そしてシリアスが続くと言ったな、おそらく嘘です。(シリアスな時もあります)
それでは本編をお楽しみください。
高校初日から一ヶ月。結局、毎日のように暴力は続いた。幸いだったのはイジメグループが別のクラスだったことと、他の人には飛び火しなかったことだ。まあ傷は増え続けてたが治るのが早く、残っている傷といえば頰と腹にある痣ぐらいだろうか。
そして、今日は高校生活開始時に最も俺が嫌がった行事がある。それは、
「みんな集まったようだな。速やかにバスに乗り込んでくれ」
今から始まるのは林間学校。別名、リア充たちの集い。そしてバスでは二人並んで座り、後は班行動をすることになる。つまり、三日の間は常に誰かと一緒、ということだ。
そんなのやって何が楽しいんだよ………。
「はぁ…………………」
とりあえず他の全員が乗り込むまで待つことにする。すると隣に一人の女子が来る。
「司、乗らないの?」
東雲三月。そう、俺の幼馴染みだ。てかなんでここに来た?
「乗るよ。先行ってろ」
「え〜、一緒に座りたい」
「はぁ?」
「友達にも一緒に乗りたい人いるって言っちゃったし」
何をしとるんだお前は………。
「ほかに当ては「ない」………はぁ、分かったよ」
「大勝利ッ、ブイ!!」
そこまで喜ぶことか……?てか何気に三月には甘いんだな。それにこいつと一緒にいると何故か他の奴らにいつもより明るく振る舞える。
「どうなるんだ………これ………?」
「はい、さっさと行くよー!」
そう思いながら空を見上げてると三月に引っ張られていく。………いや引っ張るなよ。
□■□■□■□
バスは走り出し、中はワイワイと賑わっていた。五月蝿いから寝れやしねぇ……。
「さてと、みんな聞いてくれ!ここでクラスのみんなで親睦を深めるために自分のことを少しだけでも話してもらう!異論は認めないつもりだ」
前の方にいた男子生徒がそう言った。
…………マジ?
「面倒くさいことこの上「ちゃんとしなよ?」面倒」
「ち ゃ ん と し な よ?」
笑みを浮かべて言ってくるが目が笑ってない。これはヤバイやつである。
「分かったよ………」
「それでいいの」
三月は満足そうに満面の笑みで笑う。不覚にもドキッとしてしまう。
「……………ったく」
これだから三月には逆らえないのだ。どうやっても。
「それじゃあ次は、そこ!黒髪であまり印象のなくて授業をサボりまくっているそこの君!」
悪かったな、印象ないし授業もサボってて。
「はい、それではどうぞ!」
「………神野司。以後よろしく」
シーン、とバスの中が静まる。なんか間違ったこと言ったか?
「……司、話聞いてた?」
「自己紹介だろ?」
「………はぁ」
おい、なんで俺がため息吐かれなきゃいけないんだよ?
「自分のことも言ってくれって俺言ったはずだぜ?頼むぞ忘れん坊さんよ!」
「……………」
「そ、そんな嫌そうな顔すんなよ!なんか一つだけでいいから!」
「………それならって何話せばいいんだ?」
ガックリと肩を落とす男子生徒。
「ああもう!俺が見本を見せる。良く見とけ!俺は
そのすぐあとに他の全員がよろしくと言って騒いでいる。
「ほら、こんな感じでやってみろ!」
「え、無理」
「即答速攻大否定!?いや好きなことぐらいでもいいから!」
えー、好きなことってやっぱり趣味か。趣味……趣味ねぇ……。イジメに対応するだけで精一杯だった俺の趣味………。
「引きこもること」
またもや静まり返る車内。
「………マジで?」
「つーかーさーぁー……………?」
うん、ちゃんとやろう。後で何されるかわかったもんじゃない。三月に。
「冗談だ。趣味は料理だ。よろしく。まあよろしくしないでもいいぞ」
いや、素直によろしくって言えよ!!と男子全員からツッコミをいれられる。
「はぁ………ほんと司はどうしてそうなのかな?」
「うるせぇ。俺は元からこんな感じだ」
絶対違うけど。
「でもさ、もう独りでいるのは止めて。もう誰も傷ついてるの見たくないの」
「ああ、分かってる」
ごめんな三月。もう、傷ついちゃってる。
申し訳ない気持ちでいっぱいだが今はそれを気にしないでおく。こいつに話してしまいそうになるから。誰かを頼りたくなってしまうから。ここは耐えるしかないんだ。
そんなこんなで俺たちの林間学校は始まった。
□■□■□■□
「さてと、うちのクラスの奴らは全員揃ったか?」
これからはクラスごとにスケジュールが変わってくる。普通なら学年全体で動くはずなのに。まあ、俺は安心できるけどな。
「沙奈先生、何するんですか?」
「うむ。これから君達には野外炊飯を行ってもらう」
担任の
「楽しみだね。ね、優ちゃん!」
「そうだね〜。本当に楽しみ〜」
「てか、この班大丈夫なのか?」
「気合で頑張ろうぜ!」
東雲三月、篠宮英太、狩生春樹、
「ちなみに失敗しても替えはない。頑張って作ってくれ。以上解散!」
………つまり失敗はできないということなのか?
