超兵器より非戦闘艦の方が超兵器だった件について。   作:maisen

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対空見張りも厳として。

Warning! Warning!

 

これはWルートでもJルートでもGルートでもなくEXTRAルートである!

 

 データだけでモデルが無いのをステルス戦艦と言い張ったり、デートと言いながら艦隊を二つ三つ沈めて江ノ島まで行ったりボスの名前が葉巻だったりするルートの「ソレ」であり、スタッフの悪ふざけが極まったルートの「ソレ」である! メインではクールな美女枠だった副官がヤクザまがいに恫喝し始めるルートである!

 

Warning! Warning!

 

 

 

 

 

 

 

-14、バトルフィールドin食堂-

 

 封筒を開けると、寄港許可証と寄港地へのルート、あちらさんが希望する寄港時刻が書かれていました。雪風に渡した輸出品、艦載機の橘花改の試用版が大変好評だったと、雪風経由の彼女を可愛がってくれている方々からの情報である。

 

 雪風が見せてくれた爺様方と映った写真を見たら、3年前に引退した現場からたたき上げで元帥までのし上がった元海軍元帥とか、去年まで各地の軍学校を取り纏めていた元学総長とか、一昨年定年退職した深海棲艦出現時から最前線で戦い続けて大将になった元提督にも似ている気がするが、まさかなー。教科書やら式典で見たあんなクッソ堅物そうだった爺様方がこんなダダ緩んだ顔する訳もないし(フラグ臭)。

 

ともあれ。

 

「やったあああっ!」

 

 思わずガッツポーズの俺である。

 

「えー、別に要りませんよ。もうちょっとでこの辺りの深海棲艦も一掃出来そうなのに」

 

 思わず怒りが有頂天の俺である。

 

「五月蠅い黙れへっぽこバトルジャンキー戦艦」

 

「ガチ切れじゃの」

 

「へっ、へっぽこ!? ぽんこつだけじゃなくへっぽこ!?」

 

 バトルジャンキーに突っ込まないあたりお前の業の深さを感じるぜ。改造してから更に出撃が楽しそうです。でも知ってるかい、お前さんの今の艤装でその頻度で出撃されると、普通の鎮守府なら他の全艦で遠征回しても3日で資源が尽きるんだぜ。主に弾薬で。あと速度も30kt。

 

 世間一般では30ktも出れば十分高速戦艦だが、うちの大和さんは全速で100kt、その場で3秒で360度回頭可能、主砲は61cm三連装砲5基が5秒に一斉射。既に戦艦の皮を被った別の何かである。

 

 閑話休題。

 

 元小島の開拓も開墾も終了し、具体的に言うと戦艦の方の長門の甲板面積を10倍にしたほどの広さの畑が完成し、妖精さん達とスーさんの謎技術コラボによって畑の野菜も果物も驚くほど短いスパンで山ほど取れるようになった。魚も魚群探知機を装備した電による、爆薬を減らした爆雷でボンボン獲るやり方もすっかりと定着した。

 

 駆逐艦にやってもらう仕事では無い気もするが、本人は楽しそうだったからいいんじゃまいか。

 

 そんなこんなで食糧事情は改善の一途をたどった。確かにこれが無ければ大和によってうちの食料庫は空になって、スーさんと俺の間でメザシを一匹を争って熾烈なじゃんけんバトルが繰り広げられる事になっただろう。

 

『俺はパーしかださない』

 

『提督は今…勝負の「下り坂」にいるんじゃよ…もうイッペン言うぞ…提督は今! 「下り坂」にいるンじゃ!』

 

『なんで一々トランポリンでジャンプしながらする必要があるんでしょうか』

 

『ああ言う時のお二人のやる事を、真面目に考えちゃ駄目なのです』

 

『楽しそうです!』

 

 畜生これは昨日のプリン争奪戦に負けた時の記憶だ。パーなら勝てるんじゃなかったんですか! 

