ハイスクールD×D〜ドラゴンに転生しました!〜   作:瑠夏

5 / 22
5話目です。


第5話 VS赤龍神帝グレートレッド!

俺の頭とグレートレッドの頭が激突したとき凄まじい激突音が次元の狭間に鳴り響いた。

やはり世界最強と肩を並べる存在だから、俺の風なんて関係なしに頭突きしてきやがった。あの赤白のドラゴンは近づくことすらできなかったこの風を!

 

一旦距離をとりブレスを吐いた。今回は相手が相手なので手加減する必要がない。

だが、俺のブレスはグレートレッドが吐いた炎によって相殺された。

 

まじかよ………アレを簡単に相殺するか普通!俺が放ったブレスはあの二匹に吐いたときよりも桁違いに威力は高いものだ。それをいとも簡単に……。

 

「なんだ?もう終わりか?なら、次はワシから行かせてもらう」

「ッ!?」

 

俺は一旦考え事をやめ、意識を相手に向けた。グレートレッドは俺にブレスを放ってきた。相殺しようとこちらもブレスを放つが……

「クッ!」

相殺出来なかった。勢いは失ったものの桁違いな威力に周りの風で守ったが余波が襲ってきた。

 

まずいな。根本的に力が違う。

今度は連続でブレスを放ってくる。その数、十四発。ブレス一つで苦労したのにこんなに撃たれたらまじで死ぬよっ!

 

十四発のブレスを同じ数のブレスで返したが威力に差があり十四発全て相殺出来なかった。

 

「グ………ッ!」

 

俺は体全体に嵐を起こし、全てのブレスをなんとか耐えきり、安堵した。だが、その一瞬の隙をグレートレッドは見逃さなかった。ブレスを防いだことで安堵したその隙、グレートレッドは俺との距離をなくし、ゼロ距離でブレスを放った。

 

「グッオオオオオオオ!」

俺の体からおびただしい量の血が噴き出した。

ブレスを受け、怯んだ俺へ、またもブレスを吐こうとしていた。まずいと思い、俺は次元の狭間から出た。

 

 

 

次元の狭間から出た俺は、まず誰もいない大きな自然に囲まれたとこへ移動した。俺とグレートレッドの戦いが冥界の真ん中でやれば冥界が滅ぶ。いや、冥界で戦う以上被害は尋常じゃなくなるだろうが、そこは許してもらいたい。

 

グレートレッドはすぐに追いついてきた。

「貴様はその程度なのか?だとしたら興ざめだな」

「ハァ、ハァ、興ざめってことは……ハァ、ハァ、興味を持ってくれていたわけか」

「言っただろう。興ざめだ、とな。今のお前に何の興味もない。今すぐ楽にしてやる。だから、もう諦めて楽になれ」

「ハッ!それは出来ないな。俺は絶対にお前に勝って、オーフィスに次元の狭間へ、帰ってもらう」

「何故貴様はオーフィスに構う。貴様は奴のなんだ?ただ知り合っただけであろう?なのになぜーーー」

「うるせぇ!あいつはこの半年近く一緒に暮らしてきた家族だ!大切な家族なんだっ!その家族が行きたい場所が、帰りたい場所があるって言ってんだっ!ならその手伝いをしてやるのが家族ってもんだろうが!だから俺はオーフィスのためにお前を倒すっ!!」

 

俺はそう言い大きく吠えた。

するとーーーーー

 

 

 

 

 

俺の体からの所々が赤く光り、いつも俺を覆っていた風も今は、大嵐のように荒れ狂っていた。それだけでなく空を見ると、雨は降り、雷は鳴り、グレートレッドすら呑み込むであろう大きな竜巻が五つ出ているなど、天候が荒れに荒れていた。

 

「ッ!?」

流石のグレートレッドもこの変化には驚いた。だが、今グレートレッドが驚いてることは他にあった。それは、この竜巻の威力だ。竜巻の出現により、山だらけだった地平が、全て無くなっていたのだ。いや、無くなっているのではなく竜巻に吸収されている。それに加え、赤龍神帝と呼ばれ、世界最強と肩を並べる自分が、この竜巻にそして、目の前の謎のドラゴンに押されているのだ。この自分が自由に飛ぶことが出来ないな。

そんなことを考えていたグレートレッドだが、目の前のドラゴンがこちらに言い放つ。

 

「行くぞ!グレートレッド!」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

冥界は今、窮地に立たされている。その原因は、次元の狭間から現れた二匹のドラゴンだ。片方は赤龍帝ドライグと白龍皇アルビオンを封じるときに突然現れた真っ白なドラゴン。そして、今では次元の狭間を永遠に飛び続け、世界最強と肩を並べる赤龍神帝グレートレッド。その二匹のドラゴンが争っているのだ。

 

グレートレッドは基本無害なドラゴンだ。それが、今では白色のドラゴンと争い、冥界を、いやこのままでは冥界はおろか、天界、人間界まで被害がいくだろう。下手をすれば、全世界が滅びてしまうかもしれない。そう思えるほど、二匹の激突は凄まじいものだった。それこそ、あの赤龍帝と白龍皇の二匹のが霞む程にっ!

 

今は、冥界全土に大きな結界を張っている。全土といっても冥界の中心部から一般の悪魔が住んでいる辺りまでの範囲だ。結界に覆われていないのは、山やら森やらの自然だけだ。そして、この結界を貼るのに、冥界の一般の悪魔を含めた全員が魔力を注いでいる。それは、上級、最上級悪魔、果ては、我々四大魔王全員も、魔力を注いでいる。だが、それでもこちらまで余波届き、所々結界にヒビが入っている。本当に規格外のたたかいをしている。

 

「サーゼクスよ」

サーゼクス。そう呼ばれた男は赤髪の長髪でいかにも魔王、といった風格を漂わせていた。

 

「なんだ?」

私が聞き返すと………。

「今日で冥界は終わりかもしれないな」

っと縁起でもないことを言ってきた。

「そうさせないために、我々まで出てきているのだろう」

 

四大魔王が動くことなど滅多にない。それほど今回の出来事は大き過ぎるのだ。

 

もう、今はすぐにこの争いが終わることを願うしかない。


▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。