知らず知らずの内にUA2200越え、お気に入り31件、更に評価まで付いていたことに作者は驚きを隠せません。
どうもありがとうございます!これを励みにこれからも精進します!
それでは本編をどうぞ!
六課の隊舎に到着した俺とフェイトは予め待ち合わせをしていたなのはと共に、はやての待つ部隊長室へと赴き、はやてに挨拶をした。
いくら幼馴染で親友であったとしてもこの機動六課では上司と部下だ。最低限の礼儀はあって然るべきだろう。
その後、発足式が行われ機動六課全体に向けて、はやてから部隊長挨拶が行われた。
挨拶とは言ってもそこまで堅苦しくはなく、あくまで顔合わせのような簡単で短い挨拶だった。
はやての挨拶が終わるとその場で解散となり、皆それぞれの持ち場へそそくさと仕事を片付けに行った。
俺はと言うと今はフェイトとはやてが各陸士部隊にレリックやガジェットに関するプレゼンを行いに向かう為、その見送りにヘリポートに来ていた。
見送りというところから分かるように、今日はフェイトとは別行動だ。
本来なら俺もフェイトの執務官補佐として付き添ってはやてと三人で各陸士部隊にレリックに関してプレゼンを行う必要があるのだが、この六課でのなのはの教導の補助が俺の仕事になっている為、今回はこちらを優先させてもらった。
「それじゃあ、行ってくるね。」
「おう。まあ、チビ達は任せろ。なのはも怪我させるようなことはしないだろうがいちおう見ておいてやる。」
「うん。ありがとう。」
ヘリのプロペラが放つ騒音の中、俺達は互いに軽く言葉を交わす。
やはり自分の保護下にあるからかそれとも単純に子供に対して過保護なだけか、まあ確実に後者だろうが、フェイトは同じ分隊のメンバーであるエリオとキャロのことが心配なようだ。
確かにあの二人はまだまだ子供だが、普通の子供以上に色々経験してるし、何より本人達がやると言っている以上その意思を尊重してやるべきだろう。
「そろそろ出しやすよ、旦那!」
「おう! そんじゃ、はやてとリインも気をつけて。」
「ありがとうな〜。」
「行ってくるですよ〜!」
そうこうしている内に出発する時間になりヴァイスから声をかけられる。
俺ははやてとリインに一言声をかけて少し離れた位置でヘリの離陸を見送った。
◇
「すまん、遅れた。もう始めてたか。」
フェイト達を見送った俺は六課の訓練場に来ていた。
先述の通り、俺はなのはの訓練の補助をすることになっているからだ。
「あ、空さん。」
「ううん、今から始めようとしてたところだよ。」
小走りで駆けつけた俺になのはとシャーリー……シャリオ・フィニーニは微笑みまだ始まっていないことを伝える。
遅刻したのかしてないのかよく分からないが、まあいいだろう。
「それじゃあ、始める前にこれから教導の補助に着いてもらう人を紹介するね。」
「疾真空二等陸士だ。補助って言っても、シャーリーの代わりにデータ取ったり、訓練で使う物準備したりするくらいで大したことはしないけどな。」
「え? その内みんなの腕がもっと上がったら空くんにも模擬戦してもらう予定だけど?」
……は?
