留美の奉仕部   作:ふたなり2

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料理イベントが終わりいつもの日常に戻った
奉仕部の部室で勉強をする留美とほのか。

だが、また新たな嵐がやって来た!

そう、ほのかのお姉ちゃん…いろはが教員実習に
総武高にやって来たのだ!

いろはとほのかのダブル攻撃に留美はタジタジ。






留美の奉仕部 ( いろは先輩がキタ〜 )

 

 

放課後、いつもの奉仕部の部室・・毎度の事ながら今日も受験勉強を。

ゼミが無い日は学校で勉強した方が絶対に効率がいい。何故かって?

だって、家に帰るとダラけちゃうし移動時間が無い分助かるからね。

 

「せんせ~、ここ分かんない~!」

 

「小学生じゃないから自分で調べろよ、何でも俺に聞いてちゃ駄目だ。」

 

「だってぇ~」「ダメだ、ほのかっち。甘えるな、頑張ってみろよ。」

 

「いいもん・・せんせの意地悪・・ほのかの事嫌いになったんだ・・クスン」

 

「そんな事ないぞ~愛してるから頑張れ~、ここはこう訳してみろよ、

該当する文法をもう一度思い出して…そうすれば意味が分からない単語があっても

前後の解釈で何となく意味が分かり訳すことが出来るようになるから。」

 

「あっ、な~る・・分かった、せんせ大好き~!」

 

「おう、また分からなかったら聞けよ。」「は~い」

 

「留美はどうだ?」

 

「う~ん、そうね・・・お茶が欲しいわ、八幡お願い・・」

 

「あっそう。」

 

「だから、お願い」「頑張れ~」

 

「もう、サービス悪いんだから。自分で入れるわよ、八幡はコーヒーね。

ほのかは紅茶でいい?」

 

「留美、サンキュー!愛してる~。」「はいはい、私も愛してる。」

 

「あ~俺も愛してるよ~、コーヒーミルクたっぷりで甘くしてね。」

 

ちっとも感情こもってないけど…… ふふっ♪ でもこの感じいいな・・・

 

毎日じゃないけど、八幡は気にして部室を覗いて私達の勉強を見てくれるし、

アドバイスをしてくれる。他の生徒より絶対にお得!それに・・・

 

教えてくれる時、八幡が近くに来てくれるし八幡のオーデの匂いが好き・・

 

はっ!別にクンカクンカしてるんじゃなから変態じゃないんだからね!

微かに漂うオーデの香りが好きなの!凄くドキドキだけど。

 

静かに文庫本を読んでいた八幡がパタンと本を閉じた。

「よし、今日はこの辺で下校時間だな。二人とも気を付けて帰れよ。」

 

「集中してると時間が経つの速いね。ほのか、帰ろう。」

 

「うん、戸締まりしてと……あっ、そう言えば明日から姉さんが

来るんだったけ?ね、せんせい?」

 

「えっ?いろは先輩がどうしたの?」

 

「明日から総武高に教員実習にくる………」

八幡が顔を引きつらせながら不気味に愛想笑いを。

 

「え〜聞いてないよ!でも、八幡と大学同じ学部だよね、いろは先輩?」

 

「そうだ、国語の担当だな。」「じゃ〜いろは先輩も先生を目指してるの?」

 

「なりたいって言ってるよ、姉さん。」

 

「そう…。」

 

やっぱり八幡の事、いつも傍に居てずっと追いかけてるんだ。

 

「八幡がいろは先輩の指導をするの?」

 

「新任の先生では無理だ、ベテランの先生が指導するから。

それに雑務が多過ぎてな。」

 

「平塚先生が指導する事になる。」「そっ、なら安心だ。」

 

「何がだよ?」「だって……いいじゃん別に。」

 

教室の隅でイチャイチャされたらって・・・絶対にダメだもん!

 

「あたしも安心、安心。姉さんにせんせ取られちゃうから。」

 

「大丈夫だぞ〜俺は、ほのかっち一筋だからな〜」「きゃ〜!」

 

ほのか!八幡の二の腕に腕を絡めるの反則!八幡もだらしない顔しない!