 

『よくも俺をォ! 騙したなァ!』

 

『ば~~~っかじゃねぇの、と言われたいのかの? ふほほ、プリンうまうま。ほれ、雪風も、あーん』

 

『あーん!』

 

雪風はじゃんけん強そうだって? その通り、だからああ言う時は雪風が遠慮しちゃうんだよね。だから誰が勝っても雪風と半分に分けるのは暗黙の了解。だっててんすだもの。ワインだって天使に分け前あるんだからプリンだって分け前あるにきまってるじゃまいか。当然だルルォ?

 

 

 

 

 

 回想終了。

 

 

 

 

 

「肉が足りねぇんだよほぉぉぉ」

 

「肉が無ければ畑の肉をたべればいいじゃない、なのです」

 

「豆腐はもう飽きたので」

 

 ノーセンキュー、とばかりに電が差し出してきた豆腐に対して両掌を突き出し拒否の体勢を取る俺。醤油に揚げ出し、お揚げに厚揚げ、沢山の種類を作ってくれる妖精さんの努力は嬉しいんだが、若い男だもの、がっつり肉の塊を食べたくなる時だってある。

 

 具体的には焼き肉が腹いっぱい食いてぇ。

 

「ジュージュー目の前で焼いてさ、脂の滴る奴をタレにつけてさ、口の中に入れば脂身の甘さと少し焦げた肉の香りと甘辛いタレがまじりあってさ。その余韻が消えないうちに白いご飯をがっつりかきこんでさ、炊きたての白いご飯と甘辛いタレと焼き肉が口の中で≪天使とダンスだ≫!」

 

「や、止めるのじゃ! 我らまで巻き込むでない!」

 

「ああっ、胃が焼き肉を受け入れる体勢にっ」

 

「こ、こんな事で、ま、負けないのですっ」

 

「お豆腐はんばーぐ、美味しいですよ?」

 

 悶える駄目艦娘と駄目提督を余所に、輝く笑顔で豆腐100%ハンバーグを食べる雪風と、その前で胸を張る妖精さんに全員ごめんなさいしました。でも豆腐ハンバーグも良いけどがっつり肉くいてぇなあ。

 

「で、予定日は何時なのじゃ」

 

「あっあっ…5日後に昼食を兼ねた会談予定で…あっあっ…それまでに寄港をあっあっ」

 

 箸で食べるともなく豆腐をくちゅくちゅしているスーさんに手紙の内容を話す俺。

 

「食欲の無くなる場面思い出させるのは止めてください。怒りますよ?」

 

 とか言いながらもう7丁めですよね大和さん。てか食堂のマンガ読んでたのね。

 

「寝る前に、ちょっと借りて…」

 

「お陰で今朝は半分寝ながら出撃して、思いっきりスーさんのドックのクレーンにぶつかってたのです」

 

「あのへこみの犯人はおヌシかあっ!」

 

 テーブルを叩きながら怒声を上げて立ち上がるスーさん。スーさんと艤装は常にリンクしているので、艤装へのダメージも多少はスーさんに反映されるらしい。

 

執務室で俺と電が仕事してる時に、ソファーで気持ちよさそうに二度寝してたスーさんが人差指押さえて悶絶してたのはそれが原因ですか。

 

ざまぁ。

 

「おう免許持ってんのか見せろ、あくしろよ」

 

「大和さん、失敗したらすぐ謝らないと駄目ですよ」

 

「最高の気持ちよさの中で二度寝していた我になんか恨みでもあるんかのぉ? おぉん?」

 

「むしろスーさんはそれを見せられながら真面目に仕事していた提督と私に言う事があるんじゃないですか?」

 

 全員(-1)の言葉にしょぼんとなった大和であった。あとスーさんは背後で錨を持っている電にはやく謝っテ!

 

 明日の出撃を一日減らして、その分をスーさんの修理に当てる事にします、という電のお言葉に、もそもそとお代わりした豆腐を食べながら「はーい」と渋々返事した大和であるが、彼女は知らない。資源は既にカンスト、つまり倉庫から溢れそうなほどに溜まってて、今度の会談でそこらへんも調整しようと俺が思っている事を。

 

 当然電もスーさんも承知の上で、だが誰も言わないけどな!

