留美の奉仕部   作:ふたなり2

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平塚先生の料理研究手助けの為、先輩後輩集まって

料理イベントを開催。皆んなあの手この手で八幡に

得意料理を振る舞う。




留美の奉仕部 ( 料理イベントで修羅場 )

 

 

「ねっ、八幡これってどういう意味?」

 

「あ~それはこう解釈すれば分かるはずだ。」

 

「あっ、そうか!」

 

最近、奉仕部の活動は勉強…?そう、受験勉強の為、勉強を

している事が殆どで依頼もメールも無くあっても回答程度で済んでるし

だから安心して勉強をしているのだ。

 

「ところで英語とかは大丈夫なのか?」

 

「割と得意科目よ、古文より。」

 

「じゃあ、ターゲット1900位は完璧か?」

 

「とっくに、2年の時暗記しているから今は他の物でチェックしてるよ。」

 

「留美は文系だよな。特に差が付き難い英語より古文漢文と社会科目に

力を入れた方がいいかもな。」

 

「受験する大学の問題対策とか大切だぞ!」「うん、来月からゼミも通う予定だよ。」

 

「そうか、一色の方はどうだ?」

 

「う~ん、英語がまだ・・・」

 

「そっか、じゃあ~頑張って文法と長文問題で力を

つけようか。」

 

「は~い、せんせ。ほのか、頑張るね。」

 

「いいぞ、ほのかっち頑張れ!」

 

「む~っ、ほのかには頑張れ!って言って私には無いの?」

 

「あ~留美も頑張れ~」

 

「何それ?全然、心こもってないよね?」

 

「せんせ、頑張ったらご褒美下さいね~。」

 

「おう!ほのかっちはご褒美に何が欲しいんだ?」

 

「やだ…せんせ〜ったら、それは合格した時のお楽しみで、ふふっ。」

 

ほのかが上目遣いで頬を少し赤らめてモジモジしてる。

 

「高いものはダメだぞ、俺の給料無くなっちゃうからな。」

 

「私には聞かないの?八幡?」

 

「えっ?留美も欲しいの?」

 

なんて嫌そうに答えるのよ、まったく~!

 

「私が合格したら美味しいご馳走のお店に連れていって

もらうんだからね!」

 

「なんで、留美を高いお店に連れていかなきゃあならんのだ?」

 

「決定事項なの!もう、決めてんだから!」

 

「俺の了解なしかよ?で、留美は第一志望校何処なの?」

 

「…………八幡…の大学……」

 

「えっ、何だって?」

 

「八幡の出た大学……」

 

「俺が出たって、◯◯◯大学か……」

 

「………うん。」

 

「なら頑張らないと入れないぞ。」

 

「分かってるよ!」

 

「せんせ、ほのかはね看護士さん志望なの。」

 

「ほのかっちに似合ってる気がするな。」

 

「うん、よく言われるかな。」

 

「だから看護大学に行くつもり。」

 

「文系志望だったが科目多くなるし大変だな将来は看護士長さんか?」

 

「ふふっ、せんせ、せんせが病気になってもあたしが

看護しちゃうし、せんせも養ってあげられると思うから大丈夫だよ。」

 

「そりゃ心強いな、助かるし………って?ほのかっち、今物凄く

凄い事をサラッと言ってなかった?」

 

「せんせにはそれまで頑張ってもらわないといけないから…ね。」

 

「あのね、……ほのか?」

 

「…………イヤだぁ、冗談ですよせんせ、本気にしちゃいましたぁ?」

 

全然、冗談に聞こえないんだけど。合格したら絶対何かが起きる気がする。

ほのかには負けないからね!八幡にはほのかと迂闊に約束しちゃあダメって

釘を刺しておこう。

 

「兎に角、二人とも時間があれば部室に顔を出してやるし勉強みてやるから

頑張れよ!」

 

「「ありがとう、先生。」」「おう、それじゃ邪魔になるから職員室に戻るとするか。」

 

「あと、日曜のイベントの件よろしくね!」「ああ、分かってる。」

 

「じゃあな。」「は〜い、せんせ。」

 

