留美の奉仕部   作:ふたなり2

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八幡の家でランチタイムの楽しいひと時を過ごした留美

次の日の放課後、ほのかにお休みの出来事がバレて

またドタバタに。





留美の奉仕部 ( ほのかの焼もち)

 

 

「ちょっと、カッコ付けすぎ…でも、ありがとう八幡。」

 

恥ずかしいし、顔を上げられないじゃない!

 

 

「お兄ちゃん、留美ちゃんのファンだったからね、お兄ちゃん〜?」

 

もうやめて、小町先輩!私のライフポイントは限りなく0なの〜!

 

恥ずかしいやらでクリパの写真を急いでめくり、

次のページには奉仕部の部室て3人一緒の写真が、あ〜いろは先輩も

写ってる…八幡、いい顔してるな。仲良さそう…いいなぁ。

 

ディスティニィーランドの写真も…また3人の写真…

いつか…行ってみたいな八幡と一緒に…

 

お~卒業式の写真……皆んな笑顔なんだ。

いろは先輩が泣きながらの八幡ツーショット……何だか妬けちゃう…

 

「八幡の制服なんかボタン付いてないみたい…」

 

「よく分かるね~留美ちゃん、全部取られたんだよ、ね、お兄ちゃん?」

 

「うっせ。」

 

「ウチのブレザーボタン2個しか無いけど、いろは先輩の他に誰が?」

 

「誰でもいいじゃねえか…」

 

「ふふ〜、同じクラスだった人だよねー?川…川何とかさん、

だっけ?お兄ちゃん!」「・・・・」

 

川何とか?さん?誰れそれ?

 

「意外とモテたんだよね~?」「知らん!」

 

「もぉ~恥ずかしがっちゃって~」

 

今でも凄いモテてるんだけど。

 

ちょっと、顔を照れ臭そうにしてソッポを向いてる八幡を横に

面白そうに肘で軽く突ついてウリウリと冷やかしてる小町先輩が微笑ましくって、

ついつい笑っちゃった。

 

 

・・・・・・・

 

 

そんなこんなで、あまり遅くにならない様にと

 

「ご馳走になってありがとうございました、楽しかったぁ〜!

遅くなるとご迷惑を掛けちゃうし、そろそろ帰りますね。」

 

「え?もう帰るの?まだ早いよ?もっと遊んでいってよ!」

 

小町先輩が私の二の腕を引っ張って帰るのを遮るけど甘えて

ばかりだと八幡に図々しい子と思われても嫌だから帰る事にした。

 

「小町先輩、有難うございます!また遊びに来ていいですか?」

 

「うん、それはもう大歓迎だよ!ね、お兄ちゃん?」

 

「え?あ〜そうだな、留美ならいいかな。」

 

「何か微妙な感じがしたんですけど…」

 

「留美ちゃんなら毎日でも来ていいからね!」

 

「えっ?それはまだ少し早いというか…たまになら…

受験が済んだらって………いや、また遊びに来ますから!」

 

小町先輩…誘導ウマ過ぎ、私がすぐに引っかかるだけか?

 

「にはは、留美ちゃん、また遊びに来てやってね!

あたしも待ってるからね!」

 

「おう、留美気を付けて帰れよ。」「うん」

 

「あれ?お兄ちゃん?お兄ちゃんは駅まで留美ちゃんを送って

行くんだよね?」

 

「え?何で?」

 

「ちょっと、ゴミいちゃん?可愛い自分の教え子and後輩がだよ、

わざわざ訪ねて来てくれたのに、ろくずっぽおもてなしもしないで帰らせるって

普通しないよね?ここは当然、駅までお見送りに行くよね?お兄ちゃん?」

 

「……はい…じゃあ、行くか留美。」

 

「いいの八幡…?」

 

少し嬉しいけど。

 

「あぁ、帰りに本屋にも寄れるしな。」

 

 

・・・・・・・・

 

 

「ありがと…八幡。」

 

「たいした事はしてないぞ。」

 

「ううん、とっても楽しかった。それに…」

 

「勉強ばかりだからいい息抜き出来たし、それに…」

 

「ん?それに、どうした?」

 

「何でもない!」「気分転換出来なら良かったな、留美。」

 

