冷たいしぃ!」

「わかっ、わかった!わかったから離れろいらん誤解を招くから!」

 

絶対に離さんと言わんばかりに腕を絡めてくる一夏を引き剥がして距離を取るクリス

乱れた服を正し、改めて一夏に向き直る

 

「ったく……一応入学式で紹介されたんだけどな」

「す、すいません……でもそれから見かけなかったから、つい……」

「ついで初対面の男に抱きつくのかお前は……」

「……あの、先生、なんですよね?」

「4組の副担任だが、一応な」

「………」

「……なんだよ」

「……息が詰まった時とか、相談に伺ってもよろしいでしょうか?」

(眼がマジだ……)

 

周りが異性だけの思春期男子の苦悩

思うところが無いでも無いクリスは、二つ返事で了承した

 

 

 

◇◆◇

 

 

 

「部屋はここ、か」

 

教員に割り当てられた宿舎

学生寮内の外れに位置するそこに、クリスはいた

 

「荷物っつっても最低限のもんしか無いからなぁ」

 

渡された鍵を使って中に入る

基本的に生徒の部屋と同じ間取りのそこは、既にどこか生活感が感じられた

 

「……ここって、もう誰かが使ってんのか?」

 

赴任が急だったこともあり、部屋が用意できなかったと聞かされていたことを思い出す

特に改装などはされていないようだが、いかにも「女性の私室」といった雰囲気がした

 

(昔よくナターシャの部屋に入ったこと思い出すな……)

 

10年近く前のこと

妹分に、度々部屋に誘われた記憶が思い起こされる

その都度、緊張しっぱなしのドギマギしまくりだったことも思い起こされ、不思議と喉が乾く

 

そして

 

「ふー……あれ、開いてる……?」

 

ガチャリ

部屋の扉が開かれ、その向こう側から人影が現れる

 

低い小柄な背丈と、それに見合った童顔

淡い緑色のショートヘアと瞳、そこにかけた下縁眼鏡

 

そして、その華奢な体格に不釣り合いな、豊満極まりない胸部装甲

 

「あ……」

「え……」

 

沈黙

片や青褪めて冷や汗を流し、片や驚きのまま硬直する

 

「た、確か……一組副担の、山田真耶、先生……?」

「よ、四組副担任の、クリス・オーランド先生……」

 

クリス・オーランド

IS学園赴任初日

 

(俺もうダメかもしれない)

 

そう思うには十分すぎるほどの苦労と疲労に襲われた一日だった




成人の男女がいきなり同室なんてどうかと思うが原作でもワンサマが女子と同室だったんだから問題ないよね
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