「二人とも愛してるぞぉ〜」

 

「きゃ〜!嬉しい!あたしも愛してる〜!」

 

ほのかが黄色い声を出してる。

 

「一々、言わなくても分かってるし、バカ。」

 

イヤだ、顔が赤くなる…何張り合ってるんだろ、バカみたい。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

日曜日のお料理イベントの日がとうとうやって来た。

 

静先生は前日から落ち着かない様で部室に用事も無いのにフラっと

覗きに来たりそれは旗から見ていて可愛らしいもんであった。

 

「それじゃあ、早速、平塚先生婚約記念お料理イベントを初めちゃいま〜す!」

 

「司会は前回、花嫁選手権で平塚先生とデットヒートを繰り広げた比企谷小町が

お送り致します。」

 

「今日は私の為に皆んな忙しい所に集まってもらって大変感謝している。

ところで来年結婚する事になって、りょ、料理のレパートリーを広げる為に

協力をお願いしたい。皆んなの得意料理を私に教えてくれると嬉しいので

ひとつお願い、しっ、します。」

 

静先生が珍しく恥ずかしいのか噛んじゃってる♪

 

「おいおい、小町〜また花嫁選手権するんじゃないから飛ばすなよ。

あくまで静先生の料理研究会をなんだからな。」

 

「もう〜お兄ちゃんたら、真面目過ぎて面白くないよぉ〜平塚先生の応援も

兼ねてるんだから硬いこと抜きで行きましょう〜え〜それではエントリーNo.1番に

由比ヶ浜結衣先輩!張り切って行きましょう〜!」

 

最初に登場した由比ヶ浜先輩は花柄の可愛らしいエプロンに身を包み

愛らしい笑顔で照れながら皆んなに挨拶をしていた。

 

「え〜とっ、あたしがオススメする物はオデン…オデンなの。」

 

「さ〜て、結衣先輩力作のオデン登場だあ!味見係のお兄ちゃん、お味の方は

どうですか?!」

 

「なっ、何で俺が?」

 

「これは本人の希望も入ってますからね〜ささっ、お兄ちゃん!張り切って

行きましょう〜」

 

両手を大きな胸の辺りで神様にお祈りするように組み、潤んだ瞳で八幡を

見つめている。あ〜ん、反則ですよ〜由比ヶ浜先輩!

 

「解説の雪乃先輩、今回の結衣先輩のオデン選択どうでしょうか?」

 

「そうね、市販で出来合いのはんぺんやコンニャク茹で卵を煮込むという

シンプルで忙しくてもお手軽で短時間でもある程度食べられ煮込む程美味しくなる

所に目を付けたのは進歩の明かしではないかしら?」

 

相変わらず辛口のコメントが…

 

相当な気合いをかけ、勢いよくオデンに八幡がかぶり付いた!あ〜目を瞑っちゃってる。

 

「ヒッキーどうか…な?」

 

「うん、…思った程悪くなかった。意外と美味いぞ?

一体、どうしたんだ由比ヶ浜?雪ノ下に作ってもらったのか?」

 

「酷〜い!ちゃんと自分で作ったんだからね!」

 

「まともな物が作れる様になったんだな?いい事じゃないか。」

 

八幡もちょっと嬉しそう…

 

「これでヒッキーの……お弁当とか料理も作ってあげられるでしょ?」

 

顔を赤らめ照れてる由比ヶ浜先輩がそこにいた、とても可愛らしい

上目遣いの結衣さんに困り顔の八幡がそこにいる。この雰囲気…マズイ。

 

「まあ…その由比ヶ浜も少しは食べられる物作れる様になって良かったじゃないか。」

 

「何度も失敗したけど努力したよ、それだけ…?」

 

「まぁ、うまかったぞ。これなら平塚先生にもオススメな料理だ。」

 

「ありがと……」「…ん」

 

「なんと!微妙な味見係の発言キタ〜!後は当人さんどうしで進めてもらえばと。

特別ゲストの平塚先生〜いかがでした?」

 

「うん、寒い時のオデンに熱燗…考えるだけでお酒が進む…じゅる。」

 