「うん、ありがとう八幡…」

 

本当は『それに八幡に会いたかったし意外な一面が見れたから』って

言えない。

 

ポツリ、ポツリと話をしながらいつの間にか駅に着いてた。

 

「じゃあ、気を付けて帰れよ留美。」

 

「うん、小町先輩によろしく言ってね、『今日は本当にありがとう。』って。」

 

「あぁ、伝えとく。…留美、そのなんだ…また来いよ。」

 

「……バカ … そんな事言ったら毎日押し掛けちゃうんだから!」

 

「毎日はダメだぞ、プリキュアの再放送見れないしな。」

 

「何それ?バッカみたい!フンだ、イイもん!押し掛けちゃうんだから!」

 

「あ〜分かったから来る時は連絡をしてからな。」

 

「うん!ありがとう。」

 

「じゃあな。」

 

「あの……」「うん?」

 

「おやすみなさい、八幡。」

 

「まだ早いげと、おやすみな、留美。」

 

見送って帰る八幡の背中を何時迄も見ていたい気分に

後ろ髪を引かれながらホームまで小走りに掛けて行った。

 

 

・・・・・・・・

 

 

 

放課後の奉仕部の部室

 

 

「留美、何かいい事があったの?」

 

ほのかが、訪ねて来た。

 

 

「べっ、別にいい事なんてないよ…昨日も勉強してただけだし。」

 

伏し目がちでほのかが私の顔を覗き込むようにじっと見詰めてくる。

 

「あやしいぞ留美?」

 

「あやしくなんてないもん!」

 

こう言う時のほのかの勘は中々、鋭い。

 

「………………」

 

「…………………………」

 

「………………」

 

「……うぅっ……分かったよ。言うよ。」

 

「うん、素直でよろしい。」

 

ニコニコと笑みを浮かべ、ほのかが楽しそうに私の言葉を待っている。全くほのかには敵わないや。

 

「昨日ね、勉強に飽きて1人でブラブラとマリンピアに行ったの。」

 

「うん、うん、それで?」

 

「あのね、変な合いの手入れないでよ話しにくくなるから…」

 

「分かったわ、留美ちゃん♪」

 

何よ…「留美ちゃん」って?嫌らしいんだから。

 

「1人ウインドしてたらさぁ…八幡の妹さんの小町先輩にばったり出会っちゃって、

一緒に買い物しようって事になったの」

 

「え~いいなぁ留美、あたしも暇してたし行きたかったよ。もぉ~連絡くれれば良かったのに。」

 

「だって予定聞いてなかったし突然だと迷惑かけると思ったから。悪かったよ、ごめん、ほのか。」

 

「ん、留美だし迷惑だと思わないから次からは誘ってね誘われない方が寂しいから。」

 

「ごめん…これからは遠慮しないよ?無理にでも引っ張り回しちゃうんだから!」

 

「でも、せんせとのデートの時は駄目だよ。留美とのデートは次の機会になるかな、ふむ」

 

うっ、胸にぐさりとほのかの言葉が刺さった。

「あははっ!相変わらずだね、ほのかったら…ははっ。」

 

「ん~?鶴見さん鶴見さん?そのリアクションは、もしやせんせ関係で何かありと見た!」

 

ほんと、ほのか鋭すぎ。は~無理、白状します…

 

「昨日、小町先輩と会って一緒に買い物したって言ったよね~留美ちゃん~。」

 

「はい、言いました。」

 

「で?何があったのかなぁ~?お姉さん、怒らないから教えてよ~。」

 

いやぁ~その笑顔が怖いんですけど…

 

「実はね、ほのか、小町先輩と会って一緒に服とか見てからお茶してさぁ、

お喋りしたんだけどお昼を小町先輩の所で食べようって事になったの。」

 

黙って聞いていたほのかがいきなり身を乗り出して聞いてきた。

 

「ちょっと待って、留美?今、小町先輩の所でって言ったよね?」

 

「はい、言いました。」

 

「じゃあ、せんせのとこに行ったの?」

 

「はい、行きました。」

 

「で、せんせとご飯食べたの留美ちゃん?」

 

「はい、オムライスを作って頂きました。」

 

