ものすごく遅れて申し訳ありません。
そして新キャラばかりが出てくる。
それではお楽しみください。
林間学校が終わり、今日から通常授業の始まりである。
「………怠い」
ベッドの上で寝転んでそういう俺、神野司は二度寝をしようと試みていた。そんな時だった。
「司兄、起きろー!」
「お、起きろー!」
布団の上から二つの小さな衝撃が来る。仕方なく布団から出ると、そこにはボサボサの黒髪の少年と白髪ロングの少女がいた。
「…………なんだよ
二人は、孤児院で暮らしている子供だ。二人共、親に捨てられていたところを母さんが孤児院に入れたのだ。
俺たちが暮らしている孤児院には子供の人数はあまり多くはないが、この二人は他の子達とは違い、俺にやけに甘えてくる。なぜかは知らん。
「起きろって母さんが言ってた!」
「お、起きないと遅刻しちゃう、よ?」
笑顔で告げる胡那汰と小首を傾げながら言う比奈乃。俺は二人をいきなり抱きしめて立ち上がる。
「おわっ!?」
「ふぇぇ!!?」
「とりあえず降りるか」
「「なんで抱き上げるの!?その前に下ろしてよ!」」
俺はそれを無視して階段を降り、ダイニングに向かう。ダイニングには朝食が用意されており、キッチンには母さんである
「おはよう司君」
「ああ」
「な、なんで二人を抱えてるの………?」
「布団にダイブしてきた罰」
「「はーなーせー!」」
二人はジタバタ暴れるが、俺からはなかなか抜け出せない。まあ、小学校低学年の力と高校生の力では確実に差があるからな。
「早く準備しないと遅刻するよ?」
「別に遅刻してもいい。俺いてもいなくても変わんないし」
「もう!そんな訳ないでしょ。司君は優しいんだから」
遥華は優しい声でそう言う。
「………俺はそんなに優しくないよ」
「ん?何か言った?」
「別に」
「とりあえず離せよ司兄!」
「は、離し、て!」
こいつらは学校行くまで拘束しているとしよう。うん、それがいいな。
□■□■□■□
場所は変わって学校。そして今は終礼の真っ最中だ。
「あ、言い忘れてた。今日から部活見学が出来るから、見たい人は適当に行くといいよ。それじゃあ気をつけて帰るように」
そう言った後、うちのクラスの担任は教室を出て行く。次の瞬間にはクラスの奴らが騒いでいた。
「ねえ、部活動する〜?」
「適当でいいんじゃない?」
「私運動部がいいなー」
「えー、私は文化部かなー」
「お前らどうする?」
「俺は野球だな」
「は?サッカーだろ」
「間をとってテニスとか」
「訳わかんねえよ」
などと聞こえてきた会話だけでも楽しそうだ。だが、俺は不機嫌だった。
いつもなら、放課後は教室で読書や屋上で寝るということが日課なのだが、屋上の扉の鍵は今日は閉まっており、教室もこの五月蝿さでは読書に集中できない。俺はどうするか悩んだ結果、
「帰るか」
帰るという選択肢を選んだ。今日もあいつはいないし、いるのは胡那汰達だけなのだが、いかんせん相手をするのが面倒だ。
そう悩みながら廊下に出ると、目の前に誰かが出てきて俺の進路を塞ぐ。
「ねえ、君はーーー」
「すみません、急いでるので」
俺は急いでいるかのように横を通ったその時だった。
「君、今嘘吐いたよね?」
「!?」
俺はギョッとして振り向く。そこには小悪魔的な笑みを浮かべた黒髪の女の子がいた。
「ふふ、顔にも出さないし声色も全く変えず興味がなさそうに振る舞ってさも急いでいるかのように演技する。普通なら騙されて、あ、そうですかって終わってる。でも私は違う。伊達に騙し続けてないからね」
「あなたは………?」
「私は
□■□■□■□
俺は現在、夕霧飛乃という女性にどこかに連れて行かれてます。誰か助けて。
「誰も助けに来ないから安心してね」
「エスパーですか?」
「顔に出てたよ。あ、それと私、君の年上だからね」
………ということは俺より老けているというかとか。
「何か言いたいことある?」
飛乃先輩は振り向き微笑んでくる。だが、その目は笑っていない。
「い、いえ、何も………」
ここは波風立てないほうが身のためだろう。死にたくなければ自分を殺せ。これが俺の座右の銘だ。
「さてと、着いたよ」
そう言って止まったのは、『演劇部』と書かれていた教室だった。
「さーて、入って入ってー。みんなー、部員候補
……何かが違う気がしたが気にしないことにしよう。どの道疲れる。
「またか……。飛乃、何度言ったらわかるんだ。新入生を強制連行してくるな」
「何よー。別にいいじゃない。この子も満更じゃなさそうだし」
そう言いながら俺を見る飛乃先輩。お願いです。そんな目で見ないでください。
「……明らかに嫌がってるが」
「まあまあいいじゃないっすか!部員が増えることはいいことっすよ!」
「でも、今日は飛乃合わせて四人しかいないよ?あと、そこの新入生君」
部室と思われる部屋にいたのは、眼鏡をかけた知的そうな男子、頭にヘアバンドをつけた活発そうな男子、つり目で格好良さそうな女子がいた。
「それじゃあ、まずは自己紹介ね。私はさっき言った通り、夕霧飛乃よ。ちなみにこの部の部長よ。あと苗字で呼ぶな。名前で呼べ」
「私は
「おっす!俺は
「はぁ……。私は
全員の自己紹介が終わる。そういやこの人たちは全員二年生なのだろうか。
「あの、皆さんの学年は?」
「私と香山は三年生。飛乃と圭は二年生だ。他にも部員はいるが、まあ今日は活動自体が休みだったからこの四人だけということだ」
「なぜ四人はここに……?」
「単に暇だからだ」
丁寧に説明してくれたり、率直に答えてくれたりと直感だが、この人はいい人だと認識が変わる。
「じゃあ、初対面の認識を教えてもらおうか?」
もうこの学園、エスパー多すぎでしょ……。
「とりあえず、君は誰なんだい?」
香山先輩がそう言ってくる。そういえばまだ自己紹介をしていなかった。
「俺は一年の神野司です。この人に拉致られてきましへぶぅ!?」
飛乃先輩を指差しながらそう言うと、強烈な拳が飛んでくる。
「誰が拉致っただって?」
「こ、コラ!新入生に何をやっている!それでもお前は年上か!」
「うっさい!ここの部長は私だ!」
「その子まだ入部してないっすよね!?」
香山先輩と咲杜先輩は飛乃先輩とギャアギャアと何か言い合っているが、腹部の痛さに話している内容が全く入ってこない。
痛い、超痛い。俺を虐めてる奴らの10倍くらい痛い。
俺が床に蹲っていると南先輩が気の毒そうな顔で言ってきた。
「あなたも大変ね。飛乃に連れられてきた挙句、渾身の一撃食らうなんて」
「別に……いいですよ。慣れてますので……」
「その事態に慣れてることも大概だと思うわよ」
………ですよね。
「とりあえず仮入部ね。よろしく司君」
「はい……、よろしくお願いします」
こうして俺は、個性的な『演劇部』に仮入部を果たしたのだ。
とりあえず言えることといえば、次回……いやその次あたりから本格的に物語を進めていくつもりです。
次回はテストの話でもするか……。
それでは次回もお楽しみに。