留美の奉仕部   作:ふたなり2

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久し振りの休日、勉強もしたくないしララポに1人ブラブラと

暇潰しに行く留美、そこで同じく買い物をしている小町に会う。




留美の奉仕部 ( 素敵な休日 )

 

 

「聞いて下さい〜先輩〜ぃ!」

 

「絶対、絶対にピンチなんです〜ぅ!」

 

お昼の奉仕部部室に甘ったるい甘えた声が響く。

 

「相変わらず、あざといぞ一色…で今日は何だよ?」

 

「平塚先生ったら酷いんですぅ〜!明日までに来週小テストをするから

問題をまとめて作成するように言われたんですよ〜!先輩〜ぃ〜、ぐす…

あたし…どうしたらいいんですかぁ…先輩…」

 

両手の袖口を交互に持って行き涙を拭うポーズをしたり…途中、八幡をチラ見して

様子をうかがったり…あ〜もう!

 

「だったら直ぐにお昼食って仕事しろよ?一色。」

 

「だって、だってぇ〜小テストの作り方なんて知りませんし

どんな感じで作ればいいかなんて分からないですよ〜、

せんぱい〜ね〜教えて下さい〜 ぐす…

 

甘えたテンションは部室一杯に広がってほのかも私もお昼どころじゃない。

もう、いろは先輩全開ですね…あ〜鬱陶しい、八幡断って!

 

「断る!俺の時も平塚先生にやられたしお前も頑張れよ、俺ばっかり頼ってちゃあ

他の学校で教員した時どうするんだよ?駄目だ!」

 

そうそう、言ってやってよ、八幡〜ちょっと頼もしい♪ 何でも言いなりは良くないから。

 

「駄目です…先輩の居ない職場なんて考えられません!先輩が居ないと意味が無いです!

先輩の居ない世界なんて考えただけでも地獄です生きている意味がありません〜ぐす」

 

「あ〜何で俺にこだわるの?小テストでそこまでの意味があるの?どんだけ俺の事が好きなの?

適当に考えて作ればいいだろ?お前そんなにバカじゃないし要領いいくせに何でやらないの?

兎に角、駄目なモノはダメだ!」

 

「分かりました。もう、いろはの事が好きじゃなくなったのですね?弄んだだけなんですね?

先輩は血も涙もない鬼なんですね?お昼のお弁当をただ食いする酷いヤツなんですね?

高校の時も生徒会長を押し付けて知らん顔の赤の他人ぶる嫌なヤツなんですね?

愛してないんですね?いつ迄も一緒に居たくないんですね?ただの後輩なだけなんですね?

そんな人はお付き合い出来ません、ごめんなさい、私の事は諦めて下さい。」

 

「……… 分かったから…もう…勘弁して下さい一色さん…で?どうするんだ?」

 

「やた〜!いろはの事を大事にしてくれる先輩は誰よりも優しいです、素敵です、愛してます!

さて、それでは先輩には私が作った問題を添削して頂きたいのですが、ヨロシクです!」

 

「何だよ、ちゃんと出来てるんなら先に言えよ。どれ、それなら食べながらでも出来るな?

さっさと、終わらせようか?あ〜お前らは見ちゃあダメだからな。」

 

「見ないよ、そんなの…」「せんせのケチんぼ。」

 

もお〜〜〜っ!押されっぱなし!八幡のバカぁ〜!本当に押しに弱いんだから〜!

口車に乗ってイチャつくんだから…魂胆見え見えなんだから、全く!

あと、いろは先輩、どさくさに紛れて『愛してる』とか『好きなの?』とか言ってるから。

否定しとかなきゃあ、後々困るんだからね!