「……は?」
「うん。その反応は予測できた。」
「あのさぁ、なのは。……お前バカだろ。」
「空くんってたまに女の子相手でも結構酷いこと言うよね。」
なのはは女の子相手でもかなり
とは口には出さなかった。まだ死にたくないからだ。
「うるせぇ。俺は非戦闘員だぞ。だいたい……。」
だが、今はそんなことどうでも良かった。
俺は模擬戦なんてするつもりもない。
そもそも相手になる筈がない。
だって……。
「俺は魔法が使えないってことはお前も知ってるだろ。」
「「「「えっ?」」」」
俺の言葉に新人四人が声を上げる。
そういや会ったことない奴ばっかりだったな。エリオはこの前会ったけど。
「え、えっと……。」
「空さんって魔法使えないんですか?」
新人四人は動揺していたが、やがてエリオが全員の気持ちを代弁するように口を開いた。
むしろ、何故俺が戦えると思ったのか聞きたかったが、そこはきっとなのは達の幼馴染だからだろう。
「ああ、魔法はおろか魔力も使えない一般人だぜ。」
「わたし、空くんは自分のこと一般人って言っちゃダメだと思うんだ。」
なのはうるさい。
「とりあえず、俺のことはいいだろ! さっさと始めたらどうだ?」
((((誤魔化した。))))
(誤魔化しましたね。)
「誤魔化したね〜。」
「なのは最近俺に対してキツくね?」
ここ最近はいつもこんな感じだ。
具体的に言うと、フェイトが俺にやたらと迫ってくるようになってからだ。
「女の子の気持ちを理解してない人には当然のあつかいだよ。」
失礼な。理解はしているぞ。受け入れるとは言ってないが。
「まあ、空くんは魔法は使えないけど、それを抜きにしてもかなりの実力はあるよ。たぶん、わたしやフェイト隊長、ヴィータ副隊長やシグナム副隊長といい勝負できるんじゃないかな?」
「いやいやいやいや。拡張表現やめてくれませんかね。流石にお前ら四人とか、リミッター付いてたとしても無理だって。」
実際のところ無理である。
リミッターが付いてるとは言え、流石にAAA+とかSランクとかの魔導師相手に戦えるわけはない。
逆にそれ以下なら戦えるのかと言われれば当然否だが。
「そうかな? 」
「そうだよ。つか、そろそろ始めないと新人が置いてけぼりになってんぞ。」
なのはにジト目を向けて新人四人の方を指差す。
なのはがそちらに視線を移すと四人とも綺麗に口をポカンと開けているのが分かりクスリと笑った。
「じゃあ、挨拶はこのくらいにしてそろそろ始めよっか!」
なのはは手をポンと叩いて全員に移動するように指示を出し、全員準備を始めた。
◇
「……で、俺全く新人のデータ見てないんだけど、なのはから見てどうなの?」
訓練中、なのはが出す指示の合間を縫って、俺はなのはに問いかける。
ここのところ忙しく、フェイトから触りだけは聞いていたが自分で目を通してはいなかったのだ。
「そうだね。四人とも面白い子だよ。鍛え甲斐がありそう。」
「そうですね。みんないい動きしてますし。」
なのはとシャーリーは訓練中のスバル達に目を向けながら俺の問いに答える。
視線を移すとガジェットを追って走り回るスバルとエリオ、後方からそれを支援するティアナとキャロが見えた。
確かに、なのはが言うように筋はいい。
「あれをいい動きって言うのか? まだ拙いし、出会って間もないメンバーってところを考慮しても並の実力者以上、手練れ以下ってところじゃないか?」
「空さんはデタラメ超人ですから、そう見えるだけですよ。」
「やっぱり空くんみたいな人間やめました星人は他人を自分の尺度で測っちゃダメだと思うんだ。」
誠に遺憾である。
最近、フェイトと共通の知り合いからの風当たりが厳しくて地味に泣きそう。
どうあってもこいつらは俺を人外にしたて上げたいらしい。
だいたいなんだ人間やめました星人って。
そんなおかしな異星人は昔見たアニメのヤサイ人だけで十分だ。
「……わたしも空くんにちょっと聞きたいことがあるんだけどさ。」
俺がその場に四つん這いになって落ち込んでいると、なのはが声をかけてきた。