 

 あとスーさんは痛い痛いと涙目で五月蠅かったので直後に俺が抱えて入渠ドックに放り込んでバケツ被せて修理済みである。いくら戦闘艦でないと言っても余りにもだらしねぇな。

 

 それはともかく、大和に資材の心配はいらないんだと伝えたくて、もじもじしてる雪風に対し、俺は立てた人差指を口元に当て、黙っていてくれと合図を送る。

 

「ま、なんだ。明日は一日休みにしておくから、しっかり寝ておく事。艤装は完全でも、大和自身に疲れが溜まってるんじゃないか?」

 

「あっ、だったら明日は私も輸送任務が無いので、一緒にお昼寝しましょう!」

 

 俺達の考えを理解した雪風が、大和の手を引っ張ってそう言った。若干戸惑いの見えていた大和も、その笑顔で肩の力が抜け、笑みを零しながら頷いた。

 

「…そうね、ちょっと最近頑張りすぎてたかも。明日はゆっくりしましょうか」

 

「ゆっくりしていってね!」

 

「ゆっくりしていくのじゃ!」

 

「ゆっくりしていくのです!」

 

 何となくテーブルに顎を乗せて顔だけをテーブルの上に出し生首状態で笑顔で叫ぶ俺とスーさん。雪風の嬉しそうな笑顔に気が緩んだのか、俺達につられて同じ体勢になって電も楽しそうに笑顔で言った。

 

「電ちゃん、あんまりそっち側に染まっちゃ駄目だと大和は思います」

 

「なのですっ!?」

 

 電から視線を逸らした大和の個人攻撃にショックを受けていたが。おうそっち側ってどっちか言ってみろよ。なんで俺達には何も言わないんだよ。え、何その何故分からないんですか、みたいな顔。

 

「提督よ…提督自身が居る所が、そっち側なのじゃよ、プススー」

 

「笑っているけどスーさんは始めからそっち側ですよね」

 

 雪風を膝の上に乗せて後ろから抱き締めた、羨ましいホールドの姿勢で大和が冷めた視線を俺を指さして笑っていたスーさんに向けた。言われたスーさんは崩れ落ちて膝をついているが、誰がどう見ても自業自得なので放置。

 

ふむ。

 

「雪風、おいで」

 

「はい、しれぇ!」

 

 するっと大和のホールドを抜け出す雪風。戦艦のホールドをあっさり抜け出すあたり流石である。大和もあれっ、嘘っ、みたいな顔をしてるし。

 

「電、スーさん、こっちこっち」

 

 呼ばれた二人もつつつ、と俺と雪風の傍に寄る。そして、雪風にあっさり抜け出されたショックから復帰した大和が気付いた時には、テーブルをはさんで俺達と大和に分かれていた。

 

「やーいぼっちー」

 

「こっちの水は甘いんじゃぞー」

 

「むっ…戦艦大和。推して参ります!」

 

 テーブルを回り込もうとしてきた大和に対し、俺たち全員で反対側にくるくると回る。その内スーさんが捕まり、電が捕まり、雪風と俺だけになった辺りで食堂で騒ぐなと妖精さんに全員そろって怒られました。

 

 このあと目茶苦茶5人で夜更かしした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―15、ダークでも無いけどダイブしてボンバー-

 

 現在、寄港予定地目掛けて飛行中です。スーさんの飛行甲板、初めて使ったんじゃなかろうか。

 

「サブタイトルで嫌な予感はしてたけどもぉぉぉ!」

 

 上空1000mは電波(メタ)の受信状態も良好だっぜ!

 

 飛行帽にゴーグル、マスク。体中をタイトに締め付けるパラシュート用のベルトにワイヤーを付け、大きなリュックを背負って、アヒルの形をした掌より少し大きい程度の10機ほどの飛行機に曳かれながら、俺は横浜鎮守府へと空を飛んでいる。折角寄港許可が下りたので休暇がてら旧交を温めようと先行しようと思ったのがいけなかったのか。

 

 なぜこうなったかと言えば、運命力が足りなかったからだろう、きっとそうに違いない。あそこで輸送ヘリのオスプレイをあと10機引けてりゃなぁ。これでも全速力の2割程度なんだが流石に音の壁にぶち当たったら無事でいられる気がしない。十分きついのはきついけども。

