ハイスクールD×D〜ドラゴンに転生しました!〜   作:瑠夏

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更新です。



第11話 特訓始めます!③

修行二日目。

 

二日目は、勉強会が開かれた。

天使、堕天使、悪魔のことについて勉強している。

俺は冥界にいた頃、グレイフィアさんに(無理やり)←ここ重要!覚えさせられたため、頭に入っている。

 

だけど、最近悪魔となったイッセーと、アーシアはわからないだろう。だから二人のために今、勉強会が行われている。

 

イッセーが四大魔王のレヴィアタンに絶対に会う!とか言ってたな。あいつの中のイメージと本物のレヴィアタンとは全然違うだろうな。会ったときが楽しみだ。

 

そうして、午前の勉強会が終わり、午後の修行へと移った。

 

 

午後の修行は昨日と同じで木場くんと子猫ちゃんの相手。木場くんとは剣で撃ち合い、小猫ちゃんとは格闘戦。イッセーは昨日と同じで姫島先輩に魔力の使い方や、筋トレをしていた。

 

その時のイッセーの顔が暗く、沈んでいたのが気になった。

 

 

 

夜。俺は喉が渇き、水を飲むためリビングへ向かった。その途中で、部長とイッセーが話し合っているのが聞こえた。

盗み聞きは良くないが、今日の午後からのイッセーの顔が沈んでいたのが気になりその場にとどまった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

おっす!本当に久しぶりの兵藤一誠です!

 

昨日から部長の別荘へ修行をしに来たが、修行をしていて俺が一番弱いってことがわかった。いや、わかっていたがこのままでは役立たずのまま終わってしまう!俺はそんなのは絶対にいやだ!俺は強くなって部長の役に立ちたい!

 

他のみんなは強くなってる。木場も子猫ちゃんも龍夜の修行で確実に強くなってる。アーシアは魔力の使い方に慣れはじめ、回復スピードも上がってきた。それに比べて俺は………自分が情けない!俺にはすげぇ神器を持ってんのにこれじゃ宝の持ち腐れだ!

 

俺は部屋を出て、キッチンの方へ足を向ける。台所で水を一杯飲むでいるとーーー

 

「あら?起きてたの?」

リビングから部長の声がした。見ればテーブルのところに部長がいた。

 

「ちょうど良かったわ。少しお話ししましょう」

部長の言葉にうなずいた。

 

俺はそこで、ライザーの今までのゲームの成績を聞き、絶句した。十戦して八勝二敗。しかもこの二敗は相手の家のことを考えてわざと負けたらしい。だから実質無敗。それにフェニックスは不死鳥。何度倒しても再生する。はっきり言って最強だ!無敵すぎる!

こんなの倒しようがない!

 

だが、フェニックスを倒す方法というのはあるらしい。それは圧倒的な力で押し通すか、起きるたびに何度も何度も倒して相手の精神を潰すか。この二つだけ。しかも前者の方は神クラスの力がないとできないらしい。後者はライザーの精神が尽きるまでこちらのスタミナを保つこと。体が再生できても心までは不死身じゃない。倒すたびに確実に相手の精神も疲弊する。これを繰り返し、ライザーの精神を削りきり勝つ。今回はそんな作戦らしい。

 

けど、神クラスって、確か龍夜は神クラスの実力者だよな?なら龍夜がいれば簡単に勝てるんじゃないか?俺は堪らず部長に聞いた。

 

「部長。神クラスなら龍夜がいるじゃないっすか。龍夜ならライザーなんてすぐ倒せるんじゃないですか?」

俺のこの問いに部長首を横に振る。

 

「グレイフィアから聞いたのだけど、今回龍夜は中級悪魔程度の力しか使ってはいけないの。だから龍夜じゃライザーを倒すことはできないわ」

 

俺はそのことに絶句する。だって、最後の希望の龍夜が力を使えないなんて最悪にも程がある。

 

「部長。部長は何でライザーのことを嫌っている……っいうか、今回の縁談を拒否してるんですか?」

 

俺の問いに部長は嘆息する。

 

部長は自分のことを『グレモリー』じゃなく、『リアス』として見て欲しい。『リアス』を見てくれる人と結ばれたい。家系じゃなく自分を見てくれる人。そんな人と結ばれるのが夢であり、ライザーを拒否する理由でもあるそうだ。

 