「三月と井崎?だったか。二人は木材を貰いに行ってくれ。篠宮は水汲んできてくれ。狩生は俺が指示する」
「なんでお前が仕切るんだよ司〜。てかゆるくやろうぜ〜?」
篠宮がそう言ってくる。ならばこの言葉をお前に送ってやろう。
「お前は不味い飯が食べたいのか?」
「それは嫌だけど」
「俺がやるからにはうまいもん食わせてやる。言うこと聞けばうまいものが食えるぜ?」
「…………了解だ。その代わり言ったこと忘れんなよ司」
「了解した。他と名前で呼ぶな」
そう言うと篠宮は鍋を持ってスタスタと歩いて行った。
「了解したぞ!行こう優ちゃん」
「うん」
そう言って二人は走って行った。さてと、
「狩生、まずは野菜洗ってくれないか?」
「分かったがお前は何するんだ?」
「お前が洗ったものを切る」
「了解した」
そうやって料理を進めていった。そうして出来上がったものを見て一言。
「まあまあだな」
「ちょっと待て。これがまあまあ?」
「んー、少し納得いかないけど……」
「お前は全世界の料理人に謝ってこい」
「これでまあまあとは。今まで見た中でも最高の出来栄えなんだが………?」
「…………自信なくすよね」
「………………司の馬鹿」
なぜそこまで言われなきゃならんのだ。
その後はそれを食べながら話していた。結論、まあ良くできました。それと、意外に楽しいかもなこういうのも。
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食事を摂った後、宿泊先の宿のある部屋に着く。それにしても部屋が広い。
部屋は一つの班に一つずつある。つまり、男女合同の班であるなら部屋も同じということだ。…………寝るときぐらいはゆっくりできるよな?
「おお〜広ーい!」
「五人にしては広すぎる気もするけど」
「いいじゃんいいじゃん。こういう空間は好きだぜ俺」
「お、篠宮もそう思うのか?俺もそう思うぞ」
感想述べてくれるのは構わない。だがな………まずは荷物置こうか。
「それじゃあ、俺は散歩してくるから」
「あ、俺も行く!」
篠宮が勢いよく立ち上がりこちらに来るが、
「いい。一人で行く」
俺は拒否する。少しは一人でのんびりしたい。
「なら勝手について行く」
「……………………はぁ。分かったよ」
俺に一人の時間はないのかよ………。
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林間学校。その名の通り外は緑が生い茂っている。俺は今、森の中を歩いている。後ろに篠宮がいるが。
すると篠宮が突然言ってきた。
「おい司。お前何か隠してるだろ?」
後ろを振り向くと鋭い目でこっちを見ていた。見透かされている、そう思った。
「別に何も隠してない。それと名前で呼ぶな」
「嘘吐くな。じゃあ、その絆創膏は何なんだよ?」
「これは」
「転んで怪我した、とかくだらない嘘吐くんじゃねえぞ?」
まさか、と思う。これは詰んだと思いつつ、逃げ道を完全に塞がれたため頭をフル回転させて別の原因を考えようとした。すると篠宮が言った。
「イジメにあってるんだろ?」
「!?」
「やっぱりか。どうして誰にも相談しない?」
こいつの勘はおかしい。でも、
「そんなことする必要なんてない。俺は大丈夫だ」
「嘘吐くんじゃねえよ。他の誰かに言いにくいなら俺に言いやがれ。相談ぐらいなら乗れる」
………何も知らないくせに。
「俺はそんなものいらない。それに、馴れ馴れしいんだよお前」
「なんだと?」
「これ以上首を突っ込むんじゃねえよ」
そう言って俺は踵を返して歩いた。最後に見たあいつの顔。見ていて腹がたつ。
少し歩いて完全に一人になったところで俺はそばにあった気にもたれかかった。
「………相談できるならもうしてるんだろうが」
したくてもできない。誰にも心配をかけさせたくないから。そんなのはもう嫌だから。
「………これは俺の問題だ。俺だけの問題だ」
俺はそう自分に言い聞かせて相談しないようにしていた。
これからもずっと。そう自分で決めたのだから。この時の俺はそう思っていた。
さて、どうでしたか?基本オリキャラばかりだから結構書くのに時間がかかります。(今の所は)
それでは次回もお楽しみに。