私がフランドール・スカーレットになっていた件 (未完) 作:冷水
吸血鬼レミリア・スカーレットは、頭を抱えていた。
それは宴会の翌日、皆が紅魔館へ帰宅した後のことだった。
==紅魔館 入り口==
遡ること、数時間前。
レミリア達が紅魔館に戻った後のことだった。
レミリアが門をくぐると、そこはいつもとは違う何か違和感のようなものがあった。
しばし、レミリアは違和感の正体を探るが咄嗟には出てこない。
意見を求めようと友人である魔法使いパチュリーの方を見ると、彼女は険しい表情をしていた。
「フランがいないわ」
「っ・・・・!」
パチュリーが口にし、その意味をレミリアが理解した時、
日傘が落ちるのも構わずに、レミリアは地下室へ急いだ。
その後を美鈴が追いかけていく。
その様子を、十六夜咲夜だけは戸惑いながら見ていた。
自らの主がそれほど慌てる様子というのを、初めて見た気がする。
咲夜だけは”フラン”という人物を聞いたことも無ければ、
実際に会った事もない。
主達が向かう”地下室”の存在は知っていたが、
レミリアからは”人間の立ち入ってはならない場所”と聞いていたし、
パチュリーからは「知る必要はない」と言われていた。
一介の従者が、主人が秘密とすることを詮索する訳にもいかない。
フランドールを知らない咲夜だけは、
状況を理解しきれず戸惑うばかりだった。
==紅魔館の室内にて==
そこには紅魔館の主要メンバーが集まっていた。
紅魔館の主レミリア・スカーレットを始めとした、
パチュリー・ノーレッジ、紅美鈴など紅魔館でも古参メンバーが2人。
末席にはメイド長、十六夜咲夜を始めとした従者達。
参加しているのは、十六夜咲夜と、妖精メイドの筆頭が1名、
パチュリーの従者として小悪魔の代表も参加している。
「紅魔館にとって、大変よろしくない事態が発生した」
重苦しい雰囲気が漂う室内にて、レミリアが口を開いた。
「知らない者もいるから、最初から説明する」
レミリアは、まずは自らに妹がいることを話す。
名をフランドール・スカーレット。
外見の特徴としては、金髪で七色に輝く翼を持つ吸血鬼、
レミリアと同じくらいの身長であることを説明する。
「私の妹が、紅魔館から消えた」
普通の身内だったなら、別に屋敷から外出しただけでそれほど騒ぎにはしない。
しかし「ありとあらゆるものを破壊する程度の能力」を持ち、
一度、情緒不安定で暴れだすとレミリアでさえ手が着けられなくなることを説明する。
生まれてからほとんどを地下で過ごし、地上での常識を知らないことも付け加える。
ゆえに、最悪の事態に至る可能性があると言う。
「フランドールは、幻想郷で人間を襲い、暴れまわる可能性がある」
幻想郷入りするにあたり、レミリアと八雲紫との間には密談があった。
それをこの場で口に出すことは無いが、咲夜を含め一部の者たちはそれを知っている。
妖怪は完全に忘れ去れると力が弱くなる。
だから異変を起こす。
しかしながら、紅魔館は十分な宣伝が終了した。
それ以上は、お互いにとっても害としかならない。
もし、幻想郷の人間に大きな災害が訪れたとなれば、
幻想郷の管理者として博麗の巫女、そして最強の一角である八雲紫が黙ってはいない。
「フランドールが問題を起こす前に、なんとしても捕まえなければならない」
==作者のつぶやき==
作者、帰宅後に寝てました。
最近、睡眠リズムが崩壊気味です。
本当はもう少し早く、更新する予定だったんです・・・許してください・・・。
さて、物語の方は、第一章もレミリア達がフランドールの消失を認知し、いよいよという感じに。
もうちょっと、雰囲気というか、”重苦しさ”を表現したかったのですが、
今回の話で、それをお伝えすることが、私はできたのでしょうか。
言葉足らずな所がありますが、これにて咲夜達が動き始めます。
最悪、殺しても・・・とか、セリフを入れようかとも迷ったのですが・・・、
レミリアさん、これでもフランドールの事を想っているという(作者独自の)裏設定を考えると、言えなかったな・・・。
私にも兄弟がいますがね、レミリア視点でも、妹を殺せなんて、姉が言えるわけない。