 

「ふぬぬ。お、あっという間に本土が見えてきたじゃないか」

 

 余裕の速度だ、馬力が違いますよ。とか言ってるうちにみるみる下がる高度。飛行ゴーグルを通して見える大地には、流石横浜鎮守府と言わんばかりの沢山の施設と、鎮守府の周りにもビルや人々の生活が見える家々が連なっている。

 

 あと山ほど迎撃機。

 

「…ゆっくり、ゆっくり回避を頼み、うごへぁー」

 

 そう言えば連絡を入れてなかったな、と思う間もなく、急激に横Gがかかる。当然ながら俺の意識は烈風の20倍近い最高速を誇るアヒル戦闘機の回避機動に耐えられる訳もなく、一瞬でもって行かれたのでした。

 

「と言うとでも思ったかぁ!」

 

 男は一に気合で二に根性、三四が無くて五に筋肉。いま思いついた!

 

 既に現在地は横浜鎮守府にほど近い海の上。アヒルに繋がるワイヤーをぐいっと下方向へ引いて、その軌道を無理矢理地上方向へと向ける。気分だけは暴れ馬に乗った戦国武将である。

 

「トゥ! トゥ! ヘァー!」

 

 右、左、そしてさらに下。おそらく艦載機と思われる零式52型と21型の群れを潜り抜け、海面すれすれまで下がり波を蹴立ててさらに先へ。速度を余り出せない関係で一気に引きはがすまではいかないが、すれ違ってさえしまえば相対速度で距離は離れる。勝った、第三部完!

 

 と思った瞬間、旧型の筈の21型がありえない速度で切り返し、完全に置いてけぼりになった52型を余所に編隊を崩さぬままこちらに追いすがって来た。やっべあれ(熟練)とか名前の後ろについてるわ。

 

 おい誰だフラグ立てた奴! そうだよ俺だよ!

 

「モウヤメルンダッ!」

 

 言っても聞いてくれる筈もなく、ジリジリと距離を離されながらもバラバラと機銃弾が俺を掠めて行く。幸い距離が開いてきた事と、海面が近い為小さく軽い機銃弾では気流に流され此方を捕える事は出来ない様子である。

 

 と、そうこう言っている内に埠頭がほど近い場所まで迫っていた。このまま着地して街中に逃げ込めば――

 

「Q、私はどうやって着地するんでしょうか?」

 

 アヒル達の後頭部に汗が見えた気がした。

 

 A、あ艦これ、と蒼褪めた俺の視界に、埠頭の桟橋に立つ人影が二つ、目に入る。どうやら向こうも此方が見えたようで、構えていた弓を放つ事も無く呆気にとられたように口をポカンと開けていた。鉢巻をした黄色と緑の少女達には見覚えがあった。以前大和が誤射った正規空母二人である。確か名前は、飛龍さんと蒼龍さんだったか。元気そうでなにより。

 

「お久しぶりー! じゃあまたー!」

 

 その二人の間を飛行機に曳かれるまま飛び抜ける。そこでふと気付いた。あれ、俺もしかして迎撃されてね?

 

「ま、いいか。後ろの電が何とかするだろ」

 

 オスプレイ10機の間に渡したブランコに座って、鬼○郎の如くゆっくりと後方を飛んでいる筈の電に面倒くさい事を押しつける事に決めた俺は、そのままの勢いで堅いアスファルトにハードランディングした。

 

 アヒルに繋がるワイヤーを切り離し、足の裏からの着地に盛大に失敗した俺は、そのまま鎮守府の陸地側入り口の柵の隙間を頭から潜り抜け、100m程地面を転がりながら距離を取る。そのまま路上の人々の視線を受けて立ち上がり、体中に着いた土や埃を帽子で払うと、周りの周辺住民の方々に軽く手を上げ、笑顔で挨拶。挨拶重点である。

 

 直後、鎮守府の方から大勢が駆け出してくる気配を感じながら、俺はダッシュでその場を離れた。

 

「焼き肉ぅぅぅぅぅ!!」

 

 すまんな! 今俺はそれどころじゃないんでな! 

