私がフランドール・スカーレットになっていた件 (未完) 作:冷水
フランドール・スカーレット
==幻想郷:紅魔館にて==
地下に居る吸血鬼、悪魔の妹フランドール・スカーレットは呟いた。
最初、自ら地下に閉じこもっていたはずなのに、
孤独はフランドールの心を蝕んだ。
某ゲームで「孤独が7日目に呪いを生む」と言っていたが、
人間では無いフランドールは、495年を誰もいない地下で過ごした。
生まれてからのほとんどを、地下でしか生きていなかった。
そんなフランに、外へ出るなんていう選択肢は最初から与えられていなかった。
人間を見たことがなかった。
コップに入った血が、人間の血だということは知識として知っていた。
だけど、フランドールの元へ来るのは図書館にいる小悪魔か、門番の美鈴。
稀に姉レミリアが来るくらい。
吸血鬼は、長く食事をとらなくても死にはしない。
人間の血を採取すれば、半月は食事をしなくても生きていける。
姉のレミリアは、あまり血を好まない為に人間と同じ食事をしているそうだが、
フランドールにはそれは縁の無いことだった。
フランドールは吸血鬼だ。
金髪のサイドテール、赤い瞳、
宝石のように輝く翼、
口を開けば、控え目に犬歯が覗いている。
フランドールは、呟いた。
「消えてなくなってしまおうかな」
幻聴が聞こえる。
誰もいないのに、誰かの声が聞こえる。
フランドールは聡明だった。
それが異常な事だと理解していたが、
自分にはどうしようもできなかった。
人形が、動いてる幻覚を見た。
人形が、自分に話しかけてくる幻聴を聞いた。
フランドールは、己が壊れていくのを自覚していき、
怖くなり、手当り次第にものを壊したり、
自分自身を斬り裂いたりした。
でも、死なない。
吸血鬼は強い生き物だ。
日光という、天然の牢獄こそあれ、
強い不死性から、不死者の王という名がつけられるように。
強い肉体から、猛獣さえもひれ伏すように。
フランドールは鏡の前に立った。
そして自分自身を見る。
背後には幻覚が見えて、今は人間に退治されてしまった父の幻影が見える。
フランドールは、己の『瞳』で自分自身の焦点を探す。
それは、フランドールの「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」を使うときのように。
「もう、疲れちゃった」
鏡を通して見つけたのは、自分の「心」だった。
心が壊れれば、もう何も考えなくてすむかもしれない。
そして、手のひらを鏡に向けてかざし始める。
きゅっとして、
ドカーン。
その日、赤い霧の異変を起こすレミリア・スカーレットとその仲間たちがいた。
博麗の巫女や、霧雨魔理沙といった人物が、異変解決に赴いていた。
だが、誰も気づくことはなかった。
フランドールの心が、この世界で壊れてしまったことに。
壊れた心に、幻想郷の外から同じように空しさを抱えた心が迷い込んだ。
それは、外界の青年の心。
孤独を抱え、事故死してしまった青年の心。
壊れた心を持つ者と、壊れた肉体を持つ魂は惹かれあった。
そしてフランドールの中へ、人知れず入りこんでいく。
==独自設定==
吸血鬼は、鏡に映ります。
本来は、映らないという定説がありますが、
私には、なんで映らないのか、理解できません。
なので、映ります!映りますよ! (大切なことなので2回言いました)
==セリフ出典==
「孤独は7日目に呪いを生む」
---出典:ベルとお菓子の家
==作者のつぶやき==
最近の作者は、プロットを作って、しっかり物語を書く練習をしております。
今まで、短編(400字原稿用紙70枚程度)しか書いてなかったので、適当でも良かったのですが、
別サイトにて長編を書いていて、不都合が出てきました。
なので、練習という意味も含め、しっかりと手順を踏んで書こうと思います。
この作品が、皆様の暇つぶしになれば、作者としては幸いです。