 

「流石は姉さん…覚えてこっと、ふふっ。」

 

キウイフルーツの細輪切りを美味しそうにパクリと頬張りながら

二人の会話を聞いてほのかがポツリ。

 

「ほのかは真似しちゃ駄目だからね、特に八幡には!」

 

「あははっ、やっぱダメ?使ったら留美怒る?」

 

「あざといのは禁止で。」「ありゃ、どうしよ?」

 

「オリジナルで。」「うん、うん!オリジナルでね。」

 

ほのかのヤツ、企んでるな?困ったヤツだ。

 

でも、いろは先輩が来てから賑やかになり楽しさが倍増した事は

間違えないんだけどね…

 

慌ただしく過ぎていく日常…放課後の部室勉強会に教員実習生、

いろは先輩が来てくれた事によって教えてもらえる機会が増えて二人とも

大助かりとなった。いろは先輩は八幡が絡まなければ優しいお姉さんで

教え方も上手くて要領よく受験の対策とか問題とかも快く提供してくれた。

 

 

・・・・・・・・

 

 

久々の日曜日…

 

今日は家で勉強もあんまし、したくないし…たまには出掛けようか?

 

一人で?そうよ、悪い?いいじゃん、別に…。約束してないし、ほのかとか…

急に連絡しても振られるだけだもん!適当に身支度をしてララポートでも行こう。

 

・・・・

 

ララポートで一人、何を見るでなくブラブラと歩いていたら後ろから声をかけられた。

 

「ねえ、ねえ、彼女〜!一人?」

 

ナンパ〜?一人だからって軽くないし、無視しよと…あれ?小町先輩?

もうビックリだし!

 

「どうしたんですか?小町先輩?」

 

「それはこっちもだよ留美ちゃん、一人なの?」

 

「え〜まぁ…そんなところで…」

 

「そうなんだ実はあたしも一人で買い物なんだな。」

 

「小町先輩もですか?奇遇ですね〜。」

 

「イヤイヤ、お互いボッチで〜あ〜留美ちゃん?よかったらお茶でもどう?」

 

「えぇ!退屈してたし喜んで!」

 

「よかったぁ〜振られたらどうしようかと思っちゃったよ。」

 

「全然、大丈夫です!」

 

「OK!っていう事で可愛い彼女ナンパ大成功!ささっ、行こっか、お嬢さん!」

 

「はい!小町先輩ったら~もう~クスクス。」

 

小町先輩とすぐ近くのカフェに飛び込んでカフェオレを、先輩はレモンティーを注文して

楽しくお喋りタイムに。

 

「そう言えばさ、うちのお兄ちゃんって学校でどんな感じ?留美ちゃん?」

 

「八幡…あっ、先生は…」

 

「あ〜八幡でいいよ、昔からそう呼んでるもんね留美ちゃんは。」

 

「え?いいんですか?ごめんなさい…」

 

「いいよ、いいよ、遠慮せずに八幡で!でも、八幡って名前で呼ばせてるの

女の子では留美ちゃんだけじゃないかな?あたしの知る限り雪乃さんも結衣さんも

いろは先輩にも呼ばせてないよ。」

 

「でも、いろは先輩は前に呼んで良いか聞いてたけど?」

 

「それ、お兄ちゃんからダメだって言われて呼んでないでしょ? 結構悔しがってるんだよ。

あれ?これ言っちゃったよ、忘れてね!」

 

「あ…大丈夫です。」

 

「八幡、学校では凄く真面目で授業も覚えやすいし受験に出そうな所をピックアップして私達に

教えてくれる優しくて尊敬出来る先生です。」

 

「えっ?あのお兄ちゃんが…そっ、尊敬出来る?留美ちゃん…?気は確かだよね?」

 

「小町先輩、酷いですよぉ〜、私は八幡の事、ちゃんと見てますから。」

 

「えっ?」「あっ…」

 

私ったら勢いで余計なこと言っちゃった〜!

 

顔が赤くなるの分かるし…小町先輩が目をキラキラさせて何か聞きたそうになってるし!

 

「兎に角、八幡は一生懸命に教えてくれます!」

 

「ふ〜ん、あのお兄ちゃんがね。あたしもお兄ちゃんを少し見直さないといけないかな?」

 

「えっ?小町先輩、八幡は凄く優しいし……私は小学生の頃から八幡に助けられてるし、

今でも一杯助けられてます。お礼を言っても照れて中々聞いてくれないけど、ずっと前から

感謝してる大好き…っ…。」~~もうヤダ!