俺は乙女の心情も悪魔社会の構図もわからんから、うまいこと言えそうにないな……。

「俺は部長のこと、部長として好きですよ」

俺の言葉に目を丸くしている部長。

「グレモリーの家とか悪魔社会とか俺にはわかりません。でも、俺にとっては部長は部長であって………。うぬぬ、難しいことはわからないけどいつもの部長が一番です!」

俺がそう言い切ると、部長の顔が赤くなっていた。

 

「ぶ、部長。俺、変なこと言いました?」

部長は「な、なんでもないっ!」と慌てていた。なんだ?まあ、いいか。

 

それから部長の話を聞いていくうちに俺は自分の未熟さに挫けそうになった。

 

「部長。俺全然ダメです」

「イッセー?」

「修行して自分がどれ程未熟なのかわかりました。俺がたとえスゴい神器を持っていたとしても、俺が持ち主じゃ、意味がない。まさに宝の持ち腐れです」

 

俺は部長の前で涙を流した。悔しくて、自分が情けなくて、無様に俺は泣いた。

 

部長はすっと立ち上がり、俺の横へ移動した。

スッ。

 

部長は俺をやさしく抱き寄せた。何度も俺の頭を撫でてくれた。

 

「自信が欲しいのね。いいわ、あなたに自信をあげるわ。ただ、いまは少しでも休むこと、眠れるようになるまで私がそばにいるから」

 

部長の温もりが俺の心身を癒してくれる。

今はそれだけで十分だった。

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

「まさか、イッセーがあんな事を思ってたなんてな…………」

 

俺はイッセーと部長の話を聞き終えたあと、こっそりと部屋へ戻るのだった。

 

 

 

 

あ、水飲むの忘れてた……。

 

 

修行も順調に進み、ゲームまであと二日となった。俺はこの修行期間、木場くんと小猫ちゃんを鍛えた。はじめの頃に比べたらだいぶマシになっただろう。

 

そして今、目の前でイッセーと木場くんが、模擬戦を始めようとしている。

イッセーはブーステッド・ギアを発動させ、十秒ごとに力が倍になっていく。それを二分間し、部長がストップをかけ、

そしてーーーーー

 

「その状態で祐斗と手合わせしてちょうだい。ーーーでは………………始め!」

 

部長のあいずとともに、木場くんの姿が消える。騎士のスピードで接近し、木刀がイッセーへ迫る。イッセーは咄嗟の判断で腕をクロスし防ぐ。

 

「っ!」

 

その事実に木場くんは驚く様子を見せ、その隙にイッセーが拳を突き出す。だが、当たることなく、木場くんは距離を取っていた。

 

イッセーは木場くんを殴ろうと飛び込むが、木場くんは既にその場にはいない。イッセーは辺りを見回した。直後、木場くんがイッセーの背中に一撃いれる。

 

「いってぇ………!」

 

打たれた場所を抑えもせずすぐに殴りるがまたも空振り。

 

「イッセー!魔力の一撃を打ってみなさい!」

 

焦っているであろうイッセーに部長が指示を出す。

 

イッセーは部長の指示に従い、魔力を左手に集めた。集まった魔力は米粒程度。

 

「こんのおぉぉぉぉ!」

 

イッセーは米粒程度の魔力を打ち出す。速度のある魔力の塊が木場くんへ迫るが、それはあっさりと躱されてしまう。目標を失った魔力の塊は奥の山へ飛んでいきーーーー

 

ドッゴォォオオオオオオオオンッッ!!

 

刹那、凄まじい爆音が鳴り、山が吹っ飛んだ!

 

ほ〜。まさかイッセーがここまで力を上げてるなんてな。

 

「そこまでよ」

部長がイッセーと木場くんの手合わせをとめた。イッセーは自分が山を吹っ飛ばしたことを未だに信じられないようだ。

 

「祐斗、どうだった?」

「はい。最初の一撃で決めるつもりでしたので、防がれて驚きました。木刀を魔力で強化していたんですが、イッセーくんの体が硬すぎて大したダメージも与えられませんでした」

そう言った木場くんの木刀はすでに折れかけていた。

 

「それに、最後の一撃。あれは、上級悪魔クラスでした」

 

「イッセー。あなたはこの修業期間で随分強くなったわ。だから自信を持ちなさい。もうあなたは役立たずじゃない。あなたをバカにしたライザーに教えてあげましょう。相手がフェニックスだろうと関係ないわ。リアス・グレモリーの眷属がどれだけ強いか、思い知らせてやりましょう!」

 

『はい!』

 

部長の眷属が決意を新たに結束を深め、その後修行は順調に進み、無事に終わりを告げる。

 

 

そして、俺たちは決戦当日を迎えた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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