 

 その後、銀行の窓口でゴーグルとマスクの怪しい恰好をした男が通帳片手に崩れ落ちていたり、怪しい恰好をした男がリュックから取り出した札束を手に不思議な踊りを踊っていたり、立派な海軍将校の制服を着た男が焼き肉屋で泣きながら焼き肉を食っていたりと言った情報が鎮守府の憲兵に寄せられたらしい。

 

「全く、春でも無いのに妙な奴が湧くもんだな、どう思うよ電。げふー」

 

「着替えまでしっかり準備して…一人で焼き肉は美味しかったですか、司令官さん」

 

「うぉん! 俺は人間火力発電所だ!」

 

 やめてボディは止めて戻しちゃう。予定通り横浜鎮守府の門から直ぐ近くのカフェで合流した俺と電は、3時のティータイムと洒落込んでいた。

 

「もう、いきなりお店の名前だけ言って飛んでっちゃうし、到着した鎮守府は大騒ぎだし、本当に困ったんですよ!」

 

「む、奥歯にカルビが詰まって…電、ちょっと爪楊枝取って」

 

「なのです」

 

 待って待ってウェイト。艤装も無いのに何処から取り出したのその錨。尖っているけどそういう使い方しちゃ駄目だよ俺の口が裂ける。

 

「そ、そんなに大きいのはいらないよぅ…」

 

「……」

 

 無言でリバーブローからのガゼルパンチからのデンプシーロール、からのオラオラ痛いです。電だけに電プシーってか! ほら、あっちでティータイムを楽しんでた4人姉妹もそそくさと会計済ませて出てっちゃったじゃないか。

 

「くっ、また防御力があがっているのです」

 

「はっはっは。鍛え方が足りんな」

 

 店員さん、ここに本日のお勧めケーキセット一つ! おや、どうしたのそんなに微妙な笑顔で。

 

「お静かに、だってさ。ほらー電が騒ぐからー」

 

「解せぬ、なのです」

 

 ほーらケーキだよ。ぐぬぬ顔してないであーん。

 

「なのです!」

 

 ほっぺた押さえてにっこり笑顔になりおった。チョロす。追加で3皿ほど注文したが、スーさんがリュックに入れておいてくれた札束のお陰で俺の懐は寛大だからな。あと9皿でいい。

 

「む、ラムチーズケーキがうます」

 

「このモンブランも美味しいですよ。はい、あーん」

 

 これは…問題は木の実だ、木苺でもない、すぐりでもない、さくらんぼでもない…コケモモでもない…桑の実だ! そうだろう?

 

「栗です」

 

 店員さんそんな冷たい目で塩対応しないでくだしあ。心が折れる。

 

「モンブランっていったじゃないですか」

 

「せやね。ティラミス頂戴。代わりにショートケーキニキがFA宣言するから」

 

「ドラフト一位指名したショコラは電が交渉権いただくのです」

 

 無視されたショートケーキぇ…。

 

「いやー堪能した堪能した。今度はスーさん達も一緒に来ないとなー」

 

「大和さんが居るからケーキバイキングなのです」

 

 お前はバイキング店を潰す気か。カフェを出ると外は帰宅を急ぐ人々で溢れかえっていた。さぁて、電は鎮守府で秘書官として明日の会議の打ち合わせ。俺はちょっと友人と会ってくる必要があるので、此処で一端お別れだな。

 

「んじゃ、明日の一〇〇〇にスキズブラズニルで合流するので、遅れないように」

 

「司令官さんは大丈夫なのですか? 一応今はスーさん達と一緒に此方に向かっている途中なんですよね?」

 

「ま、持つべきものは親友殿って奴さ」

 

 騒がすだけ騒がした鎮守府にあまり近寄るのも良くないので、振り返り振りかえり心配そうに鎮守府へと歩いて行く電を見送りながら、俺はさて、と昔からよく飲ませてもらってた店へと足を進めるのだった。

 

「えーと、たしか筑波は陸軍から出向中って言ってたか…」

 

 あいつも大概うわばみだからなぁ。てか給料未払いってマジ許せん。スーさんには足を向けて寝れませんわ。

 

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