 

「うん、うん、小町も分かるよ。お兄ちゃん…ひねデレだもんね〜、あたしも留美ちゃんの事は

覚えてるし〜クリパのヒロインはとっても可愛かったってお兄ちゃんと話してたしね!」

 

「えっ?ホントに?…」

 

「うん!そうだよ。それから高校の教員実習に初めて行った時に『小町〜クリパの時の

留美が総武高に通ってて今度教える事になったぞ!あいつ、少し明るくなって頑張ってる

みたいで良かったぞ!』って興奮気味に話すんだから。」

 

ダメだ……恥ずかしくて前を向いてられないや。小町先輩、意地悪ですよ!

 

「でさぁ〜留美ちゃんはお兄ちゃんの事、好きなんでしょ?」

 

「……………先生としては、す、好きな方かな〜ははっ。」

 

ダメ、小町先輩〜顔に出ちゃってるの丸分かりで聞いてる!

まん前でニコニコと楽しそうに私の様子を見てるよ。

 

「でもさぁ、お兄ちゃん結構モテるのに彼女居ないんだよねぇ〜」

 

前から気になる疑問………

 

「あの…雪ノ下先輩とか由比ヶ浜先輩とかと付き合った事はないんですか?」

 

「うん、ないよ。誰とも付き合ってないよ。何度かいい雰囲気になってるけど

進展してないみたい。あの二人とはずっと友達のまま見たいかな。」

 

「いろは先輩とは?」「あはは、今はいろは先輩がお兄ちゃんにお熱みたいだね。」

 

「いろは先輩…八幡の事、凄い好きみたい。」

 

「うん、何度も告白してるみたいだけど、はぐらかされてるみたい。

『気持ちはありがたい』とかね。」

 

「だから、ずっといろは先輩も待ってるのかな?」

 

「そうかもね、ははっ、困ったもんだ。」

 

「ほんと、困った人ですね。」

 

あの3人でも落とせないんなら私なんかダメじゃん…

 

「だから、お兄ちゃんが彼女を作らないとあたしも作れなくって困っているのです。

そんなこんなで留美ちゃんにもお願いがあるのです!」

 

「えっ?な、何です?」

 

「早いとこお兄ちゃんを落として彼女さんになって欲しいのです!」

 

「ええ〜!そんな事言われても〜!」

 

「ライバル参戦してお兄ちゃんGETして欲しいんだよね。そうしないと

誰かに取られちゃうよ〜相手は雪乃さん?結衣さん?それともいろはさんかな?」

 

「でも、本人にその気が無ければどうしようもないじゃないですか?」

 

「そこはこのあたしも協力するよ、勿論ライバル平等にね。早い者勝ちの大サービスだよ!」

 

「お兄ちゃんのバーゲンセールになってますよ?小町先輩〜。」

 

ジト目で小町先輩をチラ見しながら

「でも、小町先輩がサポートとかそこまで言われるのならちょっと考えなくも…」

 

「あはは、留美ちゃんも雪乃さんと一緒でツンデレなんだ…」

 

「そ、そんなんじゃないですから!」

 

「うんうん、じゃあ、サポート第一弾で今からウチに来ない?」

 

笑顔一杯で私の言う事聞いてないみたい、小町先輩〜!

 

「お昼ちょっと過ぎるけどウチでお昼食べに来なよ!八幡もいるし

八幡の部屋も見て見たいでしょ?」

 

「でも、家の人とか突然行ったら迷惑かけるし八幡にも迷惑かけますから。」

 

「大丈夫、大丈夫〜!今日は両親出掛けてて帰って来るの遅いしお兄ちゃんは

家でゴロゴロしてるだけだから。」

 

「用事とかないんですか?」

 

「全然、テレビ見たり本読んだりしてるだけ。だから暇だし

気にしなくていいよ。」

 

「ね?来ない?」「お邪魔じゃないなら……」

 

「じゃ、決定で!」

 

いいのかな?行っても?

 

 






小町の好意により比企谷家でお昼を御呼ばれする事になった留美、

いい感じになればいいけどね?



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