「なんだよ。」
「いやね。どうしてフェイトちゃんの告白を受け入れてあげないのかなーって。」
「あ、それわたしも気になります!」
なのはの疑問に端末を操作しながらシャーリーも同意見だと声を上げる。お前ら仕事しろよ。
「はぁ……。シグナムといいお前といい、なんでそう気にかけるかね。」
「親友だからだよ。」
「親友だからってその親友の恋愛事情はプライベートな問題に入るのでは?」
「そのプライベートな問題を良く相談されるんだよね〜。」
「……マジ?」
「マジだよ。結構頻繁に、ね。」
マジかよ。そんなに思い悩んでいたとは全く知らず、俺は知られざる事実に唖然として声が出なかった。
フェイトは俺の前ではいつもニコニコしてるし、迫ってくる時は結構グイグイ来るからそんなに悩んでいるわけはないと勝手に思い込んでいた。
「……。」
「まぁ、空くんにも複雑な事情があって悩んでるのは分かるよ。わたし達、もちろんフェイトちゃんもね。でも、それには及ばないかもしれないけど、フェイトちゃんも同じように悩んでるってことを知っておいて。今はそれでいいから。」
「……そんなこと聞いて、そう簡単に放っておけるかよ。」
俺の呟くように絞り出した言葉になのはクスリと笑う。
いったい何がおかしいのだろう。
俺が笑ったなのはに訝しげな表情を向けていると、それに気付いたのだろうなのはが口を開く。
「そうだなぁ。空くんはフェイトちゃんのことどう思ってる? 本人には言わないから正直に言っていいよ。」
「は? うーん、そうだなぁ。……美人で仕事もできるしっかり者の信頼できる上司。だけど、ふとした瞬間に見せる表情とかが可愛くてつい目で追っちゃう女の子。……かな?」
フェイトに言わないのなら、と俺は正直に思ったことを言う。
ここでただの友達とか言うつもりはない。
もしおふざけでも言おうものならきっと、目の前からピンク色の極太レーザーが飛んできて俺は塵も残らず完全消滅してしまうだろう。
((そこまで女の子として意識してるのになんで何もアプローチしないの? バカなのヘタレなの?))
今なのはとシャーリーが心の中で俺のことをバカにした気がするが、きっと気のせいだろう。
「そっか、良かった。ちゃんと一人の女の子として意識はしてるんだね。」
「まぁ……な。そりゃああんだけ告白されたら流石に意識するって。」
「じゃあ、その思ってることを空くんなりに少しずつフェイトちゃんに伝えてあげたらどうかな? フェイトちゃん自分は魅力が無いとかで結構相談して来るから、ちゃんと反応を示してあげればいいんだよ。」
なのはは俺に言い聞かせるように優しい笑みを浮かべながら言う。
なんて親友思いのいい奴なんだ。聖人か?
いや、聖人は他人に容赦ない砲撃はしないからきっと友達思いないい奴なだけだろう。
流石に聖人までは言い過ぎだ。
しかし、フェイトに俺の気持ちを伝えるねぇ……。
「無理だな。」
「即答!?」
「な、なんでなんですか?」
キッパリと答えた俺になのはとシャーリーは驚き、その理由を聞いてくる。
だって……。
「だって、自分の気持ちを伝えるとか……恥ずかし過ぎる……。」
「「ヘタレめ。」」
「うるせえ!」
なのは達は一瞬ポカンとした表情をしていたが、次の瞬間声を揃えて言葉を口に出す。
その後、これはもうダメだ。と諦めたように大きめの息を吐いてなのはとシャーリーは訓練の方に意識を向けた。
俺も暫く思考停止していたが、すぐに持ち直して新人四人の動きを目で追うことにした。
読了ありがとうございます。
この場でもう一度、お気に入り、評価などたくさん頂き誠にありがとうございます。
これからも精進しますのでどうぞよろしくお願いします。
さて、第二話です。
今回の話としては、オリ主がヘタレだと分かった。これに尽きますね。笑
前回シグナムとの会話でも出た通り、彼にも色々あるんですよ。そこらへんの事情はまた追々公開していきます。
感想など、随時お待ちしております。
それでは次回もよろしくお願いします。