最近私でさえ八幡に触ってないんだからね、一年の時は腕に絡んだりしたって

平気だったのに今は恥ずかしくって絶対に無理。でも私だって・・・

 

ジト目を浴びせながら無言で二人の頭にチョッブする。

 

「やん!」「てぇ〜」

 

八幡がブツブツと、ほのかは知らん顔で上を見ながら口笛を吹いて誤魔化してる。

 

「まぁ、気を付けて…速く帰れよ。」

 

「さよなら、八幡」「また、明日ねせんせ。」

 

「帰るよ、ほのか!」「待って〜」

 

「待たない〜」「いじわる〜」

 

 

・・・・・・

 

 

「え~それでは今日から教育実習の為、君達を教える事になったこの高校の卒業生で

元生徒会長も勤めた一色いろは君だ。男子諸君、先生は見ての通り私程ではないが、

私程ではないが美人でとても可愛いから余りお熱にならないように。

それと女子の皆んなは一色君がモテるからと焼もちを焼かないようにな、

それでは、一色先生、自己紹介をどうぞ!」

 

「初めまして〜今日から短い期間ですが皆さんに現国の授業を担当する一色いろはと言います。

精一杯頑張りますので皆さん宜しくお願いしますね。」

 

きゃるるん!と可愛らしく小首を傾げながら笑顔で挨拶するいろは先輩に男子生徒全員が

「うぉ~~!」「かっ、可愛い~~!」と歓声を上げた。リクルートスーツに身を包んだ

いろは先輩は少し大人っぽいけど可愛らしくまるで新人のアナウンサーみたいだ。

男子のテンションマックス状態に比べ女子は何故か拍手と言う感じ。

いろは先輩・・あざとい攻撃最初から全開ですな~ある意味凄いです。

 

「それでは、一色君にまず教科書の○○ページを読んでもらおうか。頼む。」

 

「はい、分かりました。○○ベージですね。では〜 」

 

 

・・・・・・・

 

 

「は~緊張しました~先輩~、疲れて帰って来たいろはを優しく癒して下さい。

そうそう、肩が凝っちゃって先輩?肩揉みをお願いします。」

 

「は?断る!何言ってるの?今日初まったばかりでしょ?」

 

「だってぇ~、初めての体験なんですよ?緊張するに決まってます!

それに疲れて帰って来たこんな可愛い彼女へのご褒美に肩揉みの一つや二つ、

してやろうとは思わないんですか?肩が揉み放題なんですよ?お得ですよ?」

 

「俺が肩揉みしてやるのは小町だけだ、小町なら30分と言わず1時間でも

揉みほぐす事が出来る。あと、彼女じゃないから。」

 

「あのね先輩?いい加減シスコン治したらどうですか?小町ちゃんも

最近先輩のシスコンにいささか引き気味ですよ。お兄ちゃんが

うるさくって彼氏が出来ないって嘆いていましたけど?」

 

「まぁ、そうかもなって…お前な?…小町が彼氏を欲しいと言ってたのか?

そんなの絶対に駄目だ!もし、そうだとするとお兄ちゃんショックかも…」

 

「そのシスコンは結婚までには治して下さいね、流石のあたしでもドン引きです。

でないとお付き合いするのは無理です、あたしのことは諦めて下さい、ごめんなさい。」

 

「あ~だから一色、約束してないからあと、振られるの何回目になるんだ?」

 

いろは先輩も八幡のシスコンにドン引きみたい。お兄ちゃんいないから、小町先輩…

いいな少し羨ましい…。

 

「でも、俺も緊張したけどな…。」「ですよね!」

 

「あぁ…まあな。」「先輩もですか?ドキドキです!」

 

「先輩の〜初めてってどうでしたぁ?」

 

「そりゃ……こう…体がガチガチになったし何やってるか分からない位緊張したな。」

 

「ですよね、緊張で体が震えてくるし初まる前、少し怖かったです〜」

 

「でも、ちょっと慣れてくるといい感じで、できますよね?」

 

「そうだな、慣れるまで大変だけど、お前なら大丈夫だろ。」

 

「きゃ〜嬉しいです!あたしも先輩と一緒の気持ちなら幸せです!」

 

……………何か会話がHぽく聞こえるんだけど…私だけかな?