「ふぅ~~ん、せんせの家にお呼ばれして小町先輩の美味しいオムライスをせんせに『あ~ん』とかしながら食べはったんだ、あたしの知らない所でせんせとイチャイチャしてはったんだ?」

 

「いえっ、決してそのような事は…ないです。あっ、『萌え萌え』は小町先輩と一緒にしましまたです…はい、ごめんなさいです。」

 

「うん、素直が一番だよ留美ちゃん!だけどね、なに?『萌え萌え』って?」

 

「ほら、あれだよ、あれ。メイド喫茶でメイドさんがお客さんにサービスでするおまじないだよ。」

 

「何それほのか知らな~い、留美やってみせてよ、お願い~」

 

「ううっ、ここでやれとお代官様?」

 

「見せてくれたらお主の罪も軽くしようぞ。」

 

「あん!もう、ほのかの意地悪~!」

 

涙顔になりながら萌え萌えポーズを決めてほのかに思いっきりの笑顔を向けたら…

 

「留美…~~っ、あははは!うける~!」

 

「はぁ~、言うと思ったよ…」

 

「ちゃんと教えてくれたから許してあげるね留美、でも抜け駆けは駄目だからね。」

 

「うん、ちゃんと誘うかうから」

 

「でもいいなぁ~留美ばっかりいい思いして、あたしゃ家でお留守番だったよ。」

 

「ほのかったら、まるちゃんみたい…」

 

「いいんだよ、拗ねてんだから。あ~せんせ今日、部室来ないかな~うんと甘えちゃうんだから!」

 

「あの~ほのかさん?」

 

「何さ?」

 

「キャラが崩壊してるから、それから私、別にイチャイチャしてないから。」

 

「本当に~?」

 

「小町先輩いるし、いなくてもそんな事は絶対しないよ~。」

 

「絶対に~?」

 

しつこいな…ははっ、ついついジト目のほのかに伏し目がちになっちゃう。

 

「あ~ん、せんせ来ないかなぁ~、……あっ!せんせ~!」

 

「う~すっ」とノックしながら入って来た八幡にほのかが飛び付くように抱き付いた!

 

「うげっ!どしたの?ほのかっち?兎に角離れて、せんせの背骨折れちゃいそう。」

 

「嫌ぁ~、だって、だって……お休みの間会えなかっただもん!それに留美ばっかりいい思いしたみたいだし、せんせ補充しないと、ほのか倒れちゃう!」

 

「ちょっと、ほのか~八幡に抱き付くの反則なんだから!離れて!」

 

「え~、いいじゃん!減るもんじゃないしさぁ~留美も昨日せんせに甘えたりしたんだから~。」

 

「だから誤解なんだから!偶々遊びに行ってお呼ばれしただけなんだから~兎に角、

離れて!」

 

「ねぇ、鶴見さん?昨日、先輩の家でお呼ばれしたのって本当になの?」

 

「いろは先輩?」

 

後ろから誰?と振り向いみると満面の笑顔と共にツカツカとこちらに歩み寄って

来たいろは先輩が、八幡に抱き付き顔を埋めて離れないほのかのこめかみ辺りを

後ろからゲンコツでグリグリと締め付けだした。

 

キリキリと食い込む両拳に、ほのかが悶絶する。

 

「うわわぁ~お姉ちゃん、痛い、イタイ、痛いってばぁ~!」

 

「全くほのか、あんたって人は何で子供の頃からあたしの物ばっか欲しがって!

先輩はあたしの物って何年も前から決まってるんだからね!」

 

「お姉ちゃん!イタイ~!でも、せんせはほのかが貰うんだもん!」

 

「まだ言うのこの子ったら~!」

 

「おい、一色、まあほのかっちも冗談でつもりでコミュニケーションの一環って事で…」

 

「そうよ、ほのかも離れなさいってば、もう。」

 

でも、いろは先輩?八幡はいろは先輩の物じゃありませんからね!

 

「え~ん!せんせ、お姉ちゃんと留美がほのかの事いじめるの、怒ってよぉ~。」

 

「あ~お前ら、もうその辺でいいんじゃないの?」

 

 

「「何がいいのよ!!」」

 

 

 

 

 






久し振りの更新で申し訳ありません、

忙しくしてましたが頑張ってみます。




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