「あのね、先生?飲み屋さんじゃないんだから。彼氏さんに出す料理なんだから?」

 

「あ?うん、いかん、そうだ!小町くん。中々良さそうだ、由比ヶ浜もありがとう。」

 

「それでは次に元生徒会長〜一色いろは先輩張り切ってどうぞ〜パフパフ〜」

 

「じゃ〜先輩!いろはの心を込めた手料理食べて下さいね。」

 

「うぅ、一色…来たのかお前が料理出来るの知ってるし美味しいからパスにしようか、

なんならレシピだけ平塚先生に出して帰ってもいいぞ。」

 

「酷〜〜い!!それが最愛の人に言う言葉ですか!先輩は後輩を虐めるサドの趣味が

あるんですか?それに対応出来るスキルを磨かないといけないのですか?」

 

「何言ってるんだよ、お前?早いとこ自分の料理紹介しろよ。」

 

「ブぅ〜先輩は私を虐めて喜んでるに違いありません…いろはは負けませんからね!

ハンバーグを作ってみたんですよ、先輩。ハンバーグ好きですよね、先輩!」

 

「何でヒッキーがバーグ好きなの知ってるの?いろはちゃん?」

 

「それはですね、たまに先輩と学部でお昼一緒の時お弁当差し入れしていたから

好きな物位知ってますよ〜。あと、チョイ辛のキンピラも好きですよね、先輩〜!」

 

「お前、いらないからと言っても無理やり持ってくるから……まあ、うまいけど。

大学の時はありがとな、助かったよ。」

 

「へ〜っ、大学の時はいろはちゃんのお弁当をよく食べてたんだぁ〜初めて聞いたよヒッキー?」

 

「別に言わなきゃあいけない事じゃないから、偶々だよ。」

 

「隠す様な事でもないのにねぇ〜ユキノン?」

 

「そうね、由比ヶ浜さんの言う通りだわ。一色さんのお弁当で何が一番美味しかったのかしらお弁当谷くん?」

 

「そっ、そんなに覚えてないぞ。」

 

「「本当かしら…」」

 

「え〜先輩の一番のお気に入り、甘〜い卵焼きが好きなんですよね?」

 

鋭い!確かに八幡は甘い卵焼きが好物だ・・・いつか二人でお弁当食べた時も

卵焼き好きな事聞いた覚えがある。で、私が八幡に食べさせたんだっけ・・・

あ~恥ずかしい。でも、いろはす先輩・・・中々の切れ者。

 

「お前は火に油を注ぐなって。」

 

「だ〜ってぇ、せんぱいがウソ付くからじゃないですか!」

 

「あ〜分かったから!」

 

「何が分かったのかしら?嘘谷くん?」「雪ノ下、あだ名になって無い・・うっ…。」

 

「あ〜ここで気を取り直してお兄ちゃんに早速味見を!」

 

さすが、小町先輩絶妙なホロォー親指をグッと突き出し八幡にウインク!

 

「小町サンキュ!」

 

二人の冷たい視線を浴びながら八幡が冷や汗を流している。

 

「……うん、デミグラスも自分で作ったのか?バーグの中から肉汁が出て来て

美味いぞ!これなら平塚先生の彼氏さんも満足するんじゃないか。」

 

「平塚先生、お味は?」

 

「これは、美味いぞ!一色〜後で詳しく教えてくれ頼む!」

 

「先輩も満足ですか?何なら毎日でもご飯作りますよ?どうですか?」

 

一色先輩、八幡に小首を傾げてウインクしてる。う〜ん、これが有名な元祖あざとい攻撃か!

 

「毎日は助か…、んっ?兎に角、美味かったから。」

 

「これは、いいポイントを取ったか!いろは先輩のプッシュにタジタジですな?