 

「でも、頑張りますね先輩〜!」「ところで、何でお前もココにいるの?」

 

「イヤですね〜お昼に奉仕部の部室でお弁当食べる約束したじゃないですか?」

 

「俺はパンを買いに購買に行っただけだろ?お前と食べる約束してないぞ?

それに他の実習生の奴らと弁当食べろよ、お昼誘われてただろ?」

 

「先輩〜?知ってるんなら助けて下さいよ、朝からしつこくて…ナンパじゃないんですから

何しに来てるの?って感じです。それに一緒に食べようって言ったら先輩断りますよね?

いいじゃないですか。」

 

「ああ、間違えなく断ってた。だからって、奉仕部の部室に来なくていいだろ?

お前の居た生徒会室に行けよ。仕方ないから連れてきてやったけど…」

 

「先輩は冷た過ぎます!可愛い後輩を知り合いのいない今の生徒会に行けと?

薄情です!野蛮です!人でなしです!イチャイチャ肩揉みもしてくれないし、

お昼くらい可愛い後輩と一緒に食べないとバチが当たっちゃいますよ!」

 

「あ〜肩揉みはしないけど、分かったから、好きにしていいから。」

 

「チっ。」

 

今、チって言いましたよね?いろは先輩?

 

「ちょっと〜?あの〜私達がさっきから見てるんですけどぉ〜?」

 

「お昼、ほのかと二人でお弁当食べてるの知ってるから来たんだ。

あ〜悪いな、留美、ほのかっち。」

 

「別にいいですけど…。」「ふふっ、こっちに来て一緒に食べましょ、せんせ。」

 

「今日は先輩の分までお弁当ありますから食べて下さいね!」

 

「あ〜俺、パンあるからいいわ。」

 

「何言ってるんですか?先輩?いろはちゃんが心をこめて作った愛情一杯の

愛妻弁当なんですよ!先輩の好きな卵焼きもハンバーグも入れてありますよ!

ささっ、食べて食べて下さい!パンでは栄養が足りませんから!」

 

「あ〜姉さん、それで朝から嬉しそうに台所でお弁当作ってたんだ?

『ほのかのお弁当も一緒に作ってあげたから〜』ってお母さんビックリしてたよ。」

 

「ほのかは余計な事言わなくていいの。」

 

にこやかにほのかへ釘を刺すいろは先輩であった。

 

「食べて下さい…ね、先輩…。」

 

ウルウル目であざとい攻撃キタ〜!あと愛妻のところ、八幡コッコミ忘れてるから!

 

「…分かったよ、折角作って来たんだし勿体無いからな。

感謝するよ、一色。」

 

「でわでわ〜、じゃ〜ん!今日のお弁当で〜す!」

 

可愛いお弁当箱に彩りの美味しそうなオカズが並んでいた。

 

「お〜美味そうだな!あれ?箸が無いぞ?一色、何処にあるんだ?」

 

「あっ、此方にあるから心配ないですよ先輩。」

 

「あるって、お前の箸、一膳しかないけど?」

 

「だから〜先輩は相変わらず鈍いですね?バカなんですか?可愛い後輩から言わせるんですか?

あたしが先輩に『あ〜ん』させて食べてもらえば全く問題ありませんから。」

 

「お前な〜?頼むからちゃんと食べさせてお願い。」

 

「部室に割り箸がありますよ〜いろは先輩〜♪ はい、どうぞ〜八幡〜!」

 

割り箸を八幡の手前に『ビシっ!』て置いてあげた、良かったね〜八幡ちゃん!

 

「チっ」

 

 

いろは先輩…やっぱ怖い。

 

 






あれ〜?いろはがプッシュプッシュで押しまくる展開に、

ここの所押され気味の留美だけど挽回は出来るのかな?

追記

少しだけ修正を、あとご指摘有難うございました。




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