お兄ちゃん?」

 

「続いて現役の奉仕部部長、鶴見留美ちゃん登場です!張り切ってどうぞ〜!」

 

順番来ちゃった、緊張するし〜こんなのクリパの演劇以来だよ。

 

「え〜と、肉ジャガを…八幡食べて。」

 

「ここで、定番の肉ジャガキタ〜!!果たしてお味の方はどうだ?」

 

「うん、ジャガイモも煮崩れがないけど味が程よく染みてて肉の甘みと混じって絶妙だ、よく覚えたな留美…まあ…いける。美味いぞ、留美。」

 

「うん、ありがとう…」

 

「これも平塚先生に覚えてもらって彼氏さんに喜んでもらえると

いいな。」

 

「どうですか?平塚先生?」

 

「うん!美味しいと言う表現が一番合ってるかな、何かホッとする味だ。

これもあとで教えてほしいな鶴見頼んだぞ!」

 

「八幡も喜んでくれる?」

 

「俺?」「…うん。」

 

「ああ、料理が出来る生徒がいて安心して送り出せるまであるな。」

 

「何を送り出すのよ?意味違うし。」

 

「あちゃー、これは『えっ?何だって?』を思わせる回答が来た。

お兄ちゃん、分かってないよ〜相変わらず。」

 

「さてさてお次は同じく現役奉仕部の一色ほのかちゃん登場だ!お姉ちゃんに

負けないよう頑張れ〜!」

 

「せ〜んせ、ほのかが作ったキンピラ食べて下さいね。」

 

「お〜、ほのかっちの作ったキンピラか?楽しみだな、どれ。」

 

「どうですか?せんせ?」

 

「うん、美味い。美味いぞ、ほのかっち!」

 

「よかった~せんせのお口にあって♪」

 

「平塚先生どうです?」

 

「オツな味だなこれは!ピリ辛でご飯にも合う、勿論お酒にも、うん!」

 

「これなら、いつでもお嫁に行けるぞ、ほのかっち。」

 

「嬉しい!じゃあ〜せんせの奥さんになってもいいよね?」

 

いろはお姉ちゃん直伝の上目遣いウルウル攻撃キタ〜!

 

「おいおい、俺の給料じゃあ、まだまだほのかっちを養えないぞ?」

 

何照れてんのよ!八幡!

 

「いいの、せんせあたしが稼ぐようになってからでも待ってるから。」

 

「ちょっと待ったぁ〜!ほのか!」

 

「お〜っと!ここでお姉ちゃんチェック来た〜!」

 

「せ〜んぱい?何ほのかと変な約束してるんですか?あたしとの約束も守られてないのに?

結衣先輩にも変に赤くなってないですか?留美ちゃんにも甘々なジャッジじゃないですか?

先輩はいつもあたしが色々言ってのにちゃんと真剣に聞いてるんですか?まったく〜!」

 

うわ〜いろは先輩の笑顔ツッコミ攻撃か!八幡の鼻先でコワ〜

 

「ばっか、お前…ほのかっちはやっと自分を出せるようになって楽に何でも言えるようになったから

何時も俺は応援してるんだ、それに一色お前の物怖じしない性格にも憧れててな多少あざといが

頑張ってるんだぞ、応援したくなるだろ?」

 

『応援したくなるだろ…』大事な事なんだ2回も言ったし、そっかぁ〜八幡がほのかに甘いのが何と無く

分かった気がした。ほのかの方が可愛いんだぁ〜え〜ん、ショック。

 

「むぅ〜分かりました、ここは先輩の顔に免じて鞘を収めましょう。だからと言って浮気は許しませんからね!」

 

「だからお前は何で俺の彼女面すんのよ?まったく…」

 

「せ〜んせ、まだほのかのキンピラの試食途中だよ。」

 

「お〜そうか悪い、どれ?」

 

「あ〜ん、して?せんせ。」「え?あ〜ん…」

 

「「「「あ〜〜〜!!!!」」」」

 

 






少し忙しくなり更新できなくてごめんなさい。

ところで、俺ガイル…アニメ終わっちゃいました。

二期は場面のカットと言うかダイジェストを見ている様で

物足りない感じが残り意味が分かり難かったようです。

また、本編でバレンタインイベントをやっちゃいましたから

今回思いっきり被って書き直すのに時間が掛かりました。

一色シスターズのパワー炸裂はどうでしょうか?

読んで頂けたら幸いです。



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